あの「ドラキュラ紀元」「ドラキュラ戦記」につづく第三作目です。
第一作に出てきた主人公が100年を越える人生を終えて亡くなろうとしている時代、
20世紀に舞台は移ります。
前の2作と異なり、史実をモチーフにはしていないのですが、かわりにかの英国スパイ、某ボンドが出てきます。
そして、そこそこに活躍をする。
それ以上に、ジュヌビエーヴという名の少女ヴァンパイアが出ずっぱりでして、なんとなく
作者の愛を感じたりもしました。
真の主人公であるドラキュラがいつまでたっても出てこないので、どうしたのかと
思っていると思いがけない展開が待ち受けています。
さすがにびっくりしました。
ヴァン・ヘルシングがドラキュラに負けて、ヴァンパイア達が世界に蔓延している、という設定の
一種の架空歴史となります。
くせもあるので受け付けられない人もいるでしょうし、万人にお勧めはできないとは思うのですがね。
タイトルが完全なネタバレではありますが、その様はすごいし、世界の反応も意外といえば意外。
いや、それよりも「ドラキュラのチャチャチャ」という章タイトルはなんとかしてほしかったですね。
読むたびに「おもちゃのちゃちゃちゃ」が頭の中をぐるぐる回って(苦笑)
書名 | 著者 | ISBN | 値段 | 出版社 | 初版 | 装丁 |
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ドラキュラ崩御 | キム・ニューマン | 4-488-57603-6 | \1100 | 創元推理文庫/東京創元社 | 2002/01/25 | 文庫 |