キンダリオと呼ばれてる種族、われわれ人間並みの知性をもち、世襲性の国王に支配されつつも、
宗教の影響を多大にうけている恐竜たちの世界。
その世界にうまれたガリレオ少年の話。
その恐竜ガリレオ少年が自分の立っている大地が動く星である、という事を発見し、
地球でいう地動説を唱え、それ故に迫害され、なおも立ち向かう、という話です。
さすがにソウヤーだ、と思ったのはキンダリオの生態だとか知性と本能の
せめぎあいなどを丁寧に書いてある所でしょうか。
あと、ソウヤーの作品にはいくつかみられる傾向だと思うのですが、
議論や思考実験により主人公の思考を整え、読者にそれをみせて物語を進める点。
特に恐竜ガリレオ少年の地動説発見に至る思考実験は読んでてなかなか面白かったもんです。
文系人間である自分がこの手の思考実験を読んで「面白い」とおもえる作品はそう出会えないもので。
作品そのものはソウヤーの作品の中でも古いものになります。出版もずいぶん前の話だし。
最近、ハヤカワが古い作品の重版をたくさんだすようになって入手できたもののひとつ。
とりあえず、「卵ぼうず」は基本かな、と。
書名 | 著者 | ISBN | 値段 | 出版社 | 初版 | 装丁 |
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占星師アフサンの遠見鏡 | ロバート・J・ソウヤー | 4-15-011053-0 | \720 | ハヤカワ文庫/早川書房 | 1994/03/31 | 文庫 |