今月の一品
1999年9月の一品です。一品といいつつ2品ありますな。ネタばれに注意!
Index
- 野尻 抱介著「私と月につきあって」
- 新木 伸著「星くず英雄伝 〜ファニージュエルふたたび〜」
私と月につきあって
SFオンライン誌上で「笹本裕一に並ぶ日本で純粋な宇宙への憧憬を書けるSF作家」てなかんじで紹介された野尻抱介の作品です。
富士見ファンタジアで氏の書いている2つのシリーズの片割れなんですが、こちらは非常に発刊ペースが遅かったりします。
この作品は「ロケットガール」から続く一連の読み切りシリーズの3作目となります。
「ロケットガール」についてはこちら(苦笑)
なにはともあれ、ほとんど現代と変わらない時代、SFギミックとしては非常に薄い、動きやすくて丈夫な宇宙服、
ぐらいなものでその他の技術は現代と変わらない時代で宇宙飛行士に「なってしまった」女子高生たちの話です。
前作までは衛星軌道上までだったのですが、今回、ついに月までいってしまいました。
よくあるSFと違って宇宙旅行やロケットの打ち上げについては非常にリアル。
(というか、リアルっぽい、ですな。実際の打ち上げを私は知らない・・・)
が。
不満といえば、周囲の大人達の対応。
月へいく、というプロジェクトの最中、次々とトラブルが発生し、欠員が出て(そもそもギリギリの人数だったらしい)
本来はヘルパーだった主人たちが月面着陸までしてしまう、という話です。
おそらくは、話的に主人公たちを月までつれていくために、トラブルを多発させて欠員を出すような形にしたんでしょうが。
企業レベルのプロジェクトで予備員がいないって、なに、それ?(苦笑)
いや、宇宙飛行士たちの特殊性を鑑みてそれはヨシとしましょう。しかし、それでも・・・。
おめーら、危機管理能力ゼロじゃん。
とおもってしまうのは、さらりまんの悲しい性なのでしょうか(苦笑)
話は、だからこそ面白かったです。ハイ。
書名 | 著者 | ISBN | 値段 | 出版社 | 初版 | 装丁 |
私と月につきあって | 野尻 抱介 | 4-8291-2896-8 | \580 | 富士見ファンタジア文庫/富士見書房 | 1999/8/25 | 文庫 |
星くず英雄伝〜ファニージュエルふたたび〜
これは・・・・ここにだしてよいものだろうか?(苦笑)
いや、話は気に入ったんですよ。あいかわらずのすちゃらかで、御都合主義的で。
でも、これ、文庫ではありません。単行本でもない。
連載なんです。ただし、読み切り、かつ、文庫一冊分の分量ほどある。
「電撃hp」という季刊誌があります。これに連載されてたもの。この雑誌自体は電撃文庫(というか、メディアワークス)の
Homepageとのリンクをとったもの、とされているものです。
最近の電撃文庫ってのは、私のお気に入りが多かったりするのですが、さすがにこの雑誌までは購入していませんでした。
が、今回ついに。
で、文庫になったらなったで買うんだよな。多分。(笑うしかない)
話ですが、第二部に入ってもテンションは落ちてません。初期のレンズ・・・
もとい、ヒーローとしての力をうまく使えない、と同等の(喪失しきってるので、それよか悪いか)状態で
様々な障害を切り抜けています。まぁ、ちとお遊びがすぎるかな、と。
とはいえ、第一部で終わるはずのものを、読者の要望で伸ばしたりすると失敗することもままあるので、
それを考えれば健闘しているほうではないでしょうか。
サブタイトルに「ファニージュエル」とあるんですが、これ、記憶にない。さすがに気に入った
本とはいえ、覚えていなかった(苦笑)
読んでみたら「ああ、そんな設定もあったな。」とおもいだしたんですが。
今回のお話は以前やってのけた時間旅行の結果をある意味うまく使ったもの、といえるでしょうか。
上で出したHomepageのアドレスは以下。
http://www.mediaworks.co.jp/users_s/d_hp/
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