だんだんと佳境を迎える「ハズ」のシリーズ。
後ろが決まっているだけに作者がどう料理していくか楽しみでもあります。
とはいえ、道中記なので、どうとでもできるといえばできるのでしょうけど。
神託により、「世界を毒する存在」として抹消されたはずの王家の姫君、廃棄王女。
実は生きていた彼女と、彼女の「守護者」となった義姉兄たちの物語。
今回は、追われる身でありながら捨て子を拾ってしまった彼らのどたばた劇が描かれています。
特に主人公である廃棄王女と守護者たちの関係が「家族ごっこ」であり、それをまさしく反映した形での今回の子育て記。
義理の姉兄妹として育てられた彼らの結びつきの強まった話・・・・・・だったのかなぁ?(苦笑)
何か違うような気がしないでもない。
今回の話は月刊誌ドラゴンマガジンに連載されたものに加筆したもので、
とはいえ、連載ははるか先を行っていてこの頃の話なんてのは忘れているのですが。
冒頭に姉兄妹の幼い頃の話が序章としてあり、人生達観したような兄も幼い頃はちゃんと嫉妬とかもしたんだな。
と人間らしさを垣間見せてくれました。
この作者は時折妙な説教くささを見せることがあって、多少引いてしまう部分もあるのですが、
今回は引いてしまうこともなく、ある意味安心して読めたものです。
最後のオチの付け方はよかった。
確かに伏線はなかったけれども、逆にそれが伏線となっているというあまり類を見ないパターンでした。
いわれてみれば確かにそんな描写はなかったな。という奴です。
書名 | 著者 | ISBN | 値段 | 出版社 | 初版 | 装丁 |
---|---|---|---|---|---|---|
スクラップド・プリンセス7 通りすがりの子守歌 | 榊 一郎 | 4-8291-1324-3 | \520 | 富士見ファンタジア文庫/富士見書房 | 2001/01/25 | 文庫 |