タイトル主人公がここまで狂言廻しにしかなっていない、という作品も珍しいのではないでしょうか。
少なくとも、いわゆる「ライトノベル」の範疇内では。
類似した作品というと、和製悪魔の辞典ともいえる「キノの旅」シリーズでしょうか。
作品傾向として最近のブギーポップは若者の苦悩というか、青春というか、
年をとってしまったらなくなった「なにか」を表現しようとしているような気がします。
誉めすぎ?
逆に、主役を若者にし、狂言廻しとしてブギーを配置した事で初期に感じられた
変身ヒーローのテイストが失われたのは、少し残念な所です。
この作者の作品は、実のところ意外なほど御都合主義に見えるところがあって、
今回も「死神を利用する」というキーワードに関して「使い方もわからないものをどうやって利用するのか」という
部分をキレイにすっとばして事件を解決していたります。
初期の頃に変身ヒーローテイストの残っていた頃であればそれでもかまわなかったのですが、
ブギーが狂言廻しと化した今では、やや鼻につくところではあったりします。
いや、変身ヒーローであれば許されるのに、というご都合が多いせいで。
-- なぜか事件のある所にベストにタイミングで現れたり、謎を知っていたりとか --
問題はあとひとつ。
過去の作品に出てきた登場人物がここ最近になって再登場を頻繁にしてます。
覚えてるわけもなく、新刊が出る度に過去のシリーズを読破しろ、とでも?
無茶だよ。
書名 | 著者 | ISBN | 値段 | 出版社 | 初版 | 装丁 |
---|---|---|---|---|---|---|
ブギーポップ・アンバランス ホーリィ & ゴースト | 上遠野 浩平 | 4-8402-1896-X | \550 | 電撃文庫/メディアワークス | 2000/9/25 | 文庫 |