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悪役不在の短編集
'03/07/14(月) 00:02:06
蒸しますね〜。梅雨はいつあけるのでしょう。暑かったり、寒かったり、なんとなく、疲れやすいです。
ウォレスとグルミットの最新作「ウォレスとグルミットのおすすめ生活」をみました。二分×十本の短編集で、一本はたいそう短いのですが、やっぱりおもしろ〜い。ウォレスの発明する道具はよりばかばかしく破壊的になってますし、グルミットはそんなものばかりつくるウォレスにより寛容になっていて涙をさそいます。制作スタッフはふえたみたいだけど、手作り感覚はかわらないです。それにしても、ドキュメントフィルムにうつるニック・パークがすっりおじさんになってしまったのに軽い衝撃をうけました。
この短編をはずみにしてまた長編をつくりたいと言っている映像が特典ではいっていましたが、ぜひそうしていただきたいです。「ペンギンに気をつけろ!」シリーズ、ペンギン逆襲篇がみたいな〜。
>かつさん。タトゥー、一気に知名度をあげて帰っていきましたね〜。銀座で遭遇したかったなあ。かあいいヴィデオクリップ欲しさにデラックス版を買ってしまいました(暴走機関車みたいなのがイイ)☆
Name:
みいちゃん
Mail:
bluetonic@geocities.co.jp
[7379]
そして今年も半分が過ぎ
'03/06/29(日) 23:31:02
蒸し暑かったり涼しかったりはっきりしませんね。少々喉が痛かったりしますがなんとか過ごしています。ちなみにタトゥのTVドタキャン&イベント中止にショックは受けていませんよ。念のため。←?
東急文化会館の閉館イベントには行きませんでした。『ラストショー』にはちょっと心惹かれたんですけどね。『ロレンス』は激混みだったようです。最近松竹系洋画のほとんどを銀座か川崎で観ているくせに「無くなるのは寂しい」とか言うのもちょっと嘘臭いなーって思って。それぞれの映画館での僕の最後の映画は、パンテオンが『メン・イン・ブラック2』、渋谷東急が『少林サッカー』、渋谷東急2が『ALI』、渋谷東急3が『アレックス』でした。よりによってパンテオンの最後がMIB2てところが僕らしいというかなんというか…
さて、タイトルのところにも書きましたが今年ももう折り返しです。はやいですね。ということで上半期個人的に良かったなぁって映画を列記。
『めぐりあう時間たち』『トーク・トゥ・ハー』『抱擁』『24アワー・パーティ・ピープル』『ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔』『人生は、時々晴れ』『ヘヴン』『歓楽通り』『シティ・オブ・ゴッド』『あずみ』
一応ことわっておくと『ボウリング・フォー・コロンバイン』『戦場のピアニスト』『シカゴ』は観ました。その上で選外にしてます。『トーク・トゥ・ハー』は一位にしてもいいと思ったのですが、昨日観たばっかりだから印象が強いのかもしれないのでとりああえず二位に。すべての要素が完璧なバランスで配置され、隙もなかったけど面白くもなかった『うちのおかんのすべて』からアルモドバルのアートはさらに一段階上に到達したようです。これだけの作品におすぎの「100年分の涙を流したのははじめてです」CMはいらないと思うんだけどなぁ。
『めぐりあう時間たち』は一見完璧な構成なのですが観客がいろいろ自分で調べたこと・知っていることを書きこむことのできる余白だらけなところが素晴らしいです。このジュリアン・ムーア編を膨らませたのがトッド・ヘインズの『エデンより彼方に』だということもできるかな、という気もします。
『人生は、時々晴れ』はあいかわらずマイク・リーらしい作品で、梅雨の晴れ間に観るにはまったくふさわしくありません。日本タイトルにも偽りありで、時々晴れどころか曇りっぱなしor雨降りっぱなし。でもこういう厳しくて怖いおっさんも世の中にはいなくてはね。
『シティ・オブ・ゴッド』ではじめて六本木ヒルズのヴァージンシネマにいきました。なんでしょうあの滝イメージのオブジェは。館内の湿度がうっすら高くなってるっつーの。5番スクリーンしか観てないのに言うのもなんなんですが、あの青い発光ダイオードだか電球だかはセンス無さすぎ。てかダサダサ。椅子もチネチッタに大きく負けてるし。結構期待していたのでガッカリです。あと客層も六本人気取りのスカした連中ばっかで嫌。奴らの4分の3はシネヴィヴァンで映画を観たこと無いね、絶対。そのくせ今度やるジャック・タチ特集はありがたがって観にきたり、上半期のベストテンを聞いたりしたら「今年ってユーロでトリュフォーばっか観てた記憶しかないなぁ」とか得意気に答えたりするに違いないのだ。あー嫌だ嫌だ。
六本木ヒルズ自体は思っていた以上になかなかいいと思いました。今はオープンしたばっかりで全国から多くの人々がやってきちゃってますけど、基本的には人を選ぶところなんじゃないかと思います。何年かしたら落ち着いたいい感じの場所になるのではないでしょうか。
>『少年カフカ』
僕は『海辺のカフカ』をまだ読んでいないので(大汗)、本屋さんでパラパラっと見ただけなんですが、いやまずそのデザインにビックリ。そういう意味で「少年」って付いてたのか!と。それにあの情報量の多さにも驚きます。というか村上春樹の仕事量も半端ではないですね。
「へルター・スケルター」もよさそうですね。「ショコラ」を読んでる場合じゃないな。
Name:
かつ
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katsu@jc4.so-net.ne.jp
[7378]
湿度90%の日々
'03/06/16(月) 02:28:27
梅雨ですねえ。すごい湿度です。先日かわいい日傘を買ったのですが、それは晴雨両用でないから当分先につかうことになりそう。
>かつさん。骨の髄までありきたり>それはすごい台詞だなあ。八十年代の山田太一脚本って、やっぱりすごかったんだ。自分のことを特別ななにかだと思って自分探しをしちゃっている若者には、いまでも一番有効だろうな。NHK『日本の面影』ももう一回みたいです。檀ふみさんはこの作品のなかで理想の結婚をしてしまったので(『日本の面影』はラフカディオ・ハーンとセツ夫人の物語)それがあとあとに影響を残した、となにかでお話になっておられました。
ジミーさんのイベント>うおおお、山野で拝めましたか。私は荷物がふえそうだったのと、買ったばかりのレディオ・ヘッドとの食い合わせが悪そうだったので、まだディスクを買ってすらいません。DVDのほうがたのしみ〜。
レバンテ周辺>あ、それではシネラセットもかなあ。
>ぱとさん。トムの子守歌>うわ〜。はやく眠らないと、とんでもないことになりそうでいやですう。
女と操り人形>生田耕作の名訳復活ですね。あれって、装幀の帯の下で訳者の名前が完全に埋没しているのがちょっと問題。先ごろついにブニュエルの「哀しみのトリスターナ」がDVD化されたので、「あいまい」も見直したいです。ブニュエルくらいになると、涙ぐみながらも、女の子のガードルと格闘していること自体が幸福なのかな、なんて思ってあげたりして。
岡崎京子の「へルター・スケルター」がついに単行本になったんで買って一気によんだんですが・・・これはすごいです。全身整形してスーパーモデルになった女の子の栄光と転落、そして肉体と精神の崩壊をドキュメンタリータッチで描くというのがきわどくも哀切、いや、壮絶なコミック。作中に「サンセット大通り」がでてきてうなずいてしまいますが、私が想起したのは「スーパー・モデルズ・キャットウォーク」かなあ。そのなかに「あの子はだれだい、あの子はいいね、あの子ににたあの若い子はだれだい」っていうのがありまして・・・。ティプトリー・ジュニアのなんか似たような小説も思い出しだしたし、ヒロインが崩壊していくとこはちょっと「ベティ・ブルー」なんかもはいっているかなと思いましたが。あとは怖くて「洗礼」か? とにかく、この傑作をなんとか出版にこぎつけたスタッフに感謝したいです。
Name:
みいちゃん
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bluetonic@geocities.co.jp
[7377]
Hail to the Director.
'03/06/15(日) 17:14:18
こんにちは。ここ数日の雨で雑草がのびました。
RADIOHEADの新譜、私が予約したのは輸入盤の限定のほうで、折込まれている「とうぞくのちず」がじゃまで切り離したい(切っちゃいかん)くらいです。CDを聴いている間はパッケージがへなへな。湿気の多い日本には不向きでした……
ずんどこしているのに重くない不思議な'There There'はビデオでのトム・ヨークの小悪党ぶりを楽しめましたがコミカルなのは映像だけ、もし自分が眠くなっても絶対この人の子守唄だけは勘弁してもらいたい。妙な夢見そうですよね〜。
お話かわってルイス・ブニュエルの遺作『欲望のあいまいな対象』の原作であるピエール・ルイスの「女と操り人形」を読みました。映画では舞台を現代に設定していますが19世紀の小説だったとはね。通いつめ、金品で手なずけようやく落としたと思った女の子はきついガードル(原作では貞操帯)で鉄壁の守り、でつい涙ぐんでしまう男を演じるフェルナンド・レイがうまいったら!
そういう初老の男を滑稽に撮った監督、70代。最後の●に○まったレースを繕う場面は原作にないオリジナルでした。最後の最後までいじわるな監督・脚本家コンビに万歳。
Name:
ぱと
Mail:
partridg@mte.biglobe.ne.jp
[7375]
脚本家
'03/06/14(土) 20:03:24
ここしばらくハイテク機器の購入から遠ざかっていたのですが、衝動的にスカパー対応チャンネルサーバーなるものを買いました。ミキティ、あやや等、音楽系チャンネルの番組を相当見逃しているので思い切りました。昨日は早速上戸彩ちゃんのライブを録画してくれたようです。
そんなアイドル大好きな自分とは別の人格がCSの山田太一特集を楽しんでいます。ラインナップに日本TVドラマ史上に残る名台詞「お前ら骨の髄までありきたりだ!」を生んだ傑作『早春スケッチブック』や山田氏が時代とシンクロできていた最後の作品『深夜にようこそ』が入っていないのが残念。ま、『早春』はフジなんでしかたないですけど。つーか再放送かDVD化してくれ!>フジテレビ
『岸辺』や『ふぞろい2』はやはり傑作で面白いのですが、今回放送の中で最高なのは『高原へいらっしゃい』でしょう。小室等の主題歌と小海線のタイトルバックだけで感涙っすー。田宮二郎も若々しく、そして軽い。素晴らしすぎる。『白い巨塔』の彼よりも僕は好きかも。そして可愛すぎるぞ、由美かおる!吟もイサオも益田喜頓も谷栄婆さんも常田富士夫も最高だ。が、しかーし!なんとこれ、リメイクされて7月から放映されるらしいです。山田氏は原案ということでクレジットされてますがおそらく無関係に等しいものでしょう。配役も佐藤浩市、西村雅彦、井川遥、堀内健、市川実和子、竹脇無我だって。誰が喜頓の役をやんだよ!とツッコミたいです。秋の『白い巨塔』リメイクもどうなることやら…(キムタクとか織田が主演ってのだけは勘弁して)
あ、それからジミーさんのイベントにも行きました。今後数年のくじ運をすべて使い果たしたかもしれません。うちの職場周辺の怪しいお店をうろうろしてた方がよっぽど間近で遭遇できるらしいですが、まあそれはそれで。まあなんというか場所が山野楽器ってこと以外は普通のインストアイベントでしたね。どうせならロバートさんを呼んで毒吐きまくってくれたほうが面白かったかもしれません。
それにしても『ローマの休日』はリバイバルが決定しているから無理として、『アラバマ物語』すらも放送しないTV局っていったいなんなんでしょう。ひょっとしてポール・ニューマンがそうなっても『スティング』も『ハスラー』も『暴力脱獄』も放送しないのかな?はあぁ…
六本木ヒルズといえば、その盛況ぶりからか有楽町再開発計画が再び動き出したようで、レバンテ周辺のごちゃっとしたとこをぶっ壊して丸井とかオフィスビルを建てるんですと。なんか東京のいたるところが地方出身の頭のいい人たちによる「提案」によって小綺麗にされちゃってつまらんです。五反田にはぜひ最後まで抵抗して欲しいものです。
Name:
かつ
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katsu@jc4.so-net.ne.jp
[7374]
入梅ですね。新譜新刊
'03/06/13(金) 02:52:58
RADIOHEADの新譜ききました(例によってCCCDだから私のMacでは一曲目冒頭が聴けないんだけどさ。ムカ☆)。あいかわらず、世の中にひどく怒っているのでもなく、徹底的に絶望しているのでもなく。不正を具体的に告発するのでもなければ、悲劇に対して達観するでもなし。でも、世界がおかしい、どことなくだめになってきているだろう? なんてなことをあのむせびなくようなトム・ヨークの声で歌われるともう、なんか二十一世紀だなあ、って思ってしまいます(なんか意味不明)。どうしようもない不安、かかえようもない不安、それを音で表現できてしまうこのバンド、かけねなしにすごいと思います。映画でも、小説でも、まだこの二十一世紀がかかえる不安をうまくあらわせないでいるのに、それができているってかんじがするから。生とか、死とか、まして性とか暴力とかを具体的に描くことなく現代の空気をとらえているって、音楽の特権かな。
『海辺のカフカ』のなかで、登場人物のひとりがその昔つくってヒットした歌というのがでてきて、それがこんなふうないい曲なんですってなくだりがあるんですが。しかも「その曲」が全編をつうじての「テーマ」になっていたりもするんで、よんでいて「はあ?」・・・。が、しかし。今回発売された『少年カフカ』にはまいりました。まさか「あんな本」になるとは思ってもいなかったものですから。店頭で探してみてくださいね。こりゃまいった、です。
Name:
みいちゃん
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bluetonic@geocities.co.jp
[7373]
中華料理と愛のバレエ三題
'03/06/02(月) 02:22:05
五月に台風がきて、おどろきの週末でした。上陸するや、すぐに温帯低気圧になったものの、ヨコハマまでバレエをみにいくのでどきどきでした・・・。首都圏の交通機関は雨風に弱いですから。
ローマさん>午前中に豪雨が降ったこととSA○Sの影響で、土曜の中華街はガラ空きでした。いつも並ばせることで有名なあの店も、あの店も! 並ばないではいれます。変な噂は気にしない、というむきは、ぜひこの機会にいくべきですよねっ。
シルヴィ・ギエムプロデュース「愛のバレエ」、堪能してまいりました。正直、席が二階でやや遠目だったので、薄暗いなかで緻密な表現がなされる「三人姉妹」はしんどかったたなあ。年上の質朴な夫と、軍人の恋人とのあいだでゆれうごく人妻マーシャというキャラクターは、きっぱりした性格のシルヴィにはあわない気がしたなあ。そもそも、どんな家庭の事情があろうとも、キライになったら「ノン」といいだしそうだし(この場合、ニエットですか☆)。将校が去ったあと、つかの間の官能的な日々が過ぎ去り、とりのこされうちひしがれるマーシャをなぐさめるやさしい夫(アントニー・ダウエル元芸術監督、絶品)の顔をみて、おもいっきりいやそ〜な顔をしてしまったシルヴィの演技は、ちょっとおもむきに欠け・・・場内から忍び笑いがもれてしまったほど。マーシャは分別からだけでなく、少しは夫を愛しているとおもうのだけど。将校役のムッルくんも、「若くてハンサム」すぎましたね。シルヴィとムッルくんが華やかに踊ると、人妻とと妻子もちの軍人とのつかの間の逢瀬、という憂いをおびた場面のハズが、魅力的な人妻と若くてハンサムな将校の火遊びにみえてしまうのね〜。お相手のかわる東京公演に期待です。
首藤くんホセ、斉藤さんカルメンの「カルメン」は絶品でした。東バの十八番ですが、今回はさらに磨きがかかって。斉藤さんのカルメンは小悪魔的というよりはややエレガント。悪女、というより、カルメンが自分の魅力で男たちをハンティングするのは、彼女の境遇からすれば必然、それが彼女のプライドなのだ、といったカルメンでした。でも、カルメンって、本来、十代くらいですよねえ。それが、ベテラン斉藤さんのカルメンに比して首藤くんが以前にもまして初なキャラクターになっているので、「手練れ年上カルメン」と「ぼうやなホセ」という新解釈にみえました。でもまあ、どんな年齢の立派な男でも、カルメンに惚れたらぼうやも同然、と考えればこれでいいのか。
シルヴィの「椿姫」。これ、もう、感涙ものでした。私は椿姫のおはなしにあまり思い入れはないんです。歌舞伎にもよくあるんですが、この手の「花魁が本意でないのに愛想づかし」なお話はイライラしてしまってあまり好きでない。そもそも、こんな「よくできた」女、よくわからないと思っていたのですが。知的で禁欲的なシルヴィお姉さまの椿姫をみていたら、おお、これはありうるかも、と思ってしまって思わずほろりとなってしまいました。取り巻きに囲まれてあでやか、しかし他のパトロンの目を気にするあまりアルマンの求愛に当惑こそすれ、心からこたえてあげられない最初の場面。少女のようにアルマンとの恋に夢中になっている場面もそこそこに、アルマンの父とわたりあって、別れの決意をかためる次の場面。そして愛想づかしに彼女の真意をくみとれない若く愚かで純情なアルマンから札束をなげつけられ、皆の前で辱められてしまう第三場(このシーンの「超」誇り高いシルヴィの演技は歌右衛門さんにも匹敵しますわ)。そして原作とことなるサービスシーン・・・(病床の夢かもしれないのだけれど)。哀れに思ったアルマンの父がアルマンに使いをだし、瀕死の床にある彼女をアルマンが抱きよせる、というシーンになだれこむ。この瀕死の場面のシルヴィがすばらしかったです。咳き込んでしおらしいあわれな椿姫ではなく、激しい、狂おしいような椿姫でした。死病にとりつかれていなければ、彼女はほかのパトロンとまた同じ日々にもどっていたことでしょう。でも、もうすぐ死ぬからこそ、いまなにからも許されてアルマンへの愛情を表現できる、という狂気じみた歓喜が感じられてすばらしかったです。ルリッシュくんのアルマンも実に情熱的でドラマチックでした。
Name:
みいちゃん
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[7372]
新緑と薫風の五月はどこへいったのでしょう。
'03/05/31(土) 16:22:38
五月の台風もすごいけど、大皿に盛られない中華料理、和製モニカ・ベルッチと名のる叶美香、発煙筒禁止のオールドトラフォードっていうのも・・・うーむ。
六本木ヴァージンシネマ>迷子になりそうなビル群ですね、あそこ。みんな地図を片手に海外旅行客状態でした。映画はまだなんですけど、私は食事をしてきました。その日は和食の気分だったので、天麩羅のみかわへ。ここの魚介は何度食しても、新鮮な驚きのある美味しさです。海老がアルデンテ!パスタじゃないですよ。外はカリッと揚がって芯のあたりが微妙にレアな職人の仕事。江戸前は魚介とばかりに、野菜にいまいち力が入ってないのもエラいもんです。で、さらっと天茶で〆た後は、バーで一杯。そこはバカラが経営している店で、入り口がわかりづらくて◎。バーはひっそりとしてなくてはいけません。インテリアはモダンな赤と黒の椅子にクリスタルグラスの透明な世界。カウンターに座った白髪の旦那が葉巻をくゆらしているのを見てる間に、うとうとしそうになるほど落ち着けて極楽。店のトイレに巨大なバカラ製スヌーピーが鎮座しているのも愛嬌でした。
そして、葉巻の白髪旦那といえばリッピ監督。うぇ〜ん、CL決勝、負けちゃった。いえ、べつにベスト4に残ったどこが勝ってもよかったんですけど、白組を破ったあたりから(最後の最後じゃないかい!)、そうだユーヴェを応援しようと決め、長髪・細髭の頃に比べてすっかり色気の抜けたデルピエロに声援を送っておりました。でもトーナメントって準々や準決あたりがいちばんおもしろいですね。ミラノダービー、対レアル戦ほどは両チームともモチベーションが高まってなかったような。イタリア対決が実現した時点でドラマのクライマックスは終っていたのかもしれません。ゲームは前半攻撃的だったけど後半途中から原始人ガットゥーゾがひんぱんに画面に出てきはじめて、はじまっちゃったよぉ、コテコテのカルチョ。まあ、それも嫌いではないし、ゲーム以外のところでも何かと楽しめました。最後にPKを蹴ったキョロキョロ挙動不審なシェフチェンコ、つまんなさそうにガムを噛むリバウド、試合後なぜかアンダーパンツになって走り回るインザーギとガットゥーゾ、記念写真撮影でインザーギを押しのけ真ん中に陣取ったマルディーニ・・・一流のチームにはいい役者が揃ってます。
「ジャズ」>私も前回の放送時に見ました。あれ、BBCが制作に加わっていたんですか。どうりでおもしろかったです。BBCはほんっとに音楽ドキュメンタリーがうまいですね〜(カナダも優秀)。BSでやってるクラシックのドキュメンタリーは、おもしろいと思う大半がBBCの番組だったりします。
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ローマ
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[7370]
六本木ヴァージンシネマで何を観る?
'03/05/26(月) 02:04:57
NHKで再放送した「ジャズ(全十二回)」がおもしろかったです。アメリカのテレビ局とBBCが組んで制作したドキュメンタリー。前半がブルースからスイングジャズ(ベニー・グッドマンとかね)まで、後半がモダン・ジャズで、はじめは漫然とみていたのに、後半はけっこうぐぐっとのりだしてみてしまいました。一週間でジャズの歴史がわかってしまうというすぐれもの番組で、「ビバップ」だの「クール」だの「フリー」だの、いろいろ覚えてしまいました。非常に理論的な音楽分野なんだってことがわかっておもしろかったです。個人的にはベニー・グッドマンひきいる大編成バンド時代のスイング合戦がおもしろかったな。「1900年」(邦題「海の上のピアニスト」)にでてきたジェリー・ロール・モートンとか、かっこいい! ほんとに「ピアノで決闘」やってたかもしれないです。今世紀初頭から第二次世界大戦までを描いた映画にはかならず出てくるノスタルジックな音楽から、時代の先端をいく内省的な音楽へ。聞き手をとりのこしてまでプログレッシブでありつづけるありようは、つねにポップでありつづけるロックとはだいぶちがいますね。
>かつさん。EMINEM>「とりあえず8Mileを六本木ヴァージンシネマで予約しとけば安心」なデートコース映画になりさがっているのがすごいです、日本って。毒気が抜けたメディア展開にびっくりなんだなあ。ヒップな人たちは、劇場でいくどとなく憤死して、ライブにかけていたんじゃあ?
復活の日>わははは。むかしみたときもグレートジャーニーに笑いましたよ。でも、なぜこれをわざわざみにいらしたの? なんか、こう、もったいな・・・いえ、なんでも。
ヘルツォーク>う〜ん。予告編以上の出来ではなさそうなんですよね、やっぱり。キンスキーがいないと「おまえを殺してオレも死ぬ」的世界にはいけないのかしらん。
気になる映画はやはりカンヌかな。トリアーの新作、書き割り風のところですべて展開する不気味映画らしいです。そういえば、「ダンサー・イン・ザ・ダーク」でもなにもない不気味な「サウンド・オブ・ミュージック」の舞台を演出していましたが・・・。あとオゾンの新作、またシャーロット・ランプリングですね。賞をとれるといいな。
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みいちゃん
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ヤンキータウン
'03/05/25(日) 20:55:06
EMINEMのショウにいってきました。大変素晴らしかったです。かっこいいし。ですが、自称HIPHOP通の方々には大変不満だったようです。「ガキは来んな」「"8Mile"と"EMINEM SHOW"しか聴いたことねえのに来た奴は死ね」「●●●●を着てきたバカは死ね」「"stan"唄えない奴は死ね」「"Dope"と"Boo"の区別がつかない奴は死ね」等々…怖いですねえ。そういう人達には「ライブ前にはCDやライブDVDで予習して歌詞を全部覚える&ライブの雰囲気を知っておくのは当たり前」なんでしょうね。そういうひとってフジロックに毎年参加してるような「本物の音楽ファン」だけかと思ってたです。
でも日本でEMINEM聴いてるのって、住んでるところは川崎とか厚木とか幕張とか川越あたりで(おい)、でかいワンボックスとかウイングの付いてる車に乗ってるような人達じゃん。アメリカの客だって単に英語ができるから反応できるってだけで中身は今回の客と同レベル、もしかしたらそれ以下かもしれないというのがわかってないよね、頭のいい人たちは。
ということで深作メモリアル行ってきました。といってもバカなんで『仁義なき戦い 広島死闘篇』や『県警対組織暴力』や『仁義の墓場』や『黒蜥蜴』は観ずに『復活の日』を観ました。はっはっはっ。←ホントにバカ
偶然にもSARSを予見したかのようなお話になっているということを抜きにしても、やっぱこの作品はすごいです。スケールがデカすぎ。南極ロケに代表される過酷な海外での撮影、チリ海軍からの潜水艦調達、ハリウッド俳優への容赦のないダメ出し(降板も含)などなど…角川春樹や奥山和由のようなハッタリ系プロデューサーがいなくなった現在の邦画界では絶対に作ることが出来ないでしょうね。俳優たちがみな演技過剰なところとか、5歳児が孤独に耐えられずに拳銃自殺(!!)してしまったりとか、最後の草刈正雄の南北アメリカ大陸縦断グレートジャーニーとか変なところも多いのですが、日本映画史上に残る娯楽大作であることには間違いありません。
そしてヘルツォークの『神に選ばれし無敵の男』も観ました。ヒトラーが政権を握る少し前という時代設定、ユダヤ人が主人公、しかも音楽はハンス・ジマーということで「おいおい、ポランスキーだけじゃなくヘルツォークも賞狙いかよ」と思ってしまったのですが、実際観てみるととてもバランスが悪くて感動しようのないパワー不足なものになっていたです。。かなり大雑把な言い方をすれば、ヘルツォークはなにかに取り憑かれたように突き進む人間を描いたときに本領を発揮すると思うのですが、今回は穏やかな性格の男が主人公なので結構淡々と時代に流されてしまっているように感じてしまいます。ところが終盤、そんな主人公がついに「あること」に取り憑かれ行動を起こすのです。「おお、やっと面白くなるのか!?」と思っていると、あっさり挫折しちゃうし…。まあでも、このヘンテコなところがヘルツォークらしいといえばらしい作品なので観て損はないと思います。ただし、蟹アレルギーの方はご注意ください。
Name:
かつ
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katsu@jc4.so-net.ne.jp
[7368]
五月祭といえばメイポール。メイポールといえばウィッカーマン・・・DVD来月発売
'03/05/10(土) 02:55:14
いかんですね〜。長いのとCGがスゴイのは疲れているときに観るにはちょっとくたびれるな〜なんていっているうちにもう五月じゃないですか。映画はみなくても生きられますが、やはり劇場館でみて目にヨコロコビをあたえなきゃねえ。でもいま一番みたいのは深作メモリアルかなあ。う〜む。
ETV8でやった深作ドキュメンタリーがすばらしくて。でもすばらしすぎて深作映画より「仁義なき戦い」シリーズ脚本家・笠原和夫の「博奕打ち いのち札」がみたくなってしまった。鈴木清順より凄まじい美術なんだもの。地獄をはいずる主人公の心象風景を真っ赤な水があふれかえる葬式会場であらわしたりして。こういうわけのわかんないのすきです。あ、笠原和夫は私の大好きな「浪人街」の脚本家でもあったんだなあ。
映画館にごぶさたしている間に、「レッド・ドラゴン」→「スパイダー」を経てなにがどうころんだのか「メイド・イン・マンハッタン」にきりかわりましたレイフ・ファインズ。もう何回となく「ハウスキーパーと大統領候補の恋!」というCMをみてしまったんですが・・・。でも、「クイズ・ショウ」でWASP役がはまりまくりだったレイフ、これはすごくいいのかも。
>ローマさん。「キャッチャー」>掲載されなかった「訳者解説」は「文學界」にのったようです。白水社がくばった新聞には、この饒舌な一人称がいったい誰にむかって話しているのか訳しながら考えると、とても深い解釈がなりたつ、といったようなことをはなしていておもしろかったです。たしかに、「どこでだれに」はなしているのかはこの小説の隠されたキモなんですよね。このひねくれた神経症的な世界をよみとくのは十代ではちょっと無理、と思い至ったりして。この春、新潮社から娘の書いた暴露本もでて、これで主要周辺資料も日本語ででそろってしまったサリンジャー。でも、娘や愛人の恨み節をよめばよむほど、「要求の多い生々しい女はダメ」なサリンジャー像がうきぼりにされて気の毒に思えてきました。
>PEKOさん。「カサンドラの城」>少女と田園生活と初恋の三点セットで、なかなか乙女ごころをもつ英国好きにはアピールしそうなお話ですね。ご紹介ありがとうございます。個人的にはギリシャ悲劇のカサンドラとなにか関係のあるはなしかと思ったらぜんぜん関係なかった、というがっかり本だったりします。
Name:
みいちゃん
Mail:
bluetonic@geocities.co.jp
[7367]
新しい映画 in UK
'03/05/09(金) 06:28:22
こんにちは。ただいまイギリス在住のものです。
今日からイギリスで始まった映画をお知らせしたくて書き込ませていただきます。
「I Capture the castle」 という映画でイギリスのサフォーク州にあるお城を舞台にしたものです。
イギリスのBBCの映画で「恋に落ちたシェークスピア」の映画制作チームが作ったらしいです。
女の子とお城とイギリスの自然が、イギリス好きにはたまらないなぁと思います。
とにかくオススメです。
日本では原作の「カサンドラの城」という本で出ているらしいです。
日本には映画がやるのか分かりませんが、参考までにお知らせします。
こちらではかなり話題になっていますので、もし機会があれば見ていただければなぁと思います。
それでは。
Name:
PEKO
[7366]
キャッチ、キャッチャー、キャッチスト?
'03/05/02(金) 15:44:42
短めで、こじゃれたもの>ぷぷ。私もそんな気分だったので、かつさんより“限定”情報をいただいた『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』をみてきました。うん、たしかにレオさま、あれほどすばらしかったサンディ・パウエルの衣装は、へっ?だったのに、ここでの着こなしはどれもステキ。ウォーケンとのツーショットもとても絵になっていて、この親子なら『ダメージ』みたいな映画も撮れるかもといらぬ想像を。
お話のほうは世界仰天ストーリー再現VTRみたいな内容で、「へえ、たいした詐欺師がいたもんだ」で終わっちゃうというか、まあどうでもいいっちゃあいいんですが、なんだろう、映画全体の雰囲気がかわいくていいんですよね。ニッポンでいえば万博のころの感じかなあ。大人も子供も夢があって、未来が信じられた時代とでもいうか。しょっぱなからソール・バス風のタイトルがかっこよくて、シナトラの音楽もスウィングしてて、ウォーケンのお約束ダンスもいつも通りに笑えて、GoGoブリトニーのような女の子たちは健康的で、セットやロケ地の徹底したミッドセンチュリー・デザインもお洒落で・・・すべてがひたすら軽くて明るいマンガみたいな世界(←ものすごく褒めてます)。でももちろん、今の時代は軽いだけじゃいかん、ボクは巨匠なんだ(byスピ)ということで、「それなりの孤独が彼を犯罪に走らせたんだ」とシリアスなリアリティを持ち込み、話にちゃんと深みを持たせるわけです。で、エンドロールが出るころには、う〜む、大犯罪でも「いい話」にしちゃうスピルバーグってすごいよなあ、とちょっと腑に落ちない感心をするに至る。詐欺にあった気分です、わたし。
『キャッチャー・イン・ザ・ライ』>やっぱりいいですねぇ、この本。読後、寒い冬の街をへとへとに歩き疲れて、やっと灯のともる家にたどり着いたような幸福な気持ちになれます。「博物館のインディアンたちはいつだって違わない。違っているのは君だ」っていうくだりはグッときましたよ。10代で読んだときと今の自分の変化にドキッとしたりして。ホールデンだったのが、ミスタ・アントリーニになってしまったような(次に読むときはスペンサー先生になってるんだろうか・・・こわっ)。新訳はとにかく笑えるところが多くて、ほとんどのページでクスクス笑ってました。“すげえ”うまいですね、春樹氏。
Name:
ローマ
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iguana@fd.catv.ne.jp
[7365]
キャッチャーの一人称に酔わされて
'03/04/23(水) 02:47:33
GW前でみょう〜に忙しいです。映画もなかなかみにいけません。気分としては長くて重い作品より、短めで、こじゃれたものがみたいなあ。
観るヒマがあってもなくても、DVDだけは買っています。ものすごい勢いで版権がうつりかわるので、初回で買わないと、すぐに品切れになってしまうものも多いですね。それにしても、ケン・ローチ、でないなあ。「レイニング・ストーンズ」と「リフ・ラフ」と「ケス」が出たらもう、いうことないのですが。そうそう、来月ついに「心理探偵フィッツ」がBOXで出ます! 息詰まる取り調べ室でのやりとり、DVDで観られるなんて最高。でも、コルトレーンさんも、いまや「ハリー・ポッターの」と呼ばれているのかしらん。
>ローマさん。録音テープでしたがチャイコ三昧たのしかったですね〜。「白鳥」も「眠り」も、踊りなしで聴くと大仰でなかなか恥ずかしいような楽曲なのですが、踊りをみながら聴くとなんて官能的な! となるのがとてもふしぎ。土曜の夜にノイマイヤー版をBSでやっていて、これは「白鳥の湖」のバレエが大好きな王様(ノイシュヴァンシュタイン城の王様に酷似)が舞姫にイレこんでしまい、自分だけのために上演させた舞台に飛び入りで参加。それをみた妻が今度は舞踏会の場面で黒鳥に化けて夫である王様を誘惑。王様ははじめは有頂天だったのが、妻だと気づいて拒絶する、というすごいものでした。三十二回転もまわって拒絶されるのって、すごく哀しい・・・。
トランティニャン>イタリア映画に出ればカトリーヌ・スパークと「女性上位時代」、「激しい夏」で超美人のイタリア女優と共演・・・いつも美味しい役だあ。
>かつさん。村上春樹の翻訳したサリンジャー、さすがにおいしいです。新しい「キャッチャー」は戦後日本語がいきついた口語体、いわゆる「ぼく」文学の集大成的日本語って気がします。サリンジャーの意向で解説がつけられない、っていう一文がすごいけど、私は満足しています。翻訳は新訳のほうが時代にそって有利になるのはあたりまえなので、野崎訳とくらべてどうこうっていうのは無意味なんじゃないかなあ。あれはあれ、これはこれ、と。アメリカ文化にまつわる固有名詞なんか、当時より今のほうがずっと読者も知っているわけだし、そのへんへの配慮が憎いですね、今回の新訳は。まだ途中。
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みいちゃん
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bluetonic@geocities.co.jp
[7364]
「つかまえて」が「捕まえ手(=catcher)」の言葉遊びであると今ごろ知った奴(恥)
'03/04/14(月) 20:25:54
村上春樹訳の『キャッチャー・イン・ザ・ライ』が出ましたね。ほんの一時ですが「ライ麦畑でつかまえて」に夢中になったことがありました。もう本当にちょっとの時間だけ。新訳が出るぞっていうニュースを聴いた時はなんだか同じく一時夢中になったことのある尾崎豊の新しいリミックス盤が出ます、みたいな(なんちゅうたとえだ)こっ恥ずかしさを感じました(本当は佐野元春あたりにたとえるのが正しいのでしょう)。
でも週末に本屋さんに平積みされているのをみたら急に購入せねば!みたいな気になってしまいました。春樹調ホールデンになっているけれども解釈には変化無しという当然といえば当然のものなので野崎氏の訳のほうが良いと思う人も多いかもしれません。
読み始めるとやっぱりこっぱずかしいところやちょっとひいてしまうところもありましたが、全体的な印象は尾崎の唄にたとえるなら(もういいっちゅうの)「Scramblig Rock'n Roll」や「15の夜」というよりかは「十七歳の地図」を今聴き返すのと同じような感じです。
この新訳発売にあわせて関連した映画が今週末イメージフォーラムにて公開になるんですが、なぜ"Chasing Holden"が『ライ麦畑をさがして』になるのか?『ホールデンを追いかけて』じゃダメな理由はなんだ?50年代を舞台にしたウィリアム・ホールデンに逢いたくてウィスコンシンからハリウッドまで旅する女ストーカーの話と勘違いされると思ったのでしょうか?やれやれ。
>高校教師
いやホントに。藤木くんと彩ちゃんでいくならば大昔に岡崎友紀のやっていた『奥様は18歳』のリメイクを楽しく可愛くやってくれたほうがよかったなあと思います。前作の雰囲気を引き継ぎたかったんなら主役のふたりは(あちこちで言い尽くされてますが)絶対田辺誠一と宮崎あおいにするべきでしたね。残念です。アラン・ドロン版は例によって東京12チャンネルで一度だけみたことがあります。わかりやすいエッチなお話かと思ってワクワクしてたら(すみません)、しっかりとした大人のお話でああこの雰囲気いいなあと思ったことを覚えています。真田&桜井バージョンはこの話を結構忠実に再現しているんですよね。おそらくリメイクではなくパクリなんですが。やれやれ。
ところで、BOX東中野が閉館になるようです。良質のドキュメンタリーをたくさんかけてくれたり、若い人たちの創った勢いのある作品をかけてくれたり、ヘルツォーク作品の連続上映をしてくれたりと、ものすごく個性のある映画館だったので非常に残念。今後はユーロスペースあたりでここでかかるはずだったドキュメントが上映されたりやヘルツォークの特集が組まれたりするのでしょうが、あの独自の雰囲気は二度と味わえないでしょう。あのときはこれが最後になるとは思わなかったけれど、12月に『アレクセイと泉』をあそこで観れてよかったと思います。
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かつ
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[7363]
「ロミー・シュナイダーか、願わくばアヌーク・エーメを。」
'03/04/08(火) 00:11:36
回をおうごとにもりあがって>ほんとうに。配役表を見るときのスリルと作品の完成度の高さで、回を重ねても胸が高鳴りました。古典の演出にありがちな、上っ面だけいじった新規のための新規な解釈ではなく、真に新しい演目になっているところが凄かったです。この音楽がもともと持っていたけれど、一世紀以上のあいだ誰も掘りおこさなかっ部分に焦点を当てる。愛も芸術も、性を超越するってことでしょうか。「白鳥」がこんなにふくらみのある音楽だったことにも初めて気づきました。起承転結の型がきちんとあって、場面転換がすごくおもしろい。オーケストレーションもじつに華やかで、3幕なんて民俗音楽が多彩にからみあって、くえぇぇチャイコだよ〜って楽しくなってきて。ロマン派の大家というイメージが強いですけど、ときどき超モダンなリズムが出てきて、知らない間に足でリズムを刻んでいたりして。このあとストラヴィンスキーに続いていくわけですよね、バレエ音楽は。ロシアの音楽の系譜って輝かしいばかり。
まだスタイルが確立していないにもかかわらず魅力がある>何の世界もそうですけど、やっぱりオリジナルの強さにはかなわないところがあって、クーパーはスペシャル。だけど人間とは不思議なもので、完全無欠なものよりも何かしら欠けていたり、いびつだったり、そういうものにひかれちゃったりするんですよね。首藤白鳥には、日本人のDNAに組み込まれているリリシズムみたいなものを感じました。
「高校教師」>っていうと、アラン・ドロンの「高校教師」が好き〜。すごいんですよ、この映画。森田童子の歌より暗くて、どんよりしてて、じめーっとしてて、ついでに画面が真っ暗で役者が何してるのかわからないのでイライラしてきて、野島高校教師なんかちゃんちゃらお子様ランチってくらい老成した教師と女生徒が主人公で、そのうえこの女生徒(ソニア・ペトローヴァ)がむちゃくちゃ美人で、美人なのにすごいことをいろいろしてくれて、ジャンニーニやまたしてもアリダ・バッリが出てくるの。早くDVDが出ないかな。監督はズルリーニです(はあと)。
DVDといえば、やっと「男と女」が出ました。冒頭のタイトルは、ルルーシュが先にキャスティングしたジャン・ルイに「相手は誰がいい?」と尋ねたときの答えです。くうぅ、たまりません。のちにロミーとは「離愁」という大大大大∞傑作を撮ったわけですからねえ。トランティニャン、狙った獲物は逃しません。
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ローマ
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[7362]
幻の白鳥をようやく観ました!
'03/04/07(月) 02:54:01
AMP「白鳥の湖」最終日、観てまいりました。ようやく幻の白鳥、首藤白鳥も観ることができました。いやあ、妖艶。男でも女でもない、三羽のなかでももっとも繊細で官能的な白鳥さんだったのではないでしょうか。王子をみつめる目、繊細な羽ばたき、すばらしかったです。彼は王子様をみつめるとき、どうしてあんなせつない目でじっとみつめるのでしょう。王子様が物狂いになってしまうのもあたりまえです。クーパーの白鳥だと、一緒におどることで王子様が徐々に解放されていくみたいにみえるし、パスターくんだとやさしく一緒におどってくれる愛しい物といった風情にみえる。でも首藤くんだと、孤高の白鳥に王子が夢中になっておいかけまわして、っていうふうに見えてしまうからこわいです。
舞踏会の場面はご愛敬でした。やはり強面の姫君たちに「かわがって」もらっちゃってました。乗馬鞭に皮衣装、セクシーでワイルドなストレンジャーにはやはりみえず。なんかストイックな少年が「一所懸命」踊っているのを百戦錬磨の姫君たちがやさしく手合わせしているといった風情。あの姫君たちにやさしさをかんじるなんて、これはかなりのもの。とりわけ女王様がいつにない親切ステップでやさしくリードしてました。話からいえばこれはちがうはずなんだけど、ここまでいけば魅力的ですね。
なんか、美しいとかいう以前に、ものすごく未成熟な魅力を首藤白鳥にはかんじました。まだスタイルが確立していないにもかかわらず魅力がある。かまいたくなる、おいかけまわしたくなる、羽をむしりたくなるようなあやしい魅力です。まだ雛だったのかしらん。
カーテンコールで、金色の☆と白い羽が舞台上からふってきたのが幻想的でした。ほんとうに、回をおうごとにもりあがって、たのしい数ヶ月間でした。
>サニーさん。はじめまして。いきなりですが、「海水が鼻に付く」って表現、へんですよ。しいていうなら「海水のにおいが鼻を突く」でしょうか。
将校と人妻の不倫をベースに・・・いつ爆発>う〜ん、ぜんぜんちがうと思いますけど。ロバート・ミッチャム演じる初老の夫はぜったい爆発しないです。なぜなら、この映画の冒頭から、彼は前途ある、利発な、しかも親子ほどに年のはなれた美しい娘に慕われて結婚してしまった自分自身を恥じていることがわかるからです。しかも、この映画はとってもいじわるで、「ほれ、みたことか」的に性的にこの老いた夫が新妻を満足させていないシークエンスが挿入されている。「君がぼくを好きなのはまわりにろくな大人の男をみてこなかったからで、ほかの町の男をみればぼくなんかすぐにどうでもよくなるよ」とのどまででかかっているのに結婚してしまった初老の男のかなしさが痛いほど。この負い目があるから(惚れた弱みともいいますが)、彼は「世間」が妻に石をなげてもかばいとおそうとするのです。爆発なんてしませんよ。結局爆死したのは将校のほうだ・・・(←それはちょっとイミがちがう)。
この、ほとんど父性愛で妻をささえる夫に対して、シェルショック(戦争後遺症)の将校との怒濤の恋愛模様の映像があまりにも美しいので、この映画はけっこう誤解されているように思いますが。この映画はただの「若さをもてあます人妻とハンサム将校の不倫」の映画ではありません。むしろせま〜い村とせま〜い人間関係を描きながら、とおくに燃え上がる戦火を個人のなかに描いた映画といえましょう。また、逆に、不倫をするならこれくらいの覚悟はしろよな、という・・・ちがうって。しかし、馬でさ〜ネグリジェでさ〜遠乗りしたりあいびきしたりするなよ〜めだつよな〜。ま、この映画のことはこのへんで。
Name:
みいちゃん
Mail:
bluetonic@geocities.co.jp
[7361]
はじめまして
'03/04/06(日) 13:10:08
先ほど、ビデオで「ライアンの娘」を観ました。
奥行きのある広大な海域と、リリカルな音楽が
素晴らしく印象に残りました。
海水の匂いが、鼻に付くような感じがする映画
だと思います(主観(^^;)
将校と人妻との不倫をベースに、夫である教師が
二人の関係を知りながらも、寡黙に徹する場面には
いつ爆発するであろうと、ハラハラしてました。
演じる中年男(R・ミッチャム)は、己の老いゆく姿と、
若さを弄ぶ溌刺した妻に対して、引け目を感じていたのか?
このあたりの心理は複雑・・・!?
青年将校を演じたクリストファー・ジョーンズが、特に
よかった。
Name:
サニー
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