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[7200] 五月なのに冷えますねえ '02/05/19(日) 22:09:05

今週はBSで雷蔵をやっていたので、ちょこちょこみては愉しんでました。でも、NHKって、勝手にシネスコサイズをテレビサイズにトリミングしちゃうんですねえ。黒澤映画にはしないくせに、大映映画ならいいの? 画面づくりにいっさい無駄のない三隅研次や森一生の作品に勝手なこと、してほしくないなあ。

歌舞伎座の松緑襲名、昼をみてきました。う〜ん、なんというか、ちょっとね〜。若くして大きな名をつぐこと自体に文句はないのですが、ほとんど初役の大役を、二ヶ月でつぎつぎこなすというのは、あまりにも酷。昼は狐忠信だったのですが、普段猿之助や勘九郎や三津五郎みたいに、ベテランでみなれているものだから拙いところがめだっちゃって。神出鬼没の狐・・・の筈なのだけれど、どっからでてくるか、バレバレなんです。まだ段取りを覚えている段階なのでしょう。清々しい若松緑、ゆっくりと、じっくりと、がんばれ〜、です。

>めりいさん。ボリショイ>私はムハメドフが好きなので、ボリショイも一応おっけーです。九月〜十月の引っ越し公演は久々の全幕ものとあって、今からたのしみにしています。前回来日時の「ボリショイの真髄」も愉しみましたし〜(スパルタクスの抜粋、アッピア街道のシーンでは男性群舞が大勢すぎて舞台にのりきらなかったのがすごい。さすがボリショイ=大)。ルンキナ姫ほか噂の美姫たちを中心に鑑賞するつもりです。

>かつさん。うう〜、トム・ウェイツ〜。まだ入手していないのです。あせってます。はやくききたい〜。
池上>久世光彦の「卑弥呼」も洗足池ができてきたかなあ。私も雪谷近辺には郷愁がありまして、うれしくなります。
「最終兵器彼女」>アニメと原作はべつものですよね。「犬夜叉」はすきだけど、アニメのほうは一度もみたことないですし。でも、かわいいキャラクターで、ラストは原作みたいにリセットしないで、ちせちゃんがぼろぼろになるだけなって、お薬きらして死んじゃったりしたら、それはそれですごいアニメになるかもしれないですねえ。

Name: みいちゃん  Mail: bluetonic@geocities.co.jp

[7199] トム・ウェイツ祭っていうか '02/05/14(火) 22:08:25

ジョン・ルーリー祭じゃんかよ〜、とシネ・ラ・セットのレイトショーの上映スケジュール(『ダウン・バイ・ロー』『FISHING WITH JOHN』)を見て思ってしまいました。トムを推すなら『ビッグ・タイム』をやれよ、『ビッグ・タイム』を!

しかしなんなんでしょう、ひっさびさの新作が出ると思ったら2枚同時発売とか無茶なことしてるし、しかも両方ともデジパック仕様だし。そんなにお金かけてだいじょうぶなのか、エピックレコード。僕の知らぬ間にコステロのようにTVの主題歌とか挿入歌に使われていて、これからトム・ウェイツが流行る兆しでもあるのでしょうか???謎です。

"Alice"も"Blood Money"も音としてはアイランド時代の音作りでアサイラムの頃の泣きメロが程好くあわさっている感じなのですが、"Blood Money"の歌詞の方がより厳しいかな。どちらもいいアルバムです。

>パゾリーニ、夢の論理もっと寡黙な人なのかと思ってました。でも父親のことなどをがーっと喋りまくるパゾリーニは魅力的でした。

>語れない作品、『アザーズ』
確かに(笑)。エクルストン登場のところはこの作品全体のトーンとは違う画作りになっていてとても美しかったですね。あそこだけもう一度観たいです。←他は観たくないのか?
去年の夏くらいにみいちゃんとローマさんが話題にしていた小池真理子の「欲望」を読み始めました(いまさら)。まだ導入部ですがすっかり引き込まれています。池上とか雪谷とか蒲田とかが出てくるのもなんだかうれしいです。

あと「最終兵器彼女」、ほんとにアニメ化されて7月から放送開始だそうですよ。でもCS。しかもファミリー劇場って…(涙)。といいつつも、さっきファミリー劇場のHPをみたのですけど、キャラクターデザインがセーラームーンの人だったりとかするのをみて「”そーゆー人たち”だけが見ればいい」っていうふうに製作陣が考えてるんじゃないかと思えてしまい激しく不安です。シュウジの声は窪塚にやってほしかったし、主題歌はミスチルの”君が好き”にしてほしかったな。とかどーでもいいことを真面目に考えている僕自身が一番「そーゆー人」だったりします(笑)

Name: かつ  Mail: katsu@jc4.so-net.ne.jp

[7198] そうなんです、今年は当たり年? '02/05/13(月) 01:22:50

>みいちゃんさま。 そうなんです。「ブリジット・・」様様の他力本願で、掘り出されてきた「ルビー」ですが、助演モノとしては去年公開の「姉のいた夏・・」よりはるかに内容に期待できる作品です。 とっても嬉しい・・ただし・・脱ぎません、珍しいことに。 今年は、「アザーズ」でも感涙モノの登場で、エクルストンファンは久々の「これが見たかったのよ」、ですが、すぐ今度は「主演作」のアレックス・コックス作品「revengers tragedy」(題名からして「来たぁ!」って感じでしょ? ・・悲惨の釣瓶打ち・・)が公開されるとのことです。 ぴあフィルムフェスでもプレミア上映されるので、手薬煉ひいて待ってます。
バレエ> みいちゃんさまはじめ皆さまは、精力的にお好きな舞台をたくさんご覧になってるんですねぇ・・(いいなぁ、のため息)。 みなさんの趣味と違ってしまうんですが、私も今年に入ってからイイ事がひとつだけ・・。 私バレエは一応なんでも好きで観るのですが(映像でね!)、子供の時にワシリエフの「スパルタクス」を見て魂を抜かれてしまって以来、ボリショイの「男性舞踊手至上主義古典バレエ(?)」が、どうしてもどうしても好きなんですね。 それで10年ほど前にNHKが「ボリショイバレエの精髄」と題して2期に渡って10作品を放送した時、大喜びで録画したのですけど、一番欲しかった「ライモンダ」を撮り損ねてへこんでしまいました。で、その後10年間ひたすら再放送を待ち続けたのに、1度も「ライモンダ」はなかったのです(「石の花」ですら再放送したのに・・・)。そうしたら今年DVD(ビデオでも)であの時の「ライモンダ」が!! 手に入れて以来毎日のように(!)伝説のタランダのアブデラーマンを観ています(ははっ、ライモンダ目当てじゃないのよね、やっぱり。 暗い情念を持った悲劇的な男好き!)。 ・・・みいちゃんさまとかけ離れた趣味の話で恐縮でした・・・。

Name: めりい

[7197] でもなぜこれほどまでにヒットするのかは不明 '02/05/11(土) 02:32:36

「アメリ」をみました。主役のアメリを演じたオドレイ・トトゥが想像以上にかわいかったです! 首を前に傾斜させた姿勢の悪い歩き方なんて、「ロスト・チルドレン」のミュエットちゃんがそのままオトナになったらこんなかんじ? と思わせるものがあって。好みです。とっぽいアダルトビデオショップの店員役ででてきたマチュー・カソヴィッツは、あんな役で出てくるってしらなかったのでおどろいちゃいました(笑顔がたいそうすてき)。暗殺者もにあうけど、いじめられっこもにあうなんて♪ アメリの空想のなかでボルシチたべることになってましたけど、あの場面がものすごくツボだったので、もう一回この映画をみようと思っています。かわいいんだも〜ん。ウラ〜。

主役のアメリ嬢ちゃんは、年取った気むずかしい親のもとで、わけあって学校にいかずに育った、一人っ子。この設定、なかなかいいです。冒頭で少女時代のアメリちゃんがやってる一人遊びにほとんど身に覚えがある私はけっこうしんみりしたりして。親の愛を第三者とシェアしていないから、わりとおっとりしっかりのんびりと成長してるけど、自分だけの世界をじゃまする他人に対して寛容度が低いというのは、完全に「一人っ子的」メンタリティなんですね。
他人に自分が理解されうる、という期待感が薄い。あの繰り返し行われる子どもじみた悪戯(?)の行動パターンは、たしかに異常ではあるんだけど、反復するたびにある種の自己の存在確認をしているんだろうなあ、と思うと、なんかせつなくなってしまうんです。人間っていうのは、自分で一目おいた相手から認められないと幸福感に到達できないんですねえ。恋愛だって、そうなんでしょうけれども。この映画がハッピーエンディングの映画でよかったです。

エミリー・ワトソンが監督の当初の希望どおりにこの映画で主役をはっていたら? 性的妄想で壊れていく、「奇跡の海」も真っ青の病的展開になったことでしょう。本編のアメリちゃんはかわいい悪戯しかしません・・・よかった!

>めりいさん。「アザーズ」、おもしろそうですね。エクルストンさんにも期待してしまいます。エクルストンさんといえば、公開されないものかと思っていた"A Price Above Rubies"が「しあわせ色のルビー」とかいうタイトルで公開決定。厳格なユダヤ人コミュニティを描いた作品だという前評判だったのに、「あのブリジット・ジョーンズの」レニー・ゼルヴィガー主演、ということでなにやらふわふわしたタイトルの映画になったような? エクルストンさんは当然、厳格なユダヤ教徒役でしょうか。たのしみです。

Name: みいちゃん  Mail: bluetonic@geocities.co.jp

[7196] 二十世紀のすばらしい映画 '02/05/11(土) 02:26:42

イタリア映画祭2002、「パゾリーニ、夢の論理」をみてまいりました。
ゴール前で猛然ダッシュするサッカー・ウエアのパゾリーニ、葬儀で泣きじゃくるダヴォリ、「メディア」撮影現場で輿でかつがれてゴキゲンのマリア・カラス、本編におさめられなかったカラー版トトなど、貴重な映像を多数たのしませていただきました。もちろん、カメラの後ろにいるパゾリーニの姿も。そして、シンプルなイントロにかぶさる風の音や虫の声・・・ドキュメンタリーなのに全体のつくりがパゾリーニの作品を彷彿とさせるような独特の間(ま)を持っている。ラウラ・ヴェッティの、パゾと、その作品への尊敬の念と愛情の深さを感じます。でも、もうすこしわかりやすくつくってくれてもよかったかな・・・。ローマ郊外の撮影場所や、パゾが死んだ場所など、解説なしにみせてしまうから。生前の彼を語る詩人のおじさんも(ベルトルッチではなく)、最後まで固有名詞がわからなくて。う〜む。

来週、NHKが雷蔵特集をくむようで、きょう特集番組をやってくれました。久々にみる雷蔵映画はやはり端正で美しい。でも、生前の彼を知っていて、語る人がどんどん減っている事実におどろきます。生きていたって七十ちょっとくらいなのに・・・。やはり、元来粗食で丈夫だった明治とことなり、大正・昭和っていうのはあまり長生きできないのかも。きょうの特集では、虚無とか、孤独とか、そちらのほうにウエイトをおいていましたが、雷蔵丈の美点は役柄の幅の広さなんだけどな。もちろん、机龍之介や眠狂四郎もよいのですが、バカ殿を演じても素晴らしいのだから。虚無や孤独と表裏一体となったさわやかな明るさがいいのよ〜。あと、田中徳三監督があんなこといってましたけど、狂四郎の役柄を定着させたのはやはり三隅研次の功績でしょう。面白さが違うもの。そんなの、あたりまえのことだとおもっていたのに、きょうの特集では名前もでないのね。すごくへん! 森一生も! そして、三島由紀夫も名前がでてこなかった! 作品は放映しているのに。

Name: みいちゃん  Mail: bluetonic@geocities.co.jp

[7195] 語れない映画 '02/05/09(木) 17:22:53

とてもとてもお久しぶりです。 お正月からこっちろくに映画を観に行けなくなって(タダ券につられて「オーシャンズ11」に連れて行かれたのは消し去りたい想い出)、「リアム」も「エトワール」も観れなくて、歌舞伎も観ていなくて、でも、「エクルストン作品」は這ってでも観に行く私は、「アザーズ」に行って参りました。
・・・何にも語れません、この映画。 ある意味すごいです。 普通、どんなサスペンスでも、山あり谷ありどんでん返しあり映画でも、少しは観ていない人にコメントしようがあるんですが、背景、場面、俳優の演技について、少しでも何か言おうとすると全てネタバレにつながっていきそうで、未熟な私には語る言葉がありません。 と、いうふうに、私のようなモンが窮するのを見て「ふ〜ん、自分で観なきゃダメなのね。」と、観客動員数が増えて行くんでしょう、きっと。 エクルストンさまは・・「あぁ、これよ、これ! またお金払ってでも何度でもスクリーンで観たい!!」でした。

Name: めりい

[7194] シチリア物語 '02/05/06(月) 02:41:55

渋滞がはじまるちょっと前に東京に帰ってきました。快適なドライブでしたが、あわてて帰らずに、帰路に温泉くらいつかりたかったかな。

>かつさん。「私のイタリア旅行」>ああ、やっぱりおもしろいんですね。四時間・・・二部が完成したあかつきには八時間? いまのうちにみておきたいな。でも最後のチャンスは平日。しくしく。今回、みたかった作品はソールドアウトになってしまうし、なんとなくしょんぼりしているイタリア映画祭です。でも、パゾのユニフォーム姿にひかれて周到に前売りを買っておいた「パゾリーニ、夢の論理」はみにいきます!
太陽はひとりぼっち>み〜た〜い〜。「情事」といっしょにぜひDVD化していただきたい作品だけど、劇場でみたいっ。全体にただよう爛れたブルジョア〜な倦怠感のなかで奇妙に誠実で慎ましいモニカ・ヴィッティがたんたんとおぼれてゆくさまが大画面でみたいです。衝撃のラスト、というのはアメリカ版ですっぱりカットされてしまったという?
吹き替え版でみた>それはびっくり。

NHKでやっていた「汚れなき抱擁」はおもしろかったです。う〜ん、さすが脚本パゾリーニ。シチリアを舞台にしたローカル性も魅力でしたが、若き日のマルチェロ・マストロヤンニが繊細な少年のような演技をみせてびっくり。街一番のドンファンなのに、心の底から愛している筈の新妻(クラウディア・カルディナーレ)だけが抱けない、という心と身体のパラドックスがせつなくて。穴があくほどみつめても、百万回キスしても、汚してしまいそうと思ったとたんに抱くことができない。「いいのよ、私。永遠に貴方だけを愛しているわ」なんていっていた、女学生のような妻が、しまいに「さよなら、私は天上人じゃないのよ、お金持ちの公爵さまに嫁ぎなおします」なんて、そんな! 彼女の心がわりはいったいいつどこで? う〜ん。それに、女中のサントゥツァのおなかの子の父親は、どうみても従兄弟の・・・(七三分けのミリアンがくわせものの従兄弟役で好演)。しかし、なんといってもこの映画がすごいのは、「あの」マルチェロ・マストロヤンニが女性恐怖症を演じるというミスマッチでしょう。「モン・パリ」では妊娠までしてみせたM.Mですが、この役柄のほうが意外といえば意外。町中にひろまった「男として不名誉な噂」がひきおこした悲恋ものとして秀逸な作品でした。結婚がゴールじゃないのはあたりまえなんだけど、その後の生活でカトリック教会に心と体が一致していることを証明しなければ祝福してもらえないなんて、すごいナンセンス。あてつけに娼婦を買って腹○死してしまう父親(しあわせもの?)のエピソードと、初体験が娼婦相手で、吐いてしまった(しつれいな)という息子のエピソードが呼応しているあたり、よくできたおはなし!

Name: みいちゃん  Mail: bluetonic@geocities.co.jp

[7193] 本当の旅行記だと思っていたことを告白しておきます。 '02/05/04(土) 01:37:51

イタリア映画祭で『私のイタリア旅行』を観てきました。4時間にも及ぶスコセッシの私的イタリア映画史の第一部です。

引用されていたのはロッセリーニ、ヴィスコンティ、デ・シーカ、アントニオーニなどで、年代的には1963年(『8 1/2』)まで。パゾリーニは第二部(まだ製作されてはいないようです)の方で取り上げるそうです。

まず面白いと思ったのは『無防備都市』や『自転車泥棒』をスコセッシは映画館ではなくTVの吹替版で体験しているというところ。彼の世代がすでにTV世代だとはびっくり。でも「TVのない家の人はうちに観に来てた」とかコメントしていたのでイタリア系移民の中でもかなり裕福な家庭だったのかもしれません。

ヴィスコンティの『夏の嵐』における計算された美術に最大級の賛辞を贈り(影やスカーフの揺れ、ヒロインが堕ちていくにしたがってカラーもどんどんモノクロに近くなっていく、など言われなきゃ気づかないです)、『ミーン・ストリート』は『青春群像』を元にしているとか、スコセッシならではの切り口で解説していってくれるのでとても面白いです。

未見の作品が多かったのですが、是非観たい!と思ったのがデ・シーカの『ナポリの黄金』とアントニオーニの『太陽はひとりぼっち』。『ナポリ』は金持ちのデ・シーカが使用人の子供にカードでこてんぱんにやられるエピソードが面白すぎ!ソフィア・ローレンのピザ編も笑えるし(ここのスコセッシの解説が絶妙で爆笑)。『太陽はひとりぼっち』は衝撃のラスト7分間が気になるところなのです。

で、イタリア映画祭はこれ一本きりのつもりだったのですが、パンフレットに載っていた『パゾリーニ、夢の論理』の解説と写真を見てしまってはこれも観なくては!と思い直しました。だって『1900年』チームと『ソドムの市』チームのサッカーが見れるっていうんですもん。パゾリーニのユニフォーム姿のカッコよさときたらもう、、、生前は熱きボローニャサポーターだったそうですね。もし5日の最終節で逆転でチャンピオンズリーグ出場権を獲得できたらいいですな。

みいちゃんは信州におられるのですか。朝日ホールで並びながらもしかしたらみいちゃんやローマさんも観に来てるかな〜と思って勝手にドキドキしていたのですが、見事にスカってたわけですね…(泣笑)

Name: かつ  Mail: katsu@jc4.so-net.ne.jp

[7192] 空気はいいけど紫外線の強いところにきています '02/05/04(土) 00:55:56

さわやかなGWもあとのこりわずか。私は信州にきています。さわやかな風に吹かれ、都会とはことなる強い紫外線をあびながら、・・・でもiBookをかかえて(見た目は白くてかわいいですが、2.2キロ)きてしまったのであまりいつもと変わらないかも?!

GW期間中に「アメリ」、そしてNHKBSで「汚れなき抱擁」をみました。どちらもなかなか。帰京したらまとめよう・・・。

>WAKOさん。読みながら、目が緑色になってしまいましたよ!(嫉妬の色は何色♪)あ〜、いいなあ。AMPを買っていなかったら、私もロイヤルにいっていたかも。当面、夏のルグリを楽しみにがんばります。パリ・オペラ座らしい、モダンとクラシックがうまくまざりあったプログラムに、今から期待しているのです。そしてW杯、六月にはサイトウキネンの前売り開始と、現代社会はコンシューマ(消費者)には過酷です。

>琴蕗さん。AMP「カルメン」>深い読み解きに感服いたします。私も、当初は「黒鳥」みたいで痛快なものなのかな? と期待に胸ふくらませていたのですが、ルカ=カルメンが人間的に完成されておらず、弱い面を簡単にさらすキャラクターなのでおどろいてしまいました。アンジェロが拘束されたまま踊るシーンは私も好きです。あそこでぐっと彼が大人になるところ、いいですねえ。アーサー・ピタくんで二度もみてしまったので、完全に色眼鏡がはいってしまいました☆ ビデオはまだじっくりみていないので、舞台との差は気をつけてみてみます。

Name: みいちゃん  Mail: bluetonic@geocities.co.jp

[7191] バレエ月間 '02/04/30(火) 00:08:13

こんにちは。御無沙汰しています。4月はベジャールとAMPで贅沢な時間を過ごせました。
「ザ・カーマン」は2回見ましたが、2回ともアンジェロがユワン・ウォードロップだったので、線の細いアーサー・ピタが気になるし、反対にユワン・ウォードロップのルカというのも気になるし、別の配役でも見たくて、白鳥が来たら4回ぐらい見ないと気がすまないかも、と来年の心配、というか何回も見てもいい口実を見つけてわくわくしています。みいちゃんのユワン・ウォードロップのルカ評を読んで、なんとなくなるほどと納得しつつ、見たかったなあと地団駄を踏んでいます。

あらすじを読んだ時点では、アンジェロは線の細い美少年をイメージしていたのですが、ユワン・ウォードロップのアンジェロというのが、普通の男の子でちょっととろい感じで、この普通の男の子という意外性がよかったです。エタ・マーフィットのリタと一緒に踊ると弟と姉さんという感じでいじらしいくらいにかわいいのです。ルカが町にやってこなければ、アンジェロは周りの人に時々からかわれながらも、リタが「アンジェロをいじめないでよ!」とかばっては、なんとなく日々が過ぎておじさんおばさんになっていくんだろうなあ、と思わせる平凡さがあるんですね。そういうぜったい大事件を起こせるような「特別」な人間じゃないアンジェロが殺人犯に仕立てられて、刑務所でいたぶられたりして人間が変わっていき、その過程で凄惨な美形に転化していくから、心臓ばくばくです(もっともそういう主題の物語の形もありますが)。
とかいいつつやっぱり美少年が仲間はずれにされたり、刑務所でいたぶられたりするのも見てみたいんですけども。

で、ルカはアラン・ヴィンセントとパウロ・カダウで見たのですが、ふたりとも私がイメージしていたルカと違って、ちょっと物足りないのが最初の印象。私としては「スワン・レイク」の黒鳥のように圧倒的な魅力で男も女も虜にするというイメージの人物かと思っていたのですが、そこまで強烈なイメージはなくて。でも2回見たところで気がついたのですが、ルカはハーモニーに加わる人物なんですね。
ルカが登場してラナに注文を取らせる場面ですが、アラン・ヴィンセントとパウロ・カダウの踊りの性格は正反対で、アラン・ヴィンセントは比較的ゆっくりな動きでコミュニティを翻弄しながらうまくはまりこんでしまう。パウロ・カダウは切るような動きでコミュニティをかき乱していく。ふたりの踊り方は違うのですが、ハーモニーに加わりつつ変化を加える人物という役割ははっきりしています。主役はハーモニーのコミュニティでルカが物語をぐいぐい引っ張っていくのではないので、だから黒鳥のようにはなり得ないんだなと思いました。(だからルカはラストでハーモニーから排除される)

公演を見てからDVDを見たのですが、舞台では見切れなかったところがDVDでは映っていて、舞台は基本的には正面から見て楽しめるような視点で作られているけれど、別のアングルから見るとまた違った魅力があるのだなあと当たり前のことながら思いました。ディノが勘定しているところとか、建物の内部なんて客席から見ることはできない部分が見えると妙に生々しくておもしろいですね。ところでキャバレーの場面がDVDでは削られているのですが、他にも舞台と違うところはあるでしょうか?

たけうちさん、マシュー・ボーンのトークショー概要をありがとうございます。コピペで保存しました。なにしろ17日は公演日でしたからブリティッシュカウンシルに行けないのが悔しくて。佐藤友紀さんのミーハー(に見えつつ対象の本質を捉えるのがうまい)なところが発揮されたインタビューですね。

AMPが長くなってしまいました。ベジャールの感想ですが、「バレエ・フォー・ライフ」を見ていて思ったのが、魂が姿をもっていたらこんな形になるんじゃないかしら、ということでした。
それとジル・ロマンが出てくるとそこに目が釘付けでした。「少年王」では立ち姿、歩く姿だけでも美しさに息を殺して見ていました。

『呪われし者の女王』(映画邦題『クイーン・オブ・ザ・ヴァンパイア』)のサントラですが、日本盤が出ましたのでようやく買いました。タイトルが変わってしまったのは非常に残念です。レスタトのコンサート場面ではファンが「DAMED」Tシャツを着ているらしいのですが(それではThe Damned……)、その意味も半減してしまいます。
ファンとしましてはレスタト様がなさることならそれについていきます(はーとまーく)というもので、ヘビィロックはわたくしの首尾範囲外ですが、努力して聴きます(努力っていうところがなあ)。でも音自体は聞けるのですが、怪物だぞー、怖いんだぞーっていう感じのボーカルが辛い……。
すでに映画を見た友人の話ですと、原作とはだいぶ異なる話になっているけれど、『ベルベット・ゴールドマイン』みたいなキッチュでポップなおもしろい作品になっているそうです。ステュアート・タウンゼントのレスタトも髪の色を除けば、『ヴァンパイア・レスタト』以降の「やんちゃ王子」のレスタトそのものだそうで。

明日は渋谷に1泊して映画を見に行こうと思ってミニシアター回数券を買ったのですが、シネマライズは使えなくなっていたのですね……。回数券を使えるところと使えないところの作品のタイムテーブルの組み合わせを考えるのがムズカシイ。

http://www.geocities.co.jp/MusicStar-Guitar/2678/index.html

Name: 琴蕗

[7190] 結局、RBの「カルメン」見てきちゃいました '02/04/28(日) 13:39:05

14日の「ベジャール・ガラ」を見た後、そのまま飛行機に乗りこみ、先々週パリとロンドンでバレエ三昧の休暇を過ごしてきました。ちょうど大統領選直前のパリはやっぱり盛り上がってなかったら、帰ってきたらあんなことになってびっくり。これで結果的にはシラクの大勝で終るんでしょうが。ロンドンでは、V&Aでティアラ展をやってたんですが、王室、貴族のものからファッション・ショウで使用されたものまでいろいろ並んだ最後の方に、何とベッカムとの結婚式でビクトリアがつけたものが...。

パリ・オペラ座では「ドン・キホーテ」の初日&2日目とバレエ学校公演を見ました。今回の「ドン・キホーテ」は群舞も若手主体。ヌレーエフ版のあのめまぐるしい踊りは見てるほうも情報量過多で大変ですが、踊るほうはもっと大変というのは、映画「エトワール」で舞台袖に倒れこむダンサーたちを見ればよくわかりますね。
ロンドンでは、18日はロイヤルオペラハウス内のClore Studioで、ウィリアム・タケット振付による”SMALLER WORKS”。 10分強くらいの作品5本で構成された約1時間のプログラムで、出演者はゼナイダ・ヤノウスキーをはじめ、ロイヤルバレエのダンサーたち9名。イギリスらしい演劇性の強い作品が多く、会場はびっしり満員で、こういう試みが熱心な観客たちの豊かな愛情に支えられていることがひしひしと伝わってくるような温かい雰囲気に包まれていましたし、何よりダンサーがすぐ目の前で踊っている醍醐味を堪能しました。
翌金曜日は、ロイヤルバレエの"Cross Cultures"というプログラムで、最大の目当てだった「カルメン」を見ました。ギエム嬢のカルメンはエックのあの独特な動きを踊ってもどこかゴージャスさが漂っていました。ドン・ホセがはまり役のマッシモ・ムッル、エスカミーリョをキザに演じて盛んにウケけていたジョナサン・コープ、そして、Mを踊ったゼナイダ・ヤノウスキーと長身のスマートなダンサー揃いのキャストのせいか、ブラック・ユーモアの部分はややマイナスされ、スタイリッシュな面が際立った感はありました。また、デュアト振付の"Por Vos Muero"という作品は透明感に溢れ実に美しく、私のデュアト心酔に拍車をかけました。
ダンサーでは、フォーサイスの「イン・ザ・ミドル...」でギエム初演のパートを踊ったバッセルもシャープで素敵でしたが、冒頭の「イン・ザ・ミドル...」から3作品全部に出演、それぞれに違うボキャブラリーを見事体現して見せたヤノウスキー(個人的には95年の来日時からファン!プリンシパル昇進後は今回初めて見ました。)の素晴らしさが最も印象に残りました。



Name: WAKO  Mail: fwf0264@tkg.att.ne.jp

[7189] さわやかな連休です '02/04/28(日) 01:03:49

連休突入です。ありがたいことに休日出勤はなしです。ですから、映画や演劇をおもいきり消費したかったのですが、なんだか猫とあそんで一日がすぎてしまいました。しまったかなあ。さわやかな晴天の日だったのに。

明日は横浜の近代文学館にいこうと思っています。下宿屋の娘を取り合ったあげくに自殺しちゃったりする小説を書いた文豪の展示をやっているというので。森雅之の映画版のそれはちょっとみてみたいかな。

amazonでひさしぶりにおかいもの。いったん品切れといってきたカイリー・ミノーグ嬢のシングル盤が再度カタログにあがっていたので「三ヶ月、さんざんまたせてだめといっておいて、なんだ、これは」とおもいつつクリック。ついでにガービッジのシャーリーちゃんが前にやっていたバンドのアルバムを一緒にバスケットにいれました。これはちょっとたのしみ。さらにふらふらとオススメアート本なんぞをチェックしていると、うーん、いけませんね、すっかりamazonの思うつぼじゃありませんか。これじゃイエナがつぶれてしまうわけですよ・・・。しかし、あいかわらず、よくわからないものをオススメしてくれることです。あいかわらず、映画は「メメント」だし。ま、「ラヴィナス」をすすめられるよりはいいのかしらん。今回のヒットは「コルセット:文化誌的考察」でしょうか。なぜそんなものをすすめてくるのよ・・・。買わないって、そんなん。

Name: みいちゃん  Mail: bluetonic@geocities.co.jp

[7188] 暑くもなく寒くもなく、春の日 '02/04/26(金) 02:51:05

「バーナビー警部」後編を観ました。前編はまあ、あの人があれだっていうのは予想がついたのですが、後編はすごかったです。まさか海軍と女装が一直線上にあるとはおもわなかったし。ミステリーは人物造形の魅力と細部のつみかさねが大切ですけど、このシリーズって、かなり隠し味がドギツイですね。バーナビー警部が「有能、家庭的、勤勉」という、信じがたいほどにノーマルなのと対照的すぎ。だいたい展開がよめるんだけど、こちらの予想のもうひとつ上をいくグロさが魅力かも。

でもね、今回の第二話は伏線はりすぎなのでは? トロイ巡査部長に影をおとす学校時代のエピソードとは? 演劇指導をしていた先生を美人局でひっかけてまで破滅においこもうとする生徒たちの真意はどこに? 謎がとけても気になってしまいます。げに、美しきかな英国カントリーライフ。

>かつさん。BSで深夜やっていたフレディ・マーキュリー・ストーリーをついつい、みてしまいました。インタビューにこたえていた恋人経由→生涯の友人となったメアリーさんがすてきでした。こんなすてきな美人に理解してもらって、サポートされていたなんて、フレディって、しあわせもの! 最後の恋人、ジムさんも、みためがゴツイけど、すごくやさしい人で納得でした。この映像、ベジャールをみるまえにみたかったです。
新譜>ああ、そんなにたくさん。とりあえず、林檎姫が唄う一人称「ぼく」は魅力的なので期待しています。

>たけうちさん。ありがとうございます! いきたかったんですよおお、マシュー・ボーンは語る! 振付家、というより演出家みたい。マクミランの最後の仕事がミュージカル「回転木馬」だったみたいに、振付の枠をこえて、いろんなジャンルの仕事に越境する才能なんでしょうね。
指輪>現行字幕のせいで、「すっかり違うラストシーン」をみさせられてしまった一人です。「旅の仲間」どころか、あの字幕では「指輪をめぐって裏切りの連続」でしたからねえ。趣旨に賛同いたしますので、どうぞお気遣いなく!

>PINGUINOさん。「プラド」>いいのがきてはいるんだけど、クセのつよい絵がきてないんですよね〜。ゴヤも、「日傘」なんて、だれからも好まれるラブリーな絵だけど、反権力で陰惨なイメージも得意とするゴヤの他の絵とはかけはなれちゃって。やはり、膨大な収蔵品を誇る美術館を、数枚の口あたりのよい絵で集約するのはむり。でも、貸し出してくれることはありがたいことだから、こんなものかな、とも思いました。画家の個性が強すぎて、なんとなくラファエル前派があれば「テート」、印象派があれば「オルセー」っていうのとは違うんですよね。

Name: みいちゃん  Mail: bluetonic@geocities.co.jp

[7187] 手錠をかけられたアンジェロ '02/04/25(木) 15:47:50

 というのは、「増える賞金、死体の山」の話題ですか? 私が言うと意味不明ですね。来月3日発売のマカロニDVDボックス、買ってください。

 プラド展>上京ついでに見てきました。うーむ、中途半端。ベラスケスの「ラス・メニーナス」はスペインの宝だから、まあ日本公開は難しいとしても、彼の作品は「マルガリータ王女」など代表的大作はゼロ。ゴヤは着衣・裸のマハもなく、見どころは「巨人」「日傘」程度だし、ボッシュに至っては展示なし。「我が子を喰らうサトゥルヌス」は、ゴヤじゃなくてルーベンスの方でした。ちょっと辛かったなあ。プラドにまた行きたくなりましたよ。展示作品でこれから行かれる方にお奨めするのは、スペイン出身のムリーリョの作品群。これはいいのが来ています。

Name: PINGUINO  Mail: vamos_a_matar@mac.com

[7186] すみません… '02/04/25(木) 00:53:15

こういう書き込みだけするのは良くないとは思いつつ…
一部巷で話題の「指輪物語」(LOTR)のユカイかつ「嘘つき!」な日本語字幕について活動されている方々です。映画を見てすこしでもひっかかりを感じた方は御一読下さい。

国内署名拠点
http://gollumone.tripod.co.jp/index.shtml
国際的署名拠点
http://www.petitiononline.com/lotr1/petition.html
(こちらは、聞き書き台本を作っているイギリス人女性が、日本からの問合せが異様に多いことからこの問題の存在を知り、立ち上げてくれたと言うところ)

なんかこう、日本の映画業界の体質の犠牲になる傑作映画が後を絶ちません。

http://www02.u-page.so-net.ne.jp/ka2/take-m/

Name: たけうち

[7185] 春の嵐 '02/04/24(水) 17:18:40

こちらではお久しぶりです。4月の嵐、ベジャールマラソン完走+AMPがようやく終わり、また指輪な日々に戻っております(苦笑)。
先日、ブリカンで開催されたマシュー・ボーンのトークショーに行ってきましたので簡単にご報告します。。盛況(9割方女性…)でした。
聞き手はライターの佐藤友紀さん。相当のファンというのは知っていたが「もう、私今日は完全にただのファンです」といささか舞い上がりぎみ。でもさすがファンながらの突っ込んだ質問が多く、とても楽しいトークでした。
以下、順不同の箇条書きですが。

*英国上演時には”Autoerotic Thriller"という副題が付いたが、それについてAutoeroticという言葉はAUTO=車とかけていると同時に、「自分ひとりで楽しむこと」という意味もあるので(汗)、エンターテインメントには相応しいと思った(おい)。また、ダンスで「スリラー」と言うのはめったにないわけで、スリラーと掲げることで「いつもの物語」ではない、新しいストーリーであることを表せると思った。

*ダンスにおけるセックス&バイオレンスについて
とにかくリアルな物語にしたかった。直截的な表現はある意味、どこまでやれるかという実験だったが、映画では普通に行われていることをやったにすぎない。暴力のアクションも映画の関係者からコーチを受けた。
フィジカルに見て、いかにセックスとバイオレンスが似通っているかが分かると思う。

*ダンサーに50本の映画を見せたそうだが?
50本全部見せたわけじゃないが,50本をピックアップしてそれぞれに必要なものを見てもらった。例えばルカなら「欲望と言う名の電車」(ブランドーの動きはかなり取り入れた)アンジェロなら「理由なき反抗」や「マイ・プライベート・アイダホ」などだ。
特に重要視したのはその他「若者の全て」「ファイト・クラブ」「ラスト・ショウ」。

*ダンサーの演技について
ダンサーには2通りいて、自分に似たキャラクターにしたがる人と、自分とは正反対の役柄をやりたがる人。
前者については、稽古のときに各キャラクターのライフストーリーを語り合うのだが、「それは自分自身だろう」という人がいる。また、DVDでラナを演じている は、普段は刺繍とかしちゃうようなおとなしい人だ。残念ながらアダム/クーパーもSexGodじゃないんだよ!

*AMPのアンサンブルは、いわゆる「コールドバレエ」ではなくてキャラクターが立っていると思いますが
Individualityということを大切にしている。普通のバレエのようにただいっせいに動いて踊って驚いて、というものではなくひとりひとりが自分のキャラクターについてリサーチし、それぞれが人生を持っている。ダンサーに聞けば自分の役柄について語ってくれると思う。
これは一緒に仕事をした芝居の演出家から学んだことだ。彼らはエキストラのひとりひとりにも、いかに自分が重要であるかを自覚させるのがうまい。特にトレヴァー・ナン、サム・メンデスやニナガワ、一緒に仕事はしていないがケアードからは多くを学んだ。

*(お客さんから)私はCARMANの主役はアンジェロだし、SWANの主役は王子だと思うのだけど、評などを見ても「クーパーがかっこいい」とかそういうことしか書いていない。そういうパブリシティは戦略なのか?
評などについては我々の手の及ばないところだけど、おそらくそう書くほうが簡単だからだろう。
宣伝の面では、確かにセクシーでグラマラスな男女を(ふたりセットだと尚可)表に出したほうが客を呼べることは確かだ。実際、ブロードウェイ公演では裸の王子と白鳥と言う図柄を考えていた(セクシーなものではなくイノセントな裸)が、興行側に賛成してもらえなかった。ただ、一度お客さんを劇場に呼び込んでを見てもらえさえすれば,真にどういう作品であるかはわかるだろう。

*手錠をかけられたアンジェロの踊りが好きなのですが、ああいうハンディのある踊りは大変では?
なんらかの制限がかかると振り付けのとっかかりになるので却って楽。ディズニーとやる「リトル・マーメイド」も「シザーハンズ」もある意味ハンディのついた踊りになるだろう。
特にアンジェロの場合は、シンボリックな意味での拘束という(彼自身がブレイクスルーを必要としているキャラクターである)側面もある。
基本的に小道具を使うのが便利で好き。

*イギリス演劇界が活気付いていますが、それについて
確かに各劇場の芸術監督が替わり、特にハイトナーは「演劇」に限らない新しいジャンルへの拡大を目指していてとてもエキサイティングだ。でも、ダンスに関してはちょっと違っている。ロイヤルバレエの芸術監督がオーストラリア人に替わり、今までの伝統が崩れようとしている。僕はクラシックは嫌いではなくて、むしろ大好きで保存して欲しいと思っているのだけど、それは僕の仕事ではないから他の人にやってもらわないといけない。アシュトンやマクミランの伝統は守って欲しい。今ではバレエ団はどこもABTみたいになってしまっている。(←ちょと受けた)

*映画について
アステアが大好きなので、ダンス/ミュージカル映画が廃れてしまっているのは残念。いつか無声映画みたいな感じで、ワンショットずつ構成した「映画のために」振付けた作品をやってみたい。

*W/トリプルキャストは事前に組んでいるんですか?
前もって組み合わせを決めている。これは、SWANのロングランのときに怪我などに対応するために必要から編み出されたもので、かなり複雑に入り組んでいるので、「あら久しぶり」なんてこともざらにある。作品を常にフレッシュに保つためにもとても有効だ。

そんなところでしょうか。やはり、ダンスと演劇の狭間にいるという自意識でやっているようですね。こういうカンパニーはやはりここしかないので面白いなあと思います。新作もいっぱい控えているようです(シザーハンズの前に「くるみわり」の新振り付けを今クリスマスにやるそうです)し、楽しみですね。しかし、ディズニーとマシュー・ボーンが組むとは思いませんでしたが、これも劇団四季でやられたりするんでしょーか…チトコワイ。


Name: たけうち

[7184] "About A Boy"の日本語訳はいつ出るのだろう? '02/04/23(火) 21:53:14

サントラ盤を買いました。『クイーン・オブ・ザ・ヴァンパイア』と『24 hour party people』と『アザーズ』、そして『エピソード2』の4枚。

『クイーン・オブ・ザ・ヴァンパイア』。まるでジョン・カーペンター監督作のような邦題ではありますが、アン・ライスの『呪われし者の女王』を映画化したもののことです、もちろん。なぜ小説のタイトルそのままではダメなのだろう。ひどいよう…(涙)。KORNが楽曲担当と思っていたのですが曲を提供しただけで実際それを歌うのはリンキンパークとかマリリン・マンソンでした。個人的にクリードとかリンキンとかはあまりというか全然好きではないので勘弁して欲しかったです(そのくせリンプは好きだったりする)。しかしヴァンパイア系の音楽はなんでこういうハードな曲調なんだろう?耽美とかそういうものからはものすごく遠いと思うし、堕落の象徴としてならデヴィッド・フォスターがプロデュースしたソフトなAORを使った方がいいように思うんだけどな…。レスタトの市場リサーチで「へヴィロック好きな子は細身で血がうまい」っていう結果でも出たのか?(←絶対違います)あ、ちなみにタウンゼント君は唄ってませんです。

『24 hour party people』はマイケル・ウィンターボトムの新作。タイトルがハッピーマンデイズなのでおわかりかと思いますが、マンチェ!ファクトリー!ハッシエンダ!な映画なのですよ〜♪イアン、バーニー、ピーター、ジ・アザー・トゥー(ちゃんと名前を書いてやれよ)、ショーンにベズ、そしてモリッシーまで出てくるんですよ〜!あー早くみたい。サントラ自体はピストルズからはじまってジョイディヴィジョン、ニューオーダー(新曲あり)、ハピマンが数曲ずつ収録され、そこにクラッシュや808 STATE、バズコックスなんかが絡み、最後はもちろん"Love Will Tear Us Apart"。あーほんとうに早く観たい!
ところでウィンターボトムといえば"The Claim"はどうなったのでしょう?大コケしたけど内容は悪くないって聞いていたのでそのうち日本でも公開されると思っていたんですが。サラ・ポリーが観たいのに…

『アザーズ』のサントラは監督のアメナーバル自身によるもの。ハンス・ジマー級のハッタリがきいているかと思えば抑制のきいた部分もあり音だけでも十分怖いです。これがあのダークで美しい映像と美術とニコールに被さるのかと思うとドキドキ。たとえエクルストンがちょっとしか出てこなくても楽しみです。

『エピソード2』は相変わらず曲名で物語がどう展開していくのかがわかってしまいます。さすがルーカス。そうか予告のあのお方はああするだけじゃなくそういうふうに絡んでくるのかぁ。ふふふふ。このぶんだとエピソード3サントラには"ジェダイの死"とか"ダースベイダーの誕生"とか「そうなるってわかってるけどズバッと言ってくれるなよ〜(涙)」って曲が入りそうですね(笑)。このまえ『E.T.特別版』のサントラを買って、「ジョン・ウィリアムズの最高傑作はこれなのかも」と思ったばかりなのですが、やっぱSWのテーマの高揚感には敵わないですな。

>林檎カバー
兄さんやヒカルちゃんやナオちゃんとのデュエットもあるそうで。僕はスピッツ草野くんとの"灰色の瞳"と太田裕美の"木綿のハンカチーフ"を楽しみにしています。
あ、そうそう、小島麻由美のシングルがまたいつのまにか出ていましたよ。ジャケはちょっと今風(?)な感じです。

Name: かつ  Mail: katsu@jc4.so-net.ne.jp

[7183] 彼らが今度は白鳥になって飛んでくる日が待ち遠しいです '02/04/22(月) 02:14:24

AMP最終日、「ザ・カー・マン」を観てきました。ルカがユーワン・ウォードロップ、アンジェロがアーサー・ピタ。ロッコがパウロ・カダウでした。二度もアーサー・ピタくんの線の細いアンジェロをみてしまったため、「かっこいいウィル・ケンプのアンジェロ」が想像できなくなってしまいそう。えーん。だって、アンジェロ=アーサーの完成度が、妙に高いんだもの。ロッコはどの人だかわからなかったんですが、ルカをやったパウロ・カダウくんがロッコ役を好演してくれたおかげで、ようやくわかりました。だいたい四人で踊っている準主役級の役がそうです。男三人女一人でからみあって踊る役の人、ってことで・・・。本日の主役、ルカとラナは、演技が上手いタイプの二人でした。とりわけラナがうまかったので、当て馬にされていたパンをこねる男とか、ひきたってました。酒場のシーンでも、みんながやってる賭博がルーレットだって、視線だけで理解できたし。でもでもでも。踊りがあまりうまくなかったのです。とくにルカ役の男の子、群舞でワンテンポずれるんだもの。そのぶん、肉感的で美人のラナさん(ヴィッキー・エヴァンス嬢)との踊りが、踊り、というより絡みってかんじになっていて、バレエ度はひくかったけど、猥雑感はたかかったのかなあ。そういえば、ラナさんの衣装が最初から下着が透けるくらい薄いワンピースだったなあ。踊りはいまいちだけど、自信にみちた、パフォーマンスでした。踊りの上手い○○組、演技の上手い××組、なんていうのがAMP内にあるのかもしれません。宝塚みたい☆ 踊り手の個性でぜんぜん話がかわってみえてくるから、(きょうのラナさんは、ルカと激しく踊っているときでもあでやかにほほえんでいるので、ルカより精神的優位性が上になっちゃってました)いろんな組み合わせでみたくなってしまってこまります。

きょうは客席にマシュー・ボーン氏が。おお、そしてとなりには元王子さま、スコット・アンブラーが♪ 素顔の王子さまは、日曜日のポロシャツおとうさんみたいにみえました。

Name: みいちゃん  Mail: bluetonic@geocities.co.jp

[7182] 新譜の発売日 '02/04/21(日) 01:24:25

下記の映画を撮っているのはタベルニエの息子。パッション・ベアトリスでぐずっていた男の子がねえ。

>PENGUINOさん。ラッセ君>私、実はこの監督の独特のリズムがちょっとあわないんです。すごおおおく眠くなってしまうときがあって。「ショコラ」はまずまずでしたが、「サイダー」はかなりふらふらに。しかしながら、ある日突然はまる可能性もなきにしもあらずなので、評価がペンディングなんです。
アメリ>まだみていないのです、この「不思議ちゃん」映画。でも、かわいい女の子のポスターと、サントラはすばらしいので、よくもわるくも期待してしまいます。このサントラの人は、二枚ほどCDが出ています。いずれも、なかなかよいですよ。
プラド展>ラス・メニーナス(女官たち)がきていたらなあ。来週から雪舟が東博ではじまります。こちらもたのしみ。

>かつさん。OASIS>私が買えたのはビッグブラザー印のUK盤だけ。映像がみられるシングルがでているなら、そっちもいいなあ。国内では、以前LDとビデオだけででていたLIVEがDVDででるそうです。特典映像をちょっとつけてくれるらしいので、買い直す価値はあるかしらん。ところで。ヴァネッサ・パラディのライブDVDがついに出ましたよっ。
コステロ>チャップリンのカバーヴァージョンでうれまくるなんて、意外! カバーといえば、五月にでる林檎ちゃんの「唄い手冥利」がたのしみ。カバーばかりで二枚組なんだそうです。

Name: みいちゃん  Mail: bluetonic@geocities.co.jp

[7181] 一人一人がソロを踊るレベルのコールドバレエ(群舞) '02/04/21(日) 01:11:52

話題のパリ・オペラ座バレエ団のドキュメンタリー映画「エトワール」をみてまいりました。う〜ん。ゴージャス。至福の100分。こういうドキュメンタリーだったら、十時間だろうと二十時間だろうと観ていたいくらいです。100分なんて短すぎる時間内によくぞここまで! というくらい内容をもりこんであって感心させられました。

これまで、シルヴィやモニク・ルディエール、そしてパトリック・デュポンといった当代きってのエトワール、つまり個人を密着取材した短編映画はあっても、オペラ座バレエ団という組織自体に肉薄した長編映画はなかっただけに、今回の三ヶ月間に限られていたとはいえ、取材許可がおりたのは画期的でした。ありがとう、オペラ座新芸術監督! それも、1999年夏の日本公演ベジャール「第九」から取材をはじめるなんて、憎いじゃありませんか〜。実際には、主に「第九」と「ラ・シルフィード」と「白鳥の湖」の三作品の練習とゲネラルプローヴェ、本番舞台裏で構成されているのは妥当なかんじ。でもでもでも。もうすこし前から取材していればマッツ・エック振付けの「ジゼル」や、イザベル・ゲランさんの引退なんかも取材できたのにい。ああ、観たい知りたいにきりがないです。

ダンサーにむかって「引退」とか、「怪我」とか「出産」とか、いささか、インタビューの内容が凡庸なんじゃ? ってきもしましたけど、ま、素直な気持ちでぶつかってるってかんじがただよっているので、好感はもてました。監督はどう舞台の役柄を演じるか、という芸術的興味より、ダンサーという「人間」に興味津々なのですね。ルグリがいっている、モダンとクラシックのきりかえのこととか、もっとよくきけよ! と思いましたけど。デュポン嬢がなんとなくナイーヴなことをたくさんはなしているのは、骨折直後のインタビューだったからだったりして、そのへんはいいかんじだったかな。空気のように舞台裏にひそんで、いきなりカメラをむけてもいやがられないようにしているって、なかなかなことだし。

競争社会のつらさを語る人が多くいるなかで、踊るのがすきなだけなんだ、なんて、自然にいえてしまうルグリはやっぱりちがうなって、おもってしまいます。彼の、あの明るくて端正な踊りと、あの前向きな発言はほんとにマッチしている。競争社会で、努力に努力をかさねて栄光の座をかちとる、みたいな話を人は期待してしまいがちだけれど、世界にみるべきバレエダンサーが何万人もいたらこまるじゃないの、との前提にたってみれば、努力してなるより、生まれつきなるべくしてなっている、それこそがエトワールなんであって、それすらも努力なくしてはありえない。だからこそ、エトワールは「選抜」でなくて「任命」なのでしょう。

しかし、いまのオペラ座がこんなにハイレベルの作品をつぎつぎこなすようになったのは、「新しい風」がふいているからで、その風のおおもとは「オペラ座なんてスピードが遅くて不自由でふるくさい」といって後足で砂をかけてでていったシルヴィさまがいた反動かな、なんて思うのです。

Name: みいちゃん  Mail: bluetonic@geocities.co.jp

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