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[7160] 聖杯を我が手に '02/03/25(月) 02:06:47

「聖杯」DVDをついに手にしました。すごい、すごすぎます。広川さんたちのニホンゴ吹き替え完全収録、撮影当時のメイキング、そして当時を追憶するドキュメント、資料がとびだす「キラー・ラビット機能」ほか、なんにつかっていいのかわからない機能もたくさん! でも感動したのはマイケルの「ココナツ」新作コントです。ああ、神様ありがとう。

特典満載、といういうより、特典まみれの二枚組ですが、そういった資料価値より、あざやかなデジタル画像でみる映像のすばらしさこそをまず一番に愛でるべきかも。森のなかに夢のようにお花が咲き乱れているなんて、劣化したビデオでみていたときには想像だにしていないことでした。おととしNHKで放映した画像だって、そんなにきれいじゃなかった気がするし。ほんとうに70年代イギリスでとった風景が美しいんです。そして、ただ薄暗いだけだった城内の美術もくっきりはっきりです。ふんずけられる猫のぬいぐるみまでしっかりうつってます。ああ、低予算といいながら、細部にこった映画だったんですね。

聖杯に夢中になってフォルティに手がまわらず。マヌエルの「美しい」英語がきけるらしいのにい。封入されているシリーウォークTシャツはけっこうかわいいです。でもサイズがでかい☆

歌舞伎座で十六夜清心をたのしみました。仁左衛門さんの清心はひさしぶり。菊五郎演じる悪い美少年清心もすきなんですが、前半の少年っぽいかんじと後半の「ワル」なかんじの対比がきわだつ(後半がすごく悪人っぽい)仁左衛門清心、ほれぼれしてしまいます。玉三郎は、清い遊女、怪しい尼僧、強請悪婆の三変化が鮮やかで、さすがです。まったくうぶな赤姫より、ちょっと濁った水に浸かっているくらいの美女を演じさせると逆にすがすがしいというのは素晴らしい(?)です。ああ、桜姫がみたいよう。おあいては新之助くんでいいから。

Name: みいちゃん  Mail: bluetonic@geocities.co.jp

[7159] まだ聖杯を手にしていません '02/03/21(木) 23:13:34

きょう、NHKで久世光彦演出・井上ひさし原作ドラマ「碧空のタンゴ」をみました。うう、よかったあ。終戦前に懸命に日々を生きる市井の家族を映画いた、向田ドラマとかなり近い世界で感激。次女が学徒動員の青年に恋をするあたりは、「あうん」を思い出させて、なんか息苦しくなりましたが、原作ものなので、そのへんはさらりとかわしてくれて一安心。ともさかりえちゃんと宮沢りえちゃんが、ちょっと古風と思えるほど美しく清楚な乙女を上品に好演していてすてきでした。特別偉い人でも、優れた人でもない。ごくふつうの人々がいて、それなりに問題をかかえていたり、秘密があったりして、懸命に生きている。その懸命な努力を、すべて無にひっくりかえしてしまう「戦争」という暴力のおろかしさを、昭和生まれの人たちがこだわり、くいさがってドラマにする。続けてほしい、と切に願いました。

>ローマさん。住宅街の一角>著作権は死後50年。ということは、もう、戦前になくなった人はだいたい著作権がきれています。青空文庫には芥川や太宰のテキストがたくさんはいっていますし、これから先、どんなに本がうれても、ましてや、おそろしいことに彼らを題材にして映画がつくられることになっても、もう遺族にお金ははいらない(「ペルソナ」映画化ですって!)。でも、その人が書いた、ということはいいことも、わるいことも、後世に残る。重いな、と思うと同時に、浪漫を感じてしまいますね。

>PINGUINOさん。フォルティ>まさかこれはでないだろう、と思っていたら、BOXになってしまいました。「リッピングヤーン」シリーズまででたらどうしよう。私は戦時中のはなしを持ち出してドイツ人いじめをするあの回はあまりすきでないんですよ〜。なんども注文をまちがえるところもちょっとくどいし。でも、マヌエルをいじめる回はなぜかどれも好きなんですう。特典、たのしみです! マヌエルの役者さんは、あの役以外にあまり目立った役者生活をおくらなかった、というふうに以前は伝えられていたのですが、特典にでてたりするかなあ。コニー・ブースも好き。じつは、きょう昼間いきなり発売になったことを思い出し、「聖杯」とともに電話でおさえてあるんです。わくわく♪

Name: みいちゃん  Mail: bluetonic@geocities.co.jp

[7158] 凪の風景 '02/03/21(木) 23:09:56

今週はもういっぽん、映画をみました。ポスターのおんなの子があまりにキレイなので、ふわふわ〜っとすいこまれるようにみてしまった韓国映画「寵愛」。いやあ、いろんな意味で意外な作品でびっくり。話は「インティマシー」とほとんどおなじで、男が部屋でまっていて、女がきまぐれにやってくる、という話なんですが・・・。はなしがたわいなければたわいないほど、作り手の力量がでてしまいますね。どんなに美男美女が美しく抱きあっても、「インティマシー」のせつなさはだせない。まず、女を待っている男がかっこよくポーズつけながら小説を書いて待っている、っていうはナニゴトですか。しかも、おしゃれなインテリアのお部屋でですよ。やっぱり、恋する男はプチプチクッションをつぶしながら女を待っていただきたい(←冗談ですう)。と思いながら多少たいくつしてみてました。映画がおもしろくなってきたのは、男が女のぱんつにアイロンをかけて待つようになってからでしょうか。男の潔癖性と、屈服してしまったという悲しみが胸をうちました。う〜む。それでいきなりわかったんですけど(なにが、だ)、この韓国映画、モノローグが「男」なんだけど、映像の感覚は「女」、なんですよ。そういう意味では、非常によくわかった映画ともいえる。せりふは男なんだけど、身体感覚は女の立場からとっているから、なんか、こう、視覚的にうったえるものが弱い。やさしくて、きれいで、おんなの子にとって気持ちのいいことしか訴えない映像は、うごきがなくて、おだやかで、凪のよう。でも、幸福って、そういうものかもしれない。でもそれはそれで、やっぱりたいくつかもね、なんて。それはさておき、主役の男の子がキレイで驚愕しました。モデルさんだそうですが、彼はもっと誰か評価してあげてください。私がポスターできれい、と思った女の子は、ちょっとお顔にお直しがはいっていました。別になおしていてもいいんですが、もともとキレイな子だと思われるだけに、なんで変にいじるのかなあ、なんて思っていたらちょっときになってしまってじっくりたのしめなかった☆ ラストはこじゃれたフランス映画みたいで、これなら「ベティ・ブルー」のほうが青くさくてすきだわ、なんて思ってしまった。でも、嫌いにはなれない映画でした。アジア映画も、たまにはいいもんですね。

Name: みいちゃん  Mail: bluetonic@geocities.co.jp

[7157] 指輪物語への遙かな道 その2 '02/03/21(木) 23:07:41

映画はトールキンの世界観を映像でみせようとして、それにはかなり成功していると思います(ホビットの村ひとつとっても、あの絵づくりはすごいです)。すばらしいキャストをむかえ、ビジュアルな解釈をふくめ、あれだけ娯楽として一般的にみておもしろく、満足のゆくすがたで提示してくれたのは、これからトールキンの世界にふれる人にはすばらしい道しるべになるでしょう。とても豪華な絵本をデジタル感覚でめくる快感。本をよむより、やはり映像は直接的だから、なじみやすい。でも、やはり、あれだけ壮大な世界を三時間でみせるっていうのは、無理なんだなあ。プルーストの「失われた時を求めて」の映画化とおなじで、エッセンスしかつたわらない。活字を読んで、脳味噌で反復したものにしか知り得ない「あの世界」を知ってしまったような、独特の高揚感がない(映画でも、そういう感覚を感じさせるものがあるので、一概にはいえないんだけど)。そのエッセンスの出来がすばらしければすばらしいほど、そのおおもとがなんなのか知りたくなってしまう。だから、映画をみると、やっぱり原作が読みたくなってしまう。映画自体が、壮大な叙事詩の入り口になっている、という意味では、これはとてもすぐれた映画かもしれません。でも、この映画そのものが映像の叙事詩になっている、という高みにはまだいたっていない気がしました。やっぱり、展開があわただしいよね。キャストがいいだけに、あの世界をもっと「観たい」。ここはひとつ、完全版8時間かなにかをだして、三部完結のあかつきには24時間耐久指輪マラソンとか・・・。

私が一番気に入ったのは、地下のダンジョンです。そうそう、橋を渡るところは大変なんだよね〜、とか。タイムアップがあるから、この広間に入る前にかならずセーブしてからいくこと、とか、思わず心のなかでつぶやいたりして?! 大ボスは強いけど、適切な武器を選択してから弱点を攻撃すれば案外ラク、とか、ああ、「指輪」って、本当にロールプレイング・ゲームやアドベンチャーゲームの源なんだわ。ミーハーな私は、ヴィゴ・モーテンセン演じる「人間」がお気に入りです。自らの弱さを知っていて献身的な戦士って、いいです♪ これも基本ですね。

お気に入りの、またはおなじみのキャラクターとどのくらい楽しい時間をすごせるかっていうのが、良質のファンタジーの基本にあるような気がします。そして、その幸福な時間が長ければ長いほど、キャラクターに感情移入しますから、相乗効果で世界にハマる。なんについてもいえることかなあ。マカロニやチャンバラもファンタジーだし。ん、映画の感想にならないなあ。

Name: みいちゃん  Mail: bluetonic@geocities.co.jp

[7156] 指輪物語への遙かな道 '02/03/21(木) 23:06:02

昨夜ついにみました「指輪物語 第一部・旅の仲間(邦題「ロード・オブ・リング」)」。せっかくですので、映画にふれる前に、これから鑑賞なさる方のために劇場混雑状況などリポートしたしましょう。祭日の前の夜、しかもレディース1000円サービスの実施日(at銀座ピカデリー)という好条件のために水曜はおすなおすなの大盛況。デッドラインは45分前だったようです。私は30分前にいってはるか下の階でとぐろをまいている行列におそれをなしたのですが、たまたま用心のためにはやめに行っていてくれた配偶者(←いたってまっとうな大作映画なら安心して一緒にみてくれます)、のおかげで座ってみることができました。

座ってみることができた、とはいえ、すでに中頃の席はすべてうまっていたため、「ま、ちょっと前でもいいや」と、前から四列目でみてしまいました。これは失敗。比較的前のほうでみるのが好きな私をもってしても、このCG多用の映画を大劇場・前列でみるのはかなりシンドイ。美しい大自然にたっぷり埋没するだけなら、大画面なにするものぞ、なのですが、やはりデジタルで処理された激しくうごきまわる戦闘シーンをここちよく肉眼でとらえるためには、ある程度の距離が必要ですっ。でないと、戦闘シーンのたびに、自分が視点をさだめる場所をうしない、主人公たちがどこにいるのかわからなくなって、しまいにはポリゴン酔いになってしまいます(アドベンチャー・ゲーム好きなら本望?)。三時間みおわったときにはくらっくら。ああ、なんという臨場感?!

みおわってみれば、ジェットコースターにのっていたようなもので、あっという間の三時間。しかしさすがにサービスデイ。映画がおわったとたん「えーっ」という嬌声と苦笑のような声が劇場のそこかしこからあがったのです。つ、つまり、声をあげた女性たちはこの映画が三部作の第一部だということをまったく知らなかったのですね。あら〜。彼女たちのためにも、やはりこの映画は「第一部・旅の仲間」という副題をちゃんと明記すべきだったと思います。

Name: みいちゃん  Mail: bluetonic@geocities.co.jp

[7155] 戦争の話をするな! '02/03/21(木) 18:00:34

 仕事に行く前に映画館でも行くか、と梅田をうろうろしてたら、時間が合うのが「エネミー・ライン」のみ。最近、アメリカ万歳映画を見る気がしないのでパスしました。

 その代わりに買っちまっただ、「フォルティ・タワーズ」完全収録ボックス。さっそく、モバイルで大好きな「ドイツ人宿泊」編を見ました。喫茶店で爆笑。周囲のお客さん、ごめん。特典映像はジョン・クリーズが演じたホテルの主人のモデルになった人物が、いかにイヤな人間であったかを探るドキュメント付きで、テーマ選びと構成がさすがにイギリス人らしい。

 数日前に「ラトルズ」も購入しちゃったのになあ。改めて感動。ジョン・ベルーシが演じた「ロン・デクライン」という人物については、昨今巷の話題をさらっているマカロニDVDシリーズ「盲目ガンマン」中のコラムに詳しいです。ちょっと宣伝。

 感動といえば筒井康隆の新刊少年少女小説「愛のひだりがわ」(岩波)は、久々に泣けるお薦め品。鼻の奥がつーんときました。近頃、こんなにじわっときたのは、日本中の少年中年の魂を揺さぶるマカロニDVDシリーズ中の「アヴェ・マリアのガンマン」ぐらいだ。ちとPR。

Name: PINGUINO  Mail: vamos_a_matar@mac.com

[7154] 作家の血は脈々と。 '02/03/19(火) 14:48:56

自転車でぶらぶらしていたら、渋谷の住宅街の一角にかわいいアクセサリー屋さんを発見。小さな店内に並んだアクセサリーは、小ぶりの天然石やパールを使った繊細でナチュラルなつくりです。お値段も手ごろだし、これからの季節にいいなぁと一点購入してみました。で、後日この話を友人にしていたら、彼女いわく「あら、お店にいたデザイナーの女性、きれいだったでしょ。あの方、芥川龍之介のお孫さんなのよ」。あうぅ、そういわれてみれば、細おもての中高いお顔だち・・・。ちょっと感動のエピソードでした。

「マルホランド・ドライブ」>以前かつさんが書かれたリンチの“大技”というのが気になっていて、やっとみてきました。どっひゃーん、すごいドライビング・テク!しいていえば、カプセルにフェリーニのシュールさとヒッチコックの異常さを詰め込んで、ポップという名の糖衣でくるんだ、いけないおクスリのような映画か?

前半ジグソーパズルのピース(謎)を散りばめていって、後半ピースを組み立てていく(謎解き)、そんな展開でして、その組み立て方がまた・・・。リンチ一流の物語の構築力は他に類をみません。“大技”が出始めたあたりは複雑で混乱するものの、見終って頭の中を整理してみると、それぞれのピースがおもしろいようにぴたりぴたりとハマっていくんです。「げげ、そういうことだったの」と合点がいって、最後のピースがズボッと入ったときの快感といったら。でも、やっと完成した図柄はちょっとゆがんでいたりする感じで(笑)、再トライしたくなるんです(かつさんの場合はナオミちゃん目当てと思う)。●の世界ハリウッドを●というカタチで表現するのはすごーく本質をついていて、ある意味、コロンブスのタマゴ的発想だと感心しました。人間の多面性を表現するのに、これほど最適な手法もないと思うし。

みいちゃん>ライランスさんとハナーさん>やはり考えることは同じ。ひゃー。
ディートリッヒ>彼女のウインクひとつでフランク・シナトラがなびいて、ふたりで部屋の中に消えていったというゴシップを読んだことがあります。スクリーンの外でもただならぬ魅力があったのでしょう。だけど、ディートリッヒもケーリー・グラントもデフォルトだから、なかなか奥の深いキャスティングですね。

歌舞伎町>あ、波紋を呼んでしまった(笑)。どきどき・・・

Name: ローマ  Mail: iguana@fd.catv.ne.jp

[7153] 早起きは三文以上にトク '02/03/18(月) 03:13:39

いやあ、映画の初回をみるなんざ、実にひさしぶりです。新文芸座、「パルムの僧院」をみるためにがんばりました。混むといけないので、二本立ての「オルフェ」からがんばって。このフィルムを観るのは数年ぶりなのですが、痛みが激しかったです。全国展開のジェラール・フィリップ映画祭で痛んでしまったのでしょうか。画面もくらくて、フィリップさまの美しさをもってしても、牢屋のなかがくらくてみえませんでした。以前みたときはもうすこし全体のトーンが明るかったような気がするのだけれど。ちがう原板からおこしているのかなあ。上映する映写機によってモノクロ映画のトーンがかわったりってするのかなあ。

革命がおきようと、なにがおきようとレンアイ一筋の美男ファブリスの周囲をかえりみぬ大活躍は、ほほえましいものがあります。スタンダールの願望が結実したようなヒーロー。神からも美女からも愛されるこの無垢なキャラクターに扮して許されるのは、やはりジェラール・フィリップだけかも。マリア・カザレス演じるおばさまの悲しげな顔、いいなあ。彼女の悲劇的な美しい顔がなければ、ずいぶんこの映画もただの憂いのないメロドラマになったことでしょう。

>tatsuyaさん。More Monty>それはサントラだと思います。サントラというより、コンピレーションものというべきなんでしょうか。好評第二弾! ってやつ、いわゆる企画ものですね。にたようなものに「ブリジット・ジョーンズ2」というコンピがありますが、これって「続ブリジット」ができたときに混乱をまねきそうですねえ。「トレスポ2」っていうのもありましたっけ。この件については返礼ご無用です。

Name: みいちゃん  Mail: bluetonic@geocities.co.jp

[7152] だれかご存知? '02/03/17(日) 22:53:09

いささか古い映画ですがFULL MONTYってありましたよね。大好きな映画ですが、1998年にイギリスへ行ったときにロンドンの街中にロバートカーライルの写ってるmore monty!というポスターを見たのです。続編ができたか、と思い、そのうち日比谷でやるでしょ、と流してしまったのですが、公開もヴィデオもDVDも音沙汰無し。私が見たのは幻か?映画通のみなさんどなたか心当たりは無いものでしょうか?

Name: tatsuya  Mail: ozzy@mub.biglobe.ne.jp

[7151] 時の流れをかんじるおはなし '02/03/17(日) 01:54:35

久々に芸能ニュースでもりあがってしまいました。「江角嬢と菊之助くん熱愛発覚!」。ううむ、なんか、とってもおねえさまと美少年なカップルで愉快になってしまいました。女性とのスキャンダルがこれまで想像できなかった菊坊ですが、「あ、そういう選択があったか」というかんじで。ふむふむ。しのぶおねえさんとタイプがにている? そういえば、江角嬢の元夫も美しいお姉さまをもつハンサムな弟くんでしたっけか。いまはまだ少年のほうがとってくわれているみたいな報道ですが、いずれ逆転してお姉さまキラーの異名をとっていただきたいものです。なんてったって歌舞伎役者ですもん。

ぜんぜんえげれすネタじゃなくて恐縮なのですが、35年銀座に続いたインド料理の名店、アショカが閉店になってしまいました。あう〜。あそこのドライカレーおいしかったのにい。クルフィのしっとりした味もよそとはぜんぜんちがったのにい。店をたたんだのではなく、はいっていたビルが取り壊しになるから、という理由だったようで、新宿に姉妹店があるようです。でもでも。やっぱりインド観光局の上にある、あのシチュエーションがよかったので、銀座に帰ってきて欲しいなあ。

Name: みいちゃん  Mail: bluetonic@geocities.co.jp

[7150] 安全地帯 '02/03/16(土) 14:49:21

ローマさんが歌舞伎町・・・(どきどき)。私は先日文芸座にいったので、映画好きの会社の同僚に新しい文芸座がきれいになったと報告しました。同僚「え、あんなキケンなところに君はいくの!」。私「日曜の昼間だし、あまりキケンなかんじはしなかったけど。みたい映画をやっていたし」。同僚「おれなんか、池袋にいくと昼だろうと夜だろうとすぐに袖ひかれまくりだよ。文芸座のふきんなんてとくにさ。あの角、大きなパチンコ屋になったんだよね」。私「・・・」。同僚「あ、おれ、文芸座にはいかないのに、なんでそんなことしってんのかな。ははは」。ははは。

>ローマさん。ライランスさん>あ、やっぱりお好みでしたか。うしろ姿がジョン・ハナーさんを彷彿とさせ、ローマさんにこの映画をお見せしたいなあ、なんて考えていたのです?!
マリアンヌ・フェイスフル>美しい彼女が、さえない演劇おたくおばさん役で出てきたのにはおどろきました。しかも、きちんと内面の深さをさりげなくアピールしてましたね。びっくり。

>Mayさん。フロム・ヘル>いきなりヴィクトリア朝ロンドンの街角でスーザン・リンチ嬢にであったら・・・ああ、めった刺しにされそうでこわいっ(それはきっと違う映画)。
ケーリー・グラント>文芸座でディートリッヒの「ブロンド・ヴィナス」をみたんですが、ケーリー・グラントがなんとディートリッヒの愛人にされてしまう役でした。なんか、男性側に受け身の活用をつかいたくなるところが、ディートリッヒのすごいところなんですが・・・。男装の麗人に貢ぐケーリー・グラントって、なんか新鮮で。彼女が美の基準だった1950年代って、実はすごくとんでもない時代だったのでは。

>マハラジャ〜さん。ジョセフの顔、お好みですか。演技派で濃い彼がセクシー、というよりただのサイコ野郎みたいないあつかいをうける後半にかなりとほほ。家出した妻を追って路地裏にはいり、カラのゴミ箱をけとばす(←ああ、くだらない脚本)、なんて・・・爆笑!
今年の夏公開される、一部でマカロニ映画とささやかれている新作「ダスト」に期待してます。監督は「ビフォアザレイン」のミルチョ・マンチェフスキー。これは濃いでしょう〜、たのしみです。

>かつさん。偽ドキュメンタリー>あ、あれって、偽なのですか。予告編がよくできているので、予告編でだまされちゃいました〜。
不実の愛、かくも燃え>シャンテ3(いちばん狭い)に移ったときいたときから心配してはいたのですが。朝一回だけなんて(でも、十一時台だから、私にもなんとかみられそう)。しかし、「ピアニスト」のように、かなりグロテスクな映画がヒットしていて、この映画に人がはいらないということは・・・。やはり若くてきれいな男の子が不在だと、女性観客の動員はみこめない、ということなのかしらん。インティマシーも不入りだったから、まあ、そういうことなのか。

Name: みいちゃん  Mail: bluetonic@geocities.co.jp

[7149] 淑女のつく嘘 '02/03/16(土) 14:33:44

格調たかく、アイヴォリーの新作、「金色の嘘」をみてきました。きのうまでだったので、おおあわてで。

原作はヘンリー・ジェイムスの「金色の盃」。二十世紀初頭を舞台に、イタリアの没落貴族が、貧乏なために恋人と結婚できず、アメリカからヨーロッパの美術品を買いあさりにきた富豪の娘と結婚。しかし、恋人は男への気持ちを精算できず、その富豪と結婚して義理の母におさまってしまう、という非常に人工的なシチュエーションの社交界不倫小説。とはいっても、「ねじの回転」のヘンリー・ジェイムズですから、簡単にぽんぽん話がすすむわけではありません。まあ、このアイヴォリイが映画化した作品では、最初の情事まで一時間、そのあと発覚してからの神経戦に一時間、って配分になってました。コスチュームプレイならではの優雅な展開です。こういったことに登場人物たちが慎重につきすすむ背景には、財産のある男から離婚され、名誉を剥奪されたら上流階級の女は行き場がなくなる、という時代状況があります。いまみたいに、別れても女性がひとりでなんとかやっていけるわけじゃないから、名誉を失うことは破滅を意味する。そういう制約をせおいながら、「愛する男のそばにいたい」という気持ちをつらぬくために、あざやかにおもいっきり不実な嘘をつく。嘘をつくほどに、その嘘を維持するためにプライドとともにおいこまれていくヒロインに扮したユマ・サーマンが、美しさといい、聡明さといい、文句なしでした。ぴったり!

富豪がかなえようとしている夢(アメリカにヨーロッパ美術の粋を大量に持ち帰り美術館をたてること)への批判と憧憬など、アメリカ人のアイヴォリーならではの描き方が見事でしたが、やはり後半の心理戦になると、小説にかなわないのではないか、というところもちらちら感じられ、帰り際にやはり原作を買ってかえりました。

個人的にユマ・サーマンが好きなので、奔放にみだらに、美しい彼女が嘘をつきまくってくれるものと期待してみていたのですが、あまりそういう高揚感はなかったです。むしろ、うつろいやすい(というか、徐々に成長する)周囲の登場人物にくらべ、一つの思いをつらぬく高貴さみたいなものがつたわる演技で、胸をうちました。秘めた恋(ばればれなんだけど)をまっとうするために、自らの心に封印をするラストはせつないなあ。

>Cheekyさん。メイドインロンドンなアメリカ映画、「ブリジット・ジョーンズ」や、ハリウッドテイストのロンドン映画「フォーウェディング」や「ノッティングヒル」がよい出来なので、つい油断してみてしまったんです〜。ああ、あのお寒い「トレンディ」な職場の企画会議風景がたまりまへん。あそこまでやるなら、徹底して仕事してないQAFのような職場風景のほうがなじむ?!
令嬢ジュリー>ストリンドベリイの脚本、大好きなんです。ピーター・「ジョー」・ミュランさんがあの危険な下男にふんするなんて、なんだかおどろき。

Name: みいちゃん  Mail: bluetonic@geocities.co.jp

[7148] なにげに安全な深夜の歌舞伎町 '02/03/14(木) 20:16:35

月曜日早朝のみいちゃんの『キリング・ミー・ソフトリー』評を読んだうちの何人かが「そんなに酷いの?それじゃ水曜日に観てみようかな」とか思っちゃったらどうしようかと心配だったのですがそんなことはなかったようでホッとしました。でもそれ以前に観賞済の方も多いのですね…おそるべしMoviespotters。←?

もしも「来週こそ!」とか考えてる方がいらっしゃるなら、あれに1000円使うなら『モンスターズ・インク』や『ムーラン・ルージュ!』とかを観た方がよいですよ。ホントにホントに。

今週中に板橋で『ロード・オブ・ザ・リング』日本語版を観るぞ!と意気込んでいたのですが結局は近場で2度目の『マルホランド・ドライブ』、3度目の『ムーラン・ルージュ!』、2度目の『アメリ』を観てしまったのでした。でもピーター・ジャクソンごめんなさい、ってことでちゃんと『コリン・マッケンジー/光と闇の伝説』も観ました。始まっていきなりピータージャクソンが出てきて喋り出すのですがそこでお客さん(10人ちょっとだった/泣)がウケていたのが印象的でした。そ、そういう人なの?ジャクソンって…

お話は「グリフィス以前にこんなにすごい映画監督が居た!しかもニュージーランドに!!」ってゆう偽ドキュメンタリー。なんでこんなのを創ったのか意味不明だったのですけど、昨日TVでやってた『フォレスト・ガンプ一期一会』を観て、ああそうか、とひとりで納得してしまいました。本人は否定すると思うけど『さまよう魂たち』(ジャクソンが監督、ゼメキスが製作総指揮)の現場で相当むかつくことがあったのでしょう。「フォレストがエルヴィスのステップの元祖だっていうんなら、ニュージーランド人が『ジャズシンガー』より先にトーキーを創ったんだってことにしてもOKだよな?あとついでだから人類初の動力飛行もニュージーランド人ってことにするけど何か問題でも?」ってことか。怖っ。

コリンについてのコメントするメンバーにミラマックスのウェインスタイン(ぜってーマフィアだよこの人…)が入っていたは『ロード・オブ・ザ・リング』の製作について話し合ってた頃だからかなぁとか思えて今見ると興味深かったりします。

全然関係無いけど『ドラゴンボール』が実写で映画化(20世紀FOX)されるそうです。『グリーン・デスティニー』を観たときに「これだったらドラゴンボールも撮れるなあ」って思ったので早々に実現して嬉しい。悟空を中国系ニュージーランド人にしちゃってもいいからピーター・ジャクソンが撮ってくれれば世界中のファンが満足できる作品になると思うんだけどなあ。。。

>メメント
監督のノーランがどうしても好きになれないので作品自体も評価したくないのですが、ガイ・ピアースは良いですね。先日WOWOWでやっていたので『ラビナス』を再見したところだったのですが巻き込まれ立ち向かうひとを演じると抜群。『タイムマシーン』もそんな感じの役みたいなので楽しみですが、『モンテ・クリスト伯』でそれとは真逆のフェルナンをどう演じているのかも興味あるところです。

>不実の愛、かくも燃え
この作品の寂しい観客動員と観客の平均年齢が55〜60歳(ウソじゃないっすよ、マジなんですって)ってことをシャンテシネが考慮したらしく、明後日からは朝一回のみの上映となってしまうようなのでお早めに。って今ごろ言っても遅いか…


Name: かつ  Mail: katsu@jc4.so-net.ne.jp

[7147] ダダダ〜ン '02/03/14(木) 04:37:54

こんにちわ。私もkilling見てきました♪それにしても、会ったとたんに、激しい物ってやっぱあるんでしょうかね?何となく分かる気がしますけどね〜・・・・。ジョゼフにもうメロメロでした。ここ日本では、あのような顔の人ってナカナカ見かけないですな〜。イイナあの顔。内容は、まぁまぁでしたけど、最後のシーンで『あの時、視線を交わさなければ』とか何とか言ってたところが、ジーンっとしてしまいました。

ところで、ジョゼフって女性関係ナカナカ聞かないけど、あの方ってどうなの?噂知ってます〜?

Name: マハラジャ〜

[7146] Memento mori '02/03/14(木) 01:39:21

相変わらず指輪の幽鬼ナズグル化は昂進するばかりで、他の映画を見に出かけてもあら不思議、入ったところは旅の仲間の上映館。おかしい…見逃し続けの『ムーラン・ルージュ』を見るはずだったのに?な〜んて。
とか言いつつも先日は『メメント』なども見ており。っても非常に今更な感じでありますが…何年かぶりに楽しげなアカデミー賞に向けて、ノミネート作はチェックしておきたいところ。
これ、謎の展開にリピーター続出!とかいう話を公開当初聞いた気もしますが、そういう映画ではないのですね。映画のオープニングは、殺人現場のポラロイド写真の逆回しになっており、像が時間と共に薄れ消えていく…そしてカメラの中に飲み込まれるというもの。なんと映画全体が同じ作りになっている、しかもこの物語はこの手法でしか表現し得ない!これはけっこうやられたと思いましたね〜。オリジナル脚本賞、取るんじゃないでしょうか。
ガイ・ピアースが(わたしLA以来ですよ彼…)純粋さの持つ狂気と狡さを絶妙に演じてみせたのも大きいですね。人は信じたいことを信じる。忘れたいから忘れる。逃避していることを言い訳にしないための理由。いろんなことを考える、面白い作品でした。
>キリング・ミー・ソフトリー
一部好鑑賞率を誇るこの映画、予告編だけは何度も見たのですが。
ヘザー・グレアムってこう昔からどの映画に出ていても一緒なような…ごにょごにょ…
『フロム・ヘル』でも、娼婦仲間のこ汚いリアルさに比べ(そっそういえばこんなところにスーザン・リンチぐわ!)ひとり「いや、アナタ全っっっっ然ヴィクトリア時代の路上の娼婦に見えないから!」という浮き加減は凄いものがありました。
しかしみいちゃんの書き込みを読んでいて思い出したのはヒッチの『断崖』。まさか、まさか、ケーリー・グラントが!ていうか君たち別れなよ!とかさんざん気を揉みながら見たこれこそがわたしにとってのサスペンスですわ〜。

>cheekyさん
>サフロン・バロウズの素敵な衣装は、サンディ・パウエルによるもの。
ううっ!凄い素敵げ!!サンディ・パウエルの衣装どわい好きなんですう〜!リクエストするのが恥ずかしかろうともわたしも是非観たいです♪

>ローマさん
午前3時に歌舞伎町に一体何を!?どきどき…。


Name: May  Mail: miao@mbm.sphere.ne.jp

[7145] 午前三時の歌舞伎町。 '02/03/12(火) 15:49:39

久しぶりに足を踏み入れてみれば、いやぁ相変わらずエネルギッシュな街です。真夜中なのにネオンギラギラ、国籍不明の男女がワラワラ。以前と変わったのは、「1984」的監視カメラがあちこちに設置されていることと、ビルの最上階に光る電飾看板の企業名がほとんど消費者金融系になっていること。まるで映画のセットのような光景は、破廉恥ならぬ破廉美とでも申しましょうか。

みいちゃん>「インティマシー/親密」>ライランスさん、すてきでしたぁぁ!こういう人がひょいと現れるところが英国演劇界の底力かしら。東京にも公演にいらしたことがあるんですね(あ、そういえば東京グローブ座の閉館が決まったようで・・・)この映画、わたしはドキュメンタリーと演劇がないまぜになったような不思議な感覚を味わいました。「この人たち、演技してるのかしら?」と感じたすぐあとに、「ああ、すごい演技力だ」と感嘆してしまう。とにかく、ぐいぐいと作中世界に引きずり込むふたりの演技とシェローの演出。もうヴィンテージの域です。小さなエピソードなんだけど、妻の眠る横でひとり行為をするシーンなんて普通は描かないですよね。妻子と別れる理由は多くは語られないけれど、あの数分がいろんなことを語っていたし、中年にさしかかった男の哀しさがあったなぁ。性の面プラス、家族がときとして絆ではなく、しがらみになっていく哀しさ。劇中劇で「ガラスの動物園」を引用したのもストーリーが重層的になっていましたし。そういうエピソードをいくつも効果的に重ねていって、最後の最後に静かな爆発を迎える。なんてうまいんでしょう!クレイシの脚本は行き場のない世界を書いていても、見終ってなぜか気持ちがいいです。いやなこともかなしいこともすべてをのみ込んで、それでも生きていかなきゃなっていう人間のたくましさが感じられるからかな。誠実な映画でした。

そのほか、ミック・ジャガーのブロマイドを見せておいて、あとからマリアンヌ・フェイスフルに昔話を語らせる遊び(「追い越し野郎」のベベのピンナップとトランティニャンみたい)。男女の心の曇りぐあいとマッチしたロンドンの空。クラッシュにはじまってイギー・ポップ、デヴィッド・ボウイという選曲。気になるところがいっぱいありました。

キリング・ミー・ソフトリー>あ、Cheekyさんまでご覧になってる。なぜこんなのに限って鑑賞率が高いんでしょ(笑)。あのテーマ曲の代わりに「娘さんよくき〜けよ 山男にゃ惚れるなよ〜♪」って歌っていっそ京劇コメディにでもすればカイコ−の新境地だったのに。濃すぎるキャラ、お約束のセクシーショット、できの悪いマンガみたいな映画・・・もしかしてこれはMoviespottersにとって第二の「ディアボロス」?

Name: ローマ  Mail: iguana@fd.catv.ne.jp

[7144] a.k.a.令嬢ジュリー '02/03/11(月) 16:48:12

『キリング・ミー・ソフトリー』みいちゃんもご覧になってしまったのですね。私も数日前観にいってきたばかりなのですが激しく脱力してしまいました。
たいくつな日常>同棲中のボーイフレンドの方は恋人よりフットボール中継に入れ込んでいるようなマンネリ的関係を体現しているような男性でしたが、いかんせんヘザーちゃんのほうが。 いわゆる"トレンディ"な職種で周囲からもある程度認められ、アメリカからロンドンに移り住んでその土地に倦むにはまだ早い時期・・・という背景があるのですから、説得力に欠けるのですよね。「彼に逢って服の趣味が変わったの」といいつつ、もともと派手な服装だったのでそれほど変化がないように思えるのも致命的です。
あのやたらにドラマティックに盛り上げようとする音楽、どこかで聴いたメロディー・ラインだと思ってエンド・クレジットで確認したらパトリック・ドイルでした。(IMDbには載っていないのですがたぶん間違いないでしょう)

トンデモ邦題といえば『仮面令嬢』ですが、リクエストするのが恥ずかしいタイトルに反してソリッドかつ実験的な試みもあり良かったです。ピーター・ミュラン&サフロン・バロウズ、マリア・ドイル・ケネディの掛け合いを中心に展開し(その他の登場人物は名前さえ登場せず)、時間と舞台を限定した(一昼夜の、あるひとつの屋敷の内外だけで物語が進む)息詰まるような心理劇でした。オーガンジーの襟元にウェストシェイプされたドレス、その裾からのぞく編み上げのブーツというサフロン・バロウズの素敵な衣装は、サンディ・パウエルによるもの。

Name: Cheeky  Mail: britannia@cool.ne.jp

[7143] 恋する山男 '02/03/11(月) 06:29:51

>PINGUINOさん。アメリカン・スウィートハート>業界内幕っぽいと噂にきいていましたが、なんか、はずれだった? アンハッピーエンドはつくらないのではなくて、つくらせてもらえないっていうのもありそう。興行成績史上主義だから。

>かつさん。キリング・ミー・ソフトリー>みてしまいましたよ〜。あ〜。
携帯>ついにドコモにカメラつくんですか! 買い換えようかなあ。
不実の愛>たのしみです。こどもに対して抱く罪悪感は、ヘビイなものがありそう。

先週余勢をかりてみた「キリング・ミー・ソフトリー」。ああ、もう、これは申し訳ないけど爆笑もので、心の中で一人、終始つっこみをいれながら観るはめに。ロンドンを舞台にした、ちょっとエロティックでサイコなミステリーかと思ってみにいったらとんでもない。この凡庸で大味なサスペンスものが本当にチェン・カイコーの作品なの? まいっちゃいました。とにかく、この映画では主演のヘザー・グラハム嬢にほとんど魅力がかんじられません。せっかくきれいなのに、そのきれいさが魅力につながらないで、周囲から悪目立ちしているっていうふうに受け取られてしまうのは、ちょっとかわいそう。スレンダーで長身のヘザー嬢がモード系のファッショナブルなコートを身にまとい、超ミニスカートで雪のロンドンに立っているだけで、もうワーキングガールとしては「かなりへん」。ニューヨークだったらいいのでしょうけれど、ロンドンって、女性のお洋服がひどく保守的ですから、ジョセフ・ファインズでなくてもじっとみつめてしまう男性が続出でしょう。ロンドンでのロケがバブル期の日本のトレンディドラマのように地に足ついてないんです。もったいない。「たいくつな日常」からいかに彼女が「非日常」の世界にふみだすか、がお話の鍵なのに、最初からいいかげんなんだなあ。これでは観客はひいてしまう。

オフィスの描写はもっといいかげんで、ヒロインが出社したとたん、堂々と美容院にいくわ、といってでかけてしまうのでびっくりしました(どうも、それは「病院」の字幕誤植だったようです。もっとも、このヒロインなら美容院にいっちゃいそうなんですが☆)。でも一番ひどいのは音楽のつかいかたです。ヒロインが「宿命の男」(ジョセフ・ファインズ)とロンドンの交差点ですれちがう一瞬。ふたりは同時に信号機のボタンに手をのばしてファースト・コンタクトをとりあうわけなんですが、その一目惚れの瞬間に、もう、いきなりぐわああん! とテーマ曲が最大ボリュームで鳴りだしてしまって大笑い。そのあとは、ふたりがみつめるたび、ふれあうたび、もう、街角だろうが、玄関だろうが、書斎だろうが山小屋だろうが、音楽なりっぱなし! ああ、まったく。しかも濡れ場では、狂気じみた激しい愛し方をする男に官能と不安を覚えてふるえおののくはずの新妻なのに、最初からむしろどーぶつ的に主導権とりまくってますし。これじゃ話がちがっちゃうよ。唯一、ヘザー嬢がとってもいい表情をみせたのは、リボンでのどをまかれるシーンでしょうか。ここだけは呪術的(メイポールのリボンみたい)にすらみえるアーティスティックな構図でスタイリッシュに撮りあげていて、チェン・カイコー入魂のシーンってかんじ。ここだけがとりえといったら、なさけないなあ。

ジョセフの人選はまちがっていなかったと思います。口数のすくない登山家って、にあってましたし。純情なんだか、濃いだけなんだかはっきりしないかんじもぴったり。ただ、脚本がね〜。ぜんぜん青ひげな展開になっていかないんだもの。ある種の性癖があって、衝動的で一途な行動をとる夫を、勝手にバイオレンスな男だと疑ってかかり、一人できゃあきゃあ逃げ回る妻がいるばかり。これじゃあ、ちっとも怖くないし、この妻、バカみたいです。誰しも隠したい過去の一つや二つありそうなものなのに、それをあばきたてようとするいやなコだし。被害妄想がつのって、一度も暴力をふるわれたことがないのに、邪推して警察にかけこむくだりには唖然。そこで出てきた警官がイアン・ハートで、「貴女の夫はなるほど、バイオレンスを好む男なのかもしれないけど、いまんとこ貴女に危害はくわえてないし、裸足でとびだしてきた貴女のことを心配して、スリッパを届けにきてくれてますよ」、なんてとりもつ役。キレまくりの暴力男を演じたらピカイチのイアン・ハートにこんなおいしい役をやらせるなんて、これはおもしろかったです。しかし☆ ジョセフ、ロンドンで撮るので油断したのでしょうか? アメリカにいって、ボールドウィン兄弟のような役柄をあてられてしまいませんように。

Name: みいちゃん  Mail: bluetonic@geocities.co.jp

[7142] 新文芸座はキレイ! '02/03/11(月) 06:18:05

土曜日は新文芸座にはじめていってきました。入り口がビルの三階だか四階だかになっていて、明るくてずいぶん素敵になっていました。化粧室など陽光さしこむ明るいつくりになっていて、以前の劇場とは別物みたいです。これなら、気持ちよく通うことができそうです。椅子もミニシアター並みの良さ。名画座としては画期的でしょう。すえた臭いと壊れた椅子の旧劇場の面影はどこにもありません。ただし、劇場のある場所はあいかわらずの地帯で、新文芸座より、周囲のあやしげなビデオ小屋のほうが映画館っぽくて立派なのが泣かせます。映画関連の書籍やパンフ、関連商品を集めたお店がロビーにあって、ついつい散財してしまいました。喫茶店はなくなってしまったみたいですね(我が家には、旧文芸座で買ったお皿があります)。

見に行ったのは「間諜X27」と「輪舞」の二本立て。前者のフィルムは大変美しい状態のもので、ベールをかぶったデートリッヒの美しさを心ゆくまで堪能することができました。ストッキングの線までクリアにみえてしまうんだもの。どきどき。美女、というより麗人といったほうが似合う彼女ですが、この作品では女のかわいさがみえかくれして本当にすてき。お話はスパイ物とはいえ、リアリティがまったくないおとぎ話みたいなもの。むしろ、嘘でぬりかため、相手を死にいたらしめる宿命の女のメタファーとしてたのしむべき。下手をすれば滑稽になってしまう、様式化されたキャラクターなのに、それがまったくゆるぎなくて、美の化身にすらみえてしまうっていうのは、やはりあの時分のデートリッヒのすばらしさが映像に定着しているからなのでしょう。年輩のファンが多数いらして、ラストの銃殺シーン近くでは、張りつめた空気になるのがよくわかりました。彼らはなんども観ておられるのでしょう。そのせいもあって、処刑にあたって兵士をみかえす彼女の目をみていると、私まで目頭があつくなったりして。

「輪舞」のほうはジェラール・フィリップさま目当てだったのですが、ダニエル・ダリュー演じるコケティッシュで好奇心いっぱいの奥様がかわいかったです。スタンダールを読んでいるのがなんとも絵になって。この艶笑コメディがつくられたのは1950年ですから、直接描写なんていっさいないのですが、美女たちの匂い立つような美しさ、あでやかさといったら。舞台が1900年に設定されているのは、過去のほうがある種の恋愛風俗をおっとりとエレガントに表現できるからかなあ。なにせ、美女をくどこうにも、コルセットをしているうえ、ベールが二重三重にかかっておりますので。

Name: みいちゃん  Mail: bluetonic@geocities.co.jp

[7141] 新機種が欲しい '02/03/10(日) 19:05:16

春です。J-PHONEのJ-SH51が気になるのです。パケット通信対応&カメラ&ウォークマン機能付で29800円は非常に魅力的。ドコモの504iシリーズにもカメラが付くらしいというのを聞いていなければ迷うことなく買っちゃうんだけどなぁ。

『不実の愛、かくも燃え』を観てきました。巨匠中の巨匠であるベルイマンの脚本に手を入れちゃえるなんてリヴ・ウルマンってすごいんだなぁ、というのが第一印象です。まあ元の脚本はセリフのみだったっていうことなので手を入れなければどうにもならなかったんでしょう。でも結果としてはいまひとつ描き込み不足のような気がします。ウルマンが力を入れたという子供の描写も子役に高い水準の演技を要求することなく済ませてしまっているように思えるし(子役を信用していないのか?)、ヒロインの旦那もああなるならああなるでもっと丁寧に父親と娘の関係を描いて欲しかったし、その後の母と娘の関係もフォローするべき。そこがしっかりしていさえすれば「子供が唯一本当の犠牲者」というウルマンの主張が活きてきて、終盤のまとまりの悪さも気にならなったと思います。

文句ばっかり言っておいてなんなのですが、ヒロインを演じたレナ・エンドレのすごく魅力的だったということを抜きにしても観ている間は物語に引き込まれてドキドキしていました。2時間半を押し切ることのできるウルマンの演出力は相当なもの。これに構成力が付いて潔い編集が出来るようになればベルイマンも思い残すことなく…(おいおい)

>爆笑『キリング・ミー・ソフトリー』
おお、ご覧になったのですね。「レスリー・チャンを正しく使える監督」として陳凱歌をかなり高く評価していた身としては、ほとんど脚本のせいとはいえこのツッコミどころ満載の出来に涙するしかなかったのですが、「そういう映画である」と思って観れば面白いかも。とりあえずジョセフのあの眼はそれをわかっててやってますよねおそらく。感想楽しみにしています。

Name: かつ  Mail: katsu@jc4.so-net.ne.jp

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