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[7340] センセイの鞄 '03/02/16(日) 22:15:17

何度も続けてですみません。

川上さんの原作を以前みいちゃんが「私にもセンセイと呼ぶひとが…」という気になる言葉とともに紹介していたのを思い出し、WOWOWの『センセイの鞄』を観ました。

僕の脳内では完璧に「月子=キョンキョン=みいちゃん」でしたから終盤の展開にはドキドキ。同級生の小島の誘いを軽くあしらうところはさすがみいちゃんだと思いました。←違います

やっぱり久世さんにはデジタルカメラでなく昔ながらのTVカメラを使って撮って欲しいと思いましたけど、ほぼ満足なドラマでした。原作も読んでみます。

Name: かつ  Mail: katsu@jc4.so-net.ne.jp

[7339] 虫下し '03/02/14(金) 20:33:03

『アレックス』、全編をワンカット風にした編集や顔面がくちゃくちゃになるまでをきっちり見せた暴力シーンなどは褒めてもいいかなという気持ちにはなりますが、レイプシーンから受ける衝撃からいえば中学生の時に観た『リップスティック』の方がはるかに上でした。神経を逆撫でする妙な音楽をかけて縛り付けたうえで後ろから犯すという場面はショックでしたし、その後の裁判でヒロインが受けるさらなる屈辱にもものすごい憤りを感じました。Hなシーン目的だったにも関わらず観賞後はどんよりとした気分になったことを覚えています。←自業自得

レイプを扱った映画には『リップスティック』型の私刑もの、『告発の行方』型の裁判もの、『狼よさらば』型のブロンソンもの、『冷たい一瞬を抱いて』型のDV・幼児虐待ものなどがあると思うのですが、作り手が真剣な作品もあるけれど大半はなんというかレイプがネタで終わってしまっているものが多い気がします。ノエも彼の命題であるモラルと呼ばれているものへの挑戦・挑発のネタとしてレイプを持ってきたのでしょうし。それでも事前に予想していたような「おまえらどーせモニカのおっぱい観に来たんだろ?そんなの見せてやんねえんだよばーか。つーかこんなに陰惨なレイプシーンなのに興奮しちゃってんだろ?アタマおかしいんじゃねえの?」という自己満足のために撮ったものではないようなので、「ものすごいノエ」を期待すると透かされるかもしれません。

昔TBSで『真昼の月』というレイプによるPTSDを扱ったドラマがあったんですが、これは「その後」を描こうとしているようだったので期待をもって毎回見ていました。結局は織田裕二ものでしかなかったけれど、これを製作しようという志の高さには共感いたしました。マイノリティ・リポートのような犯罪予防システムができない限りレイプ犯罪というのは少なくする努力はできても完全にはなくならないはずなので、消極的で後手の対応ではありますが起こってしまったことに対するその後のことについてもっと考えるのも必要なのではないかと思います。

僕はチネチッタで『アレックス』を観たのですが女性一人で来ている方も数人いました。開映前には神経逆撫で系のサントラがかけられていて場内の雰囲気がかなり嫌な感じになっていたにも関わらず途中退出者はゼロでした。さすが川崎です。←?

あまり他人に薦めるタイプの映画ではないと思っていましたが、『ボウリング・フォー・コロンバイン』を観て「俺ってちょっと社会派?」とか思ってる人にはぜひ観てもらった方が良いのかもしれません。

また長くなったので『ボウリング・フォー・コロンバイン』は次の機会に。

>NHKドラマ
会長の方針なのかどうか知らないけれど演出家がうまく育っていないように感じます。最近製作されるのは民放ドラマのようなものばかり。久々のジュブナイルもの!と期待していた土曜の18時枠もがっかりな出来だし。ちょっと前までは人生の一本となり得るドラマがじゃんじゃん作られていたのにな。
あと『夢千代日記』といえば餘部の鉄橋を思い出します。ああいう縁も所縁もないのになぜか懐かしい場所というのも少なくなりましたね。僕は石坂浩二の出ていた「続」が好きでした。

Name: かつ  Mail: katsu@jc4.so-net.ne.jp

[7338] いやだなあ、さなだむし。(←アレックスの感想) '03/02/14(金) 00:47:55

かつさん、お気持ち、たぶん(笑)わかりました。
>「これがファイナル・カットだ」>ほえー、かっこいい。まあ当然ですよね、映画は監督のものだから。そういうイミでは、この映画は紛れもなくスコセッシそのもの。エネルギッシュで、饒舌で、スピーディで。彼だけが創りだせる空気が確かにありましたね。映画においては、筋うんぬんよりもそういう空気が最も大切なものだと私は思っています。

『アレックス』>じゃあ、1800円ちゃんと払ってみた私がお先に(笑)。
映画館はがらがらでした。が、その少数の中、3名のご婦人が中座されました。このことだけでどういう内容なのか少しは想像がつくと思います。で、私はというと、今までに一度も経験したことのない感情を抱きました。映画を見終わり、帰宅して玄関のドアをあけると、飼い犬がいつものように出迎えてくれたのですが、彼の顔を見るや、ふいに涙が出てきたんです。それがどういう種類の感情なのか自分でもよくわからないのですが、映画をみてる最中は「うえぇ、心にガン細胞が増殖してるよぉ」という気分、ちょうどフランシス・ベーコンの絵を見たときと同じような気分だったので、無垢なワンコの目をみてホッとしただけなのかもしれません。ベーコンの絵は見たい絵ではあるけど、自分の部屋に飾りたい絵ではない。『アレックス』も一回みれば十分って感じです。それと、もしかしたらこの映画は女性より男性のほうが痛く感じるかもしれません。さなだむしの爪の垢くらいは、そういう気持ちがないともいえないだろうから。主演のモニカには、美しく健康な肢体をみせてくれるのなら、次は頼むからイタリア製お色気コメディに出てねと言いたいです。まあ、これも紛れもなくノエの映画ですね。ふぅ。

みいちゃん>着たり脱いだり>ロバート・デ・ニーロとの不倫デートに着ていく服を着たり脱いだりしているうちに、鏡を見てわれに返ったメリル・ストリープが「私ったら何をしてるの?」と自問自答する『恋におちて』のワンシーンを思い出しました。デ・ニーロが彼女に電話をしたら旦那が出たので黙って切ったシーンもあったような・・・。今はケータイ、メールの世界になったので無言電話のホラー(?)もなくなったし、「すれちがい」なんてロマンティックも過去になり。ラブストーリーのカタチも変わっていくんでしょうね。

Name: ローマ  Mail: iguana@fd.catv.ne.jp

[7337] いやだなあもう '03/02/12(水) 20:19:03

『天国の門 完全版じゃないバージョン』級と言ったんであって『天国の門 完全版』級とは言ってないじゃないですか。僕は『グラン・ブルー 完全版』よりも『グレート・ブルー』を愛していますし、『ブレードランナー』も『アマデウス』も最初のが好きです。ローマさんの嫌いな『地獄の黙示録』もそうですし、『天国の門』もそうです。だからスコセッシの「ディレクターズ・カットは存在しない。これがファイナル・カットだ」という姿勢は僕にとってとても嬉しいものなのですよう。よって僕は『ギャング・オブ・ニューヨーク』を褒めているんだと思います、たぶん。←だから「たぶん」ってなんだよ

この映画の欠点はダニエル・デイ=ルイスがあまりに素晴らしすぎて観客があまりアムステルダムに感情移入できないことでしょう。すぐにキレるしやってることもめちゃくちゃだけれど、人間として一本筋が通っていてちゃんと弱さも持っているビル。僕は途中から「アムステルダム、復讐なんてやめてそのまま彼の下にいた方が懸命だぞ」と思ってしまったです。そんな魅力あるビルを殺さなければならないアムステルダムの苦悩とか葛藤を後半の物語の軸にしていれば『ゴッドファーザー』に匹敵するような誰からも文句の出ないドラマになったかもしれないのに。

実はこの映画2回観ておりますが(それも満足度の高かった『マイノリティ・リポート』や『秘密の部屋』をさしおいて、です)この印象は一回目も二回目も変わりませんでした。最後の混乱場面はデイ=ルイスとレオの決着のつけ方以外は納得できるかなぁと思えるようになりました。むしろよくあそこまでのレベルのものにしたな、という感じ。キューブリックばりに編集室に長期間篭った甲斐はあったようです。それと2回目を観たときに感じたのがスコセッシの熱のすごさ。いつもは暴力シーンであろうがラブシーンであろうがどこかクールな演出をする彼が今回はとても熱い。その熱さもマイケル・マンやオリバー・ストーンのようなハッタリをきかせたものではなく真摯なもの。この意志のもとではラストのシルエットとSEも決してやりすぎではないのだと思えます。

来月のアカデミー賞、『めぐりあう時間たち』に作品賞がいくなら仕方ありませんが、『シカゴ』に持っていかれるくらいなら『ギャング・オブ・ニューヨーク』に獲って欲しいと思います。

レオに関しては『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』で本来の輝きを取り戻していると信じています。父親役がウォーケンですしね。

『アレックス』についても書こうと思っていたのですが、長くなったのでやめておきます。

Name: かつ  Mail: katsu@jc4.so-net.ne.jp

[7336] NHKドラマ '03/02/12(水) 01:56:58

ドラマ好きなので、NHK放送五十周年記念お祭り番組「ドラマ」篇をみてしまいました。さすがに、十何時間もみたりしませんが・・・。土曜ドラマ「阿修羅のごとく」同窓会と「夢千代日記」第一話をみただけでもう、おなかいっぱい・・・。どれもこどものころみてそれなりにおもしろかったんですが、やっぱりこどもでしょう? 「ドロドロ不倫もの」とか、「芸者」とか、わかるわけないじゃないですか(いまでもわからないって話もある)。それでもおもしろかったのは不思議ですが、こどもにとっては「阿修羅のごとく」=「バイオレンス&ホラー」、「夢千代日記」=「ワケアリ&佳人薄命」でした。いま思えば、遠からずというか・・・。

名場面だけでも怖かったです〜「阿修羅のごとく」。あの四姉妹の怖さをおもえば、オゾンの「8人の女たち」なんて天使ですよ、天使。とりわけ加藤治子さんが選んだ名場面には震撼いたしました。いつもキモノをきている長女が、明日なんのキモノをきていくかに悩み、着たり脱いだりしているうちにふと恋人(妻有り)のことを思いだして彼のうちに無言電話をかける、というシーンだったのですが。着たり脱いだりしているうちに男を思い出すっていうのもコワイけど、それで無言電話かけるなよ〜。こわいよ〜。夏に全作再放送してくれるそうです。必見ですね、納涼必至です。

「夢千代日記」もいいですね〜。地元はまだこのドラマのロケのことを忘れていない、とかいって地元の子供たちにドラマのビデオを見せていましたが、このドラマの内容、かなり鄙びた温泉街の闇の部分、隠微な部分を描いているんだけど、いいんかいな。秋吉久美子さん演じる金魚さんがしているらしい非合法なサービスって、なんなんだろう・・・。

>ローマさん。いま、アメリカが理想として追い求めてきたバラ色の民主主義と資本主義経済が、けっきょく誰かがトクすりゃ誰かがソンするという旧来のあり方とどこがちがうんだよ、という疑問をつきつけられている今日、痛い映画ができたものですね。でもさ、ローマさん、おめあてのデカプーのことを一行も書いておられないのは、それって、つまり・・・(自粛)。
監督>先週、西武ギャラリーの「江戸川乱歩展」にいってきたのですが、乱歩も映画マニアで、無名のころ、脚本の売り込みにいったりして映画の仕事に就きたかったみたいです。本当のところ、彼がどんな映画がとりたかったのかを考えるとちょっと怖いですけれども。紙にインクで描くのが、一番安上がりだと考えたのかもしれません、谷崎も乱歩も(法もおかしませんしね)。かくいう二人は知友でありました。

Name: みいちゃん  Mail: bluetonic@geocities.co.jp

[7335] 『天国の門』級というキビシーご意見もある '03/02/11(火) 20:24:18

『ギャングス・オブ・ニューヨーク』をみてきました。なんだ、おもしろいじゃないですか、この映画(笑)。(以下ネタバレあり)まずは見たことも聞いたこともない南北戦争時のニューヨークが舞台、っていうだけでいろいろ発見があります。アイルランド移民の実態、スラムな住居、ギャングの戦い方や武器、ボクシング興行やリンカーンが出てくるへんなお芝居、髭剃りから洋服にいたる生活様式などなど、瑣末なことから大きな歴史の流れまで、知らないことを知るというイミでたのしい。

そして、洋の東西を問わず、貧しき者が戦いに駆り出され、上流階級や政治家はその生き血を吸ってさらに富んでいくという構図。当時のニューヨークも現在の世界の状況となんら変わりがないんです。まるで人間の非・成長物語を見ているようで、これがまたかなしいというか、今のアメリカがダブってみえるというか、感じるところ大大大。人は何かしらのユートピアを求めることで前を向いて生きてきたのだと思うのですが、それは新世界であったり、キリスト教であったり、共産主義であったり、戦後民主主義であったり。でも、それが完璧に実現されることなどありえないんですね。こういうネガティブな歴史、そして戦いのあとに結局のところ勝者はいないという虚しい真実を、それがウケそうもない国でよく撮ったものだと・・・構想30年。スコセッシ、えらいぞ(涙)。

前半はギャングの抗争がすさまじく描かれ、もう絵的に圧倒されます。特に最初の雪上での戦いの素晴らしさといったら!カメラが寄っているときは憐れみのない野蛮な世界なのに、カメラが引くとなぜか浄化されたように美しい。まるでブリューゲルの雪景色の絵。戦火の下にいる人と、それを映像で見る人の目線のちがいのようです。後半は恋愛と復讐話に加えて、南北戦争を背景にした政治家や連邦政府の腐敗ぶり、さらにクライマックスの激突シーンには「エッ?ここでかい!」というタイミングで徴兵反対の反乱がかぶさり、物語はぐちゃぐちゃ状態に突入。もっと話をシンプルにして短くまとめてもよそさうなものなのに、どんどん複雑にするあたりが私にはかえっておもしろく感じられました。これがニューヨークなんだなあ、複雑でエネルギッシュで、善も悪も夢も希望も飲み込んで進んできた街なんだなあと。

かつさんのおっしゃる通り、衣装やセットは誰がご覧になっても惚れぼれするでしょう。もはや哲学や詩を感じさせるほどの完成度。デイ・ルイスの演技もえげつなさと気高さが混在し、常に大きく小さく噴火している感じ(突然彼のレクター博士をみてみたくなりました)。全編通して創り手たちの情熱がスクリーンからじわっと染み出てくるようで、かなりたのしめましたよ、ワタクシは。

みいちゃん>監督になりたかった>あはは。女優の必須条件はやっぱり脚線美かな。もうオーディションだけで満足しちゃったりして。

Name: ローマ  Mail: iguana@fd.catv.ne.jp

[7334] ひさしぶりに日生劇場にいきました '03/02/10(月) 00:45:05

いやあまいったまいった。週末、いただいた券で日生劇場の「恐怖時代」をみてまいりました。主演・浅丘ルリ子ですぜ〜。私は商業演劇も座長公演ももともときらいじゃないんですが、やっぱりなんとなく足がとおのいてしまう傾向がなきにしもあらず。谷崎原作っていうことだけきいていってみたら、これがみてびっくり。昨年末にみた三島「椿説弓張月」より濃厚なグロテスク残虐お耽美芝居をみてしまうハメに。

演出はきいたことのない若手で、そのせいか「蜷川オリジナル演出」ってされてました。十数年前の演出を踏襲した、ということらしいのですが、これはなかなかよかったです。浅丘ルリ子さんは、全盛期も今もまったく私の好みではないのですが、生活感のない個性は泉鏡花ものやなにかにむいているかな、とは思っていました。その意味では、この「恐怖時代」は彼女にぴったり。江戸時代のお家騒動ものなんですが、これは一種の「九尾の狐」のはなしなんですよ。暗愚な殿様がお部屋さま(側室のこと)に夢中になりすぎて、周囲がどんどん狂わされていく。大量虐殺がおこなわれようとも、お部屋さま自身は超然としていて、汚れない。この超然としていて、善悪をこえ、美しく、汚れない、というキャラクターが浅丘さんの個性にシンクロしているのですね。愚かしい人間たちとちがって、美しいけれども、それゆえにものすごく孤独。最後、彼女が本当に欲しかった人間がだれだかわかるのだけれども、その人の手にかかって死ぬことすらできないというシーンがあって、それは、なかなか官能的で美しかったです。孤高の哀しみが自然に出せる人って、そうはいないと思う。とりわけ、女優さんでは。彼女には、今回のような「人でなし」をふくむ、人でないもののけ役をさらにいっそう美しく極めていただきたいと思ったのでした。

しかし、善男善女とおぼしき人々が血を見るのが好きな殿様が臓物をつかんでぐるんぐるんふりまわす演出を見て大いにヨロコブの図はなかなか凄絶(まあ、蜷川だから、コミカルにやるんですけどね)。これは谷崎の脚本ト書きにあるのでしょうか。掲載した雑誌は発禁になったときいたことがあるのですが、さて。谷崎の「悪魔時代」といわれるころの作品は、美味しいです〜。そうそう、谷崎は映画が好きで、監督になりたかったことがあったのでした。

Name: みいちゃん  Mail: bluetonic@geocities.co.jp

[7333] 大統領人形ほしい・・・かも '03/02/02(日) 02:29:04

小春日和でしたが、いやな悪寒がしますので、おとなしく家ですごしておりました。もうだいじょうぶかな? 風邪、いやですからね・・・。

きょうはNHKがテレビ放送50周年記念番組を放映していました。「ひょっこりひょうたん島」新作放映! とあったので、ちょっとみてみました。「ひょっこり・・・」はよく話題になるけれども、一度もあの人形劇をみたことのない私にはどこがおもしろいのかこれまでさっぱりわからず・・・。あまり人形もかわいくないと思っていました(むしろ不気味?)。ところがところが。きょうのは井上ひさしによる書き下ろしでしたが、なかなかおもしろいですね。毎日みていたら、たしかにあの人形たちもかわいくみえてくるんだろうと理解しました。変人たちが流れ島に住み着いているというシチュエーションもの、とでもいうのでしょうか。ムーミン谷に近いものがあるような(あれも、「ねえムーミン」という唄は井上ひさし作詞でした)。でも、あんまりです、井上先生。きょう、スタジオに集まっていた熱心なファンの人たちも、かな〜り落ち込んだのではないでしょうか。「新作」といいながら、今回限りの特別放送。それなのにものすご〜く暗い展開で、主要なキャラクターたちがみな窮地におちいったところで終わっていました。つ、続きは? もうつくってくださらないんでしょうか。こわかったよう、「人間レコードの巻」!

>ローマさん。今年もよろしくお願い申し上げます。幸福を認識する能力は「ある」か「ない」かだ、なんてイタリア人にいわれたら大変! 能力にさらに磨きをかけてまいりましょう。
愛国心>うう、可笑しい。「憂国」を訊いてくる人も相当におかしいですが。「禁色」をきかれたら、まよわず「○色」と答えてあげたい・・・。

>WAKOさん。それだけ素晴らしい舞台をごらんになれば、もう、おなかいっぱいですよ! それさえできれば、日帰りだっていいくらい。日本公演でも、「椿姫」と「三人姉妹」だというので、竹を割ったような性格のシルヴィ=椿姫が細やかで情感たっぷりのアルマンたち(!)をとっかえひっかえするの図を夢想して今からたのしみにしています。今年もよろしく。

Name: みいちゃん  Mail: bluetonic@geocities.co.jp

[7332] ロンドンでギエム嬢見てきました '03/01/30(木) 23:49:10

お久しぶりです。今年もよろしくお願いします。

先々週ロンドンに行って、ギエム嬢が初めて通しで演じるマクミランの「三人姉妹」の舞台見てきました。確かに今年日本でも演る予定の演目ですが、ロイヤルバレエで来るわけじゃないから完全版はやはり現地で見ないとダメだろうなと思い、前売りで買えなかったチケットは、当日の朝並んで入手しました。ギエム嬢のマーシャに、ヴェルシーニンはパリ・オペラ座から客演のニコラ・ル・リシュ、マーシャの夫はサー・アンソニー・ダウエルという配役。ギエム嬢は、おそらく念願の演目だったのだろうなと思うほど、ヴェルシーニンの求愛へのためらい、恋に落ちた喜び、別れの悲しみ、そして夫との元の暮らしに戻っていくことへのあきらめといったあらゆる感情を、わずか50分の作品の中で最大限にドラマティックに演じ分けました。ル・リシュは誠実なパートナーリングを兼ね備えた情熱的な誘惑者を演じ、ダウエルさんはお年を召した分、妻の恋を知りながら耐える切なさが更に増して、他のすべてのダンサー達もロイヤルならではの演技とアンサンブルの上手さで、存分に舞台を堪能してきました。

翌日は、元ロイヤルバレエのサラ・ウィルドーが出演しているミュージカル「コンタクト」を最前列のど真ん中という好位置で見てまいりました。本当に目の前で踊りが繰り広げられ、すごい迫力。サラは第2部の”妻”役で、コミカルな芝居と鍛え上げられたダンス、そして最後のセリフの悲しさと、成熟した素敵な舞台を見せてくれました。

入国審査のとき、係官に「バレエを見にわざわざ来て、そんなにすぐに帰っちゃうの?」と聞かれましたが、わざわざ行った甲斐は本当にあったと思います。


Name: WAKO  Mail: fwf0264@tkg.att.ne.jp

[7331] ごあいさつがおそくなりまして。 '03/01/29(水) 11:36:29

お正月から2週間ほどイタリア旅行を楽しんできました。ローマでは毎日10キロくらい歩き、昼夜イタリア料理を堪能しました。食べるために歩き、歩くために食べる。ナポリピザを求めてナポリにも足をのばしました。ナポリは異常気象の真っ最中で連日、嵐。しかし旅行中というのは何でもロマンチックに見えるもので、ただの人を詩人に変えてくれます(笑)。嵐なんてなんのその。今自分が立っている場所のなんと美しいこと、今自分が手にしているもののなんと満ち足りていること。南イタリアの経済の低迷は日本のそれの何十年も前から言われていたことですが、たとえ貧しい状況でもナポリターノの顔にある種の豊かさが感じられるのはどうしてなんでしょう。食っていけりゃいいと腹をくくっているから?彼らの幸福を認識する能力が、日本人の何倍も優れているから?先日、新聞にガルブレイスのインタビューが載っていて、「日本人はGDPが大きくなった結果、自分たちの生活が深く、多彩に楽しめるものになったかどうか見直してみるべき。日本でオペラやオーケストラの質向上が真剣に議論されているだろうか。(中略)働くことが人間の最終目標でもなかろう。たとえ失業状態でも豊かさを感じる社会作りへと施策の視点を変えるべきだ」云々と語っていました。旅行中に感じたのもまさにそんなことです。

今回ローマではモラヴィアの生家に泊まりました。今はホテルになっているこの貴族の館は、ローマの北、すぐ目の前には小説の中にもときどき出てくる緑深きボルゲーゼ公園。螺旋階段、漆喰の壁、あまり高くない天井、古い家だけが持つ独特の匂い。この家から彼の文学が生まれたんだと思うと感慨深いものがありました。一緒に旅行した友人は、この近くで三島の大ファン、中でも『憂国』が愛読書というイタリア人男性に声をかけられ、漢字で「憂国」という字を教えてくれと頼まれたそうなんですが、友人は憂国という字を知らず、「愛国心」と書いてしまったそうです。おい。そういえば、モラヴィアは日本に滞在したときに三島に会っていて、非常に印象に残ったとその自伝の中で書いていますね。

さて、きのうの東京は一足はやく春がやって来たようにあたたかでした。思わず外に出てバラの剪定をしたり、家の掃除をしたり。世の中が平和だと、ただ晴れているというだけでうれしい気持ちになれるものです。なににつけても愛に満ちた一年でありますよう希望しつつ、今年もよろしくお願い申し上げます。

Name: ローマ  Mail: iguana@fd.catv.ne.jp

[7330] 冬のライオン '03/01/27(月) 01:59:08

さむいです〜。きょうは雨が雪になるかもしれないそうな。インフルエンザが流行っているそうで、気をつけましょう。医学が進歩したといっても、それは医療器機だけのおはなし。風邪ひいても、おなかをこわしても、いまだに治す基本は「水分をたっぷりとって、ゆっくり寝ましょう」しかないっていうのは、よく考えてみるとすごいことだなあ。

歌舞伎座夜の部をみました。「助六」では団十郎丈が風邪っぴきで、鼻声がますます悪化してました。それでも、花道での所作はお手本のようにきれいなので、台詞のすくない「助六」はまずまずだったのではないでしょうか。「大河ドラマに出ている人のお父さん」、という新しい位置づけにも、本人納得しているようで、みていてほほえましかったです。来月は菊五郎、吉右衛門、団十郎という、もうじきみんな六十代千本桜なので、飛んだり跳ねたりはこれから厳しくなってくるんだろうなあ、と思ったらなんともせつないキモチに。

ピーター・オトゥールがアカデミー賞の特別賞をもらうそうで。うまい、というより特異なキャラクターだという印象が強くてソンをしてきたような。うまいをとおりこして不気味なときがあるからなあ。もう70歳なんですね。

Name: みいちゃん  Mail: bluetonic@geocities.co.jp

[7329] 百色眼鏡 '03/01/22(水) 01:29:38

椎名林檎嬢プロデュースの短編映画をみました。なかなかおもしろかったです。大正末期か昭和初期の雰囲気に傾倒した作品で、「夢みるように眠りたい」や、近年つくられている乱歩の映画をおもわせる作品。戦前の雰囲気を再現した、というより、「大正幻想」の甘い退嬰的なムードを追いかけた作品ですね。個人的にはキライになれない世界です。節穴から男が女を覗くのも、お約束? でもね、脚本かな〜り甘いです。あの門構えのお家で女優とはいえ令嬢が一人暮らしなんて、いくらなんでも変でしょう。本人がよくても、世間がゆるしちゃくれません。冒頭に出てきた男もぜんぜん刑事らしいこと、言わないし。うーむ。でもまあ、映像がキレイキレイで、男性ファンはひととき林檎ちゃんに膝枕してもらう夢を見ることができますでしょうから、上出来、といってよいのかもしれません。ファンとしては、荒木経惟が撮った写真スチルを映像特典で入れてほしかったです。ジャケット、紙質をわざと悪くしてあるので、写真不鮮明なんだもの。宣伝広告用のスチルも紙媒体で欲しかったです〜。

同時発売のシングル「茎」。すばらしいです。歌詞は意味深、歌姫は熱唱。それでいてわざと雨音で音を荒らす罪な構成。ひねた曲調やひりひりした感覚のことばづかいは、2ndよりそのあとに出たLIVE盤「絶頂集」の世界に近いです。彼女のパフォーマンスは、どことなくヅカ的なところがあると常々思っているのですが、男言葉でうたうときがとくにそう。ただ、かなり病的な男の子だけれど。

Name: みいちゃん  Mail: bluetonic@geocities.co.jp

[7328] ボレロ '03/01/20(月) 02:56:30

週末、高岸ボレロと首藤ボレロを続けてみました。ボレロは円陣の中心にいるメロディ役が替わると、極端に世界が変わってみえてくるからたのしいです。

高岸さんの踊りは端正ですが、今回みていて気づいたのはものすごくシルヴィのボレロに似ているっていうこと。手の動かしかたやなんか、ものすごく真面目にシルヴィの踊りを側で見て学んでいるんだろうなあ、って思いました(ドンさまボレロとはちょっとちがう)。でも、体型も性別もちがいますから、動きが似ているのに、見た目にはまったく違うものになるんですよね。しなやかさや、ジャンプしたときの型なんかは男性と女性ではちがうし・・・。しかし、一番ちがうのはペース配分かもしれません。最初から最後まで、ケロリとして踊るシルヴィはレプリカントのようであまり比べてもしょうがないのですが、高岸ボレロはわりと最初から力いっぱい押しまくるので、後半では見ているこっちが心配になってしまうくらい息があがってしまって。でも、滝のような汗と、あきらかにランナーズハイのようになっている顔つきをみていると、なんともいえないファナティックなものがただよってきて、これがすごいんです。前回高岸ボレロをみたとき、「ザ・カブキ」の討ち入りシーンみたいじゃない、と思ったのですが、今回もそう。ベテラン・リズム陣が、「がんばれ〜、がんばれ〜」と円陣の中心にいる高岸さんにむけて気をおくっているのがひしと感じられました。ボレロ、「がんばれ太夫篇」でした。

首藤ボレロは、友人から「メロディというより生贄みたいだよ〜、エロティックだよ〜」と吹き込まれていたので、とても期待していたのですが(おいおい)、なんかぜんぜん違っていました。まず見た目がかわりました。あの和製ジョルジュ・ドンのような長髪をやめて短く刈り込んでしまっていて。来月のAMP「白鳥の湖」に出るためでしょう、「なんちゃってアダムクーパー」な髪型になっていました。えーと、前髪だけ少し長くしてあとは刈り上げている、「ソフト・モヒカン」みたいなヤツです。これが、遠目にとっても体育会学生風にみえてしまって、なんか、こう、爽やかで爽やかでもう大変。髪型ひとつで芸風まで変わるというのにまずは驚きましたが、とにかく彼は変わりましたね。中性的だった独特のエロティシズムがすっぽり抜けて、踊りがとっても男らしくなった。でも、まだ新しい自分にとまどっているみたいな気もします。首藤ボレロ、あまり汗もかかないし、若々しくていいのだけれど、今回のボレロは「いま、踊りの神が舞台に降りてきている」という迫力にはちょっと欠けていたように思います。ボレロ、「さわやか男騒ぎお祭り篇」でした。

ギリシアの踊りは井脇さんと木村さんの大人カップルのパ・ド・ドゥが気に入ってしまいました(19日のほう)。なんともいえない憂いがあって。お誕生日が近かったので、友人に井脇さんのバレエ・レッスンのDVDをプレゼントしてもらっちゃいました。へへ。

>かつさん。小島さんの新譜、買ったけど何もついてなかった! ちえ。
林檎ちゃん>キネマの宣伝材料用ポスターがキレイ。荒木経惟が撮ったのかな? 欲しいです。

Name: みいちゃん  Mail: bluetonic@geocities.co.jp

[7327] 怒濤のショウビズ界 '03/01/16(木) 22:54:40

深作欣二が逝き、モーリス・ギブも逝き、ピート・タウンゼントは捕まり、ストーンズは来日公演のチケット騒動に巻き込まれ、島本理生の芥川賞受賞は当然ないし、クリスピアンはライブで"Hey Dude"をやっちゃうし、等々、もういろんなことがあり過ぎのこの一週間でした。

小島麻由美の新譜が発売されましたね。僕の景品はカード・カレンダーでした。直筆イラストが欲しかったなぁ。おそらくいままでの中でもっとも聴きやすくより多くの人にアピールする作品なのではないでしょうか。ディープな世界に入り込む寸前のところで漂っている感じが心地よいのですが、人によっては物足りないと思うかもしれません。先週生の彼女を見ましたが、なんか思ってた以上に可愛い声と雰囲気でさらに好きになりました。その前日にも仲間由紀恵ちゃんを生で見ており、今年の運を二日ですべて使ってしまったかもしれません。

その他では宇多田さんの新曲が好きです。もうすっかりR&Bからは離れてDidoのような感じになってきていますね。でも『ラッシュアワー2』のサントラで聴かせてくれたようなソウルなヒカルも好きなので早いとこUS盤を作って欲しいです。それから椎名林檎さんのは…えー、なんというか、曲もVCもタイトルもなにもかもいかにも椎名林檎的であり期待どおりの椎名林檎で、ちょっとつまらないと思いました。アルバムに期待します。

Name: かつ  Mail: katsu@jc4.so-net.ne.jp

[7326] 仁義なきドラマづくり '03/01/13(月) 02:56:46

深作欣二監督、亡くなってしまいましたね。残念だなあ、「バトル・ロワイアル2」。恋人だった荻野目さんが書いた「女優の夜」を読んでいたので、プラスアルファでなんだかせつないものを感じます。こういった場合、先に逝くほうが圧倒的に幸福でしょう。

深作の「仁義なき戦い」シリーズをオールナイトで観た・・・ことはありませんが、好きです〜、文太さ〜ん。角川映画に関してははっきりいって「?」なものもありましたが、それでもおもしろく観ました。深作監督の撮った「必殺」シリーズ、映画にもなった「必殺IV 恨みはらします」なんて、びっくりするほどおもしろいですよ。ここれは真田さんがとってもバイセクシュアルな魅力をふりまいております。「四谷怪談」の佐藤浩市さんなんかもそうですねえ。「阿部一族」はお金がないからテレビムービーになってしまった作品なんですが、これも悲壮なまでの傑作。こうしてみると、「とことんまで追いつめられた人々が壮絶なまでの殺し合いをする」、という作品を一貫して撮り続けてきた人なんだなあ。「バトル・ロワイアル」を撮るのは必然だったのね。

深作欣二、そして工藤栄一。私はえもいわれぬカタルシスを彼らの作品から得てきました。これからもそうでしょう。合掌。

>SEANさん。おひさしぶりです! おもしろいですね、「武蔵」。新之助くんは庶民的で温厚な父君とは正反対のキャラクターとして歌舞伎座でも認識されておりますので、今回のドラマ出演でどこまで「でかく」なるのか、本当に楽しみです。
バガボンド>あ、ほんとだ。(←「スラム・ダンク」のときからの愛読者)
永澤俊矢>久しくおみかけしないと思っていたら、近頃はビデオのやくざものに出ていた? 教えていただき、ありがとうございます!
モリコーネ先生>毎回、酔わされております。時代劇とモリコーネ、これ以上の組み合わせはないと思っておりましたが、やはり実現するとすごいです。かっこいいです!

Name: みいちゃん  Mail: bluetonic@geocities.co.jp

[7325] 音楽は良かった「武蔵」 '03/01/08(水) 10:49:56

みいちゃん、ものすごくごぶさたな気がします。
明けましておめでとうございます。今年もよろしくです。
新之助「武蔵」良かったです。ギラギラした荒さがあって。
彼が1年後にどうなってるのか楽しみですね。
典馬役の人は暗くてわかりづらかったですけど永澤俊矢です。あの扮装はマンガ「バガボンド」そのまんまですよ。いっそのこと「原作 吉川英治」じゃなくて「井上雄彦」の方が正しいかも。
宍戸梅軒が誰になるかは今後の楽しみですね。
さてモリコーネの音楽なんですが、みいちゃんの言う通りさすがのモリコーネ節で、全く期待通りでした。
ただ、映像なしで作曲されたもの(しかもディレクターの意図よりもモリコーネの意図で)なので、各々の曲が1曲として完成され過ぎています。悪く言えばCD用みたいに。
それらの曲から適当な部分を抜き出して映像にあてはめて使われてるので、通常、映像見ながら(尺を合わせて)作曲をあてはめていく方法と違ってどうもドラマに音楽が溶け込みきれてない印象があります。演出家と作曲家のコミュニケーション不足があるかもしれませんね。同じ方法でもトルナトーレなんかはうまくいってるわけですから。それはやっぱり東京とローマの距離の問題でしょう。(たとえば「ウルフ」や「アンタッチャブル」などアメリカ映画ではモリコーネはアメリカで録音してるのです。)
英国サイトなのに話題がずれてすいませんでした。

http://www1.neweb.ne.jp/wa/sonoro/

Name: SEAN  Mail: sean@ma.neweb.ne.jp

[7324] 一風かわった「黒澤」的大河ドラマ '03/01/06(月) 02:04:57

いいお天気ですが、寒波がこたえます。毎日さむい〜。きょうは所用があって渋谷の街にでかけましたが、どこいっても超特大の紙袋に行く道をさえぎられました。バーゲンっすね。いいな・・・。

大河ドラマ「武蔵」をみました(我が家はみなこれを「たけぞう」と読みます)。新之助くんの口跡がちいっとお父様ゆずりなのをぬかせば、とってもいいんじゃないでしょうか。とくに私のキライなキャラクター又八がすっきりした堤さんなんで、なんとかついていけそうです。初回を見る限り、かつて奥田さんが演じたくどい又八像を払拭してくれました。徹底的になさけなくて、いつ見ても鼻をならしている、という奥田=又八でなく、ちょっとぬけた美男子にしたのがいいかんじです。おつうさんも、従来の「けなげ」「一途」といったイメージでなくて、きついかんじだから、これはいいかも。おつうさんって、変なキャラクターですからね(後半になると、まったくふりむいてくれない武蔵を追って追っておいまくるしつこいキャラクターになってしまう)。

NHKのスタッフがめざしたのは黒澤のチャンバラだったようです。きょうはまんま「七人の侍」でした。野盗退治に野武士をつのったり、強さを判定する方法まで「七人の侍」でした。案の定、ラストは雨のなかの大立ち回りで、これは見応えがありました。はじめて武蔵が自覚的に人を殺めるシーンは木刀による「撲殺」ってところが、非常にいいんじゃないでしょうか(おいおい)。「俺は強い〜!」と絶叫するところでエンドマークうってましたが(新之助くん、武蔵の狂気を感じさせますよ、すごい)、この調子で毎回大量殺戮をくりかえすと、大河ドラマはじまって以来の死人の山が築かれるのではないかと予想されます(武蔵は子供もきってしまいますしね。そのへん、どうするんだ、「NHK」)。そう、宮本武蔵って人は、朝から晩まで真剣で人殺しの稽古にはげむ武芸者なんですよね。えらいこっちゃ。

モリコーネのテーマはさすがです。回想シーンになると「ワンスアポン風」、立ち回りは太鼓がなって、全体にトランペットがなりひびいています。これも、「黒澤風」なんですよね、もとをたどると。そして今回の辻風天馬の服装が、完全に無国籍風で、もろマカロニでした。あ、これももとは黒澤か。辻風天馬役の人、かっこよかったのに、もう撲殺されてしまったなあ・・・。毎回、この調子で、おそらくは動きのキレのいい小劇場系の人を中心に、有名・無名の役者さんがどんどん武蔵に斬り殺されてゆくのですね。なんて贅沢な・・・。

いかん、チャンバラ大好きサイトになってしまう。えっと、正月はドラマしかみていないんですが、NHKでやっていたジャンヌ・ダルクをみました。全体にやや凡庸なかんじでしたが、まあ、ご存じ物のページェントとしてたのしみました。ジャンヌの敵となる司教役でピーター・オトゥールがでていたのですが、陰険で嫉妬深くてこそこそと・・・という聖職者の役をうれしそ〜に演じておいででした。すばらしい。ラスト、ジャンヌを火刑台におくったあとで泣き崩れるシーンがまた・・・すてき。人間の弱さ、いじましさみたいなものを、なぜか純化してみせてしまうんですね、この役者さんは。えがたい人です。

朝日新聞がモンティ・パイソンのTVシリーズの監督だった人がなくなった、ということを死亡欄にのせていました。七十代の方でしたが・・・。ストーンズもそろって還暦こしちゃったし、みんなそんな年齢なんですね。

>かつさん。私のところにもjeevasのご招待カードがきました。私の友人のところにもきているそうです。追加って、おやおや☆ですよね。一応CDは聴いたのですが、私、もうクリスピーはだめだめなのかもしれない、と思ってしまった一枚でした。だから、おそらくチッタにはいかないと思います。この来日コンサートがきっかけで、解散って、いかにもありそう・・・。ますますだめだめ・・・。

Name: みいちゃん  Mail: bluetonic@geocities.co.jp

[7323] 2003年の三本 '03/01/05(日) 20:36:58

本年もよろしくお願いいたします。

ところでsmashからjeevasのinvitation card来ましたか?追加公演のご招待っていったい…。どんだけスカスカなCLUB CITTAなのだろう。新年早々王子が機嫌を損ねてしまって「解散!」てなことにならないかめちゃめちゃ心配です。

今年もノエの『アレックス』、ミュランの『マグダレーン・シスターズ』、イーモウの『英雄』など沢山の話題作が公開されるわけですが、その中で僕が大いに期待しているのは『ケミカル51』『ルールズ・オブ・アトラクション』『KILL BILL』の三本です。

『ケミカル51』。カーライル&リスでドラッグものときたら普通はレイ・ウィンストンを絡ませたくなるところ。でもそうしないでサミュエル・L・ジャクソンを絡ませたところが良いです。コカインの51倍強力ってどんなドラッグじゃ!って設定も気に入りました。SWシリーズではいっさい"Fu○k"って言えないから相当ストレスが溜まっているはずのサミュエル。いったいどれだけ連発するのか楽しみです。でもきっとマンUがリバプールに負ける設定なんだろうな…。

『ルールズ・オブ…』はソーラ・バーチとかジャレット・レトとかいかにもな俳優を避けてバリバリのティーンアイドルをキャストしたのがエリスの原作の雰囲気にぴったり。少なくとも『レス・ザン・ゼロ』よりは面白くなるはず。←期待値の設定が低すぎ

『KILL BILL』はそんなに期待していなかったのですが、CUT誌でウマがブルース・リー・スーツで刀を構える見開き2ページを見た瞬間スイッチが入ってしまいました。そして年明け早々に公開された予告編第一弾がまた非常にカッコよかった。ワイヤーでウマを飛ばしすぎなのと変な日本語使用はちょっと気になりますが…。「『バトルロワイアル』を観て気に入った子をキャストしたらしい」というニュースは聴いててっきり柴咲コウだと思っていたら栗山千明の方だったので驚きました。

とにかく去年度は英米の作品が壊滅状態でしたが今年度はいきなり『SWEET SIXTEEN』に出逢えたので幸先が良いようです。上の三本も期待を裏切らない出来でありますように。

Name: かつ  Mail: katsu@jc4.so-net.ne.jp

[7321] 今年がよい年でありますように '03/01/02(木) 00:33:12

なんだか、世界中、あっちもこっちもキナくさくて、二月以降の渡欧はひかえたほうがいい、なんてまことしやかにささやかれる今日この頃。ニュース映像におどらされるのもいやですが、やたらと冷笑的になるのもいやなものです。絶望してばかりじゃ芸がないし、楽しいばかりじゃお気楽すぎる。・・・。つきなみですが、よい年でありますように。

五日からはじまる大河ドラマの宣伝番組をみました。モリコーネの作曲した楽曲の数々はカッコいいです。サントラが出るといいなあ。パンフルートをつかっているらしい旋律は「ワンスアポン・ア・タイム・イン・アメリカ」、太鼓をフィーチャーしているところは「決斗のジャンゴ」か、ってかんじで、予想以上にモリコーネの音楽はチャンバラものにぴったり。イタリアで録った合唱も力強いですね〜。ところで、「武蔵」のどこが「大河」なんだよ、と突っ込む人があまりにも少ないのが気にかかります(かつてNHKは吉川英治原作のチャンバラは「水曜時代劇」の枠にあてていた)。近頃は一年間やればなんでも「大河」なんですね。

>たけうちさん。私も年末に雑誌の整理に着手しはじめ、だいぶ収拾がつかなくなったところで出かけてしまいました(今、山でネットしてます♪)。帰ったら一気にかたづけるつもりです。うっうっ。

>Cheekyさん。「8人の女たち」の衣装はすばらしかったです。私がもっているSTUDIO誌には、衣装の出典の特集がでていました。長女の衣装はオードリー・ヘプバーンっていうのが意外でした。メイドさんの衣装は出典にブーツまで似せているということで、こだわりがすごいです。

ことしもよろしくお願い申し上げます。

Name: みいちゃん  Mail: bluetonic@geocities.co.jp

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