痛みを抑える
一度に走る距離を長くしたり、スピードを上げて走ったりすると、ひざなどに痛みが出ることがあります。長く走り続けるためには、症状の正しい判断やアイシングや痛み止めなど、早めの対応が必要です。
痛みが出た場合は、原則として4~7日はまず休養します。その後、スピード、頻度、距離を落としてランニングを再開します。治っていれば、通常通り走り、痛みが残っているときは次のようにします。
- 1.痛みのレベルが日に日に・・・
- ・強くなる → スピード、距離、頻度を落とす(数日間休むことも考える)
- ・弱くなる、変化なし → スピード、距離、頻度を少しずつ上げる(痛みが出たら戻す)
- 2.痛みのレベルがランニング中に・・・
- ・強くなる → ストライドを短くして、スピードと距離を落とす
- ・弱くなる、変化なし → スピードと距離を上げても良いが痛みが出たら戻す
いずれにしても、脚を引きずるぐらい痛い場合は休んだり、走る前に患部に対してストレッチを行うなどの気遣いは大切です。また、不安なときや一向に良くならないときは、自分で判断せず、病院に行くことも必要でしょう。
冷やして、温めて、痛みを抑える
患部を冷やすのは、毛細血管の透過性や新陳代謝を低下させ、痛みや腫れを抑えるので、けがの直後に行われます。逆に温めるのは、血液循環を良くし、新陳代謝を高めて慢性的な腫れを軽くする効果があります。 しかし、けがの直後に行うと逆効果で痛みや腫れが強くなってしまうので注意が必要です。従って、けが・故障の直後にはビニール袋に入れた氷・コールドパック・コールドスプレーなどで10~15分間患部を冷やします。繰り返す場合は、体温が戻ってから再び行います。氷などは直接当てずタオルなどの上に置きます。けが・故障をしてから1~2日したら今度は腫れを取るために、入浴などで患部を温めます。また、ランニングによるひざ・アキレス腱などの故障も、運動前に温め、運動直後に冷やすのが一般的です。
薬で痛みを抑える(消炎鎮痛剤)
消炎鎮痛剤とは、患部の炎症を抑え痛みをやわらげる薬剤です。ランニングによるけが、故障の治療にしばしば用いられますが、あくまでも炎症症状である腫れ・痛みを抑えるだけで本質的な治療が行われるものではありません。従って、痛みが軽くなっても治ったと誤信してはいけません。種類として、塗り薬(湿布)、飲み薬、座薬、注射の4種類があります。一般的には経皮吸収型の湿布薬がよく用いられ、患部に1日2回を限度に貼付します。
走って起こる痛みの種類
- 1.ひざのお皿下側が痛い
- ひざのお皿の下端を押すと痛みがある場合は、膝蓋靱帯炎(ジャンパーひざ)が考えられます。急に練習量を増やした時など走り過ぎが原因で発生する場合があります。治療方法としては、ランニングの質・量を落とし、ランニング後に局部をアイシングすると良いでしょう。また、日頃から大腿四頭筋の筋力トレーニング(スクワットなど)を行うと予防になります。
- 2.ひざの外側が痛い
- ひざの外側上部の骨の隆起を押すと痛みがある場合は、腸脛靱帯炎が考えられます。腸脛靭帯は、ひざの外側の骨と擦れて負担がかかることが多いのですが、この時、骨と靭帯が重なるのはひざが30度ぐらいに曲がっているときです。ゆっくり走るランナーの場合、ひざの曲げ伸ばしが遅く、この角度に時間がかかるために痛みが出る場合があります。また、ストライドを大きくしたり、下り坂のスピード練習で発生する場合もあります。治療方法としては、スピード・走行距離を落とし、走る前後に腸脛靱帯のストレッチ(足を交差させ、かかとを床につけて立ち、ひざを伸ばしたまま前屈する)を行うと良いでしょう。
- 3.アキレス腱が痛い
- アキレス腱に痛みを感じる場合は、アキレス腱周囲炎もしくはアキレス腱炎が考えられます。共に走り過ぎなどが原因で発生する傷害ですが、アキレス腱周囲炎は腱の周囲にある薄い膜が炎症を起こしているもので発生頻度が高いが治りやすく、アキレス腱炎は腱の弱い部分が微小断裂を起こしたもので突発的な張力が加わると切れる危険性もあります。両者の症状は良く似ており区別が難しいのですが、アキレス腱炎の方が押して痛い部分が小さいという特徴があります。痛みが無くなるまでは控えめに走ると良いでしょう。
- 4.かかとが痛い
- かかとに痛みを感じる場合は、足底筋膜炎が考えられます。走り過ぎなどが原因で発生する障害なので、普通は1~2ヶ月ほど痛くない程度のランニングにとどめておけば治ってきます。日頃から足底筋のストレッチとして、運動の前後に親指を反らせる動作をすると良いでしょう。
- 5.足の甲が痛い
- 足の甲が痛くなる傷害は比較的少ないですが、腫れていたり、つま先立ちなどでいつまでも痛む場合は足の甲の疲労骨折が考えられます。治療方法としては、特別なことは必要無く、しばらく走らないでいる(普通は1~3ヶ月)と治ってきます。予防方法としては、クッション性の良いシューズを履くと良いでしょう。
- 6.ふくらはぎのけいれん(こむらがえり)
- こむらがえりは、ふくらはぎに突然起こる非常に痛いけいれんです。原因は長い距離を走った時などの筋肉疲労ですが、多量に汗をかいて電解質にアンバランスを生じたり、急に体が冷えたりすると起こりやすくなります。走っているときに痛みを感じてけいれんが起こりそうになったら、ペースを落として走り続け疲労が抜けていくのを待ちます。筋肉は動かしていた方が血液循環を促進できるので立ち止まらないのが基本ですが、ひどい時には立ち止まって、筋肉のストレッチを行うと良いでしょう。また給水をこまめに行い、その際、水よりもミネラルが含まれているスポーツドリンクがお勧めです。
- 7.腰が痛い
- 長い距離を走った翌日などに腰が痛い場合は、腰の筋肉や背筋の関節が原因で起こる筋肉性の腰痛が考えられます。筋肉が収縮し続けることにより、その筋肉への血液供給が不足するために痛みが発生します。治療方法としては、腰筋と背筋を鍛えることが基本になりますが、最も都合の良い方法は「ぶらさがり」です。ランニングコース途中にある公園などで、大きく深呼吸しながら30秒ほどぶらさがると良いでしょう。
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