熱中症とは
熱中症とは、気温や運動など、体内外の高温状態によって引き起こされる様々な身体の異常のことを言います。高温環境下の身体は、体温を一定状態に保つために色んな反応を示しますが、その調節機能に破綻が生じると熱中症になります。一般的に気温31度を超えると熱中症の危険性が高くなると言われていますが、発汗などの冷却能力は暑くない時期には低下しているため、暑さに慣れていない春から夏にかけても注意が必要です。特に、1日の中で急に気温が上がる午前9時~11時こそ、身体の体温調整機能が気温の変化に追い付かずに、熱中症の発生事例が多くなる危険な時間帯と言われています。また、暑さへの適応力に影響する汗腺の数は、生後3年間の住環境で決まると言われており、涼しい地域で生まれ育った人は、その後、どんなに暑い場所で暮らしても、暑さへの適応力が改善することは無いと考えられています。
症状
軽度では「普段より大量に発汗する」「筋肉の痙攣(けいれん)」「頭のボーとする感じや倦怠感」、中度では「めまい」「頭痛」「失神」「吐き気」「嘔吐」、そして重度になると「意識障害」「異常行動」「全身痙攣」「ショック状態」などが表れます。尚、軽度からだんだん重度になるとは限らず、一気に悪化することが少なくないため注意が必要です。
予防
水分補給が大切ですが、中でも水分と塩分の補給が同時に出来るスポーツドリンクがお勧めです。水分の吸収は胃では無く腸からされるので、摂取した水分が胃から腸へ素早く移動できる糖濃度8%以下の飲み物(スポーツドリンクは4~7%)が良いとされています。また、一度に体重の1%以上(体重60kgの場合、600ml)の水分を摂取すると、胃から腸への移動スピードが鈍るので、こまめに分けて摂ると良いでしょう。
対応
もし熱中症だと思われる症状に遭遇したら、軽度であれば涼しい場所に移動させ、衣服をゆるめて、足を高くして寝かせます。スポーツドリンクなどを飲ませたり、全身に水をかけるなど、すぐに身体を冷やすことが大切です。体温を下げるのに効果がある冷却箇所は脇の下や股関節など、身体の表面に近い部分を動脈が通っていて血液量が多いところです。意識が無かったり、嘔吐により水分を受け付けない場合は、すみやかに救急車を呼んで対応する必要があります。
熱中症を甘く見てはいけません。事前の準備で熱中症から身を守りましょう!