サーキットトレーニング
運動をすると、筋肉に乳酸のような疲労物質が溜まり、これがたくさん溜まると、筋肉がそれ以上収縮出来ない状態になります。この状態を解消するには、たくさんの酸素を身体のすみずみまで行き渡らせる必要があります。私たちは、呼吸により体内に取り入れた酸素を血液によって全身に運んでいますが、身体のすみずみまで酸素を供給するためには、毛細血管が発達していることが大切です。毛細血管を発達させる運動として有酸素運動(エアロビクス)が効果的です。有酸素運動は、持久力を養うのにも非常に効果があります。
持久力をつけるためには、
- 酸素を十分に取り入れること(肺の機能を高めること)
- 心臓から血液を送り出す能力が十分であること
- 酸素を含んだ血液が、毛細血管を通して身体のすみずみまで行き渡ること
- 筋肉を収縮させるエネルギー源の蓄積が多く、またその回収にもすぐれていること
などの条件を満たすことが必要です。このような状態は、座っているだけではつくれません。とにかく全身運動をすることです。早足で歩いたり走るのもいいし、泳ぐのも良いでしょう。
有酸素的な全身運動として、サーキットトレーニングも挙げられます。サーキットトレーニングは、6種類から12種類くらいの運動種目を組み合わせてコースを作り、このコースを休みなく何循環(サーキット)もしていくトレーニング方法です。
選ぶ種目には、腕の運動、腹の運動、背の運動、足の運動という様に、身体各部位を独立して強化できるものの他に、なわとびのような全身運動を含めます。例えば、腹筋、腕立て、スクワット、上体反らし などを並べれば、これで全身の筋肉を強化できるプログラムになります。更にこれに加えるなら、なわとび、踏台昇降、バーピー(気をつけをして立っている姿勢から、しゃがんで両手を両足の前の床につく、そして腕を伸ばしたまま、両足を後ろに伸ばし、腕立ての姿勢になったら、次は今までとは逆の順序で元の直立姿勢に戻る運動)などが挙げられます。コースをつくる時の注意点として、同じ筋肉を使う運動を続けて行わないようにして下さい。例えば、2種類の腹筋運動を入れた場合、間に異なる身体部位の運動を数種類はさみます。
サーキットトレーニング メニューの一例
- 腕立て伏せを10回。腕力の弱い人は床にひざをついてやると楽にできます。上腕部背面にある上腕三頭筋と大胸筋、肩の三角筋を強化する運動です。
- 仰向けに寝て上体を起こす腹筋運動を10回。このとき、足を伸ばしてやる人をみかけますが、足を伸ばしてやると腰痛の原因になり易いのです。腰痛は腹筋が弱くて起こる場合が多いのですが、逆に腹筋運動を不用意にやっても起こります。ひざを曲げて立てて腰に負担をかけないようにしましょう。
- しゃがんでは立ち上がるスクワット運動を20回。頭の後ろに手をおいて、胸を張ったまま深くしゃがみこむようにします。このとき太ももが床と平行になるようにします。足腰の諸筋肉(特に太もも前面の大腿四頭筋)の強化運動です。
- うつ伏せに寝て、上体と足を上へ反らせて、飛行機の姿勢になるプローン・ボディ・アーチを10回。これは背筋強化とヒップアップの運動です。
- レッグ・レイズという腹筋運動を10回。仰向けに寝て、両手を尻の下に敷き、両脚を少し曲げたまま、あるいは伸ばして揃えたまま直角以上に持ち上げる運動です。これが楽にできるようでしたら、両足先を頭の後の床に触れさせるようにして下さい。(レッグ・ロールという運動です)
- 上で紹介したバーピーを6回。
以上6つの運動を、理想的には3循環すれば良いのです。でも、初めから3循環といっても、なかなか出来ないかもしれません。そこでまず、とりあえず自分のペースでコースを1循環してみます。その内に身体が慣れてきますから、出来るだけ途中で休まないようにしながら、2循環、そして更に3循環、という具合に少しずつ循環数を増やしていくと良いでしょう。
私が持っているエアロバイクは折りたたみ式、でも折りたたまず、いつでも使えるように出しっぱなしにしています(時々、洗濯物干しになることもありますが・・・)。意思が弱いと運動は長続きしないので、運動し易い環境を作ることも必要ではないでしょうか。
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