台湾日記  2005年3月〜
 
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3月28日
反国家分裂法
○ 3月の中国の全人代で「反国家分裂法」が成立した。この件は、正直いって、僕には、なかなか頭の整理がつかなかったので、このサイトでもコメントできなかった。そんなときに、先日、中国にも台湾にも暖かいまなざしを送っている中国・台湾の専門家から一つの解釈を聞いて、かなり納得した。今のところ、この話を軸に僕は、頭の中を整理したい。

○ まず、「反国家分裂法」がなかなか理解しがたいのは、溜池通信でも述べているように(ココ)、したたかさで定評のある中国の外交にしては、中国の国益にも、胡・温現体制にもプラスになっていないようにみえるからである。「反国家分裂法」により、中国政府が最も嫌っている台湾の陳政権は、かえって世論の支持を得やすくなったし、米国や欧州を含めた国際社会から中国への反発と警戒心を強めてしまった。

○ たとえ国内政治の理由だとしても、そもそも予想よりも早いぺースで江沢民路線から転換できている胡・温体制なのに、どうしてとめなかったのか、あるいは、とめられなかったのだろうか。現政権は、この法律に対して動き出しでは、後押ししておきながら、成立直前には、各国に事前説明に回っていて慌てているように見えるのはなぜか。と、不思議なことも多かった。

○ これらの疑問に対する答えとして、現指導部は、実は、江沢民時代の台湾に対する強硬路線を軌道修正しようとして、この法律の制定に動き出したという説がある。特に、江沢民時代の2000年の2月、台湾の総統選挙の直前に、中国政府が新たに打ち出した、「台湾が無期限に統一交渉を拒めば武力行使」という強硬路線を消そうとした。確かにこれがある限り、中国の現政権にとっては、「台湾統一への動きが遅い。弱腰だ。」という批判の芽を常に国内の政治で抱えることになる。サッカーの日本戦のような勢いで国内の批判が現政権に向いたりしたらたまらないだろう。

○ そこで、現政権は、新たな方針を打ち出して「台湾が無期限に統一交渉拒めば武力行使」ということだけは、取り消そうとして法律制定に動き出した。しかし、そのための根回しを始めだすと、政権側が予想したよりもどんどん法律の内容が強硬になってしまい、結局、今の「反国家分裂法」になったという。とはいえ、ぎりぎりのところで台湾に戦争を仕掛ける条件のスリカエだけはかろうじてできているといえなくもない。

○ この動きがどの程度今回の法律に影響を与えたかという議論はともかく、中国国内において、外交に対して少しでも影響を与えられる人間の数が急に増えているようにみえるのは確かだ。それも、この5年、10年の間に、一桁、二桁という単位で増えているのかもしれない。もしそうなら、より対外強硬になりかねないし、定評のあるしたたかな外交も、日本やアメリカのように軸がぶれがちになるだろう。これはこれで、隣に住む日本人にとって重要なのは、間違いない。


3月26日
日本代表イラン戦
○ 残念でした。高原が全然ダメでしたね。彼は、ときどきああいう試合があります。一発勝負の試合で先発を任せるのは、怖いです。久保ー、はやくでてこーい。バーレーン戦は、中田を先発からはずして、ジョーカーとして使ってもいいかもしれません。三浦敦は、使ってほしいなあ。

○ 北朝鮮戦の時もそうでしたが、1点取った直後に、チームの意思がバラバラになるのは、不思議ですねえ。いつかジーコが自慢していた「点を取った後のチームの決めごと」をもう一度確認して欲しいものです。いずれにせよ、6試合中、「最も負けてもいい試合」ともいえる訳で、気にせず、次を頑張るしかないですね。


3月24日
中吊り広告
○ 日本で電車に乗っていると週刊誌の中吊り広告の面白さに感動します。特に女性誌のそれは、絶品。さすが、源氏物語と枕草子の作者の末裔だと思います。この2,3日で見かけたものだけでも、挙げてみましょう。

○ マンションを買えば、愛だけで男を選べる [FRAU]
    (恋も人生も自分で動かせる女になるための大特集)
普通は、愛だけで選ばないのは、当然の前提になっています。このコピーのすばらしいのは、「金があれば」とせず、具体的に「マンションを買えば」とし、生々しさを増したことです。さらに、お金がない人にも夢と希望を与えます。借金でマンションを買った場合でも、愛だけで男を選べることでしょう。

○ 憎むより戦え!「つるりん肌」変肌特集 [VoCE]
憎むより戦え!なんて、政治家か経営者が演説で使ってもいいような名台詞ですね。

○ 黒目がちな”ウルウル”瞳から誘惑光線出しましょう 魅惑の「チワワメーク」って? [JJ]
チワワですか。僕、犬、怖いんです。誰も聞いてくれないでしょうが...

○ コテ一本で「もえ」「エビちゃん」「直子」なりきりxマネマネヘアSHOW 実況中継 [CANCAN]
これは、もう外国語ですね。なにがエビちゃんなんざんしょ。なにが実況中継なんしょ。

○ あなたは、いざというときに脱げますか。(恋の瞬発力を高める!特集) [anan]
ひょえー。僕ちゃん、脱げない。


3月22日
日本不適合
なかなか日本の生活に適合できず、困っていることがたくさんあります。

一、東京は、歩くことが多くて大変。また、みんな歩くのが早すぎる。
一、どうして、エスカレーターを自分の足でかけあがるのだろう。黙って立っていれば、上げてくれるのに...エスカレーターちゅうのは、そういう機械なんやで!と叫びたくなる。
一、ビルの中の暖房が暑すぎる。(台湾のオフォイスには、暖房がなくて、真冬の1,2週間はみんなコートを着て仕事している。)
一、TVでどのチャンネルも日本語をしゃべるので、どれを見るべきか戸惑ってしまう。
一、ゴミのルールがうるさい。
一、タクシーに個性がない。演歌がかかっていたり、お経が流れていなくて寂しい。また、匂いがないのも残念だ。
一、タクシーの運転がおとなしすぎる。
一、昼飯に1000円札を出しておつりを待っていると「足りません」と言われて恥ずかしい。
一、町を歩いているとやたらティッシュをもらってしまい、かばんが一杯になる。
一、平日に午前半休をとってゴルフに行けない。
一、おいしい中華料理がない。(そもそも日本で食べる気がしない)
一、電話が重くて大きい。(FOMAなんて、でっかすぎ)
一、仕事中にトランプゲームがしにくい


3月21日
ライブドア騒動
○ 小学4年生がお友達とこんな会話をしている。「○×ちゃんは、日本放送タイプ。△○君は、ライブドアタイプ。△×さんは、フジテレビタイプ。」世も末か。

○ 確かに、三者のキャラクターが立ってきた。いい人。怖そうな人。突貫小僧。何を争っているか理解できない小学生でも、三社長の個性の違いは、くっきり分かるのだろう。まことテレビというメディアは、恐ろしい。この点ばかりは、三人の社長も意見が一致する。

○ そうそう、今回の騒動をみていると福祉大相撲などで行われる「初っきり」を思い出した。例えば、まげをつかむのはルール違反だと、土俵で面白おかしく実演して観客に説明する「初っきり」である。M&Aの四十八手、禁じ手を面白おかしく実演して説明しているようだ。

○ それにしてもと、NHKの会長の国会での説明をみていてつくづく思う。どうしてテレビ局のトップというのは、テレビ映りが悪いのだろう。

(ようやく、rakuchin宛の電子mailも見られるようになりました。お返事してなくてすいませんでした。)


3月13日
逆カルチャーショック
○ 日本の社会というのは、本当にユニークですよね。帰国して思いっきり、「逆カルチャーショック」を楽しんでいます。

○ 家財道具一式を揃えるために近所の大手家電量販店に行ったところ、今の白物家電売り場は、何時間いても飽きません。例えば、洗濯機売り場。1万8千円の全自動洗濯機の横で、18万円の洗濯乾燥機が売っています。見た目はほとんど同じなのに、一桁値段が違う。冗談抜きに、0の数を数えましたよ。それで、どこが違うのかと店員に聞きだすと、これが面白くて結局1時間半程説明を聞いてしまいました。

○ かいつまむと面白みが半減してしまうけれども、書いてみます。洗濯機に乾燥機能をもたせようとしたところ、回転軸が垂直のままだと、うまく乾ききらない。そこで、回転軸が水平のドラム式にすると、今度は、洗濯物の出し入れがやりにくいという。それで、今は、回転軸が斜めの洗濯乾燥機が売りに売れているという。ところが、軸を斜めにすると乾燥の具合がよくても洗濯がうまくいかない。初代の斜めドラムでは、洗濯直後に服の一部が濡れてさえいないこともあったという。結局、意地悪な言い方をすれば、いまいち洗濯機能が十分でない洗濯機が、10倍の値段なのに飛ぶように売れている。不思議な社会ですね。新聞で読んだところ、この斜めドラムの洗濯機は、日本国内工場でセル生産方式によって製造されているとのこと。奥が深い。

○ これに、掃除機の売れ筋は、サイクロン式。エアコンは、空気清浄機能を競う。冷蔵庫は、LEDで野菜の鮮度を保つなんて、聞きだすと、一日いても飽きることがない。下手なテーマパークよりも面白いですね。

○ 他にも、日本の社会に感心することは、いろいろありますが、おいおい書かせてください。来週末にようやくパソコンの環境がそろうので、それからぼちぼち更新していきたいと思います。


3月6日
帰国
転勤にて、日本に帰国しました。台湾を出る直前に、予定の日より早くADSL回線を切られてしまい、ろくなお断りもなく更新できずすいませんでした。メインだったPCを船便で送ったこともあり、もう数週間、頻繁には更新できないと思います。日本での生活が落ち着いたら、なんとか以前と同じ週3回程度の更新に復帰したいですね。帰国したときの逆カルチャーショックなんかを書いてみたいと思っています。そうそう、今回の件で、やはり更新の簡単なブログのしようと、かなり強く思いました。とりあえず。


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