小さな春、みーつけた【白日夢通信より】
如月の、まだ風の冷たかったある晴れた日のことです。
自転車で近所へ買い物に行きました。
陽射しは柔らかいのに、顔に当たる風は氷のようで、思わず襟を立てたくなるほどです。
それなのに、不思議と暖かな場所がありました。
建物の中というわけじゃありません。ただ普通の住宅街を走っていただけです。
だけど確かに、ふんわりと暖かい場所があるんです。
いったい、どこだと思います?
特別な場所なんかじゃないんです。
ただ、畑や広場や草地など、土がむきだしになっているだけの場所でした。
最初は気のせいだと思っていましたけども、何度も同じ感覚を肌で味わううちに、それは確信へと変わっていきました。
大地は確実に春に近づいている。
ただ、アスファルトの下に隠れているだけなんだって。
「うー、凍えるー」なんて思いながら、ペダルを漕いでいた私でしたけども「小さな春をみつけた!」の瞬間に、寒さなんて吹き飛んで、心がポカポカしてきたのでした。
みなさんは、もう小さな春、みつけましたか?
2004-03-16