§ Essay

　ええと、突然、生えてきました、親知らず。
　場所は左下の奥です。
　いつの間にか生えきってしまった親不知もあるのですが、今回ほど痛い思いをしたことはありませんでした。
　まだ完全に歯茎から顔を出しているわけではなく、ジワジワ〜っと……少しずつ生えてきているみたいなんですけれども、それが痛い！イタイ！いたい！(T_T)
　頭痛まで併発する痛さです！
　以前、治療済みの歯が痛んだときに匹敵するかもしれません。
　んもう、まともに考えゴトすることもできなくて、仕事もはかどらないし、ただただ一日中うなってばかりです。
　痛み止めの薬もあまり効かないし。

　だったら医者へ行け？
　ごもっともです。
　行きますよ、行けばいいんでしょ、でも、なるべくなら行きたくないんだってば。
　だって以前、歯医者さんが言ってたんだもの。
　「（今、私を苦しめている）この歯が生えたら抜きましょうね♪」って、とっても嬉しそうな顔で。
　うう、抜くんだよ、痛そうだよ………………ふぅぅ。
　想像しただけで血の気が失せそう（涙）

　で、私はとりあえず、この痛みを母に訴えてみました。
　だって、人生の先達でもある母ならば、なにか良い対処法を知っているはずじゃありませんか。

　ところが、母は意外なことを言い出しました。
　「あら、私は親知らずは生えてこなかったけどねぇ」
　なんとウチの母には親知らずなんてものは生えてきていないらしい！
　「新人類の証拠よ♪」などと、これまた嬉しそうに言われました。

　……なんでソレ、遺伝しなかったのよぉぉ。
　ショックで打ちのめされている私に、母は重ねて言いました。
　「これがホントの"親知らず"ね」
　…………………………。

　後日。私は耐えかねて歯医者さんへ行きました。
　そして、なぜかイタイとこじゃない親知らずを抜かれました。
　痛いところは生えきっていないのでつまめないんだって。
　ってことは、また待たなきゃいけないのか。
　生えてくるまで、じーっと？

　はぁぁ…。