ほかほかスパーク

                 ( 表 面 )



"スパークNo250" (2011.12)



助けて!パワハラなくして!  自殺、うつ病多発職場、
デンソーの仲間から訴え

深刻なパワハラ職場、多発する自殺、うつ病 ----
パワハラ、長時間労働による自殺、うつ病発症などが社会問題となっている中、デンソーの仲間から日本共産党西三河地区委員会に訴えがありました。
「デンソー本社にあるパワトレシステム開発部実験適合室実験課では上司によるパワハラで自殺者、うつ病の人が多発しています。この八月に若い仲間が寮の駐車場で硫化水素自殺をしました。今年の三月にも中年の仲間が豊橋港近くのトイレで首つり自殺をしています。その他、二年程前に体調不良で退社した人が、その一年後に自殺しています。五年程前にはパワハラで長期の無断欠勤で行方不明になった人もいます。その人はその後、無事に見つかりましたが長期無断欠勤により会社を首になりました。うつ病になった人は何人もいます。上司はえこひいきやウソだらけの対応しかしません。会社に言ってもまったく何も変わりません」

日本共産党デンソー支部、 刈谷労基署に職場環境改善を申し入れ
日本共産党デンソー支部は深刻な事態の訴えを受け、刈谷労基署を訪れ次長に改善を申し入れました。

会社は職場アンケートを実施するも、 その後何も手を打たず
会社人事部は従業員からの訴えもあり、三十人ぐらいの課員の聞き取り調査を実施しました。この調査は百五十人ぐらいいる課員から無作為に抽出したと言われていますが、恣意的で”犯人探し”的という声も聞かれます。更に重大なことは、そのアンケート後も何の変化もないことです。

このまま放置することは許されない! 人権無視の最悪職場
パワハラ、過大業務負荷などによる自殺、うつ病が社会問題となり安全衛生法の改正の動きもある中、天下のデンソーでこのようなことが放置されていることは大問題です。特にデンソーは過去にトヨタ出向中の社員がうつ病になりその裁判で敗訴しています。会社はすぐこのような事態を解決すべきです。







                 ( 表 面 )


                 ( 裏 面 )




"スパークNo249" (2006.10)



「トヨタ・デンソー過労うつ病裁判」傍聴記(連載第一回)
 ディーゼル製品の開発を担当していた、デンソー社員が業務による、パワハラと過労でうつ病になり、損害賠償の訴えを名古屋地裁に起こしました。今回から、本紙上でこの裁判傍聴記を連載していきます。第一回裁判は六月二十八日におこなわれ、本人が意見陳述をおこないましたので、今回はその骨子をお伝えします。

 原告意見陳述要旨
(1) 提訴に至った理由
@私が今回このような提訴に至った理由のひとつは、『泣き寝入りしたくないという事』です。
会社や上司の命令に背くこと無く従順に与えられた業務は自分の役割・使命だと考えて責務を全うすることを目標に体力の限界まで長時間労働もして頑張って来ました。
 しかし、過労によるうつ病を発症し休職を余儀なくされた時には、会社や上司はあくまで私病で自己責任だということで、それらを理由に人事査定を低くされたり理不尽な対応をされました。
A2つ目の理由は『トヨタグループ企業の労働条件の改善をしたいという事』です。
過酷な労働環境・条件を私が提訴する事により少しでも良い方向に改善され、従業員が健やかに生き生きと働ける労働環境を実現することが2つ目の理由です。
(2) 私の過重労働
出向した当初から過大な負荷と高度な業務を与えられていたこと、協力者がいなかったことで、毎日深夜まで一人で残業して対応していました。
 また、当時の上司からは業務が思うように進んでいない事を理由に度々叱責されたり、他の人のいる前で私の能力や人格を否定するようなパワハラ発言もあり、当時は長時間労働と過重な心理的負荷がありました。
(3) 人事査定の不公平・主観的評価
 私が過重労働の末、うつ病により会社を2ケ月間休職した翌年の2000年度の人事査定で低い評価を受けました。上司に理由を確認した所、上司は『2ケ月休んだから、その分他の人より成果が無かったということだ』と説明され、私は相当に長時間過密労働で働き、目標以上の成果を出したと自負していたので、その回答に納得できず、後日人事部に客観的な評価として妥当かどうかを調査依頼をしました。しかし、人事部からの回答は『休んだことは理由では無く、職能等級に照らし合わせて成果が無かった』という回答でした。
(4) 会社や労働組合の不誠実な対応
 また、本来は弱い立場の組合員を守るべきデンソー労働組合にも何度も相談や支援をお願いしましたが『個人的な案件には関与出来ない』と門前払いの状態で、会社側に対して何も言いません。誰の為の何の目的に為にデンソー労働組合が存在しているのか?存在の意義がわからないですし、我々組合員が毎月組合費を納めている意味が全くなくなってしまいます。

以上で意見陳述を終わります。



うつ病などの復職支援プログラム導入
 デンソーでもメンタル系疾病が増加する中、この七月から、短時間勤務からスタートする復職支援プログラムが導入されました。遅きに失したとはいえ、評価できるものです。今後は、より根本的対策として、このようなメンタルな病気が多発する労働環境の改善が強く求められています。

「奨励自主教育」の強制をやめさせて!
デンソーテクノの仲間からのメール、
労基署が調査

 次のようなメールがデンソーテクノの仲間からスパーク編集部にありました。早速、日本共産党デンソー支部はデンソーテクノ本社がある、名古屋西労基署を訪れ、調査・指導を申し入れました。


デンソーテクノの仲間からのメール

『 先日八田議員の街頭演説を聴き、このHPを検索しました。
当社には”教育時間”というものがあり、一日8時間の定時間労働とは別に一年で70時間行うことが義務付けられています。
これは自主教育という形で教育計画を提出し時間は70時間到達するようにというものです。
教育には“指名必須教育(業務として賃金が支払われる)”と”奨励自主教育(業務外)”というものがありますが、お伺いしたいのは“奨励自主教育(70時間中のほとんどがこちら)”というものの賃金の扱いなのですが、これは会社に出勤して入・退場記録をつけ、自主学習等をするように指示されているのですが、研修助成金として時給500円しか払われません。この”奨励自主教育”という名目で定時間後や休日に発表会などの会社行事や勉強会が行われることもあります。
  また業務に関する指導事項についても奨励自主教育でつけさせられることがあります。
欠席の場合は欠席届けを提出したりするなどして、上司の許可が必要になります。
年70時間という時間に関して上司からのフォローも厳しく、年間の教育時間に到達しなさそうな時は厳しく理由を追求されてその後の教育計画を提出するよう指示されます。
実務が忙しく時間がなくても、フォローが厳しいため残業時間から教育時間にまわしていることもあります。
  通常業務外の教育ということで会社から命令がだされるのですが、支払い賃金に問題はないのでしょうか。または賃金の是正はできないのでしょうか。』


七月に労基署の監督官から次のような回答がありました。
 「デンソー本社を訪れ、調査しました。教育には指名・必須・自主の区別があった。一人年間七十時間が目標であった。このうち自主教育時間は年間、四〜百十二時間と個人によってバラツキがあった。指名・必須教育については、定時間内に行なわれるか、又は残業代がついていた。自主教育については、時間の個人差が大きいので強制的と判断するには至らなかった」


トヨタ系各社の再雇用制度比較
スパークでは各社の再雇用制度を
@現役時代との賃金差
A雇用選別の有無
B短時間勤務が可能か
の三つのポイントから採点してみました。


新しい世紀と新しい綱領
日本共産党が展望する21世紀−連載G−
「旧ソ連でなぜ、スターリンが指導者に・・・・・・・」
 今でも北朝鮮などでは個人独裁的な政治がおこなわれています。かつて「社会主義国の親玉」であった旧ソ連の最高指導者、スターリンもそうでした。
 レーニンが病気で倒れた後、新たに設けられた書記長の地位に就いたスターリンは、自分ひとりに党運営の権限を集中させるようになりました。
 病気であったレーニンは、一九二三年に開かれた第十二回党大会に際して、大会の代議員に手紙を送り、スターリンを書記長から解任するように求めました。そのなかでレーニンは、「スターリンは粗暴すぎる」として、この欠点が党の将来に「決定的な意義をもつことになりかねない」と述べています。しかし、当時の共産党の幹部には、この指摘の意味を正面から受け止められる人物はいませんでした。また、レーニン自身も、スターリンとのたたかいを完遂することなく世を去りました。
 以後スターリンは、党の大会さえも開かないなど、党運営のルールを踏みにじって独裁者となっていきました。
 その背景には、個人の尊厳を前提とする民主主義が、当時のソ連社会に十分根を下ろしていなかったこと、同時に、ソ連共産党が、民主的な組織運営の面で未熟だったことがあると考えられます。
 日本共産党は、スターリン以後の人間抑圧型のソ連社会は、社会主義社会でも、社会主義へ向かう過渡期の社会でもなかったと結論づけています。

ごあいさつ
                   金田堅三        2006年 3月26日

  私は2006年1月22日付けで発足した新しい労働組合「全トヨタ労働組合」の副委員長に就任いたしました。
  「労働組合は 会社、政党、政府から独立した組織である」という日本共産党の原則にもとづき、スパーク発行責任者を辞任します。
  今後の連絡先は 日本共産党西三河地区委員会(Tel: 0564-23-2785、Fax: 0564-21-0712)ですので宜しくお願いします。

"スパークNo248" (2006.3)



「情報の提供があり、それに基づき調査し、指導した」
刈谷労基署が最終回答

 冷技機器技術部の無償残業問題

 昨年六月に冷技機器技術部の仲間から、詳細なデータをつけて、スパーク編集部宛に、「無償残業告発のご依頼」がありました。これにもとづき、日本共産党デンソー支部は約半年間刈谷労基署と数回の交渉をおこなってきました。その結果、一月十一日に題記のような最終回答がありました。労基署の指導にもとづき、会社とデンソー労組がおこなった施策を次に列記します。
会社 2005年8月 業務・業務外の層別
2005年9月 不適切な労働時間管理に対する懲戒などの社内規定発表
2005年11月 勤務終了後のカードスリット・自己申告のタイミングの通達
デンソー労組 2005年12月 「労働時間に関する相談窓口」新設

トヨタ系各社で無償残業改善の動き

 トヨタ紡織では「社長自ら九時には電気を消して帰宅するように指示している。そしてパソコンもチェックして法令順守に努めている」と人事担当者が述べています。
 また豊田織機では、高浜工場、本社に続いて共和工場でも入退場時のカードリーダ装置が設置されました。そして退社時刻後一五分以内に会社を出ること。一五分以上差があった場合には理由などをチェックされ警告されるシステムになっています。
 デンソーは三十分ですから、織機さんは、大変積極的と言えます。


最近の全国での無償残業是正の成果
2005年2月 郵政公社 郵政労働者約5万7千人に未払い残業代32億円を支払い。
2005年2月 ビックカメラ(東京) 社員110人への残業代不払いで労働局が労基法違反の疑いで送検。
2005年2月 大阪ガス(大阪) 社員の約七割、3800人に残業代18億3700万円を支払い。
2005年3月 東京電力(東京) 25900人に未払い残業代69億4800万円と発表。
2005年3月 もみじ銀行(広島) 不払い残業で行員の八割にあたる約2000人に3億3千万円を支払い。
2005年6月 関西電力(大阪) 社員の54%、約1万1千人に残業代22億9700万円を支払い。
2005年6月 スタッフサービス(大阪) 3400人に二年分の残業代53億6500万円を支払い。元副支店長(32)が過労によるうつ病で自殺した責任を認め、謝罪、賠償し和解。
2005年10月 古河電工 間接部門の約1700人で未払い残業代約14億2千万円が判明と発表。
2005年10月 旧道路公団 旧公団職員のほぼ全員4600人に残業代8億4500万円を支払い。
2005年12月 ツムラ(静岡、茨城) 静岡と茨城両工場の従業員680人に二年分の未払い残業代が約2億3200万円と発表。

「サービス残業」をなくせ!
「長時間過密労働」をやめよ!
「非正規労働者」の待遇を改善せよ!
「下請け単価」の切り下げをやめよ!

 トヨタ総行動に千六百人
  「トヨタは社会的責任を果たせ!」―。空前の利益を上げながら賃金抑制の旗振り役をする日本経団連の奥田碩会長が会長を務めるトヨタ自動車本社や工場前(愛知県豊田市)を二月十一日、千六百人の唱和が包みました。
  全労連や愛労連などでつくる実行委員会による「トヨタ総行動」。今回で二十七回目。
  三年連続一兆円を超える利益を見込む一方で、長時間過密労働と不払い残業、下請け企業に単価の切り下げを押しつける横暴を許すなと、東京、大阪はじめ各地から労働者や中小業者、大気汚染公害患者らが参加。「もうけ独り占めの罪」など五つの罪状を書いた横断幕やプラカードを掲げて終日行動しました。


新しい世紀と新しい綱領
日本共産党が展望する21世紀−連載F−
ソ連は社会主義とは無縁な人間抑圧型社会であった
 ソ連が崩壊した後の地球の未来を語る場合、やはり、社会主義体制の親分と言われていた、この国とは一体どんな国であったのかという評価を抜きにすることはできません。
 結論的に言えば、日本共産党は既に十年程前の大会で、ソ連は他国への侵略などの覇権主義の誤りによって、世界中に害毒をながしてきただけでなく、ソ連国内の体制そのものも、社会主義とは無縁な、人間抑圧型の社会であったということを明らかにしています。
 ソ連が崩壊したことで、「ほら、あれが社会主義の権化の姿だ。それが崩壊した今や、社会主義はダメだ。資本主義万才!」という単純なストーリが一定巾をきかせました。
 もちろん日本共産党は、こんな単純な話には、賛成していません。

日本共産党綱領より
[世界情勢]


 最初に社会主義への道に踏み出したソ連では、レーニンが指導した最初の段階においては、おくれた社会経済状態からの出発という制約にもかかわらず、また、少なくない試行錯誤をともないながら、真剣に社会主義をめざす一連の積極的努力が記録された。しかし、レーニン死後、スターリンをはじめとする歴代指導部は、社会主義の原則を投げ捨てて、対外的には、他民族への侵略と抑圧という覇権主義の道、国内的には、国民から自由と民主主義を奪い、勤労人民を抑圧する官僚主義・専制主義の道を進んだ。

"スパークNo247" (2005.11)



無償残業・長時間労働で心身共にまいっています。何とかしてください。
 冷却機器技術部の仲間からの訴え

  六月に次のようなメールがスパーク編集部に届きました。スパーク発行責任者らはただちに、刈谷労基署に調査・指導を要請しました。十月初旬に労基署を再度訪問して、調査内容について聞いたところ「冷却機器についてはまだ調査中である。会社は十月からきちんとやると言っている」という中間報告がありました。

スパーク御中

『無償残業の告発のご依頼』
冷却機器技術部では短期間での問題改善のため、担当者、管理者含め、労働法規を超える或いは少なくとも労使協定を超える無償残業を強いる業務負荷を与え、結果として無償残業を行わせた実態がある。

以下各個人の詳細状況を記す。
Aについては、月末に残業時間を調整する(連続45時間超過回避)ため、月末毎に勤務申請の訂正書を提出していた。
B、Cについては、毎晩12時超まで残っていたり、土日出勤しているのにもかかわらず、早期IDスリット等で時間調整を行っている。B曰く5月は「残業200時間超えている…」。

 また、特に残念なことはこの状況の中で精神的・肉体的に体調を崩されていた故DTB(独身・一人住まい)がなくなった。経緯は再三体調を崩されていて長期欠勤することが最低2度あり、ここ最近も調子が悪いようであった。調子はどうですか?と聞いた際には冗談でなく「あまり…」という返答であった。
 特急対応時期の中、3日間ほど無断欠勤状態(連絡とれず:そのまま放置)→土日→火曜に人事へ親御さんから連絡が取れないと連絡あり→室長が出向き管理人に鍵を開けてもらい遺体として発見。
 無断で休まれている際には、職場内で「無断欠勤している」「給与明細をもらわなくてもいいような人なのに」等の発言があったことも悲しく思います(これは別の問題のように聞こえるかもしれませんが、ほかの人への負荷が異常に高かったため、その方から仕事を休まれていた(実際はもう亡くなっていたかもしれない)彼にそのような発言が出たと思われる。

この後には部長はじめ、職場改善の取り組みをするという発言が数度あったようだが具体的な方策は葬儀後1週間以上たった今でも、全く示されておらず、昨日も11時過ぎまで数人残って仕事をしていました。(DTBは過多残業が直接原因でなくなられたわけではないですが、職場雰囲気はまったく変わっていないと感じます)

 さらにさかのぼれば、長欠する人が多発しており、毎年二人ほどは長期欠勤しています。

また、組合も生ぬるい仕事のしかたしかしていない(深夜見回りが一度あったがそれ反響なし、ユニティも見回りにきたがこちらも反響なし)と思ったのでいつも共感して読んでいるスパークの方しかよりどころがなくこのメールを書くに至りました。

この状況を打破すべく、ながながとまとまらない中メールを送付しました。
無償残業代をもらうというよりも職場改善・業務負荷の低減(というより通常化)のために、お力添えをいただけると幸いです。デンソー労働者の意識には、常に人員不足・業務過多という問題が過去からずっとあると思います。働きやすい職場に出来るよう取り組みを共に頑張りたくご協力お願い致します。


デンソーの主任は出社しなくても給料がもらえる?
 組合員とのこの格差は何だ!
 本社技術部の組合員の声


 スパーク編集部に次のような声が寄せられましたので紹介します。
 本社の技術部には週に二〜三日しか出勤しないことを二〜三年続けている主任(課長格・非組合員)がいる。それでも有休が残っている。主任の就業規則はどうなっているのか。これでは組合員はヤル気がなくなる。派遣の人にも恥ずかしい。まじめにやるのがアホらしい。組合に相談してもあいまいな返事だけ。主任の裁量労働制が問題である。一方で組合員の裁量労働ははずしてほしいと言ってもはずしてくれない。そして主任は五十五才の役職定年をすぎても主任を名のっておれて、毎日出社しなくても給料がもらえる。おかしい。会社は今、もうかっているから、こんな人間がいてもいってい程度仕方ないと思っているのかね。

無償残業は違法行為、 会社通達出る。
  会社は自主的に無償残業の実態を公表すべき。

 九月十二日付で、会社から「不適切な労働時間管理・申告は、いずれも“違法な行為”であり、管理者・対象者共に『懲戒』の対象になります」という通達が出されました。遅きに失したとは言え、歓迎される内容です。このスパークでも、それこそ数え切れないくらい、違法行為を放置している、あるいは暗に推奨している会社の体質と管理者の責任を追及してきました。この通達の内容が徹底されるかどうかは、今後のデンソーの命運を左右すると言っても過言ではありません。

  反省して一から出直す意味で、会社はすすんで調査結果を公表すべき。

 いま電力会社をはじめ、いくつかの大手企業では労基署の指導とは関係なく、自主的に無償残業の実態を公表し、法律遵守の姿勢を明確にするところが増えています。従業員に懲戒を言うのなら、今までの管理責任を明確にして再出発する意味からも、みずから調査結果を従業員と世間に公表すべきです。こうすれば、本当に会社が反省している証拠になり、今度は会社も本気だなと従業員も信用するでしょう。更に今回の通達は無償残業をした労働組合員も懲戒の対象になっているので、一般従業員も注意を要します。厚生労働省の通達もそうですが、無償残業根絶のためには、「これは違法行為」なんだというあたり前のことを、本当に全員の共通の認識にするために、無償残業を行った本人の意識改革をも促す内容になっています。良い機会ですので参考のために、厚生労働省労働基準局が無償残業をなくすために、出した「指針」の概略を紹介しておきましょう。結構、良いことが書いてあります。
会社通達の概略
不適切な労働時間管理に対する『より厳格な措置』の実施について
1.今後の対応
・万一、不適切な労働時間管理・申告が発生した場合、状況を調査・確認の上、懲戒に関する審議機関※に付議し、懲戒内容を決定します。
 ※課長格以上:業務考査委員会 → 取締役会
  係長格以下:賞罰委員会
・なお、管理者の責任期間は、自らが管理を行った期間とします。
 (職変直後に発覚し、新管理者が関与していないケースでは、新管理者の責任は不問)

厚生労働省
1 趣旨
 賃金不払い残業は労働基準法に違反する、あってはならないものです。
 この指針では、労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置等に加え、各企業における労使が労働時間の管理の適正化と賃金不払い残業の解消のために講ずべき事項を示しています。

2 労使に求められる役割
(1)労使の主体的取組
 労使は、各々が果たすべき役割を充分認識するとともに、労働時間の管理の適正化と賃金不払い残業の解消のために主体的に取り組むことが求められます。
(2)使用者に求められる役割
 使用者は労働時間を適正に管理する責務を有しており、賃金不払い残業を起こすことのないよう適性に労働時間を管理しなければなりません。
(3)労働組合に求められる役割
 労働組合は、チェック機能を発揮し、主体的に賃金不払い残業の解消に努力するとともに、使用者が講ずる措置に積極的に協力することが求められます。
(4)労使の協力
 賃金不払い残業の解消を図るための検討は、労使双方がよく話し合い、十分な理解と協力の下に、行われることが重要であり、労使が協力して取り組む体制を整備することが望まれます。

3 労使が取り組むべき事項
(1)労働時間適正把握基準の遵守
 使用者は、労働時間適正把握基準を遵守する必要があるとともに、労働組合も、労働者に対して労働時間適正把握基準を周知することが重要です。
(2)職場風土の改革
 賃金不払い残業の背景に、やむを得ないという労使双方の意識(職場風土)がある場合には、これをなくすための取組を行うことが望まれます。
(3)適正に労働時間の管理を行うためのシステムの整備
@適正に労働時間の管理を行うためのシステムの確立
 賃金不払残業の実態を把握した上で、関係者が行うべき事項や手順等を具体的に示したマニュアルの作成等により、「労働時間適正把握基準」に従って労働時間を適正に把握するシステムを確立することが重要です。
A労働時間の管理のための制度等の見直しの検討
 賃金不払残業の温床となっている業務体制や業務指示の在り方にまで踏み込んだ見直しを行うことも重要です。
B賃金不払残業の是正という観点を考慮した人事考課の実施
 賃金不払残業の是正という観点を考慮した人事考課の実施等により、適正な労働時間の管理を意識した人事労務管理を行うことが望まれます。

(4)労働時間を適正に把握するための責任体制の明確化とチェック体勢の整備
@各事業場ごとに労働時間の管理の責任者を明確にしておくことが必要です。
A労働時間の管理とは別に、相談窓口を設置する等により賃金不払残業の実態を積極的に把握する体制を確立する事が重要です。
B賃金不払残業の実態を把握した場合には、労働組合としての必要な検討を行うことが望まれます。


「タダ働き解消指針」全文を見たい人はこちら。


"スパークNo246" (2005.8)

仲間からの訴え
 最近、スパーク編集部に次のような訴えが二通届きましたので紹介します。


 過労死します(ディーゼル噴射製造部)
ディーゼル噴射製造部生産12課のTLを助けて下さい。過労死してしまいます。昼の勤務のときは御前様、夜の勤務のときはAM10時過ぎまで働かされています。工場長や課長も知っていますが黙認しています。作業者も知っています。このままでは自殺してしまうかもしれません。聞き取り調査をしてください。助けてください。720時間軽く越えています。職場が腐っています。

 無償残業は当り前(機能品製造部)
こんにちは、はじめて投稿します。
私はデンソー西尾工場に勤めているものです。
私が以前、西尾の機能品製造部に応援に行っていた時の話ですが機能品製造部は全社的に仕事が忙しく、優秀な人材が多々見受けられました。
応援当初は、さすがパワトレグループだなぁと思っていたのですが、周りが見えてくると、色々な面でやっぱりこんな現状があるんだ!とつくずく思いました。
リーダークラス以上の人は無償残業は当り前のようにやっていました。
つい最近検診に行った時、そこの部署の人と偶然出会い、話を聞いたところ無償残業は暗黙の了解な感じで、まだまだ何人かの人がやっているみたいなのです。
今、あれほど無償残業はやらないように呼びかけられているのに、上司は何も言わないのか?と尋ねると、な・なんとあの、あるSLが現在課長代行をやっているとのことでした!
見つからなければ何をやってもいいのか!そういう人間が上司になって本当にいいのか!そういう人間を選んだもっと上の上司は何を見ているんだ!
と、私は怒りがこみ上げてきました。
この人の部下になっている人達がかわいそうでしょうがないです。
デンソーという会社はこういう会社なのでしょうか?




高年層の減給は違法
  みちのく銀に1.5億円支払い命令 青森地裁
 みちのく銀行(本店・青森市)が五十五歳以上の従業員を「専任職」とし、賃金を大幅に減らしたのは不当と元行員十四人が減額分の支払いを求めた起訴で、青森地裁は三月二十五日、同銀行に約一億五千万円の支払いを命じる判決を出しました。
 同銀行は一九八六年五月、五十五歳以上を「専任職」とし、基本給凍結を柱とする制度を導入(約20%の賃下げ)、八八年四月には、これを改悪した新「専任職」制度(約40‐50%の賃下げ)を導入しました。
 同銀行従業員組合はこれを不当とし、組合員が八八年十二月から二〇〇二年四月にかけて相次いで提訴。
 第一グループの六人については、最高裁が二〇〇〇年九月、「高年層の行員にのみ不利益を与えるもので違法」とし、差し戻し審の仙台高裁は同年十二月、同銀行に焼く七百五十万円の支払いを命じました。


サービス残業 関電23億円支払いへ
  社員の過半数
 関西電力はサービス残業があったとする労働基準監督署の是正勧告を受け、実施していた社内調査で社員の54%にあたる約一万一千人がサービス残業をしていて、総額が二十二億九千七百万円になると発表しました。六月末に支払うことにしています。
 社内調査は二〇〇二年十月から過去二年間の賃金を対象に実施し、サービス残業代は一人あたり月平均で約八千六百円。二年間で三百万円を上回る社員も五人いました。
 サービス残業代は、東京電力が六十九億四千八百万円(約二万五千九百人)、中部電力が六十五億円(約一万二千人)を支払っています。


株主総会報告
 この六月はトヨタ系のどの企業でも株主総会がありました。ここではお隣のアイシンと工機でのT氏とY氏の発言を紹介します。どちらも唯一の発言者で独壇場だったそうです。ただしアイシンではもう定年になっているのに「技監待遇」で会社におらせてもらっている、元労組委員長のA氏が、ここが自分の役目とばかりに「質問は簡潔に」と議長気取りで不規則発言をしたそうです。「労働貴族ごくろうさん」というところです。以下はそのやりとりの概略です。

 アイシン篇
(質問)
『アイシン企業行動憲章』に関して伺います
ここに『アイシン企業行動憲章』という冊子があります。98年に初版が発行され04年10月に第三版が発行されています。
内容は『国際ルール・法令順守』はもとより企業不祥事を未然に防ぐ、そして本憲章に違反するような事態が発生した時は、経営トップ自らが問題解決に当たり、原因究明、再発防止に努める。さらに的確な情報公開と説明責任を遂行し権限と責任を明確にしたうえで、自らも含めて厳正な処分をおこないます。というものです。
そこで1点目の質問ですが『サービス残業』をなくすためには本気でなくすという経営トップの決意が大事かと思いますので、決意をお聞かせください。
合わせて既にトヨタ自動車などで設置されている入退場時の『カードリーダ装置』を全職場に設置してはいかがですか? お聞かせください。

2点目は社員の健康に関わる長時間労働の問題です。
最近海外出張中に突然亡くなられ、在職死される社員も数名いると聞きます。急速な海外展開と開発・生産の短納期化など職場では長時間でしかも過密労働になっているのではないかと聞きます。
アイシンではありませんが、おとなりの『デンソー』では今年2月西尾製作所の技術者が会社のトイレで自殺し、夜に発見されるといういたましい事件が起きています。原因は毎日深夜まで仕事しなくてはならず、この状態に心身ともに疲れ果ててのことだと聞いています。
アイシンでも高負荷で様々な仕事を長期にわたってし続けなければならない職場環境になっているように思えます。


(答弁)
人材担当役員の答弁
・『サービス残業』があるとは聞いてませんので、ないと思います。
・時間管理について諸施策を実施していますので『カードリーダ装置』を緊急に設置しなければならない必要性はないと考えます。
・そもそも時間管理は『労使自治』の問題かと思います。
・海外出張者の健康診断、検査を現場からクレームが出るほど厳密に実施しています。

豊田幹司朗社長の答弁
・『アイシン企業行動憲章』の周知徹底には時間がかかるものですが、社内体制の整備に努めてまいります。



 工機篇
<質問1>鋳造工場で起きた労働死亡災害、結核感染問題
 社長の営業報告の中で「地球環境保護の取り組みを積極的に推進していくと共に、企業倫理の徹底を図り、信頼される企業市民として…」 うんぬんとあります。大変、結構なことです。ところで、まずその前に社会から批判を受けることの無いように、足元の環境問題、社内の環境問題にしっかり取り組んでいただきたいと言うことです。一つは今年、二月に起きた鋳造工場での労働死亡災害。たいへん粉塵の多い労働環境の中で起きた。同僚として痛恨の極みです。
二つ目は、同じく鋳造工場で起きている結核感染の問題。三月に、保健所による集団検診を関係者全員が受けている。恥ずかしいことです。 会社として、社会から批判されることのないように、社内の環境問題に、しっかり取り組んでもらいたい。社長の見解を伺いたい。

(答弁)
横山社長「今回の事故に対して、残念な気持ちでいっぱいである。(経営者として)従業員に働きやすい環境を提供することは、きわめて大事なこと。今回の事故を、ぜったいに二度と起こしてはならないことと、役員全員決意し、安全委員会を設置し、取り組んでいる。後に安川副社長から話をさせます
また、結核感染問題については、結核感染と粉塵の因果関係は別として、鋳造工場で結核感染を出し、また五月に出ているという事実を受け止めて職場環境の整備に積極的に取り組みたい。
安川副社長「(死亡災害について)非常に残念なことが起きてしまった。
職場環境諸条件が不徹底であったことも要因。安全人づくり・安全場づくり・4S・環境…など特別委員会で取り組んでいるが、それに終わることなく、永久に進めていきたい。

<質問2>合併に伴うリストラ問題
 二月の合併発表の時、社長は共同記者会見で「今回の合併はリストラが目的ではない。電気式パワステの強化が目的で人は足りないくらいだ」と強調された。しかし、社内にはまだリストラに対して不安の声がある。
新会社は全従業員が、前向きに意欲を持って取り組めることが大事。
あらためてリストラについて、この場でお尋ねしたい。あるのか否か?
(答弁)
横山社長「両社の共同記者会見で、合併の目的を質問したマスコミからもリストラをやるんですか?という質問が出た。それは明確に否定した。そんな気は、さらさらない。光洋の吉田社長もそう答えた。」


サービス残業是正通達 経団連の敵視≠ヘ問題
  労基局が文書で申入れ――山口議員質問
 日本経営団連が経営労働政策委員会報告(二〇〇五年度版)で、政府の「サービス残業解消通達」をやり玉にあげ「企業の実態を無視したかのような指導がなされている」と敵視している問題で、青木豊労働基準局長は「事実に基づかないもの」との認識を示し、影響が大きいだけにその旨を経団連側に文書で申し入れたと明らかにしました。
 三月二十五日の衆院厚生労働委員会で、日本共産党の山口富男議員の質問に答えました。
「サービス残業解消通達」は、違法な企業犯罪であるただ働きをなくすために、二〇〇一年の四月に出されたもの。日本経団連の同報告は、一部労働者への労働時間規制の適用除外を求めたり、この通達に基づく監督指導や是正勧告を「企業の労使自治や企業の国際競争力の強化を阻害しかねないような動きが顕著」と強弁しています。
 山口氏は「日本経団連よおごることなかれ」と批判し、「労働行政をはね返すような財界の増長した主張にははっきりとした態度をとるべきだ」と強調。尾辻秀久厚労相は「労働時間の適正な管理は労基法上の義務」とのべました。
 山口氏は日本経団連へ申し入れた文書の提出と奥田碩会長の参考人招致を求めました。




"スパークNo245" (2005.5)



会社のトイレで担当部員が自殺(西尾・部品エンジニアリング部)、
 会社の無責任で隠密的対応は許されない
  左記のような手紙がスパーク発行責任者宛に送られてきました。事の重大性にかんがみ、早速、三月十日、日本共産党デンソー支部は西尾労基署に調査と対策を申し入れました。調査を行なったの監督官から次のような回答がありました。
「二月二日、職場のトイレで自殺した。夜に発見された。労働時間関係を中心に過去二〜三ヵ月さかのぼって調査した。その結果、毎月四二〜四五時間の残業で厚生労働省の指導範囲内であった。またタイ出張時も休出二回、残業は一日二〜三時間程度であった。毎日、深夜までやっていたということはなかった。有給は月一〜二回取っていた。会社の話では、本人にそういうそぶりは、まったくなく、回りの同僚もショックを受けているとのことであった。会社は奥さんからも話を聞いたとのこと。」
「会社は自殺の原因と対策について、どう考えているのか、労基署としての対応はどうなっているか」の質問に対して、監督官は「心のケアの相談窓口の利用状況を聞いた。原因・対策については聞かなかった」と回答しました。スパーク発行責任者らは「デンソーは、最近、他社で起こった鋳物工場での事故による死亡労災では、大いに再発防止を呼びかけている。しかし、自分のところで起こっている、この種の職場内外での自殺については過去すべて、闇に葬っている。労使とも、精神ストレス対策を重視していると言明している昨今であるが、とても本気であるとは思えない。これでは真面目な人間ほど犠牲になる。門での入退場時刻チェックなども含め抜本的対策が急務」と強く要請しました。(編集部注・自殺した大橋TBの名前はデンソー時報の死亡欄には載っていませんでした)


金田堅三様
拝啓 益々、ご健勝のこととお慶び申し上げます。
 さて、金田様に何とかしていただきたく、大変恐縮ですがお手紙を差し上げます
私は西尾の部品エンジニア部のものです、先日職場同僚の切削技術者の大橋TBが
仕事に悩み自ら職場で命を絶ちました、これは上司に殺されたと云うことです。
優秀で前途ある彼が、なぜ自殺するまで追い込まれたかと申しますと、一昨年本社
から異動するなり、能力以上の仕事を次々と与えられて、抱え込んでしまいました。
1.タイ工場の切削加工トラブル対応のため、生開部の室長と長期に出張しました
 大橋TBが溢した話では、室長はゴルフ三昧と女遊びばかり、一人でトラブル
 解決に当たっていましたが、なかなか解決せず叱られてばかり、結局中途半端で
 良化せず帰国し、室長は咎められず、部長から大橋TBは酷く詰られました。
2.合理化の設備投資は小型設備ば?や?りで、扱い難くて稼働率が悪く、設置する職場に
 歓迎されず、小型設備以外の設申は了承せず、上司からはヒントや指導は無しで
 ライン立ち上げの編成の厳しいフォローばかりでした。
他にも多々ありますが、仕事量も並ではなく、毎日深夜までと土日出勤(無償残業)で
この状態がいつまでも続くかと考えて、心身とも疲れ果てていました。
大橋TBの自殺の後も職場の環境は何ら改善されず、放置されています、また切削技術
の仕事を一緒にやっている生開部も同様な仕事環境から2人が鬱病で休んでいると
うかがっています、第2.3の大橋TBが出るのは時間の問題の感じがします。
本当に申し訳ありませんが、仕事は精一杯頑張りますので、職場の環境改善が実施される
ようにご指導をお願いします。
                                    敬具


(編集部注、原文のまま)


サービス残業2年で69億円
 東京電力2万5900人対象に
 東京電力は三月三十日、二〇〇二年七月から〇四年六月までの二年間に全社で六十九億四千八百万円に相当するサービス残業(ただ働き)があったと発表しました。中部電力の六十五億円の支払いを上回りました。対象人数は約二万五千九百人。同社は、社員のパソコン利用時間の把握や各職場での労働時間管理表の活用などを通じて再発防止をはかるとしています。
 昨年四月には、日本共産党の小池晃参院議員らが、東電などの労働者とともに東京労働局にサービス残業の実態を示し、是正するよう要請しました。

織機本社でも入退門時刻チェックはじまる
 この四月からトヨタ自動織機では高浜工場に続いて本社でも入退門の時刻チェックがはじまりました。このシステムの導入により従業員の時間管理がきちんと行われ、無償残業根絶と過労防止に役立つことが期待されます。


Kさん(ディーゼル噴射技術一部)、
刈谷労基署の労災申請却下を不服として愛知労働局へ審査請求
 過労と会社の不適切や対応によって、精神障害におちいったとして労災申請をおこなっていたKさんに対して、このほど刈谷労基署は長期の審査の結果「労災にはあたらない」という判断を下しました。このほど、これを不服としたKさんの手記が寄せられましたので全文紹介します。

私が03年12月に労災申請をしてから1年3ケ月経過した今年3月18日、刈谷労基署から
『業務外』認定の結果通知がありました。後日、デンソースパーク発行責任者の金田さんと
他支援者の方と共に、『業務外』認定に至った経緯・理由等を伺いに刈谷労基署を訪問しました。
 当日、刈谷労基署からは柳瀬次長、長嶋労災課長が対応し、以下の回答がありました。
『過重労働、業務内外の量・質の変化や上司とのトラブルがあった事実は認められ、業務が関係している
事は確かだが、心理的に【特に過重】とは認められない』との判断で、業務による心理的負荷は『強』とは
認められず、『中』であり、『業務外』となった。  この判断に至った過程で、労基署の調査内容や判断の根拠に多くの疑問があり、納得できるものではなく、
支援者の方々と相談し、4月末に愛知労働局労災者災害補償保険審査官へ不服申立て(審査請求)を
しました。
 この『審査請求』には、以下の2つの意味があります。
  @労災請求の審査やり直し
  A行政裁判に訴えることがかのう
 今回、労基署の判断が『業務外』となった事は残念ですが、まだ結論に至ったわけではありません。
『審査請求』で認められる場合もありますし、再度認められない場合は、『再審査請求』→『裁判』という
道があります。上告する事で、この問題はデンソー社内だけに留まらず、一つの社会問題となる可能性
があります。不利益を被ったのは一体誰なのか?考えればわかります。
 過去の判例では、『使用者は労働者の業務の遂行に伴う疲労や心理的負荷等が過度に蓄積して
心身の健康を損なうことがないよう注意する義務を負う』とあり、社員を『使い捨て』にした会社や上司は
その社会的責任を問われることになります。
 今後も多くの支援者と共に、『労災認定』を勝ち取るまでがんばります。

 今回、労災申請した事で労基署や人事部とのやり取りの経験から得た事を以下に書きます。
皆さんも参考されると良いと思います。

【労災申請】
 労災保険請求権の時効は、休業を開始した日から起算して2年。それを過ぎてからの請求は
 認められないので、注意が必要です。請求する場合は出来るだけ早い方が良いと思います。

【労働時間管理】
 @労働時間は各自で記録しておく。過重労働やサービス残業の証拠となります。
 始業・終業時刻、休憩時間の取得有無、自宅の出勤時間・帰宅時間をパソコンや
 メモ等で毎日記録しておく。パソコンの稼働時間やファイルセーブ時刻も証拠になります。
 サービス残業をした際には、他に誰が居たかもメモしておくと良い。
 A未払い賃金(サービス残業等)は、過去2年分請求可能。
 私は、昨年人事部がディ噴射技術1部のサービス残業の調査した際に、過去2年分の未払い賃金を
 会社に支払って頂きました。
 B会社へ未払い賃金(サービス残業等)を請求する方法として労基署に匿名で申告できる。
 証拠がどのパソコンのどのファイルを見ればわかるかを伝えれば、申告者が特定されない
(申告者が不利益を被らない)よう配慮した立ち入り調査してくれます。
 C過重労働とは概ね単月で100時間以上または2ケ月連続で80時間以上と考えて良い。
 当然サービス残業や休憩時間に仕事をすれば、その分もプラスします。

【セクハラ・パワハラ】
 上司や同僚から『セクハラ』、『パワハラ』だと思われる行為があった場合、その時の状況:
『誰からどんな言動があったのか』、『それをどう受け止めたか(会社を辞めたいだとか、
 精神的苦痛内容、日付・時刻、周りに誰が居たか等)』をメモしておくと有利です。

 私は労災申請に関し、ディ噴射1部■■Bや人事部担当者から嫌がらせや妨害を受けたので、
 刈谷労基署へ『申告権の侵害』で告発しました。当人たちは事実を認めなかったようですが、
 刈谷労基所長から呼び出し、注意勧告を受けたと聞いております。

これらの不法行為がいつ何時に自分の身にやってくるかもしれません。泣き寝入りしない為にも自己防衛
しておく事は良いと考えます。会社や上司は自分達が不利益になるような証言をしたり、書面で出す事は
ありません。それが会社・組織というものです。労基署を有効に使って対処するのが良いと思います。

【人事考課制度】
 デンソーの新人事考課制度は、年3回(期初目標設定面談、中間F/B面談、期末F/B面談)の
 所属長との面談が実施され、納得した相互合意されることが前提です。
 以下のポイントをチェックして下さい。該当する場合は主観的な評価がされている可能性があります。
 組合を通じて改善を要望しましょう。
  @年3回の面談が実施されなかった。
  A話をするだけで合意せずに終わった。
  B所属長(例えば室長)が面談を自ら実施せず、全て部下(例えばSN)に任せている。
  C期末F/B面談が実施される前に部内の人事考課調整会議がされている。

 上記のような不公平なことをさせないためにも、部員が部内評価システムがどのように行われて
 いるのか、注意しておくと良いです。

(原文のまま。一部編集部の責任で伏字)

新しい世紀と新しい綱領
日本共産党が展望する21世紀−連載E−
「現行憲法の前文をふくむ全条項を守る」
 今、自民党がアメリカの圧力を受けて、必死に憲法第九条を変えようとしています。そこで今回は日本共産党の憲法に対する考え方について述べたいと思います。日本共産党の立場は表題にある通り「全条項を守る」ことです。もちろんこれは象徴天皇条項も含めてです。天皇制に対する態度については数回前に詳しく述べましたので、今回は主に他の側面から憲法問題を論じたいと思います。
 憲法改悪派の今の戦術は第九条以外の他の条項の“欠陥”をあれこれ言いたてて、憲法改定にもっていこうという“回り道”作戦にあります。やれ環境権が書いてない、やれ在日外国人の権利についてふれてないなど、その言葉が見つからないからダメだと言って、「創憲」だ、「加憲」だと言って、自分らは自民党とは違って「改憲」ではないと「言葉遊び」をしています。そんなことを言っていたら、憲法には日々変化する具体的なことは書いてないことだらけです。「過労死」もないし「サービス残業」も書いてありません。憲法の性格からして、その大切なことは長期の試練に耐えうる、こうあるべきという基本原則が書いてあるかどうかです。あらためて憲法をじっくり読んでみるといいことが沢山書いてあります。問題はそれが今の日本の現実の中で確実に実行されていないことなのです。例えば公明党の「加憲」論は日本の憲法は人権問題について“遅れている”と批判しています。日本国憲法第二五条は国民の生存権、国の社会的使命を定めています。これは世界各国の憲法の人権条項のなかでも、非常に進んだ位置にある条項です。たとえばサミットに参加している資本主義諸国をとっても、国民の経済的権利を定めた具体条項をもっているのは、日本の他にはイタリアだけです。
 憲法九条の問題についても、あまりにも今の米国政権だけの意見に耳を傾けていると、日本国民はとり返しのつかないとんでもない“悪クジ”を引いてしまいます。今、アジアの近隣諸国とのトラブルにその前兆が見えています。たまにはユーラジア大陸や地球の裏側から日本列島をみたり、時計の針を半世紀前に戻してみて、歴史的に物事をみるのも憲法問題の勉強になるものでしょう。

日本共産党綱領より
四、民主主義革命と民主連合政府
〔憲法と民主主義の分野で〕
1 現行憲法の前文をふくむ全条項をまもり、とくに平和的民主的諸条項の完全実施をめざす。

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