"スパークNo214"



放置できない時短の矛盾
 この四月から非フレックス職場では十分の時短が実現し、その分、早く帰れるようになりました。ところが、これが大変現場では 後味の悪い結果になっているのです。製造部のラインでは非フレックスなので早く帰れますが、同じ製造部でも刃具などの間接部門はフレックス職場なので従来通り。またラインでも係長はフレックス適用なのでこれもダメ。全く同じ職場にいて就業時間が違うのです。また製造部では会社都合のフレックスが多く、本人の希望が通らないこともよくあるそうです。これではモラールに影響します。もともと就業時間というものはフレックスであろうがなかろうが、裁量労働適用であろうが全く同一であるべきです。時短のない職場の人は年間四〇時間(年間の有休で5日分)損しているのです。まあ早い話が、会社のために無償の勤労奉仕をしているわけです。このような状態が長期に放置されるならば明白な法律違反と言われても仕方がないでしょう。労働組合も組合員はその獲得した成果を平等に受ける権利を有するという観点からもこういう不正常な状態を一年くらいでやめるよう真剣に取り組むべきです。

投稿 (本社サービス部K生)
 推せん署名の不可解な結果
私は今年のデンソー労組執行部の選挙に立候補するため、職場委員会推薦をもらおうとしました。(もうひとつの方法である個人推薦署名の期間は仕事の都合で昼休みの時間が自由に使えないことが判っていたからです。)
私のH8職場(サービス、営業、人事など)からは私の他に8人の候補者がいて、それぞれが職場委員会で1分という時間制限のなかで立候補のための訴えをしました。
立候補推薦を訴える演説は、職場委員長の指示通り、一人ずつが部屋に入ってやりましたので、それぞれがどんなことを訴えたのかは他の候補者にはわかりません。
早い人は部屋に入ってから15秒位で職場委員の拍手が聞こえてきました。職場と名前を言っただけかもしれません。

そんな中で私が訴えたことは、次の二点でした。
@時短に取り組む・・・非フレックス職場は今年の4月から、1日10分の時短が実現しています。フレックス職場は前のままです。
組合規約にも書いてあるとおり、全ての組合員は平等な扱いを受けるべきです。
1年半前、前執行部に質問した時に、「まず取れるところからやっていく」との回答だったのに去年は何もしなかった。
いつまでも組合員のなかに格差を残しておくのは良くないと思う。
やる気のない者が執行部になるよりも、自分がなってみんなのために働きたいと思ったから・・・・

Aサービス残業をなくす・・・デンソーの数多くの職場でサービス残業が未だに残っていることは誰もが認識していることです。
組合執行部が公式の場ではこの実態を認めようとはしていません。
「まじめに働いた者が報われる職場」「働きがいのある職場」にするためには、現状認識を正確にしてこそ改善策が出てきます。
QCでおなじみの大前提です。
私たち組合員のおかれている現状を直視している私が執行部に加わることで、職場を変えることができるはずと確信しているから・・・・

結果は後で知らせてくれるとのことでした。私の訴えている間、うなづいて聞いてくれていた職場委員さんたちが7ないし8人はいましたので立候補できると思っていました。
結果は、当日の午後2時頃職場委員長が職場まで説明に来て言うには、
「私への立候補推薦署名は一つももらえなかった」
とのことでした。
他の8人については全員が署名を集めた。(訴えが15秒位の人も職場委員の賛同を得て推薦署名をしてもらえたのに、1分ちょっとの持ち時間をフルに訴えた私には誰も署名してくれなかった?)
本当だろうか?

会社の腐敗と組合の堕落は車の両輪
 「今日は休日。雪印の牛乳とヤマザキのパンで腹ごしらえして、○×銀行で金を引き出して、三菱のパジェロでそごうへ出かけよう」
こんな”危険な冗談”が誰にでも通じるほど、最近の大企業といわれる会社の最高幹部の腐敗は目に余ります。なぐってやりたいくらいと思っている人も多いのではないでしょうか。どんな悪い言葉を、いくつ並べても表現できないくらいです。これでは、今までさんざん現場でQCだ、お客様第一主義だと騒いでいたのは一体何だったのか、内部と外部への顔の違い、秘密主義は人間のやることとはとても思えないくらいです。「日本的経営」と称していたものも地に落ちました。
 三菱のクレーム隠しは運輸省の内部監査では発見できず(なれあい?)、内部告発ではじめて発覚とのこと。そしてあげくの果てには日産の二の舞で、独のベンツに実質身売。そごうの元会長は天皇とよばれていましたが、今や逆に会社の金を盗んだと会社から告発されていますし、そこの労組委員長は、この天皇とグルになって会社の金を使い込んだとして懲戒免職、四人の副委員長もそれぞれ、諭旨退社、降格処分になっています。大手ゼネコンは談合はするし、借金の棒引きを税金でやるし、これもメチャクチャ、そしてあげくのはてにそごう元副社長の自宅での首つり自殺、税金投入再建銀行の日本債券信用銀行社長の出張先ホテルでの首つり自殺という犠牲です。この日債銀社長は日銀出身者でした。
 これらの腐敗の根源は政官財労の深部でのゆ着した腐食の構図にあります。これに対してさすがに自動車総連の大会でも会長が会社を批判し、自分らの責任にも言及したと報じられています。来賓あいさつで連合会長も「労使交渉が形がい化していないか、堂々と意見を述べるしくみが必要と」述べています。
 こんなことを聞いてもほとんどの組合員は「何を今さら、白々しい」と感じていると思います。日本の大企業の労働組合のほとんどはとっくの昔に、「堂々と意見を述べる」能力と気概を労使協調の旗と交換に投げ捨てているのです。是々非々もやめて、「是々是々」のセレモニーを日夜行っているだけです。大それたこと、他人や遠い所のことより、まず自分らの本当の足下のタダ働きさえ解決できんでよう言うわ。問題は仕組みじゃなくてヤル気だ!!

主任も組合員にすべき?  さき頃、会社から、来年の一月から事技部門を対象に「課長格を全員プレーヤー化」するという通達が出されました。いろいろ書いてありますが、要は一連の会社の最近の施策の一環で、格下げです。こうなると主任も組合員にすべきではないかと強く感じました。
 今の世間の常識である課長からは非組合員という構図は戦争直後にできあがりました。それから約半世紀たち、世の中も大きくかわりました。民間でも国家公務員でも管理職ユニオンというものもできています。その一方で労働者の組合離れが進行していて、全国での組織率は年々低下しています。戦争直後の民主化の嵐の中で一時期課長も含む管理職が組合員になるところが多数ありました。これでは労使双方にとってまずいということで、労働組合法にある通り役員、人事権をもつ管理者、労働関係の機密に接する労働者は除くという原則ができたのです。ですからデンソーの労働協約でも課長格以上の者、人事、経理、総務の係長クラスは非組合員と定めているのです。ところが完全にプレーヤーと明言するのなら、主任も組合員になって当たり前です。組合の活性化にもなるとおもいます。会社との論戦も、もっと面白くなるでしょう。
ところが変なことに、職労懇などでは、係長までが会社側の関について、この時だけは会社側の管理者に瞬間的に出世させるという変なことまでやらされています。これも労使協調、労使ゴチャゴチャの頭から判断すればあたりまえなのでしょうか?


組合大会でのビラまき妨害  先日、安城市民会館でデンソー労組の大会があったので、大変な雨であったが遠い所から出席する代議員もいるので読んでもらいたいと思いスパークをまきに会場へ出かけた。玄関前ホールでの受け取りもまずまずで、知り合いの仲間もいて軽くあいさつしながら調子よくまいていたら、突然、組合執行委員が出てきて「ここでまいてくれるな」と言う。「何でか。ちゃんと執行部としての理由を言ってくれ」と言うと「ム・・・」と無言で立ち去りました。そのあと、後方の会場入り口で「組合とは関係の無いビラをまいています。受け取らないで下さい」と大声で別の若い執行委員が叫んでいます。それでも多くの仲間が受け取るので、それをみんな取り上げて、山のように抱えています。
 何でこんなことをするのか。公党の公の場での政治活動への妨害です。こんな人間ほど逆に、自分がやられたらカンカンになって「それ見ろ。これが共産党の独裁体制だ。」と騒ぎまくるのでしょう。会社も今ではやらなくなった、こういう非常識なことを平気でやるところに、今のデンソー労組のお粗末さがあります。まあ、こんなことこそは二十世紀の遺物にしたいものです。合掌。


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