"スパークNo212"



「このままでは主人は殺されます」
豊田工機従業員の奥さんから、日本共産党事務所へ手紙が届く

 5月8日、日本共産党西三河地区委員会の事務所へ別稿のような悲痛な手紙が寄せられました。事態を重くみた日本共産党は、10日、岡崎労基署に早急に対策を講じるよう要請しました。
 これに対して6月15日、労基署から回答があり、豊田工機の社長宛に是正勧告書と指導票を出したこと、裁量労働制の届出が会社から労基署に提出されていなかったことを明らかにされました。
 助けて下さい わたくしは岡崎市の豊田工機株式会社 部品電子技術部に勤めている会社員の妻です 
 主人は毎日15時間もの労働をしており身体を悪くし死にたいとまで言っています 子供たちとも一週間に一度も会話がなく家庭崩壊しています 賃金は8時間ほどのお金しかもらっていません 同僚も同じだと言っています 3年前トヨタ自動車から●●という人が来てからです 3年間の仕事時間を調べるとわかります
 一日も早い対応をしてください このままでは過労死や自殺者がでます
 従業員への犯罪です

 (原文のまま。●●だけ編集部で伏字にしました。)

匿名の手紙
 6月下旬、スパーク発行責任者宛に次のような匿名の手紙が届きましたので原文のまま掲載します。
 試作部の職制の横暴な態度が、許せないので、手紙を書きました
 ○○室長は、デンソーはリストラはしないが、配置転換があるから協力するよう発言し、製造部や他の部署に何度も応援に出される人、一方、応援には一度も出ない人もいます。公平に行うと言っているが、言うこととやることは、実際まったく違います。室長の権力で、やりたい放題、許されていいのでしょうか。現在の会社状況から、じっと我慢して言われる通りにしないといけないのでしょうか。いつ配転、応援に出されるのかいつも心配です。
 セクハラ発言、体をさわるののも日常的、セクハラはいけないと言っておきながら、本人はセクハラをやめる意識はないみたいです。これもまた、言うこととやることは違います。最近、セクハラ・イエローカードができましたが、これが効果的に使われ、役立つとは思えませんし、セクハラで処分されたという話も聞きません。
○○室長のセクハラで、不愉快な思いをすると、その日一日が、ゆううつな気分になります。



豊田工機で役職定年制廃止される
 豊田工機では、この2月1日から、役職定年制がなくなりました。工機では今まで、デンソーなど他のトヨタ系のいくつかの会社と同じように、五十五才になると役職からはずされました。今後は特に五十五才で区切ることはせず、六〇才の定年まで同じように働けるそうです。

腱鞘炎が多い西尾工場
   西尾工場、特に冷暖房関係では腱鞘炎になり、手にしびれをきたす人が多いとのこと。なにしろクーラの組体作業はビス締めのかたまりみたいなもので、エアドライバーを使うことがとても多いのです。一日中こういう作業をしているので普通の人は必ず一定期間たつと指が曲がらなくなり硬直したようになります。それでまた人を交替させるとのこと。今は電機ドライバーが増えたので、少しはこういう病気も減ったらしいのですが、会社はこういう兆候があったら、すぐ対策を打ち、災害を未然に防いでもらいたいものです。これは実際作業をしている人にとって大変苦しく、また言いにくいことですから。

エライ違い!高校の先生方とデンソーの人事異動
 高校の先生方の組合(愛知県高等学校教職員組合西三河南支部)のニュースを読んでいて、デンソーの人事異動と先生方の人事異動の違いに驚きました。一言で言って、労働組合がきちんと組合人一人一人の希望を聞いて、当局や会社と交渉しているかどうかということです。高校の先生方の場合はまず3月中旬に校長先生から本人が内示を受けます。そうすると組合員はすぐ役員にそのことを報告し「人事異動一覧表」が労働組合によって作成されるとのこと。そして翌日にはこの一覧表をもとに苦情者交渉が県当局と行われます。この交渉をへて3月下旬の新聞発表になるとのこと。しっかりと組合員の声を組織として受け止めて対応していることに感心しました。まあ、しかしある意味では、これが組合費を払っている組合活動のあたり前のやり方なんでしょうが。

日本共産党はどのような日本をめざすのか 綱領の話 連載14
日本共産党は天皇制に批判的ですが、憲法擁護の立場との関係はどう考えたらよいのでしょうか。

 先の衆院選でのテレビ討論でも、自民党や公明党はさかんに「共産党は憲法を守ると言いながら天皇制を否定している」「国会開会式に天皇が出てきても欠席するとはけしからん」と批判しました。これを機会に天皇制についての日本共産党の基本的立場について述べてみたいと思います。
 憲法が定める通り、日本国の主権者は当然、国民です。そして天皇は象徴であり、その「国事行為」は法律の公布や国会の召集など12項目の儀礼的なものに限定されています。
 日本共産党は歴代自民党政府などによるこの枠組みからはずれた天皇の政府的利用に反対しているのです。天皇を軍国主義復活や右翼的思想の宣伝に利用すべきではありません。日本共産党は明治憲法の形式を踏襲した天皇出席の「国会開会式」や、天皇を国の元首のように扱う「皇室外交」など憲法の規定に反するゆきすぎに反対しているのです。現に日本共産党が与党として長く支えた京都の蟻川虎三知事は天皇家の皆さんが京都を訪れると丁重に出迎え、案内しました。当たり前のことです。
 同時に日本共産党は現状安住論者や社会進歩を否定する団体ではありません。このことをもって日本共産党を批判するならば人類社会の進歩そのものを否定することになるでしょう。
 憲法の天皇条項の将来についていえば、日本共産党は、天皇制は国民主権に矛盾した制度であり、将来的には国民合意でなくしていくべきだと考えますが、天皇制の廃止を当面の課題にはしていません。なぜなら天皇制を廃止するか存続させるかは憲法の規定にかかわる問題であり、それをとりあげて国民的に議論することが現在の政治革新の中心課題ではないからです。天皇制の問題を解決しなければ、政治革新ができないというわけではありません。天皇制で意見を異にしても、共同して民主的な日本の国づくりをしていこうというのが、日本共産党の立場です。

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