"スパークNo241" (2004.9)
「スリットしてから残業、時間管理がいいかげん」
西尾四〇八工場ディーゼル噴射製造部
今年の三月に次のようなメールがスパーク編集部に届きましたので紹介します。この件に関し、スパーク発行責任者は西尾労基署を訪れ、監督官に調査・指導を要請しました。
はじめてお便り出します。408ディーゼル噴射製造部の調査をお願い致します。残業に次ぐ残業でリーダー格以上、夜遅くまで、夜勤のときは朝の9:00とか遅いときは昼過ぎまで会社にいます。ある程度は残業をつけてはいますがスリットしたあとも会社で仕事をしています。徹夜をしてる人もいます。2直職場ゆえ、会社に遅くまで残っていても他人から見れば夜勤(昼勤)をしている様にしか見えません。慢性的忙しさで時間管理がいいかげんです。(表向きはしっかりしています。)ぜひチェックしてください。匿名希望でお願いします。(原文のまま)
西尾労基署、冷却機器製造部生産技術室の長時間労働で立入り調査
昨年六月、冷却機器製造部に勤める社員の奥さんから「夫は毎日、夜遅く、土・日も出勤している。残業はつかない。長時間労働で夫の身体が心配。母子家庭のようです」というメールをもらったスパーク編集部は、およそ一年かけて西尾労基署と交渉してきました。その結果、次のような最終調査報告が監督官からあったのでお知らせします。
○ 五月に西尾工場を立入り調査した。また、その後二回担当者を呼んで事情を聞いた。
○ 工事立会、研修記録カードにもくい違いはみられなかった。
○ 長時間労働は是正するよう指導した。また裁量労働制適用者についても労働時間を把握するよう指導した。
これに対してスパーク発行責任者は「西尾工場にも、本社や安城工場のように、門で出退社時刻を記録するよう指導してほしい。そうしないと無償残業かくしはなくならない」と強く監督官に要請しました。
アイシン従業員、自社の株主総会でサービス残業問題を質問
アイシン精機のTさんはこの六月に開かれた株主総会で次のような質問を役員にしました。デンソーの私たちにも参考になるので本人の書いた記事を掲載します。
株主総会でのやりとり
[私がした質問]
昨年私は社員が日頃どのように働いているか?『健康を損なうような長時間労働や』又『サービス残業』で働いているのではないですか? こういうことを質問しました。過日アイシンに派遣しているAE(アイシンエンジニアリング)で『サービス残業』の調査、清算があったと聞きました。1年経過して『サービス残業』は無くなったとお考えですか ? 1点目の質問です。
全トヨタ労連の資料ですが、02年の社員の年間平均所定外時間が約400時間に達しているとあります。平均ですから『サービス残業』もあれば、相当な長時間労働になっていることでしょう。
『長時間労働』や『サービス残業』をなくして社員が健康で安心して働ける環境にすることも企業の大事な社会的責任だと思います。
現存している『長時間労働』についてどのような認識をもっておられるか? 『議長』からお聞かせください。 質問は以上の2点です。
[担当役員の答弁]
・『サービス残業』は無くなったかについての説明
働き方の『ガイドブック』を作成して『ワークルール』を守るようにしています。
・現存している『長時間労働』についての説明
『長時間労働』にならないようにルールを決めたり、社員の健康管理からみて健康診断を義務づけています。
[答弁を受けての私の再発言]
しかし職場からは永久に『長時間労働』『サービス残業』は無くならないという声も聞こえてきます。なぜでしょう。
『サービス残業』の再発防止として『トヨタ自動車』は全工場の入退場門に『カードリーダ装置』を設置しましたし、『中部電力』はアクションプログラムを作成し再発防止に努めていると報道されています。
『言うこと』と『すること』を一致させるような組織づくりに努力している企業こそ信頼でき、社会的責任を果たす企業といえる。こういう新聞報道もありますから社会からも、社員からも『信頼できる組織、誠実な組織』になってほしいと申し上げたいと思います。
(スパーク編集部の責任で一部省略)
これは問題!! 欠席多い国会議員
先の参院愛知選挙区では、日本共産党の八田ひろ子さんは落選し、大変残念で申しわけない結果になりました。一方全トヨタ労連が推した民主党の木俣、佐藤の両氏は当選しました。ところで、この当選した両氏の参院本会議及び所属委員会の欠席の多さが選挙中、ちょっとした話題になりました。
先の第159国会(1月19日〜6月16日)の本会議は31回で、八田候補は皆勤。木俣氏は欠席26回、佐藤氏は同23回です。
同国会中の本会議だけでなく、両氏の委員会に出ていない姿も目立ちます。
八田元議員が所属の総務委員会は27回開かれました。八田さんはすべて出席。
これでは出勤せずに給料をもらっているサラリーマンみたいなもので、「歳費ドロボー」です。特に木俣氏は新人で若いはずです。議会にも出ずに、ろくに勉強していないと役人と同僚議員にバカにされるのがオチでしょう。ましてや議員立法なんかできません。
トヨタは過去最高の利益、
ところが、豊田市の中小企業の七割が赤字
「(会員の声を集約すると)売り上げは右肩上がりですが、それに見合う収益がない。単価切り下げで利幅が少ないからです」−豊田商工会議所の幹部が7月5日、豊田市議会産業支援推進特別委員会との懇談で口にしました。
市によると、資本金1000万円以下の市内の中小法人約4600社のうち、2003年度、法人市民税を納付した法人は約3割。つまり、約7割の中小企業は赤字です。
一方、トヨタ自動車を含むトヨタ系が中心の大企業(資本金50億円超)が納めた法人市民税は、1990年度の334億円から昨年度は279億円へと減りました。
このままではグローバルな競争のもとで、大将だけが生き残るというまことにおかしい日本の製造業になりそうです。
新しい世紀と新しい綱領
日本共産党が展望する二十一世紀−連載B−
自衛隊の存在と憲法第九条との関係はどうするの?
天皇制の問題についてもそうですが、一部のマスコミで、「共産党は今度の綱領改訂で自衛隊を容認した」という報道もあります。これも問題の単純化で不正確な報道です。日本共産党の、「自衛隊の存在自体が憲法違反である」という見解は以前と変わっていません。ただ今回の綱領論議で、自衛隊は今すぐ廃止するのではなく、大きく分けて、次の三つの段階をへて解決していくことを明確にしました。
第一段階は、この安保条約を廃棄する前の段階です。「海外派兵立法をやめ、軍縮の措置」をとることが課題となります。
第二段階は、安保条約を廃棄して軍事同盟からぬけ出した段階です。自衛隊の民主化や、大幅な軍縮を進めていきます。
国民の合意で憲法九条の完全実施にとりくむのが、第三段階です。アジアの国々とも平和で安定した国際関係をつくりあげるために努力します。
"自衛隊がなくても平和に生きていけるじゃないか"と国民が確信をもてるようになって、自衛隊解消への合意が熟していくのと歩調を合わせて、九条の完全実施に向かう措置にとりくみます。
たとえば第三段階に進むにあたってやるべき課題の一つに「非同盟諸国首脳会議」に加盟することがあります。この会議は、"どんな軍事ブロックにも加わらない"という国々の集まりです。
いずれにしても、今の自衛隊の存在は、アメリカの圧力の下、歴代自民党政権がまともな議論をさけ国民をだましてつくりあげてきた「既成事実」です。日米政府合作の極めてきたない政治的手口であり、戦後、「日本が、独立国としての地位を失い、アメリカへの事実上の従属国の立場になったこと」(日本共産党綱領)の証左です。
日本共産党綱領より(国の独立、安全保障、外交の分野で)
自衛隊
「自衛隊については、海外派兵立法をやめ、軍縮の措置をとる。安保条約廃棄後のアジア情勢の新しい展開を踏まえつつ、国民の合意での憲法第九条の完全実施(自衛隊の解消)に向かっての前進をはかる」