"スパークNo239" (2004.5)



デンソーは一体どんな会社か!
(大安プラグ)
 スパーク編集部へ次のようなメールが届きましたので原文のまま掲載します。
これでも首にならないの?

昨年、プラグの●●という●●が●●に転籍になった。
部下を休日に教育手当てで働かせたり、
無償残業を強制したり、
罵倒、脅し、たかり、暴力。
耐えかねた●●という作業者が、ICレコーダーにやり取りを
録音して訴えた(奥さんが切れたらしい)。
生産●課の大勢の人に聞き取り調査したらしい。
当時の●●工場長が穏便にとかで
転籍になったが、●●への説明では
首になる要件はあったが、彼も家族があるからといわれたそうな。
まるでたこ部屋のやくざのようなやりかたでも首にならず。
課長はじめ、上の人間はほっかぶりしたとしか思えないが・・・
これでも本人は、なんで俺がこんなめにあうのかと
反省の色なし。
おまけに送別会までやってやるなんて・・・
だいたい、休日に仕事にでてきて、
カードは押すなといわれて、『きょうは何時間教育がつくかな』
なんて会話は信じられないね。
まあ、プラグはつい最近まで、無償残業あたりまえでしたから
しょうがないのでしょうかね。
●●●●の悪行三昧は●課はおろか、保全や生技でも
有名な話で、上の者が知らないわけはないのに。
8時間で仕事をしているのは1時間あるかどうか、
そのくせ本人は居るだけで残業あつかい。
一日の大半は休憩か私用
競馬中継、株情報、エロメール、あっちこっちでの打ち合わせと
称した喫煙、仕事時間中の行方不明はあたりまえ。
会社にとって大いなる害虫
もし、私らがちょっと間違いをおこしても
こんな風土だから首にはならずにすむかも・・・
これは、考え方を変えれば、メリットか?
この話は、大安プラグ●●で、なぜか●●●●●の作業者が
よく知っている事実でございます
●●も職場を飛ばされた(前の所に残りたかったのに)
(伏字は編集部)

碧南市議選告示日に応援に訪れた八田参院議員と
「派遣社員のサービス残業問題」で懇談するスパーク発行責任者(2004.4.18)
お隣のアイシンさんの気になる最新情報・三題
 第一題 また無償残業代が支払われる
 前回のスパークでもお伝えしましたが、アイシンエンジニアリングで無償残業代が支払われます。これは昨年の刈谷市議選の際、日本共産党に労働者から訴えがあり、労基署に調査・指導するよう申し入れていたことによるものです。アイシン本体の、ある部署に出向しているアイシン・エンジニアリングの人たちは十人で約千時間分の無償残業代が支払われるそうです。
これはアイシンの社員とまったく同じ仕事を、遅くまでしているのに、アイシンの社員だけが無償残業代をもらったことに対する強い不満があったためと思われます。

 第二題 裁量労働制廃止(デザイン部門除く)
 この五月からアイシンでは全社的に開発部門で実施していた裁量労働制が廃止されます。裁量労働制の場合、三ヵ月連続して四五時間以上の残業などの過重負荷があると裁量労働の適用を見直すというルールがあって、これがまったく守られておらないので、現場の管理者、労働者から不満が出て、この際全社的に統一して裁量労働制を廃止することにしたそうです。
この背景には、この四月から、裁量労働制適用者もタイムカードを押すようにとの行政サイドからの強い指導があり、今までのウソが貫き通せなくなると判断したものと思われます。

 第三題 前進的残業目標の設定
 この四月から厚生労働省の通達「三六協定の特別条項に関する基準の改訂」により、全国的に、むやみやたらに残業ができなくなります。アイシンの改善目標は次のとおりだそうです。まあまあ、まじめに守られれば積極的な内容ではないでしょうか。
 ・年七回以上の月当りの残業時間四五時間越えはゼロ%(前年は全従業員の十七%)
 ・年間七二〇時間残業越えもゼロ%(前年は全従業員の三・四%)



愛知経営者協会に喝!
 ――反省が足りん
 自らの違法行為のたれ流しを棚にあげ、無償残業根絶の運動や、時間管理の徹底を指導する行政を逆うらみするとも、とれる、要望書を、愛知経営者協会が愛知労働局(労基署の上部期間)に三月二六日付で提出していたことがわかりました。
 要望の内容は第一に、タイムカード等による労働時間の把握方法は、ホワイトカラーには適さないから労使に委ねるべきだとし、第二に、労働時間の法的規制が除外されている「管理・監督者」(深夜労働は残業代支払い対象)の範囲を拡大するべきだと主張しています。
 第三に、労使による時間外労働協定(三六協定)の特別条項の適用期間を「一年の半分以下」と行政が制限したことは「経営上影響が大きい」と批判。特別条項は、青天井の時間外労働を可能にしてきたものです。法の画一的な規制はせず労使に委ねるべきだといいます。
 第四に、事務・技術系労働者を労働時間の法的規制から除外する制度(ホワイトカラー・エグゼンプション)を早期導入すべきだと強調しています。
 同協会は日本経団連の地方組織の一つで、現会長は日本ガイシ会長の柴田昌治氏(日本経団連副会長・同経営労働政策委員長)が努めています。

新しい世紀と新しい綱領
日本共産党が展望する二十一世紀−連載@−
長期の徹底した論議の末、現綱領の元となったオリジナル綱領を全員一致で採択した第八回党大会(1961年)
サービス残業根絶を綱領に明記
 今回から新しい連載として日本共産党綱領の話をします。今の日本共産党綱領のオリジナル版は四十年ぐらい前に制定されました。(写真)このときは何年もかけて全党的討議がなされ、且つ、正式に採択した第八回党大会も一週間にわたるものでした。それくらい徹底した論議をつくして、できあががった綱領ですから、四十年以上も生命力を保ち続け、この間の日本共産党の前進を保証してきたのです。しかし、この間の日本と世界の変化は激しく、当然これまでも、この綱領はいくつかのマイナーチェンジをおこなってきました。こうして二十一世紀を向かえた今年一月に、第二三回党大会を、これもやはり一週間程度の日程で開催し、革命の基本的戦略は変えないものの、この間の日本共産党の理論的・実践的発展をふまえ、大改訂をおこなったのです。当然、数ヶ月も前に改定綱領案は発表され、全党的討議にかけられました。今回から紹介していくのは、この新しい綱領です。
 ところで政党の綱領といえば、規約とともに近代政党にとってもっとも大切な基本的文書です。これがない政党は政党政治が基本の現代においては政党の名に値しないと言われても仕方がありません。ですから、つい最近おこなわれた衆院選挙でも「マニフェスト」「マニフェスト」とさわがれたわけです。しかし、この時、民主党が強く主張した「マニフェスト」はイギリスなどで行われているもののパクリで、それも単なる選挙公約程度の意味であり、綱領的文書ではありません。そして、あれほど騒がれたこの言葉も、今ではめったに聞かれません。いいかげんなもんです。それもそのはずで、民主党は、まだ綱領をつくっていないのです。即ち、「日本社会をこうする」という長期展望を持っていないのです。持っていないというより、ここ最近づっと政界の離合集散で忙しく、且つ党内は水と油が混じっているので、真面目に議論すると、党が分裂するので持てないのです。このような状態は自民党でも同じで、ごく抽象的な、デンソーの社是に毛がはえたような言葉でお茶を濁し、党大会と言っても一日で終わる、シャンシャン大会です。あとは、官僚や財界に丸投げし、その日暮しの、派閥を中心にした政治活動を行っているだけです。即ち、十年・二十年・五十年・百年後の、日本をこうしようという長期的展望がないのです。自民党と共に政権与党である宗教政党にいたっては、大事なことはすべて党外の宗教団体の名誉会長の一言で決まりますから論外です。ということで、自慢するわけではありませんが、残念ながら、日本では日本共産党以外にきちんとした綱領をもっている政党はないのです。

 さて、日本共産党綱領の具体的説明にはいります。この綱領は次の五つの大項目から構成されていて、四百字詰原稿用紙四十枚分ぐらいあります。そんなに長くないですから皆さんも、時間を見つけて読んで下さい。
 日本共産党綱領
一、戦前の日本社会と日本共産党
二、現在の日本社会の特質
三、世界情勢――二〇世紀から二一世紀へ
四、民主主義革命と民主連合政府
五、社会主義・共産主義の社会をめざして
 今回は、その中から、デンソーの仲間の皆さんにとって、もっとも身近と思われる、「サービス残業」のことについて紹介します。日本共産党は、この「サービス残業」の根絶は単に国民の健康を守り、雇用を拡大するために必要なだけでなく、労働時間を減らすことによって可能となる人間の全面的発達にとっても、重要な運動ととらえています。即ち、長期・短期の視点にもとづいた提案なのです。
 つけたしの余談になりますが、今だに、我がデンソー労組の文書には「サービス残業」の単語がみつかりませんが、執行部はどんな古い辞書を使っておいでなのでしょうかね。
日本共産党綱領から
二、現在の日本社会の特質
(六)「労働者は、過労死さえもたらす長時間・過密労働や著しく差別的な不安定雇用に苦しみ、多くの企業で「サービス残業」という違法の搾取方式までが常態化している。雇用保障でも、ヨーロッパのような解雇規制の立法も存在しない。」
四、民主主義革命と民主連合政府
(十二)〔経済的民主主義の分野で〕
1 「ルールなき資本主義」の現状を打破し、労働者の長時間労働や一方的解雇の規制を含め、ヨーロッパの主要資本主義諸国や国際条約などの到達点も踏まえつつ、国民の生活と権利を守る「ルールある経済社会」をつくる。