空手練習日記         Diary of karate training

  

01年7月トライアスロン・マラソンの現役引退(詳細はトライアスロン引退の顛末)後、 精神的に落込んでいた私ですが、新たな生甲斐を 模索した結果、03年11月に17年ぶりに松濤館流の空手を再開することになりました。 まず学生時代に稽古した、名古屋大学の道場の練習に月一回ペースで参加することから始めて、自主練習で突き、 蹴りの基本、型を反復練習。幸い勤務先の会社の体育館が夜の9時過ぎまで開いているので、仕事後の15分の練習を毎日続けた。 (現在もほぼ毎日、15分から1時間の自主練習を継続中)

約半年間の練習により、昔の勘が大分戻ってきたので、04年6月から毎週末金曜日に可能な限り学生との練習に 参加しています。仕事の都合で金曜練習に出れない時は、『エイッ』と気合で仕事を切上げて火曜練習に参加、または、 師範が地元で開かれている少年空手クラブの土曜練習に参加させて頂いたり、 会社の体育館で自主稽古に励んでおります。寄る歳と仕事の忙しさに負けず果たして、いつまで続くことやら・・・  以下、道場と自主練習での練習日記です。40代後半のこの歳ですが、空手の道を究める夢を諦めず "人格完成"を目指し、師範を見習って"生涯現役"で空手を続けたいと思います。 (師範曰く、"目指すは仙人のような空手。頑張りましょう!!") 

以下、1時間以上の練習のみ練習日記として残しました。 空手も未熟者、文才もなく不器用な私ですが、空手という武道の面白さ・奥深さについて、皆様に少しでも興味を持って頂けたら、 この身に余る幸せです。


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09.12.25(金) 今年最後の名大金曜練習

基本:騎馬立中段突、前屈立移動で後足を速く寄せる練習、前蹴で抱え込みを速くする練習、移動基本追突、前蹴
    昇段審査用移動基本を3回繰り返し
形:慈恩、抜塞大
組手:自由一本組手

主将候補のI君の昇段審査を明後日に控えているため、大学は冬休みに入っているが本日は特別練習(特訓)。 メンバーは、I君、副将候補のT君、2年目のS君、他道場の茶帯君と私の5名。他道場の茶帯君と会うのは久し振りだが、 最近は火曜日の名大練習に参加しているとのこと。昨年までのように、私もたまには火曜練習にも都合をつけて参加せねば…。 ともあれ、メンバーが増えるのは活気があっていいことだ。本日のメニューは、騎馬立中段突で身体を温めた後、初速を 速くして技を速くする練習から始まる。前屈立で後足を速く寄せることにより、前屈立移動を速くするのが狙いである。 『技を速くするには初速が大事。初速を速くすれば、あとはそのままスピードに乗せるだけ。』との師範のご説明には思わず納得する。 更に、この練習は前屈立移動だけでなく、例えば抜塞大、平安四段などで素早く交叉立になる練習にもなる。要するに、 前足一本で立てるぐらい前膝を曲げないと、身体の軸が前後に動いてしまう。だから、正しい姿勢でこの練習を繰返しやると、 寄せる後足以上に前膝が疲れるはず。他道場の茶帯君が、身体の軸を前後にぶれさせていたのは、前膝の曲げ角度が甘いためだ。 最後の自主練習の時にこのことを教えてあげたが、なかなかすぐには直らないようだ。名大道場のメンバーも、S君、T君、I君の 順にぶれが小さくなっており番付通りだ。次に同じ要領で前蹴の抱え込みを素早くする練習を行う。本日はやらなかったが、 回蹴の抱え込みも全く同じである。仕上げに、移動基本追突、前蹴を繰返し練習する。ここまでの特訓の後、昇段審査用の 移動基本を3回繰り返す。

後半は、型の練習から始める。まずは慈恩から。最初の交叉受を素早くできるように何度も練習する。実は、交叉受に 移る時に右足を深く曲げて、右足一本で立つぐらいの感覚でないと身体の軸がぶれる。かっては、肩から後へ倒れ込むようにと 教わったが、これは前屈立で前のめりにならないようにするためである。だが、ある程度前屈立の姿勢ができていれば、 むしろ右足一本で立ってそのまま下に沈み込む感覚の方が身体の軸のぶれは少ないような気がする。ただし、これはあくまでも 私の感覚なので、若い学生にも適するかどうかは分からない。 次の掻き分けから前蹴の動作は、前屈立の前膝を深く曲げる ことにより、前膝を足首より前寄りに出して前進する起動力にして動作を素早くするのがコツ。今日の練習で、松濤館流 特有の膝を深く曲げた前屈立の意味が少し理解できたように思う。 続く上受・逆突で、I君の上受の極めが甘いとの師範の ご指導を受けて、繰返し練習する。抜塞大も、慈恩と同じく最初の交叉立・内受の出だしが肝心。特に交叉立でぐらつきやすいので、 自身が持てるまで何度も練習するようにとのご指導をいただく。型のご指導までで師範が帰られた後、残りの課題である 自由一本組手を練習。その後は、師範のご指導の復習のための自由練習とした。I君の受けの極めが甘い理由として、呼吸の 使い方があるので、師範も仰っていたが、受けの瞬間に息を素早く吐くことを再度注意した。息を吐くことによって受けが 締まるのだが、次に逆突があると、受けで息を吐くことをつい怠ってしまうようだ。また、受け手の位置が低く目なので、 これも再度注意。基本的な技は出来ているので、あとは、スピード、極め、気合である。最後に、各自ストレッチで身体を ほぐす。 T君が開脚ストレッチをやっていたので、『先に前後開脚で後足の腸腰筋を伸ばしてから左右開脚をやるとよい、 だまされたと思ってやってみて。』と教えたら、たまげたことに効果てきめんで、左右開脚で180度近くまで開いてしまった。 股関節が固く腰痛持ちの私でさえ効果があったので間違いないとは思っていたが、これにはびっくり。(これは余談です)  8時半までやって本日の練習終了。昇段試験、頑張って下さい。押忍、ありがとうございました。

師範のお言葉
・技は初速が大事。最初のスピードがあれば、あとはそのままスピードに乗せるだけ。
・逆に最初が遅ければ、スピードのある技は絶対に出せない。
・前屈立移動なら寄せ足、前蹴なら前への抱え込み、回蹴なら横への抱え込みを目一杯速くやること。
・寄せ足の時、身体を前後左右にぶれさせないこと。
・慈恩、抜塞大とも最初の出だしが肝心。自信が持てるようになるまで何度も練習すること。
・慈恩の掻き分けの次の前蹴で、前屈立の前足を深く曲げて身体が自然に前に出るようにすると動作が速い。

今年一年間お付き合いいただき、ありがとうございました m(__)m。空手練習日記は、来年1月の金曜練習までお休みとさせていただきます。 それでは皆様、良いお年を!!


09.12.18(金) 名大道場のメンバーで忘年会

一年間、練習お疲れさまでした。まだ、来週、今年最後の名大金曜練習と、主将候補のI君の昇段審査が残っています。 気を緩めずに頑張りましょう!!


09.12.11(金) 名大金曜練習

基本:自然体から追突、同じく手刀受、前蹴・追突、刻み回蹴・逆突、右手で相手の前手押えて前蹴
形:平安初段〜五段
組手:右手で相手の前手押えて前蹴、刻み・逆突vs受け・三本目で返す、刻みvs対の先の刻み、同じく逆突
    刻み・逆突vs受け・三本目を刻みのところで返す

すでに12月も半ばに入り、今年一年も何だかあっという間に終わってしまったような気がする。 長年の腰痛が嘘のように軽快した代わりに、 膝の調子が良くなったり、オーバーワークで悪くなったりの繰返しであった。しかし、一時期ヘルニアの一歩手前まで 悪化していた腰がストレッチや空手の練習で柔軟性が戻ったためか良くなったので、あせらずにやれば膝も絶対良くなる はずと信じている。なにしろ私には、自分自身の腰という身近なお手本がある。 次第に無理が利かなくなってきている ことは感じているので、空手を長年続けるためには若い頃のようにがむしゃらにやるのではなく、一工夫が必要なようだ。 年齢(暦年齢ではなく、自分の実年齢=体力年齢)に合った空手は如何にあるべきか、これが来年の課題だ。

さて、練習メンバーは残念ながら私と2年目の新人君の2人。その代わり、新人君のためのスペシャルメニューの 練習内容となり、これは私にとっても基本を見直すための良い練習である。自然体から追突、同じく手刀受の後、 久し振りに前蹴・追突、刻み回蹴・逆突を練習する。前蹴・追突は、知らない人に使うと意外と有効な技のようだ。 次の刻み回蹴・逆突は、膝の調子が良くないせいか刻み回蹴が伸びないので、知らず知らずのうちに寄せ足が大きくなって しまった。当然、新人君でも動きが読めてしまうため、後にかわされてしまい次の逆突が遠い。もっとコンパクトに 刻み回蹴を蹴らねば…。続く、右手で相手の前手押えて前蹴は、師範の言うところの『オートフォーカス前蹴』。右手で 相手との距離を測って、前蹴を入れる。コツを掴むと面白いように極まるが、新人君は右手を出した時に身体の軸が 右側に逃げてしまうため、前蹴も右側(相手の左側)にそれてしまっている。何度かやって、ようやく前蹴が入るように なったので、前半の練習終了。

後半は、平安の形の練習から始まる。私は師範から、形の直り方についてご指導いただいた。 私のように40代後半も 過ぎた人間には、それなりの直り方をすべきとのこと。腕を大きく振りかぶったり、余分な動きを入れたりせず、最小限の 軌道で、息を収めながらゆっくりと直る。直る手は、ほぼ正座の手の位置。要するに、立ったまま正座するのだと 思い当たった。正座をする時に、腕を振りかぶって正座する人間はいない。それと同じだ。息を収めるのは、心の中で 残心をとっているのに等しい。日常の動作にも表れるとのことなので、常に心がけるようにしたい。平安五段まで練習 したところで師範が帰られたので、その後、新人君と組手の練習をやった。まずは、『オートフォーカス前蹴』の 復習から。蹴りが入るまで身体の軸をずらすなと注意したら、前蹴が極まるようになってきた。これはOKとみたので、 次に先週と同じく刻み・逆突と受けの練習をやる。これだけでは先週と全く同じになってしまうので、刻みに対して よけながらカウンターの刻み、逆突を入れる練習を加えた。最後は、応用練習で刻み・逆突の三本目に、相手が刻みを打ったタイミングで 返す練習をやった。この練習の狙いは、相手の刻み・逆突で不用意に刻みを打ってきた瞬間に反撃できるようにする ことである。実戦でも使えるので、練習メニューに加えてみた。よける動作が少し大きすぎるが、新人君もそれなりに できている。意外とこの新人君、化けるかもしれない。8時までみっちり練習して、本日の練習終了。押忍、ありがとうございました。

師範のお言葉
・前屈立では前腰は角度を浅く(=前のめりにならないこと)、後屈立は前腰の角度を深くする。
・練習では百発百中で極めることを心掛けること。
・(新人君に)蹴りは当てる感覚を覚えないと、有効な蹴りができない。
・(私に)刻み回蹴の寄せ足が過剰だと相手に動きを読まれて、蹴りが入らない。
・逆突の時、身体を開きっぱなし(私)になったり、後ろ足を開いたり(新人君)しないこと。
・逆突を極めた後は、膝を柔らかく使うこと。
・年齢相応の直り方がある。日常の所作にも表れるので、常に心がけること。
・最小限の動作でゆっくりと直る。直った後の拳の位置は、ほぼ正座の時の手の位置(少し下)。


09.12.04(金) 名大金曜練習

基本:前進して追突・下がって下段払の繰返し、前進して手刀受・下がって手刀受の繰返し
    昇段審査用の移動基本5セット
形:慈恩、抜塞大、二十四歩
組手:自由一本組手、刻み逆突vs受け・三本目で返す

どうも先週から、また膝の調子が良くない。特に左膝上部に違和感があり、移動基本で左前前屈立になった 瞬間に踏ん張りが利かない。先週の移動基本でも、左前の前屈立の時に、膝の曲げが甘いとのご指摘を師範から 受けている。原因は、恐らく膝にかなり疲れがたまっているからかもしれない。自主練習に加えて、 週二回筋トレをやっており、ここ最近は下半身の強化のため120kgから200kgの重量でレッグプレスを取り入れている。 レッグプレスは体重は掛からないのでスクワット比べると楽だが、200kg近くなるとさすがにハードで疲れが残る。 膝に疲れが残ったまま、翌日、空手の自主練習をやっていたのがいけなかったのかもしれない。 筋トレで筋肉疲労 を起こすと、膝のクッションが悪くなってしまうようで、衝撃がモロに膝に来る。一応一通りストレッチをやった後、 自主練習をやっているはずだが、この歳になるとそれぐらいではダメなようである。もっと身体を温めてから自主練習を やるか、筋トレの負荷を軽くするか、いっそのこと筋トレの翌日は休養日にして膝に負担がかからないエアロバイク でも漕ぐか、しばらくは少し膝を労わるようにしよう…。

本日の練習は、主将候補のI君がめでたく年末に昇段審査に臨むことになったため、昇段審査のための練習が メイン。参加メンバーは、私を入れて先週と同じ4名。まず、下半身の鍛錬のため、前進して追突・下がって下段払の 繰返し練習から始まる。この練習は、通常の移動基本に比べると膝の負担が大きいため、私の膝の状態が良くないことを すぐに師範に見抜かれてしまった。しかし、膝をだましだまし頑張る。続いて、手刀受で同様の練習。基本の手刀受では、 一旦前手を伸ばしてから受ける。 しかし、手刀受の極めが出来ていれば前手は伸ばす必要はなく、手刀受の構えのままで 引けばよい。その方が無駄な動きがなく、素早く手刀受ができるとご指導いただいた。 手だけでやってみると確かにその通り、手刀受の左右の切返しが速い。 ただし、学生たちのように初心の内は前手をしっかり伸ばすようにとのことである。 次に、昇段審査用の移動基本を5セット練習する。段々膝が温まってきたので、最後の二回は目一杯であるが、気合を 入れて頑張る。

小休止の後、形の練習に入る。昇段審査用なので、慈恩と抜塞大を徹底的に練習する。慈恩の鉄槌落としのところで、 騎馬立で沈み込む動作をする学生が多く、師範のご指導が入る。 実は、私もここがしっくりいかないことが時々あり、 前日の自主練習でも何回も鉄槌落としを練習している。鉄槌の極めと同時に騎馬立もぴたりと止めるのがポイントである。 次の抜塞大は、最初の交叉立のところがポイント。出だしで印象が決まってしまうので、これもぴたりと極まるように よく練習してほしい。抜塞大の後、師範から二十四歩の形のご指導をいただいた。以前、ご指導をいただいた左蹴込・ 右逆突の後の掛受から掌底突のところは少しできるようになったが、最初の猿臂打までの一連の動作がどうもうまく できない。これも何度も練習するしかない。最後の組手練習は、自由一本組手を練習する。皆、間合いをつかむのが うまくなってきた。後は、正確な極めと気合だ。師範が所用で帰られた後、刻み・逆突とそれに対する受け・反撃の 練習を何度も繰り返す。組手でもひと汗かいて、本日の練習終了。皆さん、練習日以外の日も各自練習して、少しでも 上達するように頑張りましょう。押忍、ありがとうございました。

師範のお言葉
・移動基本で素早く移動するためには、足を素早く引きつけること。
・腰を落とした上で早く動くこと。腰高で練習しても意味なし。
・今日の前進、後退の練習は、畳一畳分のスペースがあればどこでもできるので、各自練習すること。
・基本ができている中級者は、手刀受の前手は伸ばさずにそのままにして手刀受。そのほうが受けが速い。
・慈恩の掻き分けで、脇を締めること。
・同じく、鉄槌を落とす時に、騎馬立で沈む込む動作をしないこと。鉄槌と同時にぴたりと騎馬立を極める。
・抜塞大の最初の交叉立で両膝を締めること。また、右腰を前に出すようにして、前への動きを止める。


09.11.27(金) 名大金曜練習

基本:自然体から腰を落として追突、同じく三本突、上受・逆突、外受・逆突、内受・逆突、手刀受
    自然体から前蹴・蹴った後に腰を落とす、同じく蹴上、蹴込、回蹴、昇級審査用の移動基本
形:平安三段〜五段、 組手:基本一本組手

今日は夕方に部長報告が入ったため、練習に遅れるかと危ぶんでいたが、意外と早く部長が解放してくれて 少し遅れただけで済んだ。昇級審査を直近に控えているため、本日は徹底して昇級審査用の練習をやる。 参加メンバーは、先週と同じく主将候補のI君、副将候補のT君、2年目の新人君。最初は新人君1人だったので、 師範からマンツーマンで追突の腰の入れ方の指導を受けていた。T君と私がそろったところで、自然体から 腰を落として突き・受け・蹴りの徹底練習を始める。一つ一つの技に対して、いつもよりアドバイスをいただける ところが多く、学生だけでなく私にも大変参考になった。特に、私は蹴り技が苦手なので、師範のポイントを 突いたアドバイスは非常にありがたい。回蹴で膝を正中線より内側に入れないことについては、私はまだ完全に できているわけではないが、曲がりなりにも膝を下ろさずに三連蹴りができるようにはなった。これが てきるようになるまでに、2003年秋の空手再開から4年以上かかっているから、やはり私は不器用なのだろう。 いまだに綺麗な軌道の回蹴ができる師範は、日頃から欠かさずに逆座ストレッチと膝の抱え込み練習を やっているそうである。常に鍛錬を怠らないその姿勢には、本当に頭が下がる思いだ。一通り終わって、 昇級審査用の移動基本の練習を始める頃に、主将候補のI君が練習に合流。大汗流して、前半の練習終了。

小休止の後、後半は形の練習から始まる。昇級審査に備えて、本日は平安の形のみ練習。最初の平安三段で、 第一挙動の自然体から後屈立・内受の動作のところで、身体の正中線の位置を変えずにそのまま下に腰を 落とすようにとのアドバイスをいただいた。実は、私は自主トレで自然体から前ではなく、左右交互に手刀受を する練習を取り入れている。鏡の前でやると、後屈立の姿勢が正しいか一目瞭然に分かるので、よい練習法と 思っている。後屈立の正中線の位置が正しければ、自然体から腰を落とした時、正中線はほとんど動かない。 正中線が動く時は、何かがおかしい。これをやった後、通常の移動基本を練習している。やはり、できていない 学生は繰返し練習するしかない。『身体の軸を安定させること』、これは基本や形だけでなく、組手にも大事な ことだと思う。最後に、基本一本組手を練習。学生たちの声が小さいので気合を入れたはいいが、 直り方で 以前の悪い癖が出てしまい、師範から注意を受ける。『長年空手をやる人間ほど謙虚に』とのお言葉に、 自分の気の緩みを反省する。師範が帰られた後も、学生たちの自主練習の面倒をみる。各自の練習に対して、 私なりに感じたことをアドバイスしたが、参考になったかな? ともあれ、本日の練習、大変お疲れ様です。 押忍、ありがとうございました。

師範のお言葉
・突きは身体を正面に向けて、腹で体当たりするように打つ。
・逆突で肩が前に出てしまうのは、腰を切っていないからだ。突き手側の腰を前に出すこと。
・受けの基本は半身の態勢。万が一、受けが失敗してもダメージを少なくするため。
・前蹴はあくまで正面を向いて蹴る。蹴りの瞬間、軸足を回転させてつま先が後を向く。
・回蹴の膝は、正中線から内側には入れないこと。
・自然体から蹴上、蹴込をやった後の騎馬立は一気に腰を落とすこと。(二段動作にならないように)
・綺麗な回蹴を打つためには、逆座ストレッチと膝の抱え込み練習を日頃から欠かさずにやること。
・基本ができていなければ、形もできない。
・平安三段〜五段の最初で、自然体から後屈立になる時、正中線は動かさず、真っ直ぐ下に腰を落とすこと。
・直る時の動作がだめ。長年空手をやる人間ほど謙虚な動作に徹すること。


09.11.20(金) 名大金曜練習

基本:自然体から腰を落として追突、同じく三本突、上受・逆突、外受・逆突、内受・逆突、手刀受
    自然体から前蹴・蹴った後に腰を落とす、同じく蹴上、蹴込、回蹴、昇級審査用の移動基本
    自然体から上受・裏拳・逆突、同じく内受・刻み・逆突、足を替えて蹴上・蹴込、外受・猿臂・裏拳
    昇段審査用の移動基本
形:平安三段〜五段、慈恩、抜塞大
組手:基本一本組手、自由一本組手

08年の4月に練習で左膝内側靭帯損傷の大怪我をしてから、この怪我自体は治っても両膝ともおかしくなって しまい、ようやく最近になってほぼ元通りになったのであるが、どうも怪我から早く復帰しようとしてやった トレーニング法に少し無理があったようだ。 今振り返ってみると、約1ヶ月の松葉杖生活で足の筋力が衰えて しまっていたのに、あせって負荷をかけたトレーニングをしたのが、膝のオーバーワークとなったのが原因だ。 色々と研究してみると、このような時は軽めの負荷で10秒ぐらいかけてゆっくりやるスロートレーニングが 非常に有効だったと思われる。 例えば、腕立て伏せなら、10秒かけて腕を曲げ、同じく10秒かけて腕を伸ばす。 これを8回程度繰り返す。スクワット、腹筋でも全く同じ要領である。自分の体重を利用する、いわゆる自重トレーニング であるが、やってみると決して馬鹿にならないぐらいきつい。これは、筋肉が収縮している時間が長いので 筋肉が酸欠になるためであり、それが成長ホルモンの分泌を促進して筋力アップに有効らしい。スピードは つかないが、軽い負荷でできるため怪我をした後の回復期には最適である。なぜ、やらなかったのかと非常に悔やまれる。

さて、本日の練習は師範から、所用のため出れないので、私に練習の面倒をよろしくとの連絡をいただいた。 『腰を低くして早く動く練習メニュー』をやるように、とのお言葉だったので先週と同じく自然体から腰を落として 突き・受け・蹴りの練習をやることにした。 メンバーは、今日も主将候補のI君、副将候補のT君、2年目の新人君の 3人がそろった。早速、号令をかけながら私自身も学生と一緒に練習するが、この号令をかけながらというのが、 実は意外ときつい。ゆっくりと練習するうちはいいが、最後の3回目で目一杯やる時はさすがの私も酸欠気味。 昇段用移動基本の手刀受・刻み前蹴・貫手の腰を落とすメニューをやるのを、つい忘れてしまった。しかし、 腰を落とした時の注意事項だけは、学生に言っておいた。すなわち私自身も心掛けているが、上体が前のめりに ならないこと、前屈立の後膝を伸ばすことの2点である。汗だくで基本を終わり、小休止中、主将候補のI君が 観空大の形の自主練習を始めたので見ていると、細かいところはさておき、意外とサマになっている。明らかに おかしなところだけ注意したが、なかなか楽しみだ。続いて、形の練習に入る。移動基本もそうだが、号令を かけながら形の練習をするときつくて力が入らない。したがって、慈恩、抜塞大の3回目の無号令で目一杯の 練習で、ようやく私は思いっ切り形が打てた。最後は、基本一本組手と自由一本組手で仕上げ。師範のように、 練習時間の中で学生たちの持てる力を全て引き出すようなことは未熟者の私にはとてもできませんが、それなりの練習が できたと思います。 日々、これ練習です。松濤館流開祖の船越義珍先生曰く、『道場のみの空手と思うな 』 『空手の修行は一生である』『あらゆるものを空手化せよ、そこに妙味あり』です。頑張りましょう。 押忍、ありがとうございました。


09.11.13(金) 名大金曜練習

基本:昇級審査用の移動基本
    自然体から上受・裏拳・逆突、同じく内受・刻み・逆突、手刀受・刻み前蹴・貫手
    足を替えて蹴上・蹴込、外受・猿臂・裏拳、昇段審査用の移動基本
形:平安三段〜五段、慈恩、抜塞大
組手:基本一本組手、自由一本組手

先週の練習日記で、立ち方において股関節と腸腰筋の柔軟性の大切なことを書いたが、これは蹴り技に ついても重要である。特に蹴上と蹴込については、股関節と腸腰筋を柔軟に使わないと、綺麗な蹴りができない。 ちょっと前までは、私は蹴上・蹴込とも苦手で、足がうまく上に上がらなかった。これは、股関節が固いのと 足を横に上げる筋力が足りないせいだと単純に考えていた。しかし、ふとしたことから、インターネットのYOU TUBEで 香川政夫先生の蹴上・蹴込の解説動画を見つけて、考え方が変わった。 香川先生いわく、『股関節を柔軟に 使って下さい。股関節を割る、あるいは開くといった感覚がいいと思います。』蹴り足を単に横に上げるだけ ではなく、上げると同時に股関節を開く、という感覚は私には新鮮な驚きであった。と言ってすぐにできる わけでもないが、蹴りに対する感覚が少し変わったのは事実である。開脚して上体を横に倒すストレッチングでも、 今までは上体を倒した側の足を伸ばすことしか考えていなかったが、前記の香川先生の動画を見てからは、 反対側の足も伸ばすことを意識するようになった。実は、これは大事なことで、蹴りにおいても蹴り足側の 股関節だけでなく、軸足側の股関節も開いてやる感覚で蹴ると、蹴り足が高く遠く届くようになる。それは、 前蹴、回蹴でも同じことで、前蹴であれば前後開脚で後足付け根の前面を伸ばす(実はこれが腸腰筋)ことが、 前蹴の柔軟性を養うのによい。これも以前は、前足を伸ばす(これはハムストリング)ことだけに重点を置いていたが、 それは間違いだったことに気付いた。 この歳になっても、まだまだ新しい発見がある。それが、空手の魅力なのかもしれない。

さて、本日は出張のため練習開始に40分遅れて参加。久し振りに主将候補のI君、副将候補のT君、 2年目の新人君の3人がそろったので嬉しい。先週と同じく、移動基本で腰を落とすための基礎練習として、 自然体から前屈立で腰を落として受け突き蹴りの練習から始まっていたが、私は間に合わずに昇級審査用の 移動基本から参加。続いて、昇段審査用の移動基本で自然体から腰を落とす練習。私は、先週の練習で 昇段審査用の移動基本を本当に久し振りにやったが、身体が覚えているのか不思議なことに自然に身体が動く。 私もそう簡単に学生には負けられない。ただ、外受・猿臂・裏拳だけは、最初の外受の前屈立がしっくりこないので、 後膝を伸ばすことに注意して練習する。この辺までくると、最初から練習していた学生たちは酸欠気味となる。 途中参加の私も、スピード重視で目一杯練習しているため、だんだん息が上がってくるが腹式呼吸で息を整える。 続いて、形の練習。平安三段〜五段、そして慈恩、抜塞大と各3回づつ。慈恩、抜塞大は、2回目は号令ありの 目一杯、3回目は号令なしの目一杯で、要するに目一杯を2回づつ練習するので、非常によい練習になった。 11月というのに、全員汗まみれとなる。なんだか、学生たちの気合が小さいので、私は意識的に大きな気合を 出すようにしたが、高々2時間の練習なので、辛い時ほど大きな声を出して出して頑張ってほしい。それが、 黒帯へ一歩でも近づく道になると思う。 師範も仰っていたが、『黒帯は奪い取るもの』そのぐらいの気迫が ないと黒帯は取れないと思った方が間違いない。最後の、基本一本組手、自由一本組手も同じ。気合が全てです。 頑張って下さい、楽しみにしています。押忍、ありがとうございました。

師範のお言葉
・外受・猿臂・裏拳で、最初の外受の前屈立はしっかり後膝を伸ばすこと。(騎馬立もどきになるなということ)
・黒帯は、奪い取るものだ。(そのぐらいの気迫でやれということ)


09.11.06(金) 名大金曜練習

基本:自然体から腰を落として追突、同じく三本突、上受・逆突、外受・逆突、内受・逆突、手刀受
    自然体から前蹴・蹴った後に腰を落とす、同じく蹴上、蹴込、回蹴
    昇級審査用の移動基本、昇段審査用の移動基本
形:平安三段〜五段、慈恩、抜塞大、二十四歩

最近、新型インフルエンザが物凄く流行しており、ついに私の職場でも私の斜め前に座っている人が 昨日インフルエンザで高熱を出して午前中で早退した。毎日、うがいと手洗いで自衛しているが、さすがに これほど近くで感染者が発生すると心配になってくる。幸い今のところ私は大丈夫のようで、いつも通り 金曜練習に参加する。メンバーは、久し振りに金曜練習参加の主将候補のI君、2年目の新人君、私の3名。 昇級審査が来月に控えているので、本日は昇級審査のための練習メニューである。まずは、自然体からの 突き・受け・蹴りで徹底的に腰を落とす練習から始まる。 松濤館流の基本は、腰を落とすことに特徴がある。 腰を落とすことにより、柔軟かつ強靭な足腰が養われる。これは組手にも生きる、と私は考えている。

腰を落とすには、ある程度の筋力と柔軟性がいるため、若者の鍛錬だけでなく、私のような年代の人間の足腰の 老化防止にもってこいである。前屈立で無理なく腰を落とせるようになってから、長年の腰痛が嘘のように 治まった。 この柔軟性が必要というところがミソで、私は最近まであまり意識していなかったが、腰を落として 正しい前屈立をやると、実は後足前面の付け根の筋肉がストレッチされる。この筋肉は、腸腰筋と呼ばれる インナーマッスルで、高齢の人が転びやすいのはこの腸腰筋が硬くなって足が上がらなくなるからである。 腸腰筋は身体の内部にある筋肉なので、普通の運動で柔軟性を維持するのは難しい。しかし、腰を落とした 前屈立で、これができてしまうのである。同じく腸腰筋の柔軟にいいのが、騎馬立で股関節を開くこと。 相撲の腰割(四股立で、股関節をできるだけ開く動作)もそうだが、股関節と同時に腸腰筋が伸びて、 非常に身体によい。身体にいいと考えると、前屈立や騎馬立で腰を落とすのが、あまり辛くなくなるのが 不思議だ。

とはいえ、回蹴まで一通り終わると、足の太ももが張ってきた。エキセントリック(筋肉を伸ばしながら 負荷をかけること)な負荷がかかるため、非常に良い足腰のトレーニングだ。すぐに、昇級審査用と昇段審査用の 移動基本に入る。自然体から腰を落とす練習の効果てきめんで、I君も新人君も移動基本で腰を落とせている。 これをいつもできるようになれば、黒帯の道が近付く。頑張ってほしい。次に、形の練習。皆で2回練習した後、 3回目はその形で審査を受ける学生だけが1人で形を打つ。 見ていると、師範が常々仰っている身体の軸のぶれ、 技の極め、正確さ、緩急、無駄な力みなど、自分では分からず私自身師範からご指摘を受けていたことが見える。 やはり、客観的に見ることが大事だ。 師範から、自分の形をビデオに撮ってみると欠点がよく分かるという お言葉があったが、正にその通り。I君が、またまた動画の撮れるデジカメを持っていたので、師範が帰られた後も 自分の形を見て、直すべきところを確認する。学生たちも納得できたようで、デジカメも案外役に立つ。 これからも是非活用しましょう。押忍、ありがとうございました。

師範のお言葉
・自然体から腰を落とす練習を徹底的にやると、移動基本でも腰の位置が低くなる。
・自分の形をビデオで見ると、自分の悪いところがよく分かるので活用すること。
・まず基本ができていなければ、形はできない。
・二十四歩で、蹴込・逆突の後、一旦左足を引いて受けの準備動作をしてから、掛受・諸手掌底打ち
・この一連の動作で、腰の位置を上下させないように注意すること。


09.10.30(金) 名大金曜練習

基本:移動基本追突、三本突、上受・逆突、外受・逆突、内受・逆突、手刀受
    前蹴左右各30、回蹴左右交互30、移動基本蹴上、蹴込
形:平安初段〜五段、壮鎮、二十四歩
組手:刻みを横にかわしながら刻みで返す、刻みをウエーバックでかわして刻みで返す

先週、師範のご指導を受けた壮鎮の形を自主トレで練習した。師範から、肩に力が入って 肩が吊り上がってしまっているというご指摘を受けたが、注意して自分でやってみると、スピードを つけて練習した時に手刀受けで段々肩が吊り上がっていることに気付き、思わずこれだ!!と 心の中で叫んでしまった。どうも、平安の形とは手刀受の方向が左右逆になるため、うまくできずに 知らず知らずのうちに肩に力が入ってしまったようだ。ゆっくりやればOKなので、何度でも練習して 身体に覚え込ませるしかない。 それにしても、自分自身で分かること、自分で納得することは大事だ。 ご指摘を受けただけと自分が納得してやるのとでは、上達に対するモチベーションが全然違うと思う。

さて、本日の練習は、明日から学生たちの合宿があるため、7時半までとなる。練習参加者は、 副将候補のT君と、2年目の新人君と私の3名。やっぱり最低3人はいないと、練習に張り合いがない。 まずは、移動基本の練習から始まる。筋トレの成果もあって膝の調子がいいため、ゆっくりやった後は 目一杯のスピードで練習する。自主トレで折りたたみイス使って前蹴と回蹴の抱え込み練習をやっているためか、 蹴りも少し切れが戻ってきたようだ。蹴上と蹴込も、昔やったように、同じ足で蹴上・蹴込、足を替えて 蹴上・蹴込の練習を時々やっているので、少し蹴りに粘りが出てきたような気がする。 このまま歳にまかせて 老い衰えていくなど、曲がりなりにもこの歳まで空手をやっている人間としてのプライドが許さない。 古臭いかも知れないが、今の学生は素直なのだが、何が何でもという『がむしゃらな』気持ちが少し足りない。 恐らく、これが黒帯を取れるかどうかの分かれ目だと思う。

続いて、形の練習に入る。主将候補のI君がいないため、ひたすら平安の形を練習する。接近戦、 護身術への応用なら平安三段だが、私は平安の形の中でもバランスよく完成された平安四段の形が好きだ。 師範も仰っていたが、平安四段で技の極め、緩急を表現できないと、上級の形もうまく打つことができない。 平安四段の形ができることが、取りあえず茶帯レベルまでの目標となる。平安五段まで練習した後、 休憩中に師範からマンツーマンで、壮鎮、二十四歩の形のご指導を受ける。二十四歩の形は久し振りなので、 思い出しながら練習するが、緩急が非常に難しい。最後に、組手の練習。本日は、相手の攻撃の出会い頭を 制することを主眼とした練習をする。まず、相手の刻みをわずかに横にかわしながら刻みを返す練習。 横に動きすぎると、返しの突きが斜めから入るので威力が落ちる。あくまで最小限にかわして、正面に 近い角度から返しの突きを入れる感覚である。(したがって、正しい突きがまともに入ると、カウンターに なってノックアウトのはず) 続いて、相手の刻みをスエーバックでかわしてから刻みを入れる練習。 前の練習が、相手の攻撃と同時の『対の先』、この練習はかわしてから反撃の『後の先』。 目指すは、相手の攻撃をかわし・受けながらの反撃『対の先』が確実にできるようにしたい。 要するに、攻撃の瞬間は 防御が甘くなるので、相手の攻撃を読んで、受けながら同時に反撃するのは非常に有効な手段である。 組手の練習も、意味を考えながらやると上達間違いなしです。学生の皆さん、頑張って下さい。 押忍、ありがとうございました。

師範のお言葉
・手刀受の位置は、腕の真ん中と身体の間に拳一つ入るぐらいが、脇が締まって丁度よい。
・騎馬立は、両膝を前に曲げるのではなく、横に張ることが大事。
・平安の形の中でも平安四段が一番見栄えのする形で、これができなければ上級の形もできない。
・平安四段の、頭を掴んで右膝打ちのところで、掴んだ両手は腰の位置まで下ろすこと。
・相手の攻撃の出会い頭を制することが基本。
・練習では、突きを正確に狙うこと。練習でできなければ、試合では絶対にできない。
・刻みをかわす動作は、最小限にすること。横に動きすぎると突きが斜めから入り、威力が落ちる。
・刻みを刻みで返す技は、逆突に対しても有効。


09.10.23(金) 名大金曜練習

基本:昇級審査用の移動基本
形:平安三段の繰返し練習、壮鎮
組手:基本一本組手
    刻みをサイドステップで左右にかわす練習、同じくかわしながら突きを入れる練習
    刻み・逆突2回+刻みに対して、サイドステップで左右にかわしながら突きを入れる

10月も後半となり、もうすぐ11月だ。この前まで、暑くて大汗かいて練習していたのに、 季節がめぐるのが早く感じられる。私も、年を取ったということかな…。いやいや、秋の深まりに単に センチメンタルになっただけと思いたい。折角、練習によい季節になったというのに、 最近学生たちは学業で忙しいらしく、残念ながら本日の練習は2年目の新人君と私の2人だけだ。 それでも、師範からはいつもと変わらぬご指導をいただけるのは本当に幸せだ。2人だけなので、 マンツーマンに近い密度の濃い練習となる。まずは新人君のために、昇級審査用の移動基本の練習から 始まる。最初は技を正確に、3回目はスピードと極めを意識して練習する。新人君、スピードは ついてきたが、極めと気合がもう一歩だ。続いて、これまた新人君のために平安三段を繰返し練習する。 『形の練習は、まず技を正確にやることを意識する、最後は技を極めることを意識する。要するに、 漫然とやるのでなく、常に意識して練習することが大切』という師範のお言葉は、私にも大変ためになり、 練習で常に意識することを心掛けるようにしたいと思う。

休憩の間に、師範からマンツーマンで壮鎮の形のご指導をいただいた。先々週の課題となっていた身体の軸の ぶれは1回目はダメだが、2回目、3回目の練習では大分収まってきた。しかし、肩に力が入っていたり、 壮鎮立の膝の張りが甘かったり、まだまだ練習が必要だ。 師範いわく、『慣れない形は徹底的に練習して、 身体に覚え込ませること』『基本でも形でもまず、意識して何度も練習して、最後は無意識にできるようにすること』 これは、私、新人君、他の学生も皆同じ、師範のお言葉の意味をかみしめて下さい。

後半の組手練習は、まず基本一本組手を徹底的に練習する。師範から、今の学生たちは気合の声が小さいとの お言葉があった。『勝つためには気合が必要、相手を威圧する声を腹から出すこと』私も、最近の学生に つられて、少し声が小さくなっているようなので、気合を入れ直す。続いて、自由組手練習として、 刻みを左右のサイドステップでかわす練習と、サイドステップしながらの返し技の練習。私も新人君も、 これは初めての練習メニューで、最初はうまくいかず何度も練習する。最後に実戦形式の応用練習として、 刻み・逆突2回+刻みに対して、サイドステップで左右にかわしながら突きを入れるを練習するが、 これがなかなか難しい。最初の刻み・逆突につられて、サイドステップができない。師範が帰られた後、 本日の宿題としてこれを繰返し練習した。刻み・逆突2回を入れるとなぜできないかを考えた。 @前に余分な動作(受け)が入るため意識が反れる、A単独の練習と違って、最後の刻みに対して号令がかからない、 の二つの原因と思われた。要するに、@は意識、Aはタイミングの問題なので、攻撃側の動作を少し手加減 すること(要するにゆっくり)、事前に左右のどちらにかわすか決めておくこと、の2点をレベルダウンして 何回か繰返し練習した。 できるようになったところでスピードアップ、更に左右決めずに自由にやる という順番で練習すると、どうにかできるようになってきた。ただ、私も新人君も、慣れていないためか 右にかわす方が苦手だ。試合でも、ここぞという時に(どんな時かは企業秘密ですので、ご容赦を)有効な技と 思われるので、今後も練習するようにしたい。師範から宿題をいただいたおかげで、充実した組手練習ができました。 押忍、ありがとうございました。

師範のお言葉
・形の練習は、まず技を正確にやることを意識する、最後は技を極めることを意識する。
 要するに、漫然とやるのでなく、常に意識して練習することが大切。
・基本でも形でもまず、意識して何度も練習して、最後は無意識にできるようにすること。
・できないから、できるように何度も練習すること。
・壮鎮の形で、肩に力が入って肩が持ち上がり、脇が開いているので注意。
・無双構の動作は、両腕で身体の前に壁を作って防御する感覚。
・壮鎮立は、騎馬立と同じく両膝を外に張ること。
・サイドステップの反撃は、かわしながら突きを入れ、かわし終わった時には残心を取っていること。
 相手の方が先に突いているのに、こちらの突きが先に入るので、後の先という。


09.10.16(金) 名大金曜練習

形:平安三段・四段、抜塞大、慈恩
平安二段、四段の応用技:上段背腕受・裏突、上段開手背腕受・手刀打
組手:ステップ練習、刻み、逆突、刻み逆突、刻み逆突のストレッチ
    刻み逆突vs左手のみで受けて三本目で中段返す、同じく右手左手で受けて三本目で上段返す、受け技を混ぜる
    刻み回蹴・逆突vs受けて三本目で中段返す、前手押えて前蹴・追突vs三本目で追突に上段逆突を合せる
    刻みに対する返しの逆突の練習

先週の金曜練習で、師範から壮鎮の形のご指導を受けた時、左右の内受けで大きく身体の軸がぶれることを ご指摘いただいたので、土日にもう一度自分でチェックしてみた。すると、内受け自体は大分良くなってきたが、 最後の右左の中段突きの方が実はぶれが大きいことが分かった。先週の練習でご指摘がなかったのは、恐らくは 宿題として私に残しておいていただいたものと思われる。こちらの原因は、壮鎮立の下半身が突きのたびに 動いたしまうためのようだ。腰から下を動かさないように注意したら、多少スピードを押えればぶれは収まった。 要するに、慣れていないので壮鎮立の中心軸が安定していないということだ。身体の軸が前後左右に ぶれないようにすることは、空手だけでなく全てに武道に通じる基本なので、常に意識して練習するようにしたい。

さて、今日は3時半から延々と続く職場での会議のため抜けるに抜けれず、形の練習の途中から名大練習に参加。 本日の練習参加メンバーは、副将候補のT君、2年目の新人君と私の3名。私が急いで名大道場に来た時には、 基本練習が終わっていて、形の練習が始まったところである。私は平安三段の練習から参加したが、基本練習を やっていないと身体の温まりが悪く、鉄槌打の後の中段追突で押えが利かずに上体が前のめりになってしまい、 師範からご指導を受ける。しかし、さすがに抜塞大まで練習すると身体が温まってきた。次の慈恩の形の 三回目を目一杯練習すると、さすがに息が上がる。途中で、師範から課題が出る。慈恩の鉄槌打には2つの意味が あるがそれは如何に、というものである。しばらく考えても分からず、休憩中に師範から『受けの動作は、そのまま 次の攻撃技となる』とご解答をいたただいた。要するに、鉄槌打の手を上げれば、そのまま裏拳で反撃が可能。 基本練習の受け技も改めて確認すると、全て攻撃技が隠されている。正に、『受けは、単なる受けにあらず』である。 形の動作に隠された真の意味を知ると知らないとでは、同じ形の練習をしていても、使えるかどうかに雲泥の差がある。 平安二段、四段の応用技として、上段背腕受・反撃を練習すると、やはり応用練習は形の理解には不可欠と感じた。

所用により30分早く帰られた師範から、残りの練習の面倒をみるように仰せつかり、組手の練習をすることにする。 副将候補のT君が、夏の合宿以来あまり組手の練習をやっていないとのことなので、基本のステップ練習から 始めることにする。対人練習は、向い合って刻み逆突と受け・反撃の練習から。 正中線を正確に狙って脇が締まった 受けにくい突きを受けさせて、身体で受けを覚えてもらうのが私の役目なので、相手の防御能力よりほんの少し上程度に力を 加減して攻める。 私の膝の状態が回復したため、白帯相手なら力を加減する余裕が出てきた。組手の間合い、タイミングなどは、身体で 覚えるしかない部分が大きいので、最後に刻みに対する返しの逆突の練習をやる。2人が交代で1人の受け手に刻みを入れて、 受け手は『対の先』で逆突を返す。『対の先』なので、受けてから返すのではなく、相手の刻みと同時に前に出て刻みを 流しながら先に逆突を入れる感覚である。これをやっておけば、試合でも無意識に身体は反応するはず。8時までやって、 本日の練習終了。押忍、ありがとうございました。

師範のお言葉
・平安二段、四段の上段背腕受けは、上段突を受けるので、肘の角度は自ずと直角となる。
・形の動きと実際に応用する時の動きは違う。(形としての動きの裏に、真の意味が隠されているので注意)
・基本や形の受けの動作は、単なる受け技ではなく、そのまま攻撃技となる。
・だから、慈恩の鉄槌打も単なる受け技でなく、受けた後その手はそのまま攻撃に転ずる。
・基本や形のどんな動作にも、何らかの意味があり、応用が利く。


09.10.09(金) 名大金曜練習

基本:昇級審査用の移動基本3回
形:平安初段〜五段、壮鎮
平安三段の応用技:交差受けの要領で、掴まれた腕を外すと同時に上段突きを受ける練習
組手:刻みvs少し横にかわしながらカウンターの刻み、刻みvs後にかわしてから刻みを返す

前日の未明から午前中にかけて大暴れした台風18号も北海道の東に抜けて、今日は台風一過のよい天気。 段々と涼しくなってきて、空手の練習には最適な季節になってきた。今週の火曜練習は何人か練習に来たらしいので、 今日はもっと人数が増えるかと期待していたが、何と2年目の新人君しか来なくて拍子抜けする。もしかして、 台風の影響で何かあったかな? 仕方なく、新人君と2人で練習を始める。まず、新人君のために、昇級審査用の 移動基本から。練習はほとんど皆勤賞だけあって、新人君、本当にスピードがついてきた。前屈立移動のスピード だけなら、私と遜色ない。入部した当時は硬かった身体も、頑張っているせいか随分柔らかくなってきたようだ。 後は技の切れと正確さを磨いてほしい。かく言う私も、膝の調子がほぼ全快したので、切れを取り戻すべく 自主トレに励んでいる。そのためか、今日は若干膝が張っている。移動基本の3回目は、100%のスピード。 気合が入れば身体は動く。気は若いが老体?にムチを打って頑張る。続いて、平安初段から五段までの形の 練習に入る。これも新人君と並んで練習してみると、しばらく見ぬうちに平安三段まではうまくなったと思う。 新人君を見ていると、本当に『継続は力なり』としみじみと感じる。

平安五段まで形を練習した後の休憩の間に、師範から壮鎮の形のご指導をいただく。どんな形でもいいから 見ていただけるということで、日頃練習している慈恩ではなく、重厚な形として好きな壮鎮の形を選んだ。慈恩 ほどではないが、自主トレで抜塞大、観空大、燕飛とともに時々練習している形なので、一応それなりには身体が動く。 しかし、師範から、壮鎮の後半で身体の軸のぶれが大きくなり、非常に見苦しいとのご指摘をいただいた。特に、 最後の方の左右の内受のところで、身体の軸のぶれが著しい。 鏡の前で練習すると、師範の動きとの違いは歴然。 師範は正中線がぴたりと動かないが、私は内受のたびに正中線が左右に何と各5cmぐらい動く。まるで左右に 振り回す腕につられて身体も左右に振り回されているみたいだと、我ながら思わず苦笑い。 鏡を見ながら練習すると、 少しづつぶれが小さくなってきたが、まだ1〜2cmぐらいぶれる。内受の動作で身体を捻る軸を安定させないと、 このぶれはなくならない。回転軸を真っ直ぐに立てることは基本中の基本なので、何度も練習するしかない。

後半は、平安三段の最初の交差受けの応用技で、相手に掴まれた腕を外して、同時に上段突きを反対の手で 受ける練習。 私は、この練習は今日が初めてであり、平安三段の奥の深さに驚くばかりだ。詳細はご容赦いただきたいが、 要するに交差受けの動きは『小手返し』の動きで、相手の手は外れるということである。 ここは、平安初段の右下段払 ⇒鉄槌打ち、観空小の追突⇒捻り受け、などの動作に共通するものがある。何度も練習した後、最後に組手の練習。 本日は、刻みに対して刻みで返す練習である。一つは、少し横にかわしながら対の先を取って刻みをカウンターで返す、 もう一つは、後ろにウエーしてかわした後、後の先で刻みを返す。(ちなみに、相手が動く前に気配を悟って先を制すのが先の先、 相手が動くと同時に先にカウンターを入れるのが対の先、相手の攻撃をかわすか受けてから返すのが後の先である。) 最後は、この二つを組み合わせて、三本目で ダメ押しの逆突を加える。最初のうちは、新人君、私の刻みをウエーでかわせず入れられていたが、最後は間合いを 掴んだのか、うまくかわして反撃してきた。 私の刻みが極まっていたのはフェイント以外にも実は二つの技があるのだが、 それをかわした新人君はえらい、この調子で頑張って下さい。 (申し訳ありませんが、技は企業秘密です) 10月の 夜は爽やかで、練習で流した汗は実に心地いいです。押忍、ありがとうございました。

師範のお言葉
・平安三段は接近戦の技が多く、平安の形の中でも護身術に応用できるものが多い。
・交差受けの動きは、『小手返し』として掴まれた腕を外すのに応用できる。
・交差受けの要領で、脇を締めて、掴まれた腕を外すと同時に、反対の手で突きを受ける。
・(新人君に)刻みのカウンターを打つ時に、横にかわし過ぎると突きの威力が落ちる。
・(〃)突きを軽く当てることによって、初めて突きの極めが分かる。当てることを怖がらないこと。
・壮鎮で、身体の軸がぶれにいようにすること。特に左右の内受けの時に注意。


09.10.02(金) 名大金曜練習

基本:移動基本追突、三本突、上受・逆突、外受・逆突、内受・逆突、手刀受・貫手、前蹴左右各30本
    回蹴左右各30本、移動基本蹴上、蹴込
形:平安初段〜五段、慈恩
組手:自由一本組手(上段、中段、前蹴、蹴込)
慈恩の応用技:中段突vs掌底で流し受け・逆突、同じく掌底で流し受け・中段の掌底打ち
          上段突vs開手で上受・上段掌底打ち

先週は名大金曜練習に参加できなかったので、今日は万全を期して朝早出して、仕事が早く切り上げられる ように調整する。まだ仕事をしている人たちを尻目に、夕方5時前に会社から名大道場に向かう。秋雨前線が日本付近に 停滞しているため、今日は雨で少し蒸し暑く10月に入ったと思えない天気だ。練習参加者は、合宿以来久し振り に出てきた副将候補のT君と、2年目の新人君と、私の3名である。あと一人、主将候補のI君か3年目の 女性のYさんかどちらかが来てくれれば、組手の練習効率がいいのだが仕方がない。まずは、移動基本の練習 から始まる。どうやら、調子が悪かった私の膝も、トレーニングとケアの甲斐があって練習にはほとんど支障が なくなった。後は、蹴りのスナップとスピードを取り戻すために、あせらず一歩づつ練習あるのみだ。 ただ、師範から、追突の前屈立前足を外側へ張る動作が過剰とのご指摘をいただいた。 自分では気付いていなかったが、 チェックすると確かに前足が着地した後、膝が外側に大きくぶれる。特にゆっくりやると明らかにおかしい。 膝が悪かった時に、知らず知らずのうちに膝をかばうためか、変な癖がついてしまったようである。 移動基本を 通して練習するのは名大練習でも久し振りなので、さすがの私も身体が慣れていないために結構体力を消耗した。

続いて、形の練習に入る。最近、私は自主トレでは慈恩の練習がメインのため、平安の形の練習は2週間ぶり。 平安二段の貫手の添え手、上受の前手の意味など、師範から技の解説をいただく。貫手の添え手は、相手の 中段突を押え受けで受ける技、上受の前手は2つの意味があり、一つは眼つぶしによる牽制、もう一つは相手の 上段突を掴んで上受の要領で相手の肘を下から打つ。外受・内受・手刀受の前手も、すべて何らかの意味があるはずだが 残念ながら私は、外受と内受の前手の意味は知らない。が、何となく想像はつく。 移動基本での酸欠の状態から回復しないため、いつも通りの形の練習も非常にハードに感じられる。 しかし、3回目は100%の力とスピードでという師範のお言葉で、最後の慈恩の3回目で力を出し尽くしたため、 終わった後しばらく私は立ったまま膝に手を当てて肩で息をしていた。自主トレでは、なかなかここまで自分を追い込めないため、 非常によい練習をしたという心地よい達成感が残った。最後は組手練習で、先々週と同じく自由一本組手と応用練習。 やはり、練習をやっている者とやっていない者との差は歴然、突きの極めは新人君の方がうまい。自由一本組手で 逆突が極まらなければ、組手でもポイントが取れない。T君、頑張って早く以前の状態に戻してほしい。応用技は、 例によって秘伝が入っているため詳細はお伝えできませんが、師範の上段掌底打ちで、私が簡単に後ろに 転がされてしまったことだけ記しておきます。本日も大変勉強になりました。現役の皆さんも頑張って下さい。 押忍、ありがとうございました。

師範のお言葉
・膝を外へ張る意識が強すぎて、前屈立移動の前足が外側にぶれている。もう少し力を抜くこと。
・(学生に)前屈立移動でかかとを浮かさないこと。
・形の練習の3回目は、100%の力とスピードで練習すること。
・形は、技の意味を考えて練習すること。
・開手で打つ場合は、引き手も開手の方が、脇が締まって力を入れやすい。
・上段掌底打ちは、相手との間合いを詰めて、腰を入れて相手のアゴを押上げる。


09.09.24(木) 金曜に急用のため自主練習

形:慈恩の分解練習

誠に申し訳ありませんm(__)m。急用のため、名大金曜練習に参加できず、本日、勤務後に会社体育館で自主練習です。 空手練習日記は、来週までお待ちいただくよう、よろしくお願い致します。


09.09.18(金) 名大金曜練習

形:平安初段〜五段
組手:自由一本組手(上段、中段、前蹴、蹴込)
応用技:上段追突vs左足引いて、左手で突き手を掴み、右手で肘を押えて倒して、下段突
      中段追突vs右手で突き手を掴んで、左手で肩(or肘)を押えて倒して、下段突
      前蹴vs右足を引いて、左手ですくい受け、上段突
      蹴込vs外受、背後から肩を掴み倒して下段突

今日は3時半から始まった部長報告会が長引いて、少し練習参加が遅れた。自分の発表が終わったら、 サッサと練習に向かう予定であったが、なかなか自分の順番が来ない。長引いても部長報告なので すっぽかすわけにもいかない。仕方がないので順番を待って、それなりに部長を感心させ、きっちりと自分の報告を終えてから練習に向かう。 名大道場に駆け付けた頃には、基本練習はほぼ終了しており、私は形の練習から参加した。練習に来た学生は 先週と同じく、3年目の女性Yさんと2年目の新人君の2人で、最近この2人はよく頑張っている。基本練習の 最後の方を準備運動しながら見ていたが、Yさんは下半身が柔軟なだけあって蹴り技の軌道がきれいだ。 新人君も最初に比べると随分身体が柔らかくなり、蹴りがうまくなってきた。彼が一番練習参加率が高いので、 本当に『継続は力なり』だと思う。 最近、また左膝が時々痛み、だましだまし自主練習や筋トレしている私には、学生たちの この若さはうらやましい限りだが、私も空手に対する気持ちだけは若々しくありたい。

さて、形の練習であるが、本日の練習での師範のご指導は大変勉強になった。まず、突き・受けを極める位置、 私は実際に目の前に相手がいることをイメージして、突き・受けの動作をやっていた。実は、これが少し違う。 『目の前に相手がいることをイメージ』は正しいのであるが、突き・受けを極める位置は、技が最も綺麗に極まる 位置に極める。実際に技を使う時の、極めの位置とは若干違う。 それでは、形は役に立たないのでは、と思うかも しれないが、実際に技を使う時には、相手の身長や態勢などで例えば中段突でも位置が変化する。形で練習するのは、 基本的な動作なので、最も無駄のない動作を練習する。結果的に、それが綺麗に見えるだけで、何も使えない技を 練習しているわけではない。以上が師範のご指導に対する、私なりに理解したことである。 そして実際に技を使う場合には その都度、技を調整する必要があるので、それを形の応用組手で練習するのである。この辺は以前からモヤモヤ していたが、今日の師範のご説明でよく理解できた。後半は、自由一本組手とその応用技の練習。練習した4つの 応用技のうち3つは今日初めて練習する技なので、とても勉強になりました。非常に面白いのですが、ここで 解説すると護身術でなくなってしまうため、詳細はご容赦下さい。先週に引き続き、私が道場訓唱和をリードして 本日の練習終了。押忍、ありがとうございました。

師範のお言葉
・(平安初段で)中段突きの位置は、肩より少し下。君の位置は下すぎる、あと5mm上だ。
・(平安三段で)内受けの位置が低い、肩の位置だ。肩の位置に持ってきた時に、脇を開けないこと。
・手刀受の位置も同じく低い。形の場合は、突き・受けとも最も美しく極まる位置に極める。
・したがって、実際に突き・受けを使う時とは、極めの位置が若干違う。
・平安三段の最初の後屈立内受への動作で、正中線がずれないように注意すること。
・平安三段の三日月蹴は、相手の中段突を受ける技なので、それを意識して練習すること。
・三日月蹴で中段突を受けて、相手の足を踏みつけて、更に猿臂で中段突を受けて裏拳という流れ。
・相手を倒す技は、捕り手と相手を押える方向が大事。


09.09.11(金) 名大金曜練習再開

基本:自然体から前屈立追突、同じく上受・逆突、外受・逆突、内受・逆突、手刀受
    前屈立前蹴左右各10、自然体前蹴左右交互30、自然体蹴上して騎馬立腰落とす左右各10
    自然体蹴上左右交互30、自然体蹴込して騎馬立腰落とす10、自然体蹴上左右交互30
    自然体回蹴左右交互50
形:平安初段〜五段
組手:刻み逆突のストレッチ、フットワーク練習、刻み、逆突、刻み逆突、刻みvs逆突

名大体育館に向かうと、師範から『急用ができたため、今日の練習を頼む』と仰せつかる。したがって、本日の練習は 不肖ながら私がリードすることになった。練習に来た学生は、3年目の女性Yさんと2年目の新人君の2人。毎年9月の初めは 練習参加者が少ないのでさびしいが、せっかく来てくれた学生のために気合を入れて練習を始める。2人とも合宿後は ほとんど練習していないらしいので、移動基本は止めて、腰を落とすことと立ち方を重視して基本練習をすることにした。 号令をかけながら自分も一緒に練習するが、気になったところはその都度注意する。Yさん、受けで半身になる時、 頭の向きも半身になってしまっている。身体は半身でも、頭の向きは正面を向いていないといけない。 私も注意しないと、 時々やってしまうことがある。特に、平安二段、抜塞大、観空大の逆半身は要注意だ。腰を逆に切る時に、頭まで一緒に 逆半身にならないように注意。新人君、後屈立で前腰の角度が浅い。私も先週、師範のご指導を頂いたが、前足と上体の 間の角度が浅くならないように意識すること。だから、最初に左右の後屈立の立ち方の練習をやった。腰の位置は2:1で後足寄り、 前腰の角度、後膝の外側への張りに注意する。特に、後膝の張りは、形の練習の時2人ともできていないことがあった。後膝の 張りがなぜ必要かも分かるように説明した。 身体で覚えて、頭でも納得するのが上達の近道と思う。蹴りの練習も、 最後の回蹴以外は、最初の10本は前蹴を遠く伸ばしたり、蹴上・蹴込の後、騎馬立で腰を落とす練習を入れる。最後の 回蹴は汗まみれの気合で、いつもの練習と同じノリになった。

小休止の後、後半はまず平安初段から五段まで一通り形の練習をやった。2人ともまず基本を覚えることが大事なので、 今日は平安の形以外の練習は止めておいた。ところどころ要所で、技の説明・実演や注意点を交えながら練習する。 最後の組手の練習は、3人しかいないので少し頭をひねった。まず、基本である刻み逆突が遠くまで届くように、ストレッチ から始める。得意構えと逆構えをやった後、次にフットワークの練習。新人君、ノーガードで始めたが、フックワークの 練習は常にガードを意識する練習も兼ねているので、注意。更に、刻み、逆突、刻み逆突の動作も入れる。仕上げは、 刻みvs逆突の練習。まず、学生同士で練習してもらう。続いて、2人で交互に刻みを入れて、1人が返しの逆突を出す練習。 普通は、何人か並んで刻みを入れるのだが、2人しかいないので攻撃側も忙しい。が、休むひまがないので、これはこれで いい練習である。 新人君、刻みが流されて前に泳いでいるので、次の攻撃ができない。流されても踏ん張って、返しの逆突を 更に返すぐらいのつもりでやること。そもそも簡単に流される刻み自体が、威力がないか、正確に相手の正中線を突いていない。 頑張って下さい。 いつも通り20時までやって練習終了。未熟者の私では師範の足元にも及ばず、至らぬところが多々ありますが、頑張って いきたいと思います。本日の練習、2人ともお疲れさまでした。押忍、ありがとうございました。


09.09.04(金) 名大金曜練習再開

形:師範による慈恩のマンツーマン指導

皆さま、お元気でしょうか。名大練習の夏休み中は、大変ご無沙汰しておりました。本日から名大金曜練習再開です。 夏休み中は、弱点である膝の強化のため、筋トレとランニングを積極的にやるようにしてみた。今年の4月の初めから 膝の状態が両膝とも思わしくなくなってから、ずっと膝の筋トレやランニングをさぼってきた。7月頃から段々膝が 良くなってきたのでウエートトレーニングは始めていたが、ランニングは会社のお盆休みから再開した。 ストレッチングで 足腰の柔軟性が落ちないようにすることだけ注意すれば、ランニングは非常に良い下半身の基礎体力トレーニングだ。 膝が悪くなってから、特に蹴りのスナップが全然利かなくなってしまっているので、地道なトレーニングで何とか早く 回復させたい。

さて、本日の練習であるが、師範と2人で学生が来るのを待っても誰も来ない。夏休み明け初めての3日前の火曜練習には、 皆来ていたとのことなので、最近はやりの新型インフルエンザにでもやられたのかな…。仕方がないので、師範直々に マンツーマンで慈恩の形をご指導頂けることになった。やはり、前蹴のスナップが利いておらず、追突が極まっていないと 早速のご指摘があった。自主トレでも感じているが、蹴り足が戻らない、戻っても遅いので、続く追突がしっくりと来ない。 あまり繰返し練習するとまた膝を痛めるので、これも地道に練習することにしよう。 次のポイントは、3つ目の上受から 追突である。前の2つの上受と違って、3つ目の上受は後膝を伸ばさない。伸ばすと上受で動作が止まってしまい、 上受→追突の一連の動作がスムーズにいかないからだ。私は今まで3つ目の上受も後膝を張っていたので、どんなに 頑張っても次の追突がワンテンポ遅れるので、ずっと悩んでいた箇所だ。今日の師範のご指導で、納得がいった。しかし、 上受で動作停止がなくなったのはよいが、追突で勢い余って上体が前のめりになってしまい、師範のチェックを受ける。 何度か練習して、何とかできるようになった。その他にも色々とご指導頂いたので、師範が帰られた後も忘れないように 20分ぐらいおさらい練習をする。自分自身のレベルアップだけでなく、学生に教える上でも大変勉強になりました。 押忍、ありがとうございました。

師範のお言葉(本文以外で抜粋)
・慈恩の掻き分けは、胸倉つかんだ相手の腕を上からこじ入れて外すので、一旦両腕を締めて、下げながら広げる。
・卍受けの次の鉤突きで、上体は腰と同じく正面を向けること。(上体をねじらないこと)
・下段払は、前手を掴んできた相手の手を払うようにすること、後膝を伸ばすことを意識すれば大抵極まる。
・掌底打ちは、ギリギリまで腰に構えて、最後に横から掌底を打つ。


09.07.31(金) 名大金曜練習

基本:自然体中段突、自然体から前屈立追突、同じく上受・逆突、外受・逆突、内受・逆突、手刀受
    自然体で前蹴左右50、同じく蹴上、蹴込、回蹴
形:平安初段〜五段、慈恩、抜塞大
組手:自由一本組手

7月も終わりというのにすっきりしない天気が続き、梅雨明けはまだまだ先のよう。本日は翌日に合宿を控え、 夏休み前の最後の名大練習である。合宿直前というのに、合宿参加メンバーが全て今日の練習に参加しているというのは、 学生たちの意気込みが伺えるようで、ものすごく嬉しい。合宿前日なので、軽い練習で終わるかと思ったが、いつもと 全く変わらない練習が始まった。学生たちが頑張っているので、私も手を抜くわけにはいかない。『パワーとスピードだ』 という師範の発破に、受け・突きとも極めを意識して目一杯のスピードで私も頑張る。内受・逆突の辺りでは完全に 酸欠になって、気合を出すタイミングを一回間違えてしまった。しかし、練習はこれぐらい頑張ってちょうどいいと思う。 私は無意味なスポ根は嫌いだが、空手の上達にはある程度、自分の限界に近いところまで持っていかないと何も 進歩しないと考えている。それも、強制されるのではなく、あくまで自分の意思で頑張るところに意味がある。 それは、モチベーションの問題でもあり、トレーニングの原則で言うところの『意識性の原則』でもある。すなわち、自ら 頑張れる人間は強い。だから、私は今日も頑張って練習している学生たちに期待している。

後半は形の練習。これもいつも通りに、平安初段から五段までみっちりと練習する。基本練習で足腰がガクガクになったが、 酸欠からは次第に回復する。最近、自主トレでは平安の形はほとんど練習したおらず、もっぱら慈恩、時間があれば抜塞大を 練習しているので、慈恩・抜塞大の練習は疲れていても身体が動くので不思議なものだ。最後に、現役の学生たちだけで 自由一本組手の練習。 基本一本組手もそうであるが、自由一本組手で最も重要なことは相手との間合いである。これが できないと、自由組手でも突きが入らないか、相手に当ててしまったりする。 師範いわく、『自由一本組手の突きは、自由組手の突きを 二挙動に分けて、極めと間合いを掴む練習だ』 さすがに次期主将候補、副将候補はそれなりに間合いが掴めている。 新人君も頑張って下さい。心地よい汗を大量にかいて、本日の練習が終了。皆さん、明日からの合宿頑張って下さい。 押忍、ありがとうございました。

師範のお言葉
・基本練習は、パワーとスピードだ。身体の締めも大事。(脇を締める。後膝を伸ばす)
・自由一本組手のポイントは間合い。これで正確な間合いが掴めなかったら、自由組手の技も極まらない。
・だから、黒帯を取るためには、自由一本組手ができることが条件になっている。


09.07.24(金) 名大金曜練習

基本:監督のご指導で移動基本徹底練習、私は最初の追突と最後の回蹴のみ、あとは師範のご指導で審判練習
形:慈恩、抜塞大

今週は、水曜日に大きな会議があったため忙しく、あまり練習ができなかった。そんな中で、暇を見つけて自主トレを やっているが、どうも最近、形の練習をやっていて、一挙動ごとの極めに力が入り過ぎて、色々なところがぶれることが 非常に気になっている。師範からも何度かご指摘を受けているが、スピードをつけるとどうしても余分な力が入るためか、 なかなか直らずに苦しんでいる。技を極めるためには、技のスピードに対抗して、最後に制動をかけなければならない。 制動が弱すぎると技が止まらない、制動が強すぎると技の威力が落ちたり、拮抗筋の間で振動(=ぶれる)を起こす。 また、制動をかけるタイミングもある。 つまり、技を極める瞬間に拮抗筋の間で力がバランスしていないと、技がぶれて 極まらない。頭では分かっていても、身体が言うことを聞いてくれない。私は、この加減の調節が下手なようである。 そう言えば、私の現役時代にも昇段審査の前の練習で、師範から 一つ一つの技をしっかり止める(極める)ことを教わったのを思い出した。昨年、慈恩の型のマンツーマンのご指導で、 身体のぶれを注意されてから、自分でも注意するようになり少しづつ良くなっているが、恐らくは私に足りないのは 脱力=余分な力を抜くことではないかと思う。

さて、本日の練習は久し振りに監督が指導に来てくれたため、移動基本の徹底練習から始まった。いつもながら、 監督のご指導は厳しいが大変分かりやすい。前屈立移動で、前に出る時は腰から、下がる時は肩から、という基本も 教え方がうまくて感心する。私も学生に教える時に参考になるので、監督のご指導をいつも心待ちにしている。私は、 アシスタントに回った師範から、前屈立で前屈みになっていると注意を受ける。 追突は、腰を相手に向かって押し出す、 その腰の先に突き手がある、という師範のお言葉も、私には実感がこもっていて非常に分かりやすい。 追突の練習が 終わったところで、私は学生とは別に、師範から審判動作のご指導をいただく。審判動作も、形と同じく身体のぶれが 目立つという師範のご指導により、鏡の前で身体がぶれないように審判動作を繰返し練習する。最後の回蹴で、再び 学生と合流して練習する。監督の膝のかい込みの高さはいつ見ても素晴らしい。横で練習していた次期主将候補が、 いつの間にかそれに次いで上手くなっている。まさに、『男子三日相見ざればすなわち刮目して見よ』である。8時に一旦、 練習を終了した後、監督のご指導による30分の延長練習で、慈恩と抜塞大の形の練習をやった。練習終了後は、心地よい 外の夜風に吹かれながら、監督を囲んで学生たちとしばし語らい合って解散。練習、大変お疲れ様。押忍、ありがとう ございました。

師範のお言葉
・前屈立移動で前屈みにならないこと。腰を前に出す。
・追突は、腰を相手に向かってぶつけるように押し出す、その腰の先に突き手がある。
・前屈立移動は、足を平行に寄せて、平行に開く。この動きを自然にやる。
・審判は、審判動作が大事。身体の正中線を前後左右にぐらぐらさせないこと。


09.07.17(金) 名大金曜練習

基本:自然体から追突、同じく三本突、上受・逆突、外受・逆突、内受・逆突、手刀受・貫手、前蹴、蹴上、蹴込、回蹴
形:平安初段〜五段、抜塞大
組手:刻み突をバックスウェーでかわす、同じくバックスウェーと流受でかわす、相手の前手を押えて上段突、審判練習

この前の日曜日は、息子と一緒に筋トレをやりに名古屋市のトレーニングセンターに出掛けた。まだ先週の 金曜練習の疲れが取れていなかったためか、ベンチプレス80kgの3回目が持ち上がらずにつぶれて、脱出する時に 左の背中から脇腹を痛めた。それから少しエアロバイクを漕いだが、段々痛みがひどくなり、痛みで歩けなくなるほど 悪化したため、夜に救急病院に行ってロキソニンという鎮痛剤を処方してもらった。これは、昨年4月に左膝靭帯損傷の 負傷を負った時にお世話になった薬で、効き目は確かなのを知っているでこちらから頼んで医者に出してもらった。 どうも肉離れの急性症状を起こした模様。じっとしていても痛みが出るので、火曜日までは会社の仕事以外は安静に して大人しくしていた。 水曜日には痛みがかなり引いたので、自宅でゆっくりと基本練習をやってみたが、幸い痛めた箇所が空手で使う筋肉では なかったようで、一通りの動作ができることを確認して一安心。筋トレで自分の体重より重い重量を扱う時には、 本当に細心の注意が必要だ。ところで、トレーニングセンターにいたボディービルダーの人が言っていたが、筋トレは 正しいフォームでやらないと、鍛えたい筋肉以外の筋肉を使ってしまって効果がないそうだ。だからやたら重いものを 上げても意味ないとのこと。確かに全くその通りで、そのまま空手にも当てはまる。 正しいフォームで、必要な筋肉 だけを使う。余分な力はいらない。余分な力は力みになって有害だ。このボディービルダーの言うことは、どんな武道や スポーツにも当てはまる真実だ。ボディービルダーもなかなか良いことを言う。さすが身体に関しては、彼らはプロだ。

梅雨が明けたかと思うような暑い日が水・木と続いたが、金曜日は一転して梅雨空に逆戻り。今日は、次期主将候補と 他道場の黒帯のK君がいないため、私を含めて4人で少し寂しいが、組手練習ができる最小人数は確保。名大体育館は、 じめじめとしていて非常に蒸し暑い。本日の基本は移動基本はなく、腰を落とすことを主眼にして、自然体から前屈立の 突き・受けの練習から始まる。4月から6月まで2ヶ月の間、膝が痛く練習に支障があったのが嘘のように、膝の調子は 回復した。膝の酷使で軟骨がすり減ったためと思って、グルコサミン、コンドロイチン、ヒアルロンサン、コラーゲン などのサプリを色々と試したが効果がなく、一番効いたと思われるのは何とアリナミンEX。ビタミンE入りのアリナミン である。 要するに、膝が疲労限界に来ていたので、肉体疲労を軽減するビタミンB1、末梢血管の血行を良くする ビタミンEがこり固まった膝関節をほぐしたというところらしい。 基本練習が終わると、皆汗まみれとなる。続いて、 休みなく型の練習。平安初段から五段まで、3回づつ繰り返す。『君たちは身体ができていないから、3回目は息が 上がるぐらい目一杯やれ』という学生への師範のお言葉に、私も頑張らざるを得ず、後膝を伸ばすこと、余計な力を 入れないことに気をつけながらも、パワーとスピード重視で練習する。平安五段まで練習すると、さすがの私も本当に 酸欠に近い状態になった。

休憩中、次期副将候補と一緒に抜塞大の練習をした後、後半の組手練習に入る。今日は拳サポなしの真剣勝負。 しかし、拳サポがないほうが受けの要領をつかむのに良いと、私は思う。というのは、柔らかく受ける、流して受ける 感触は、やはり素手の突きと素手の受けでないと分からないからだ。また、上段の寸止め、中段のライトコンタクトも 素手でできなければ、拳サポをつけてもできない。3年目の女性が、後で私が審判練習をした時、素手で当てることを 怖がってしまって、残念ながら有効打がなかなか入らなかったのが良い例。 組手は、距離をコントロールできた方が勝つ。 相手との間合いもそうだが、技の極まる位置をコントロールできなければ、一本は取れない。 頑張って下さい。 組手練習の後半は、私は審判練習。選手が互いに回り込んだ時の位置取りが、師範から拝領した本日の練習課題。 師範に模範動作を見せていただいたこともあり、先週よりは少しマシになったが、まだまだ修行が足りない。 慣れない審判練習は、前半に組手練習をしていた時よりも汗だくとなり、師範に笑われてしまった。まあ、何事も修行だ。 練習が終わる頃、もうすぐ梅雨明けを象徴するように物凄い雨が降り出した。学生の皆さん、大変暑い中での練習、 お疲れ様です。押忍、ありがとうございました。

師範のお言葉
・平安三段で、騎馬立が四股立にならないこと。足首をしっかりと内側に締める。
・平安五段騎馬立下段払の後の背手受けは、手首を返しながら受けるのではなく、最後に手首を返す。
 この動作を速くやると、スナップが利いた背手打ちになる。
・組手の受けは手に頼り過ぎないように。まずスウェーだけて刻み突きをかわせるようにすること。
・最初から後に反っていては受けに余裕がないので、少し前かがみの姿勢からバックスウェーする。
・選手が互いに回り込む動きに合わせて、即座に審判も動くこと。


09.07.10(金) 名大金曜練習

昇級審査:昇級審査のための移動基本、形、基本一本組手の練習、昇級審査
基本:移動基本追突、三本突、上受・逆突、外受・逆突、内受・逆突、手刀受・貫手、前蹴、蹴上、蹴込、回蹴
形:平安初段〜五段、慈恩、抜塞大
組手:攻守決めて自由組手練習(私は審判練習)

最近、何だか下半身が弱くなっているような気がして、膝と腰が良くなってからまた下半身の筋トレを開始した。 既に会社体育館のマシーンでは、ベンチプレスは一番重いの(1回しか上がらないので、85〜90kg相当か?)を 上げるようになったが、レッグプレスは膝と腰を痛めるのが怖くて今までは挑戦をためらっていた。しかし、最近に なって調子がいいので今週水曜日にやってみたら、一番重いのが8回できた。何事もやってみるものだ。ただ、 これだけではスピードがつかないので、世界空手道選手権大会の女子組手の覇者エリサ・アウ選手の日本でのセミナー でやっていたトレーニングを取り入れてみることにした。YUO TUBEの動画で見つけたものなので、一部しか紹介されて いなかったが、もも上げ走(陸上のスプリンターがやっている)、片足で交互にジャンプして前進、片足で交互に 左右にジャンプして前進、の3つのトレーニングをやってみた。 いずれも、片足で着地の衝撃に耐えながらでできるだけ 高くジャンプするのがポイントであり、驚異的なバネの持ち主であるエリサ・アウ選手のようにうまく できないが、全身のバネを使う良いトレーニングと感じた。 加えて、野球のトレーニングで見たことがある、足を前後に クロスステップしながら横向きに走る練習もやってみた。野球やサッカーなどの球技で、このような補強トレーングを やっているのをよく見かけるが、空手の補強トレーングとしても使えるのではと思う。特に、私のように40代後半で くたびれてきた肉体に、喝を入れるためにはとても良い刺激になる。

ここのところ梅雨本番で蒸し暑い天気が続くが、今日も名大体育館は隣の屋内プールの建物にさえぎられていることもあり、 そよ風さえも入ってこない蒸し暑さ。本日は、学生の昇級審査の日である。まずは、昇級審査のための練習から。昇級審査用の 移動基本を皆でやると、一回だけで既に汗だくとなる。形と基本一本組手の練習は、私は学生を見守った。皆、一応 それなりのレベルにはなっている。いよいよ、昇級審査だ。見ていて思ったのは、レベルの差はあれども皆、技の極め、 気迫が足りない。基本一本組手はともかく、相手がいない移動基本・形でも、目の前に相手がいることを想定して 技を極めなければならない。 この練習日記で何度も書いたが、断じて空手はダンスなどではない。突きつめれば、相手を 倒すのが空手である。基本・形といえでも、相手を倒す突き・蹴り、倒されるのを防御する受けであるべきだ。 この心構えと気迫を持つこと、そして実際にできること、それが黒帯を取るためには、技の正確性とともに乗り越えるべき壁と思う。 ともあれ、皆、それぞれ無事に昇級し、一歩づつ黒帯に近づいた。お疲れ様でした。

昇級審査の後は、いつも通り、移動基本と形の練習に入る。とにかく暑い、しかし暑くてつらい時ほど集中して練習 しないと練習の意味がない。気合を掛けて練習をリードする。疲れはたまっているが、何だか先週よりは身体が動く。 補強トレーニングの成果が少しは出ているのかな? 最後の自由組手練習は、今日も練習に来てくれた他道場の黒帯のK君とともに 主審の練習。私は、先週よりは選手との間合いの取り方が多少は良くなったが、選手同士回り込んだ時の位置取りはまだまだ。 恐らく突きが入っていると思われるが、選手の背後に隠れて見えないことが何度かあり、今後の課題だ。 名大道場のコーチとして、 『これが試合で取ってもらえる有効技だ』と学生たちに指導できるレベルには程遠い。学生に実感として直接教えることが できる組手技術を磨くとともに、審判技術も向上させたい。 他道場ということもありプライバシーにもかかわることなので詳細は 控えさせていただきますが、大会でK君は好成績だったそうで、名大道場の学生からも拍手を受ける。おめでとうございます。 これからも頑張って下さい。学生の皆さんも、昇級審査が終わって浮かれることなく頑張りましょう。暑い中、皆さんお疲れ様でした。 押忍、ありがとうございました。

師範のお言葉
・審判動作には、切れが大事。空手の形と同じ。
・判定する手の位置が低い。手の先が肩より少し上にくるように。
・止めをかけた後、直ちに判定するように。判定の動作を極めたら、その手はすぐ下ろすこと。
・判定動作のまま手を下ろさずに歩くのは、『そば屋の出前』のように見苦しいので絶対にやらないこと。


09.07.03(金) 名大金曜練習

基本:移動基本追突、三本突、上受・逆突、外受・逆突、内受・逆突、手刀受、前蹴、蹴上、蹴込、回蹴
    昇級審査用の移動基本
形:平安二段、三段、慈恩、平安二段の指導
組手:基本一本組手、攻守決めて自由組手練習(私は審判練習)

先週痛めた腰と右手首は、ほぼ完治。ただ、腰の柔軟性は完全には戻っていない。そこで、会社体育館の壁や サンドバック相手に裏回蹴の練習を何回かやった。他の蹴り技もそうであるが、特に裏回蹴は腰が引けたいわゆる へっぴり腰では、全然威力がない。 蹴り技は腰を入れる(蹴る側の腰を前に押し出す)感覚が非常に大事で、これができて いれば、例えば回蹴で膝を正面より深く回し込むことなく、スナップの利いた蹴りが打てる。 裏回蹴の場合、腰を入れる ことは背中を少し反らす感覚になる。腰痛の後遺症で腰が少し硬くなっていたため、最初はうまく蹴れなかったが、 身体が温まってくると足裏がクリーンヒットするようになった。やはり何事も腰が肝心だ。先週、ほとんど自主 練習ができなかったせいか、月火水と自主トレをやると技の極めの時に下半身が微妙に前後にぶれていることに 気付いた。特に手刀受の後屈立がひどい。それも、前後だけの動きの移動基本よりも、平安初段、二段、壮鎮の 形における回転を伴う四連続手刀受の時にダメにようである。上下にはぶれていないので、腰の高さが 上下しているわけではなく、足を踏み込んだ勢いが止まらないような感覚である。この部分だけ何回か練習したが、 ぶれは止まらない。しかし、ゆっくりとやるとぶれは止まるので、少しづつ修正していくしかない。筋トレだけ でなく、もっとダイナミックに下半身を鍛える必要があると思い、昨日の木曜日に会社体育館のエアロバイクで、 最大負荷まで上げて1〜2分の立ち漕ぎを3回、間を普段漕ぐ軽い負荷(最大の1/2弱)でつないで合計20分漕いだ。 さすがに最大負荷まで上げると、かなりの下半身の筋力を使い、2分以上は漕げない。非常に良い筋トレになった。

最近はようやく梅雨らしい日々が続いており、今日も雨が降りやすく蒸し暑い天気。今日は本当は仕事の都合が 悪かったが、特に特急の業務でもないので強引に調整して名大練習に参加。本日も、先週と同じメンバーであり、 明後日に大会も控えた他道場の黒帯のK君が先週に引き続き練習に参加してくれた。4月から現役の黒帯がいなく なってしまった現状では、脂の乗り切ったK君が練習に参加してくれるのは、現役学生の刺激になって大変ありがたい。 準備運動だけで汗だくとなり、移動基本では昨日のエアロパイクの筋トレの疲れが残っていて、腰を落として練習 するとさすがにきつい。 しかし、きつくても頑張るのが肉体改造である。オーバートレーニングになってはいけないが、 ある程度は頑張らないと40代後半の肉体は衰えていくだけだ。 基本の最後に昇級審査用の移動基本を2回繰り返すと、 かなりの体力を消耗した。小休止の後、形の練習に入る。現役学生の昇級審査が控えているため、昇級審査用の形を 練習。その後、明後日の大会を控えたK君のため、慈恩、抜塞大、燕飛の練習をしたが、私は慈恩の後は3年目の 女性と2年目の新人君に平安二段の指導。師範も仰っているが、この平安二段は意外と奥が深い。特にポイントは 逆半身であるが、その他にも応用が利く動作が随所にある。かくいう私も、時々自主トレで平安二段を練習している。 何度も練習して、基本動作をマスターしてほしい。K君が慈恩と燕飛の形を試合形式で練習する。うまい人の形を 見るのも、空手の練習のうち。学生たちにしっかりと見るように言った。後でK君に聞くと、かなり練習したそう であるが、先週とは見違えるように技が極まっている。学生たちも大いに刺激を受けたようである。

後半の組手練習は、昇級審査のための基本一本組手から始まる。気合が足りない人はいるが、基本一本組手の 最大のポイントである間合いは一応皆OKだ。本日の最後は、自由組手の練習であるが、私は主審の練習を行う。 本日の課題は、主審の位置取り、すなわち、選手との適正な間合い、選手の動きに対する主審の動き方である。 今日の練習は、攻守こそ決めているものの、技は自由、反撃ありで、ほぼ実戦形式なので、選手の動きが激しく 主審としての位置取りが難しい。無意識のうちに選手の動きについて行こうとして、選手に近づきすぎてしまって、 師範のご指導を受ける。確かに近づきすぎると、確かにかえって技が見えないことが多い。適正な間合いは1.5mで、 選手の動きに合わせて位置取りを修正する。しかし、これがなかなか難しい。特に互いに回り込んだ時、それの動きに ついていけず、死角ができてしまう。この死角になる時間を最小にするのが、うまい主審であるが、今の私にはできない。 師範に模範を見せていただいたが、位置取り、素早いステップ、審判動作のキレ等、まるで形の演武を見ているようで、 主審とはかくあるべしという動作に思わず感動。これは、実際に自分で主審をやってみて、その難しさを体感した者で ないと分からないと思う。 大変勉強になり、修行になりました。K君、組手も快調のようです。明後日の大会、頑張って下さい。 現役の皆さんも、昇級審査で少しでも黒帯に近づくように。押忍、ありがとうございました。

師範のお言葉
・平安二段の最大のポイントは逆半身。腰を切ること。抜塞大にも逆半身の構えがある。
・形の順番は無意識にできるまで、徹底的に練習すること。
・主審は、位置取りが大事。選手と適正な距離を保ち、技が見えるように位置取りをその都度修正する。
・組手で技を極めた後、しっかりと残心を取ること。


09.06.26(金) 名大金曜練習

基本:自然体から手刀受、前屈立前蹴、自然体蹴上・蹴った後に騎馬立で腰落とす、同じく蹴込、前屈立回蹴
    昇級審査用の移動基本
形:平安二段、三段、慈恩、慈恩の指導
組手(ミット練習):刻み回蹴・逆突、継ぎ足で逆突、裏回蹴・追突、刻み回蹴・裏回蹴・追突

毎週、日曜日または月曜日は筋トレの日にしている。高校生の息子が日曜日に名古屋市のトレーニングセンターに 筋トレに行く時は、私も一緒に筋トレをやっており、日曜日に筋トレをやらない時は月曜日に会社体育館で筋トレをやっている。 会社ではパワーリフティングがあって、100kg超えるバーベルで楽々ベンチプレスをこなす人たちがおり、大変 励みになる。この前の日曜日は、トレーニングセンターに行った。久し振りに息子とベンチプレスの補助を交代でやったが、 いつも間にか息子が100kgを超えるバーベルを上げるのには驚いた。体重も100kgを少し超えているので、 上げて当然といえば当然であるが、高一で100kg以上上げる人間はそんなにはいない。対する私は、2日前の 名大金曜練習の疲れが残っていたため、85kgを上げるのがやっと。しかし、体重は65kgなので、体重当たりの重量では まだ負けてはいない。65kgのスクワットを軽くやった後、調子に乗ってハイクリーン(床から肩までバーベルを 持ち上げる動作、重量挙げ競技の種目ジャークの前半部分)を4月以来久し振りにやったら、腰に疲労がたまっていたのと 少し姿勢が良くなかったのか、腰をやってしまった。 翌日の月曜日から水曜日まで、急性の腰痛で腰が完全にロック されてしまい、空手の練習どころか、椅子に座った状態からすぐに立って歩けないなど日常生活にも支障をきたす有様に なってしまった。急性症状の腫れが引くまでは、下手にストレッチなどやるとかえって悪化することを経験上知っているので 最新の消炎剤ジクロテクトを貼って、エアロバイクで軽く足腰をほぐす程度で大人しくしていた。大正製薬の消炎剤ジクロテクトは、 もともと医療現場での鎮痛剤として使用されてきたジクロフェナクという消炎剤が一般用医療品として認可され、今年の4月に 大正製薬から発売されたというものである。腰痛は医者など行っても仕方がないので、この貼り薬と塗り薬と両方薬局で購入したが、 痛みに直接効くとの宣伝通り、なかなか良く効いた。嫁さんも驚いていたが、木曜日には何と軽く移動基本の練習ができるまで回復した。

さて、本日の練習は仕事の都合で、いつもより少し遅れて参加。現役メンバー4人がちょうど練習を始めるところに、 私と他道場の黒帯のK君が名大道場に到着。各自でウォームアップの後、途中から練習に加わる。梅雨の合間の30℃を 超える暑い一日の余韻が残る体育館では、すでにウォームアップだけで汗だくになった。それでも練習内容はいつもと 同じメニューで、全くの容赦がない。しかし、暑いからこそ集中して練習しなければ練習の意味がないので、気合を入れる。 消炎剤の威力か、幸い腰は何ともない。私が水曜日まで急性の腰痛で動けなかったなど、誰も信じないだろうと思う。 基本練習の最後に、昇級審査用の移動基本を2回やると、皆、暑さでヘトヘトとなる。 さすがの私も、かなり体力を消耗したので、基本の後の休憩の時に水分補給と深呼吸で酸素補給に努める。また、学生にも 水分を充分に取るように注意した。続いて、形の練習に入る。平安二段、三段、慈恩と練習するが、私は先週の金曜練習で 師範のご指導を受けた前屈立の後膝の張りを特に注意して練習した。やはり、後膝の張りを意識するとしないで、前屈立の 足腰の締めが全然違う。これを無意識にできるようにしなければ…。慈恩まで練習した後、私は3年目の女性と2年目の 新人君に慈恩の形の指導。残りのメンバーは、抜塞大、燕飛の練習。

最後の組手練習は、いつもと目先を変えてミット練習となった。実は、私は右手首を痛めていて右の突きのミット打ちは 非常に不安であった。というのは、腰痛のため空手の自主練習ができないフラストレーションがたまったので、水曜日に 上半身の筋トレをやった時に、会社体育館のトレーニングマシーンに貼ってあるスポンジを巻きわら代りに左右各50発ぐらい 突きを入れたところ、表面はスポンジで柔らかいもののトレーニングマシーンは鉄でできており全くびくともしないため、 利き手側の右の突きの衝撃で右手首の外側に痛みが走った。にもかかわかず、それから更に30発ぐらい突きを入れたため、 翌日の木曜日は痛みのため右手で物を持てなくなった。しかしこれも、新兵器の消炎剤により、ミットを突いても何とも ない程度に回復したようである。これも誰も信じないと思う。恐るべし、ジクロテクト。(しかし、後からきて、帰宅後また 痛みが出て消炎剤を貼る) 今日は、裏回蹴がうまくできない。しかし、原因ははっきりと分かっている。裏回蹴は、上体と腰を少し反るぐらいの 感覚で蹴らないと威力がない。腰痛の後遺症で、身体を後に反らすことができないので、裏回蹴ができなくて当たり前である。 ともあれ、たまにはミット練習も、突き・蹴りの正確性、パワーを養うのに非常によい練習である。3年目の女性、蹴りは 満点なのに突きが遠くて極まらない。それは、蹴りの後の踏み込みが甘いため、ということがミット練習をやると良く分かる。 ミット持ちを皆で交代し、存分に練習して本日の練習終了。皆さん、暑い中、大変ご苦労さまでした。押忍、ありがとうございました。

師範のお言葉
・ハードな練習も、練習した分だけ強くなれる。
・組手練習で、上段突きをしっかり極める練習をしていないと、試合で上段突きは極まらない。
・裏回蹴で相手のガードをこじ開けて、上段突きを極める。


09.06.19(金) 名大金曜練習

基本:前屈立追突・下がって下段払の反復練習、移動基本三本突、上受・逆突、外受・逆突、内受・逆突
    手刀受、前屈立前蹴、前屈立回蹴、移動基本蹴上、蹴込
形:平安初段〜五段、慈恩、燕飛
組手:審判練習

先週の土曜日は、名大道場のOB総会があり、懐かしい顔がそろった。夏の合宿での厳しい練習、体育館でなく 大学校舎屋上のコンクリートの上で練習したこと、など昔話に花が咲く。名大道場も今年で三十周年を迎えるため、 来年に記念式典を予定しており、その話でも大いに盛り上がった。ただ残念なことに、私も含めていまだに空手を 続けているOBは数えるほどしかおらず、この素晴らしい武道をまた再開してもらえたらと願っている。 歳を取っても 年齢に応じた空手スタイルがあることが、最近になって段々分かってきた。歳を取ったからと言って、技の進歩が 止まるわけでもなく、止まったとしたらそれは歳のせいではなく、前に進むことを止めた自分自身の心のせいである。 つまり、心が後ろ向きになったため、身体ではなく心が老いたのである。前進している限り、歳を取って例え身体が 老いても、心は老いることはない。親がこの姿勢を貫いていれば、きっと子供にも伝わると私は信じている。これが、 今も私が空手続けているゆえんである。

最近、梅雨入りしても雨が少なく空梅雨気味で、今日も昼間はかなり暑くなった。夕方になって外は涼しくなっても、 名大道場の体育館には昼間の熱気がこもっている。学生3名と私の計4名で本日の練習開始。今日の練習の主眼点は、 腰を落とすことである。まず、最初の練習は、前屈立追突・下がって下段払の反復で、腰を落として且つ早く動く練習。 やっと膝が良くなったとは言え、これまで膝をかばってきた私には結構きつい。この練習を真剣にやるときつい理由は 実は他にもあって、追突と下段払で腰の切返しが入るので、技に切れを出そうとするとこの腰の切返しが応えるからだ。 続く移動基本は、『腰を落として且つ早く移動すること』を練習。呼吸が大事との師範のアドバイスに従って、 体育館の暑さに負けず皆頑張って練習する。私は蹴りがまだ万全ではなく、前蹴ではスナップの足の戻しが甘く、また 回蹴では膝の横への抱え込み位置が低いとのお言葉を頂いた。そう言えば4月に両膝痛めてから、回蹴の抱え込みの 練習をやっておらず、抱え込みが甘くなっているのが分かった。 基本練習の後の小休止で師範いわく、『できる腰の位置で 何十回練習しても、進歩なし。できない腰の位置で練習する、すると身体が腰の位置に馴染んで動くようになる。これが 肉体改造だ。』 確かにその通りで、何事もできないことをできるようにするのが練習である。できるようになれば、 肉体も変わってくる。この初心を忘れないようにしたい。

後半の形の練習から、他道場の黒帯のK君が練習に加わる。黒帯が一人でも増えると練習が引き締まるので、本当に ありがたい。形の練習も引き続き腰を低く落とすことを心掛ける。慈恩の形の練習をしている時に、師範から前屈立の後膝が 曲がっているので張るようにとのアドバイスを頂いた。これまで痛めた膝をかばっていたため、後膝の張りを無意識に 緩めていたことに気付いた。かって5年前に肋骨を負傷した時に、リハビリのため師範が指導している少年空手クラブの 練習に参加させていただいた折、年配の指導員のWさんから前屈立についてアドバイスを受けたことを思い出した。 Wさんの前屈立は、年配にもかかわらず腰の位置は低く、後膝も真っ直ぐに伸び、綺麗な立ち方に思わず感銘を受けた記憶がある。 Wさんは基本通りに立ては、後膝はぴんと張りお尻の下にくぼみができると仰っていた。つまり、後側の腰と大殿筋が締まる ということである。 後膝を張るためには、後足の付け根のある腸腰筋の柔軟性が必要だ。腸腰筋は足を上に上げるために必要な筋肉で、 インナーマッスルであるため外から見えない筋肉である。蹴り技には、全てこの腸腰筋が駆使される。蹴りが上手い人は、 皆この腸腰筋が発達している。 歳を取って足を使わなくなると、腸腰筋は退化する。年寄がつまづきやすくなるのは、腸腰筋が 衰えて足が上がらなくなるからだ。前屈立で、後膝を伸ばそうと思っても伸びないのは、腸腰筋が固くなっているか退化 しているかで、すなわち師範いわく『若々しい前屈立なら、後膝をぴんと伸ばせ』ということになる。 以後、後膝の張りに 注意して形の練習を続ける。最後は、学生の自由組手の練習で、K君とともに審判練習をする。前半の基本練習がハード だったため、練習が終わる頃には皆かなり消耗していたようです。本当にお疲れ様です、また頑張りましょう。 押忍、ありがとうございました。

師範のお言葉
・前屈立の腰の位置を低く、かつ早く動くことが松濤館流の空手。
・膝の位置が足首より前に来るぐらい、膝を曲げること。
・できる腰の位置で何十回練習しても、進歩なし。できない腰の位置で練習する、すると身体が腰の位置に馴染んで
 動くようになる。これが肉体改造だ。
・後膝が曲がった前屈立は、よくない。若々しい前屈立なら、後膝をぴんと伸ばせ。
・回蹴で、蹴り膝を中心線より深く回し込まないこと。


09.06.12(金) 名大金曜練習

基本:自然体から前屈立追突、前屈立前蹴左右各40、前屈立回蹴左右各40
    刻み逆突・追突逆突・追突逆突、刻み逆突・前蹴追突逆突・前蹴追突逆突、審判練習
形:平安初段〜五段、慈恩、慈恩の指導
組手:基本一本組手、自由一本組手

リハビリの甲斐があって、やっと今週になって膝の状態がほぼ回復した。階段の昇り降りで膝に違和感を 感じなくなり、これまで控えていたランニングも少しづつ再開している。空手の自主練習でも、追突での前膝の 衝撃や蹴上の膝のスナップで痛みを感じることもなくなった。試しに会社の体育館でサンドバックも、前蹴、回蹴、 裏回蹴で打ち込んでみたが、その場でも後でも特に痛みを感じることがなく、ホッとしている。 五体満足の時ははあまり感じないが、怪我や故障を経験すると、『身体が支障なく動くことのありがたみ』が 本当によく分かるものだ。 ただ、しばらく膝の調子がよくなかったため自主練習が思うようにできず、スピード・パワー・スタミナの全てが 少し落ちているので、あせらずに取り戻すようにしたい。

さて、いよいよ梅雨入りして気温はそれほど高くなくても、何となく湿気を感じさせる体育館で、本日の 練習開始。参加メンバーは、次期主将候補、3年目の女性、2年目の新人君と私の4名。まず最初は、ストレッチ と足腰の鍛錬を兼ねて、自然体から前屈立追突の練習から。先々週に同じ練習をやった時は膝に違和感が残っていたが、 幸い今日は何ともない。しかし、これまでだましだまし膝をかばっていたため、膝の筋力と柔軟性が落ちているのを 感じる。続いて、前蹴と回蹴の練習に入る。本日の練習は、蹴りを遠くに伸ばすことがポイント。 『蹴り技を試合で使える ようにするためには、何十本と蹴りの練習をすること』という師範のお言葉に、皆気合が入る。 次は、私にとっては 昔懐かしい練習。私の時代は、刻み逆突・前蹴・追突逆突の連続技を延々とばてるまで練習したものだ。今日は、 刻み逆突、前蹴追突逆突、前蹴追突逆突と分けて、自由組手形式の練習。ちょっと練習したら、昔の動きを思い出した。 膝も良くなったので、身体がよく動き、学生たちを壁際まで追い詰める。この練習の後半で、私は一ヶ月ぶりに 審判練習をやった。しばらくやっていなかったのと、体力を少し消耗していたせいか、審判動作は今一つである。 気合が足りんと反省…。

後半は、形と組手の練習。前半の基本練習で結構体力を消耗したせいか、腰を落として真剣にやるときつい。 しかし、松濤館流の真髄は腰を落とすことにあり、腰高の状態で練習してもあまり意味がない。何とか師範の号令に ついていく。 最後の組手は、本日は昇級・昇段審査のための、基本一本組手と自由一本組手の練習。実は、私は ここ数か月どちらもやっていないため、うまくできるか自信がなかったが、最近の自由組手の練習で逆突を相手の 中段の皮一枚を突くように心掛けている成果が出たのか、約束組手でも返しの逆突の間合いの取り方に応用できた ようである。逆に言えば、基本一本・自由一本の約束組手で間合いを掴むことができれば、自由組手に応用できる ということである。これこそが、約束組手をやる一番の目的であると思う。何度も間合いを確認しながら練習を 繰返し、本日の充実した練習が終了。押忍、ありがとうございました。

師範のお言葉
・蹴り技を試合で使えるようにするためには、何十本と蹴りの練習をすること。
・基本一本組手は、間合いが全て。受けの段階で既に間合いの成否が決まっている。
 その意味では、基本一本組手は間合いのごまかしがきく自由一本組手より難しい。
・基本一本組手では、受けた後の逆突で前足の位置を動かさないこと。(動かしたら間合い取り失敗であり、減点)


09.06.05(金) 名大金曜練習

基本:移動基本追突、三本突、上受・逆突、外受・逆突、内受・逆突、手刀受・貫手
    前屈立前蹴左右各30、その場蹴上左右各30、同じく蹴込左右各30、前屈立回蹴左右各30
形:平安初段〜五段、壮鎮、慈恩、慈恩の指導
組手:刻み・逆突・三本目で刻み回蹴逆突追加、同じく三本目で刻み回蹴・右足で足払い・逆突
    同じく三本目で刻み回蹴・右足で足払い・逆突、同じく足払いを左足で、同じく刻み回蹴・裏回蹴
    三連続刻み回蹴・三本目で逆突

今週はプールには行けなかったが、会社体育館での短めの自主練習の後、膝に優しいエアロバイクで膝をほぐす と同時に少し負荷を上げて漕いでみた。ランニングのように膝に衝撃は掛からないが、負荷を上げると下半身の 筋トレや心肺のトレーニングになる。 10〜20分間エアロバイクを漕ぐと太ももが張ってくるが、その後少しだけゆっくりと ランニングをやって膝を衝撃に慣らす。月曜日から木曜日までこのメニューでトレーニングを続けたら、膝の 状態がかなり良くなった。 4月上旬に自主トレで右膝を痛めてからなかなか治らず、5月に入ってからは左膝まで おかしくなってしまったのだが、ようやく泥沼の状態から脱出できそうである。水泳・エアロバイクで膝を ほぐし、かつ衝撃を掛けずに筋力を鍛えるというのが良かったと思われる。

さて今日は、日本の南に前線が停滞していよいよ梅雨に入ったようであり、朝から雨が降っていて気温の割に 名大体育館の中は蒸し暑い。副将候補と2年目の新人君と私の3人だけの練習で少し寂しいなと思っていたら、 練習開始後間もなくありがたいことに他道場の黒帯のK君が練習に駆け付けてくれた。黒帯が2人いると、 練習の雰囲気が全然違う。まずは、移動基本の 追突から。いつもの三本1セットでなく五本1セットなので、最初の練習としてはかなりきつい。前膝を深く曲げて腰を 落とすようにして練習すると、足腰の負荷はハードですぐに汗が噴き出てくる。しかし、膝の状態は先週と比べると やはり調子がいい。蹴りの練習も、膝の違和感がなくなっており、特に支障なくできた。ただし、膝のスナップが なくなっているので、もう少し時間を掛けて元の状態に戻したい。また蹴込で力が入り過ぎており、師範のご指導を 受けたので、上体に余分な力を入れないように注意したい。基本練習が終わった頃には、皆かなり体力を消耗した様子。 続いて形の練習に入る。平安初段〜五段まで一通り練習、小休止の合間に師範からお呼びがかかり、K君と2人で 壮鎮の形の練習。この形は壮鎮立がポイントであり、壮鎮立ができないと形にならない。また、緩急も大事で、 早い動作とゆっくりの動作をスムーズにつなげるのが難しい。慈恩まで練習して、いよいよ待望の組手練習だ。

まず、先々週に練習した刻み・逆突・三本目で刻み回蹴逆突追加の練習から。膝の調子が回復しているため、 踏み込みが良くなり、今日は刻みの後の逆突がよく入る。何度か相手の中段に突きがライトコンタクトする。しかし、 意外に新人君が一番ガードが固く、逆突をガッチリとはじく。それでも新人君の中段に突き込むと一度はヒットしたが、 下がって受けるので入らない。これでは自分が反撃ができないのだが、相手の有効打も入らないので、思ったより新人君が したたかなような気がしてきた。彼は決して器用とは言えないがさぼらずに練習に出てきているので、組手の経験を 積めば今後が楽しみである。 何でもそうであるが、およそ人間の成長は直線的ではなく階段状になっており、成長が 止まったかに見える時期が長く続いても、ある時、何かのきっかけで、これまでできなかったことができるようになる ものである。つまり、ブレイクスルーする(限界を突き抜ける)のである。 早い話が私の刻み回蹴や裏回蹴が良い例である。 空手を再開した6年前には、どちらも中段を蹴るのがやっとの状態であった。それが、一年半前ぐらいから刻み回蹴が 相手の上段に届くようになり、裏回蹴に至ってはできるようになったのはほんの2・3ヶ月くらい前にYOU TUBEで裏回蹴・ 刻み裏回蹴・後回蹴の移動基本の動画を見つけてそれを自主練習に取り入れてからなので、本当につい最近できるように なったばかりである。たとえスランプになって足踏みしてもあきらめずに練習すれば、50近い歳になってもそれなり にはできるようになる。後回蹴も、今はまだできないがいつかはモノにしたいと思っている。学生の皆さん、基本、形、 組手の技、すぐにはできなくても、地道に練習すればいつかはできるようになります。ただし、上手い人の技を見て 研究するなどの努力も必要です。頑張って下さい。押忍、ありがとうございました。

師範のお言葉
・回蹴は遠くへ伸ばしてから足を下ろす。(技を大きくする練習)
・壮鎮の形は壮鎮立がポイント。緩急も大事。
・指示された技をまず確実にできるようにするのが、組手の技の練習だ。
・裏回蹴は、足を棒のように伸ばして当てて、そのまま下ろす。(足を下ろす時に膝を曲げない)


09.05.29(金) 名大金曜練習

基本:自然体から前屈立追突、移動基本三本突、上受・逆突、外受・逆突、内受・逆突、手刀受・貫手
    前屈立前蹴左右各50、その場蹴上・騎馬立で腰を落とす左右各30、同じく蹴込、前屈立回蹴左右各50
形:平安初段〜五段、慈恩、慈恩の指導
組手:突きの捻りと前腕の締めを意識して刻み・逆突、同じく刻み逆突・逆突逆突
    三連続刻み回蹴、三連続刻み回蹴・三本目で刻み逆突追加

今日は曇で時々雨が降るという予想に反して天気が良く、日中は暑かった。本日の練習も、その余韻を受けて 少し練習するとすぐに汗が噴き出て身体が温まるので、膝の調子が悪い私には、ある意味絶好のコンディション。 練習参加者は先週と同じく、次期主将・副将、最近再び練習に参加している3年目の女性、2年目の新人君と私の5名。 まずは先週と同じく、自然体から徹底的に腰を落として前屈立追突の練習でウォームアップ。ランニングを控えたり、 エアロバイク、プールで膝をほぐすリハビリが効いているのか、先週よりは膝の違和感が和らいでいる。続く移動基本の 練習も問題ない。今週の自主トレでも確認したが、スピードはほぼ戻っている。問題は、膝関節に負荷がかかる蹴りの 練習で、まだ自主トレでも全開モードになっていない。従って、本日も7分目のスピードでの練習。 しかし、本日の メニューは全て左右交互ではなく、左右各何回なので、先週と比べて回数が多いのと、どの蹴りも最後の10本だけは 気合を入れて全開モードで蹴ったため、基本の練習が終了するとかなり膝にきたのを感じた。 といっても、これだけ蹴れるようになったのだから、リハビリもあと一歩だと前向きに考えるようにしたい。

さすがに次の形の練習では、膝の違和感が残った状態であり、無理をするとまずいと思われたので、師範に お願いして膝が回復するまで練習を辞退させていただく。膝をほじくながらアドバイスのため学生の形を見ているうちに、 膝が回復してきたので平安五段から練習に参加する。 休んでいるうちに膝が冷えてしまったため、最初のうちは膝が ギクシャクしていたが、よく自主トレしていてやり慣れている慈恩を練習していると、不思議なもので膝が空手の動きに馴染んできた。 慈恩の後、次期主将・副将は師範のご指導のもと、抜塞大の練習、私は3年目の女性、2年目の新人君に慈恩の指導。 3年目の女性が慈恩の順番をまだ完全には覚えていないので、私も一緒に何回か通して練習する。師範からは、私の膝の 状態についてお気遣いのお言葉をいただき、本当に恐縮です。

最後の30分でいよいよ待望の組手の練習。本日は、相手が受けにくい突きの練習から。突きに捻りを加えて、 極めで前腕を締めることを意識して、刻み逆突を練習する。師範いわく、突きは前腕と背中の締めで打つ、締まった突きは 簡単には受けられないとのこと。この練習は重りを持ってやると効果倍増とのことだが、私は重りが重すぎたのか以前に 左肘を痛めてしまって、重りを持った突きの練習を自粛している。代りに、自主トレで時々会社の体育館の木製の壁を 突いている。手のひらを上に向けて構えて、左右交互に突きを入れ、インパクトの瞬間だけ拳を強く握る。拳を 握る力が弱いとインパクトの衝撃に耐えられないので、自然と前腕が締まる。サンドバック打ちや筋トレの成果もあるが、 最近、前腕部が以前より太くなったような気がする。前腕部が太くなると突きが重くなるのは確かなようである。 また、先週の土曜日、家の前の止まれの標識の鉄柱を左右の正拳で思いっ切り突いて、一週間たっても両拳が少し腫れているが、 これは少しやりすぎである。ともあれ、学生も受けにくい突きとは何たるかを少し理解したようである。続いて 三連続刻み回蹴で相手を追い込む練習。これは応用が効くように思う。今日の練習では、その後で刻み逆突を入れたが、 相手の注意が相手の右上段に行っているので、そこで足払い・逆突、もっと単純に中段逆突でも極まるかもしれない。 場合によっては、逆を行くと見せかけて、先週練習した足払いのフェイント・裏回蹴も考えられる。 学生の皆さん、 まずは指示通りの練習ができるようになること、できるようになったら次に応用です。一つの技から色々な応用が できるようになれば、どの技がくるか予測できないので間違いなく組手の達人になれます。 (不器用な私には前途遼遠の道のりですが) 若い皆さんなら、頑張ればある程度は できるようになるはずです。押忍、ありがとうございました。

師範のお言葉
・蹴りはスナップと遠くへ伸ばすことの両方とも大事。(本日の練習は、遠くへ伸ばすことがメインでした)
・突きは、前腕部と背中の締めで打つ。ひねりを加えて、前腕を締めて打つ突きは重く受けにくい。
・突きはウズラの卵を握りつぶすように打つ。(最初は力を入れず、インバクトの瞬間に握る)
・蹴り技の連続で相手を追い込むと、相手は受けの余裕がなくなるので、突きが有効になる。


09.05.22(金) 名大金曜練習

基本:自然体から追突、同じく三本突、上受・逆突、外受・逆突、内受・逆突、手刀受・貫手
    かがんだ相手の背中越しに前蹴、回蹴を交互に打合い、その場蹴上左右交互、同じく蹴込
形:平安初段〜五段、慈恩、慈恩の指導
組手:刻み・逆突、三本目で更に刻み回蹴・逆突、同じく三本目に刻み回蹴・右足で足払い・追突
    同じく三本目に刻み回蹴・左足で足払い・逆突、同じく三本目に刻み回蹴・右足で足払いのフェイントから裏回蹴

先週、あまりにも膝の調子が思わしくなく、しかも両膝ともなので、少し自主トレを見直すことにした。 当面は、膝に衝撃がかかるランニングは膝が良くなるまで自重して、代りに会社の体育館にあるエアロバイクを こぐことにした。空手の自主練習を軽めにして、その後でエアロバイクをこぐと、膝の張り・違和感がほぐれて 非常に良い。また、これまた久し振りにプールにも2回行って、クロールで30分ぐらい泳いだり、水中歩行して 膝をほぐした。左膝靭帯損傷の時のリハビリでもやったが、水泳は体重や衝撃がかからないので、下半身の リハビリとしては最適であり、真剣にやればそこそこの運動量になり、また筋肉や靭帯・関節も柔らかくなる。

時折雨がしとしと降り、梅雨時のように少し蒸し暑い中、今日の金曜練習が始まった。上記の自主トレの効果は、 すぐに現れた。膝がまだ本調子ではないとはいえ、自然体から腰を落として前屈立追突の練習で、先週・先々週より 膝の違和感が軽くなっているのを感じた。スピードはまだ完全には戻っていないものの、それなりには動く。 やはり、40代も後半になると身体のケアにも一工夫が必要だ。若い頃のようにがむしゃらに やるだけでは駄目なようである。 しかし、さすがに蹴上は、膝のスナップを使うとまだ違和感が残るので、7分目のスピードに抑えた。 続く形の練習は、平安初段から五段まで一通り練習した後、平安の形の延長線上にあるので『平安六段』と言っても よい慈恩の形の練習。学生時代の頃から私は、この慈恩という形が好きだ。至る所に円の動きがあり、その名の通り 慈しみを感じる。抜塞大の形が、逆に力強さを感じるのとは対照的である。

残り30分で、待望の組手の練習に入る。先週も少しやったが、今日の方が身体がよく動く。まずは、先週と 同じ、刻み・逆突、三本目で更に刻み回蹴・逆突の練習。膝が良くなってきた分だけ踏み込めるためか、逆突が よく極まる。 相手が受けようとしても極まるのは、恐らく最近の筋トレで筋力が復活したため、受けにくい突きに なっているためと思われる。実際、相手が受けても相手の中段にライトコンタクトしていることが何度かあった。 帰宅してから、右腕内側一帯が赤く腫れていたのは、相手が受けるのにそれだけの力で弾かねばならなかったという、 いわば勲章みたいなものである。さて、本日は足払いのメニューが追加される。回蹴の後の足払いは、回蹴で相手の 注意を上段に引きつけておいて、下段に足払いを打つので非常に有効な技と思う。更に極めつけは、足払いの フェイントで裏回蹴である。しかも、今日の練習ではやらなかったが、足払いのフェイントで回蹴もあるので、 このフェイントは裏回蹴と回蹴と両方とも使いこなせれば、実戦でもポイントが取れる面白い技と思う。余談であるが、 私が裏回蹴という技を知ったのは、6年前に空手再開してからであり、当時は身体が硬く不器用な私には相手の上段まで 届かず、とても使えるようになると思えなかった。それが、40代後半の今になってそれなりにできるようになったのは、 何だか痛快な話ではないかと思う。 現役の皆さん、練習すれば必ずできるようになります。身体が硬く、不器用の 見本のような私でさえ時間をかければできたのだから。

ちなみに、昨年末の 全日本空手道選手権大会の組手準決勝で、高校生の荒賀選手に残り22秒時点まで4−8とリードされるという絶対絶命の ピンチに、一昨年の覇者の松久選手が放った裏回蹴の一本が、まさしく奇跡とも言える大逆転のきっかけとなっています。 この試合はDVDに録画してありますが、何度見ても素晴らしいです。その後は一進一退、最後は10−9で 松久選手の勝ちとなりました。この残り21秒間の攻防の中身はものすごく濃く、戦慄さえ感じ させるものでした。敗れたとはいえ、松久選手をあわやというところまで追い詰めた荒賀選手にも、場内から惜しみない 拍手が送られました。 およそ、空手の道を志す限り、このような素晴らしい試合ができるように精進したいものです。 現役の皆さん、頑張りましょう。押忍、ありがとうございました。

師範のお言葉
・足払いは、横に払うのではなく、斜めに引く。必ず防御しながら、足払いに行くこと。
・左足、右足の2種類の足払いが使えるようにすること。どちらが来るか予測できないから、有効な技になる。
・膝近くを払うとローキックとなるので、低い位置を払うように注意すること。
・何事もやってみないと、できるようにならない。(裏回蹴の練習で)


09.05.15(金) 名大金曜練習

戦慄

基本:前屈立移動、移動基本追突、三本突、上受・逆突、外受・逆突、内受・逆突、手刀受・貫手
    かがんだ相手の背中越しに前蹴、回蹴を交互に打合い、移動基本蹴上、蹴込
形:平安初段〜五段、慈恩、抜塞大
組手:刻み・逆突、三本目で刻み回蹴・逆突を追加、審判練習

 今週も両膝とも調子が悪く、何だか膝の潤滑油が抜けてしまったようで、膝を曲げにくく、不安定な感じだ。 自主練習や下半身の筋トレも軽めにしているのだが、疲れがたまったままで体調が思わしくないせいもあって、 膝の状態の回復が遅い。他道場の黒帯のK君も以前に膝を痛めていたそうだが、仕事が忙しくてあまり練習 できなかったのがかえって休養になって、今は膝の状態は良くなったとのこと。 『休養もトレーニングのうち』という 言葉もあるので、自主練習が休みの日にやっていたランニング(膝に衝撃がかかる)を控えるか、一年前の 左膝靭帯損傷の時のリハビリでやったように衝撃の少ない芝生の上を走るか、少し考える必要がありそうだ。

本日の練習は、次期主将・副将、2年目の新人君とともに、先週に引き続き他道場の黒帯のK君も参加して、 5名で練習開始。まずは、前屈立移動から。歩幅を小さめにして、腰からの移動、腰を切ること、素早く後足を 伸ばすことがポイント。早くも、師範から私の膝の調子が依然として良くないことを見抜かれてしまった。 次の移動基本追突は、徹底的に腰を落として繰返し練習する。『身体をいじめ抜け!』との師範のお言葉に、 膝が悪いためスピードは今一つでも腰だけは落とすように頑張る。実はこの練習は、会社の体育館での自主トレで 時々やっている。しかも5本1セットではなく、15本1セットで一往復(調子がよければ二〜三往復)、横一面に 張り巡らされた鏡で腰の位置をチェックしながら徹底的にやる。腰を落とすのに良いトレーニングではないかと思う。 移動基本の受けで、師範から『相手が前にいるつもりで練習すること』とのアドバイスがあった。これは、基本 だけでなく、形の練習でも全く同じこと。そうでないと、基本・形とも単なる『空手ダンス』になり下がる。 私自身よく分かっていながら、練習がきついと意識がおろそかになることがあるので、気をつけるようにしたい。

基本に続いて形の練習を一通り終わった後、私にとって久し振りの組手練習である。今日は、刻み・逆突と 受けの反復練習。 やはり、組手はいい。間合いの感覚、突き・受けの感触を思い出しながら練習する。 拳サポなしの素手の自由組手練習は、当ててしまいそうで怖くもあり、逆に緊張感で心地良くもある。 最後は、K君とともに 審判練習をやる。段々、実戦形式に近付いてきた。技は自由、互いに回り込む、こうなると審判の位置取りが 大変難しい。恐らく有効と思っても、見る角度が悪いと有効を取れない。師範いわく、審判はやればやるほど 上達するとのこと。名大練習での審判で、『この技が有効なんだ』と現役学生に教えてあげることができたら、 この老体(冗談ですが)でも学生の組手練習のお役に立てると思います。押忍、ありがとうございました。

師範のお言葉
・前屈立移動は、腰から移動する。(前のめりにならない) 後足を伸ばして素早く前進すること。
・移動基本の受けは、相手が前にいるつもりで練習すること。(実際に突きが来ても受けられるように!!)
・刻み回蹴の次の逆突を返すためには、逆突を左手で押さえて受けると同時に上段に逆突を打つ。
 (凡人には、これがなかなか難しいです。)
・審判動作の時、首を動かさないこと。(形と同じ)
・審判動作は、『止め』が一番大事。タイミングをしっかり掴むこと。
・良い審判は、選手を育てる。(良い判定によって、選手が技の極め方を体得する)


09.05.08(金) 名大金曜練習

基本:追突・下がって下段払の反復、移動基本追突、三本突、上受・逆突、外受・逆突、内受・逆突、手刀受・貫手
    前蹴、蹴上、蹴込、回蹴
形:平安初段〜五段、燕飛、慈恩、観空大
組手:審判練習

先週の金曜練習がかなりハードだったためか、4月の初めの自主トレで痛めた右膝がまたおかしくなって しまった。とりあえず、インドメタシン入りの塗り薬で冷やしてケアに努める。しかし、やめておけばいいのに 日曜日に自主トレをやってしまい、正座ができなくなるほど悪化してしまった。さすがにこれはまずいと思い、 火曜日に名古屋市のトレーニングセンターで軽い筋トレをやっただけで、あとはジョギングでほぐす程度にして、 大人しくしていた。木曜日に会社の体育館で、軽く平安、慈恩、観空大の形を練習したところ、七分目のスピード なら何とかできたので、取りあえず一安心である。 ある程度は頑張らないと、空手の道に進歩はないのだが、 四十代も後半になると、その頑張りに対する身体の許容レベルの見極めが本当に難しい。 体調、疲労度合によって、 同じだけ頑張っても何ともないこともあれば、今回のようにダメージが残ってしまうことがある。昨年4月の 左膝靭帯損傷の後、1ヶ月の松葉杖生活を含めて3ヶ月ほどまともに練習できない期間があったため、一旦弱って しまった下半身の筋力・靭帯の強度などが完全に戻っていないこともあると思われる。まだ、断じて老けこむ 歳でもないので、焦らずに少しづつ鍛えていこうと思う。中でも、60kgぐらいのバーベルを背負って、 小刻みに騎馬立スクワットをやるのは非常に有効に感じるので、最近よくやっている。

本日は、久し振りに他道場の黒帯のK君が練習に参加、そしてこれまた久々に女性のYさんも練習に来たので、 総勢7名のにぎやかな練習となる。最初に正座した時、やはり右膝に違和感を感じたが、一応正座はできたので、 膝をだましだましながら基本の練習を開始する。女性のYさんに合せて、先週よりは練習の間のインターバルが 長いのだが、それでも膝が悪いためかキツイ。次期主将・副将に比べて動きが一瞬遅れてしまっているのを見て、 何くそと気合を入れる。膝が温まってくると、ようやく動きが追いついた。それにしても、次期主将・副将ともに 動きが早くなった。さすがに3年目ともなると違う。対する私は……。いや、それは考えないことにしよう。 私は、私の年齢に合った空手をやるだけだ。もっともこの場合の年齢とは、暦年齢ではなく、身体の実態年齢のことである。 繰り返すが、四十代後半という暦年齢に甘んじるつもりはない。 続く、形の練習で、三十代後半のK君とともに、 腰を落として練習するように、師範からご指導を受ける。やり慣れている慈恩は腰を落とせるが、他は確かに 腰の位置が高い。膝をだましつつ、腰を落とすようにする。最後の観空大は、休憩時間にK君と二人での練習。 ここまでの練習で十分に体力を消耗したので、演武時間の長い観空大は身体にこたえるが、学生が見ているので いい加減なことはできず、気合で踏ん張る。

最後の組手練習では、私とK君は審判練習。学生が攻守と技を決めて組手練習をし、それに対して審判動作を 練習する。最初は私の動作を見ていて、初体験のK君が実際にやってみるが、私が最初にやった時よりサマに なっているので驚いた。師範いわく、形と審判動作は同じ、形がうまいと審判動作もうまいとのこと。 後でK君に聞くと、審判練習はなかなか面白くて勉強になったそうであり、大変良かったと思う。是非また練習に 参加して下さい。現役の皆さんも、お疲れ様でした。押忍、ありがとうございました。

師範のお言葉
・基本、形とも腰を落とすことを意識して練習すること(それが松濤館流)
・蹴りは、引き足を素早く戻すこと。(スナップを効かせる)
・審判動作は、空手の形の動作と同じ。手足一致。更に言葉も一致。
・審判が試合をつかさどる。審判がダメだと、良い試合にならない。


09.05.01(金) 名大金曜練習

基本:前屈立・逆突、自然体から前屈立追突、同じく三本突、上受・逆突、外受・逆突、内受・逆突、手刀受・貫手
    前屈立前蹴テンポ早く、自然体蹴上、同じく蹴込、回蹴
形:平安初段〜五段

先々週の練習から続いている慢性疲労を取るために、空手自主トレと筋トレは続けつつも負荷を 軽めにして、週3日程度ランニングで血行を良くするようにしたら、少し疲れが取れてきて身体が 楽になってきた。先週の金曜練習の疲れが取れないまま日曜日の自主トレでちょっと頑張ったら、 久し振りに腰までおかしくなってしまったので、本当にオーバートレーニングは要注意だ。これまで、 関節のためのサプリメントとして、コンドロイチン、グルコサミン、ヒアルロン酸などを摂るように していたが、あまり効果がなく、その理由が分からなかった。 しかし、最近、スポーツと食事・栄養 についての本を読んでいて、私の場合、弱いのは関節の中の軟骨ではなく靭帯であり、強化のためには コラーゲンとその吸収を補助するビタミンCを摂らなければならないことが分かった。 目からうろこで、 確かに最近よく痛めるのは、膝・肘とも関節内部ではなく靭帯なので、軟骨のサプリメントでは 効かないはずである。長年の持病の腰痛も、もしかすると同じことかもしれない。

さて、本日はゴールデンウィークの合間ということもあって、参加者は二年目となった新人君と 私の2名だけなので、練習は19時までとなる。しかし、メニューは練習時間が短いほうが厳しく、19時で ヘロヘロになる練習メニューになるので、中身はぎっしりと詰まっていて濃い。まず、準備運動として、 前屈立でその場で逆突から始まる。縦手刀受で腰を引き、逆突でしっかりと腰を入れるのがポイント。 続いて、松濤館流の要である『しっかりと腰を落とす』ことの徹底的練習に入る。移動基本の代わりに、 自然体から腰を低く落として突き・受けの反復。いつもよりインターバルが短いので、非常にハード。 途中から次期主将候補のI君も合流して3名になった。師範から、身体の締めが甘いとのご指導があり、 皆、力を振り絞る。私も、受けを極めることに気を取られ、突きが弱くなっていたので、気合を入れ直す。 蹴りの練習まで終わった頃には、正に全員ヘロヘロ状態。新人君が床にへたり込んでいたので、まずい と思い、立って深呼吸するようにアドバイスした。 座り込んだり、前のめりになってゼーゼー言っていると、 呼吸が浅くなり酸欠から回復しない。立ったまま、腹で深呼吸したり、少し身体を動かした方が回復が早い。 私も今日の練習中に酸欠で頭がクラクラして気分が悪くなりそうだったが、練習の合間に小刻みに身体を 動かしたり、ちょっとした呼吸法のおかげで最後まで持ちこたえることができた。

小休止の後、平安の形を一通り練習。基本練習ですでに体力を消耗しているため、非常にきつい。 酸欠状態が続いたため、平安二段まで動きが重かったが、平安四段の頃には調子が出てきた。何せ、 平安の形は慈恩、抜塞大、観空大などの他の形に比べると、演武時間が短いので、呼吸を意識して動いて いるうちに、体内に酸素が行きわたり、段々と身体が楽になる。とは言っても、基本練習で徹底して腰を 落としたため太ももが張っており、また体力の消耗も激しく限界に近付いている。平安五段まで練習した 頃には、1時間の練習時間で2時間分の練習をしたような疲労感と充実感が残った。 本当に充実した練習でした。現役の皆さん、明日の合宿は頑張って下さい。押忍、ありがとうございました。

師範のお言葉
・前屈立で腰を落とす時は、後ろ膝は曲げずに伸ばすこと。
・苦しくても、身体の締めを意識して、受け・突きをしっかりと極めること。(それが練習)
・平安四段で、前蹴の後の裏拳は、階段を一段飛び降りるように打つこと。
・平安五段の最後の下段貫手は、下から振り回さずに直線的に突くこと。


09.04.24(金) 名大金曜練習

基本:移動基本追突、三本突、上受・逆突、外受・逆突、内受・逆突、手刀受・貫手
    前蹴、蹴上、蹴込、回蹴
形:平安初段〜五段、慈恩
組手:審判の練習

この一週間はどうも精神的にも体力的にも疲れがたまっているのか、身体が重く感じられる。 日曜日と 水曜日に筋トレをやって、ベンチプレスの記録を90kgまで伸ばし、月・火と基本と形の自主トレを やったが、身体のキレは全くない。 このような時は休養するに限ると思い、木曜日は4kmを軽く ジョギングして身体をほぐす程度にとどめる。筋トレで限界に近いところまで負荷をかけたため、 筋肉修復などで身体に大きな負担がかかったのが原因と思われる。3日あれば完全回復した若い頃と違って、 注意しないとオーバートレーニングによる慢性疲労に陥る可能性がある。学生時代に筋トレにはまっていた頃、 週4日も筋トレを続けて慢性疲労で身体がガタガタになったことがある。二十代でもそうなのだから、 疲労がたまったと感じたら無理しないことが必要と思う。

さて、本日の練習には、前半と後半で二人づつの見学者があった。入部の意思を示している者もいる ようなので、一人でも二人でも入ってくれると練習が賑やかになって嬉しい。練習は、いつもの通り移動基本 から始まる。今日の練習はピッチが早く、かなりハード。疲労で身体が重い私は、号令に対する反応、移動 速度とも学生よりわずかに遅れている。だが、蹴りの練習の頃には身体が温まってきてエンジンがかかり 始める。最後の回蹴は気合である。 続く形の練習もピッチが早かったが、慈恩は最近よく会社体育館で練習している だけあって、他の形に比べるとスムーズに身体が動く。言い古された言葉ではあるが、『練習は裏切らない』 というのは正に真実であると感じる。

後半は、組手の練習であるが、私は引き続き審判練習。私に早くコーチとして一人前になってほしいという、 師範の親心を感じる。まずは、技(反則も含む)を決めた組手で基本動作のおさらい。最初に比べると、審判 動作が大分マシになってきた気がするが、まだ時々スムーズにいかずつっかえる。また、審判動作の時に身体の 軸がぶれる(特に頭部)ことがある、とのご指導を頂く。これは形の身体の軸のぶれと全く同じで、手足同時、 身体の軸(正中線)をずらさない、というのは全てにわたる基本であると理解した。少しづつ自由組手に近い 形式での練習となり、最後は技に制約なしの自由組手での審判練習。本日のハイライトであるが、審判の 難しさを痛感した。 一番難しいのは、互いの技が見えるベストボジションへの移動である。実はこれは、 試合の流れがある程度読めないとできない。特に選手が左右に入れ替わる瞬間が死角になるので、動きを 予測して死角になる時間を最小限になるように素早く移動しないといけない。 今の私には、これができない。 逆に試合の流れが読めれば、自分の組手にも生きる。ステップも同じ、審判のためのステップができなければ、 組手のステップもできない。基本的に同じなのだと思う。本日の審判練習、大変勉強になりました。 お付き合いいただいた学生の皆さん、ありがとうございました。早く、一人前のコーチになれるように 頑張ります。押忍、ありがとうございました。

師範のお言葉
・空手は、まず基本の練習で身体を鍛錬することから始まる。(見学者に)
・松濤館流の形は、腰の位置を低く落とすことが他の流派にない特徴だ。
・審判動作の時、身体の軸(特に頭部)をずらさないこと。
・常に選手同士の技が見える位置に移動すること。ステップに注意。
・『止め』のタイミングがまだまだ。


09.04.17(金) 名大金曜練習

基本:三本組手(上段vs上受、中段vs外受)、上段三本目で十字受け・手刀打・倒して下段突
    中段三本目で払受・逆突・倒して下段突、前蹴vs下段払・逆突(左右構え両方)
    回蹴vs受け・逆突(左右構え両方)、移動基本蹴上、同じく蹴込
形:平安初段〜五段、慈恩、抜塞大
組手:審判の練習、形:師範が帰られた後、抜塞大の練習

今週になって、やっとオーバーストレッチで痛めていた右膝内側靭帯が良くなってきた。 昨年の 左膝内側靭帯損傷といい、怪我や靭帯を痛めることが増えてきたような気がするので、筋力補強の必要性を 最近になって特に感じるようになってきた。40代も後半になると、空手の練習だけでは筋力が維持できず、 落ちる一方のように感じる。 そこで、3月に入ってから、週2回は会社の体育館、または名古屋市の トレーニングセンターで、バーベルやマシーンを使った筋トレを取り入れるようにしている。 おかげで、少し筋力が戻ったようだ。学生時代のベンチプレスのベスト100kgに対して、現在85kgまでは 上がる。体重が65kgなので、自分の体重より重いものを持つあげられるのは気分が良い。 また最近よく、肘を痛めるのも、外側の上腕三頭筋と拮抗する内側の上腕二頭筋が弱いため、内と外で筋力の アンバランスになっていることが原因と思われるので、バーベルのカールによって上腕二頭筋を鍛え始めたが、 効果絶大でサンドバックを叩いても肘が痛くならなくなった。問題は下半身の筋力であるが、ようやく 膝の状態が良くなってきたので、少しづつ筋トレを始めている。 何にせよ、長く空手を続けるためには ある程度の肉体改造が必要だと思うので、当面は筋トレを継続していきたい。

本日の名大練習は、私を含めて4人そろったので、基本練習を兼ねて三本組手から始まった。私にとって 久し振りの三本組手なので、どうも受けがしっくりこない。タイミングがずれたり、間合いがおかしくなって しまっている。最初はゆっくりと練習していたが、スピードをつけ出すと、互いに強くはじく受けになる。 本当は、ある程度慣れると柔らかく受けられるのだが、今日の私にはその余裕がなく、後で受け手に青あざが できていた。しかし、師範が仰っていたように、まずは強く受けることができなければ、柔らかく受けることは できないので、これはこれで仕方がないのかもしれない。次に、6月の名大祭での演武に向けた練習を兼ねて、 三本組手の三本目で受け技を変えて、倒して下段突で極める練習。これが、なかなか難しい。最初に、基本一本で 練習するとできるが、三本組手の場合、思わず二本目と同じ受け技がでてしまう。これは不器用な私にとって、 非常にためになる神経系のトレーニングである。練習するとだんだんと、意識せずにできるようになってきた。 続く、蹴りに対する受け・逆突の練習は、基本一本の左前構えだけでなく、逆構えの練習も行う。普段は やらない練習だけに、これまた神経系に刺激があって良い。理想は、逆構えでもある程度使えるようになりたい。 蹴上、蹴込だけは、組手形式ではなく移動基本の練習となる。蹴込で、膝の抱え込みが甘く、師範から ご指導をいただく。 自分でもイメージ通りにできていない蹴り技は、当然のことながら使い物にならないようだ。 だが、不器用な方が逆に、理想の蹴りとは何かということを、追求しつづけることができるのではないかとも思う。

小休止の後、形の練習に入る。平安初段から五段まで、一通りこなした後、慈恩と抜塞大を練習した。 抜塞大だけは、次期主将候補しかできず私と二人で練習したが、彼は本当にうまくなったので驚いた。 彼しか抜塞大ができないようではいけないので、師範が帰られた後で抜塞大の練習をするように仰せつかる。 続いて、組手練習であるが、先週に引き続き、師範のご指導により私は審判の練習を行う。先週の状態と比べると 大分慣れてきたが、まだまだとても試合をコントロールするなどのレベルとはほど遠く、今後も地道な 修行が必要だ。最後、師範が帰られた後、今や2年目となった新人君も順番をマスターできるように、 抜塞大の練習を繰返し、本日の練習終了。押忍、ありがとうございました。

師範のお言葉
・三本組手の三本目に受け技を変えることは、しっかりと意識して練習しないとできない。
・得意構えの反対側の受け・突きも、移動基本だけでなく基本組手でも練習するとよい。
・中段突に対して手刀受は、前足を後ろにスライドさせて受けること。
・形の練習の最後は、緩急を使い分けながら目一杯練習すること。
・審判動作は、形の動作と全く同じ。手と足を一致させること。(移動しながら審判動作をしないこと)


09.04.10(金) 名大金曜練習

基本:前屈立移動で後足膝を張る練習、追突、三本突、上受・逆突、外受・逆突、内受・逆突、手刀受・貫手
    自然体前蹴左右40、同じく蹴上、蹴込、回蹴
形:平安初段〜五段
組手:審判の練習

最近とても暖かく、今日の名古屋は最高気温が25℃近くまで上がり、なんだか一気に初夏が来たようだ。 先週の自主トレで痛めた右膝であるが、まだ内側靭帯に違和感があり、伸ばし切ると怖い。 色々と原因を 振り返ってみると、どうも開脚のオーバーストレッチが原因だったようである。開脚の時に、足刀を作って 足を広げていくうちに、調子に乗って右膝の内側靭帯が伸ばし過ぎの状態になってしまった。その後で、 オーバーストレッチのためおかしくなってしまった右膝を、それに気付かずに左の蹴りと比べてダメと 勘違いして、何度も前蹴や蹴上の練習をして酷使してしまったことが痛めた原因と思われる。 やはり、 ストレッチで無理に靭帯を伸ばすのは厳禁と反省する。あと、今週の自主トレで気付いたことは、刻み回蹴・逆突で、 身体の軸がずれており、蹴りの目標と逆突の目標が一致せずにずれてしまっていることである。慈恩の形の 練習で、前蹴・追突は蹴りと突きの目標が一致するようになったが、刻み回蹴・逆突の場合はこれまでに 意識していなかったため、やはりダメなようだ。自主トレでジョギングの途中で電信柱相手に、刻み回蹴・逆突を 打つ練習は以前から取り入れているが、相手が硬いので少しスピードを落としており、目一杯のスピードでの 姿勢は確認していなかった。これでは組手でも、正確に相手を狙えない。基本は、組手につながっていることを 痛感している。

さて、初夏の暑さの余韻の残る体育館にて、名大金曜練習開始。本日は、学生2名と私で少し寂しいが、 師範の直々のご指導の機会も多く、これはこれで良い。本当は、ピカピカの新入生の中から、新たに入部 してくれる学生がいるといいのだが、まだ4月が始まったばかりなので、後の楽しみに取っておくことにしたい。 最初のメニューは、前屈立移動で横幅を広めにして、後足の膝を伸ばす練習から始まった。実は、この練習も 右膝のオーバーストレッチの後、繰返しやって右膝内側靭帯を痛めた練習なので、最初は怖々と練習していた。 続く追突の練習も、まず遠くにある的を目がけて突きを伸ばす練習をしたので、右足が後になる左の追突が問題で、 スピードを気持ち落とし右膝に少し遊びを残して突く。それでも突きの射程は学生とそれほど変わらないのは、 股関節のストレッチの成果と思う。受け・逆突の練習を一通りこなした後の蹴りの練習で、身体が完全に 温まって、右膝の違和感を感じなくなった。 本日の練習では左右40本であったが、師範は毎日100本を こなしているそうである。ここ最近、蹴りに必要な筋力が多少ついてきたような気がするので、右膝が直ったら 足を手のように使えるためには、これぐらいはできるようにしたい。 (前蹴と回蹴は左右100回できるので、蹴上と蹴込も同じように)

続いて形の練習で、平安初段から五段まで3回づつ練習して小休止の後、組手練習に入る。私は先週に 引き続き審判の練習。まずは審判の基本動作をマスターしないことには始まらない。考えず、無意識に審判動作が できるようになることが当面の目標である。そもそも、組手のルールが頭に入っていることが大前提なので、 これは学生にも良い勉強になったようだ。技が有効かどうかの判定が非常に悩ましく、また反則のルールと 審判動作がまだ身についていないので、更に修行が必要だ。しかし、技の有効性の判断、つまり技が入ったかどうか、 気合、残心など、学生に組手のポイントを教える上で非常に勉強になります。押忍、ありがとうございました。

師範のお言葉
・今のうちから暑さに慣れるトレーニングをして、夏本番を乗り切る。
・前屈立移動は、後足を張ることにより前進すること。
・審判が試合を支配する。いい試合は、審判がしっかりしている。
・審判の練習は、有効な技の出し方など、学生の指導にも役に立つはずだ。


09.04.03(金) 名大金曜練習

基本:自然体から前屈立・追突、同じく下段払・逆突、上受・逆突、外受・逆突、内受・逆突、手刀受・貫手
    片手で壁につかまって蹴上、同じく蹴込、前蹴・追突、刻み回蹴・逆突
形:慈恩
組手:試合の練習、私は審判の練習

どうも最近、忠実に基本に立ち返ってみると気になることが多すぎて悩んでいる。最近、師範にご指導いただいた 身体の軸のブレもさることながら、特に蹴りがイメージ通りにできていない。前蹴、蹴上とも、膝を中心とした円弧を 描くことができず、スナップも全然効いていない。また、形において前屈立の後膝の張りと足首の締めが甘く、左前の 前屈立の時の右足がダメで、切り返した時に足首の締めが一瞬遅れている。気になりだしたら年甲斐もなく徹底的に やりたくなるのが、中年空手人の悲しい習性である。 得意側の右足の前蹴がおかしい、変だ、右足の蹴上も左に比べてダメだ、 と色々とやっているうちに右膝の内側に違和感を感じて、ついに火曜日の自主トレの後、今度は昨年痛めたのとは反対の 右膝内側靭帯を痛めてしまった。 右膝が少し不安定になってしまっているのでスロー練習もできず、仕方なく昨年の残りの 鎮痛剤入りシップ(医者の処方箋がないと入手不能)を貼って、包帯で右膝を固定する。水・木と2日間ケアすると、 多少良くなってきたが、右膝が硬くなって、屈伸で膝を深く曲げることができなくなってしまっていた。

本日の金曜練習は、右膝内側靭帯に痛みが多少残る状態で不安であったが、リハビリのためと、4月から師範より 名大道場のコーチに任命いただいたので、少しでも身体が動く限りは練習に参加したいという思いがあり、普段通り 金曜練習に参加した。最初の練習メニューは、いきなり自然体から前屈立追突から始まった。膝を曲げながら体重が かかるため膝への負荷が大きく、不安なスタート。右膝をダマしつつ練習していたが、さすがに師範に見抜かれ、 『足が悪いのか』と心遣いいただいた。蹴上の練習時にも、無理しないようにとのお言葉をいただいたが、身体が 温まってきたためか、一番不安だった蹴上が何とかできるようになっているので一安心。続く、前蹴・追突、回蹴・逆突では、 右膝の不安を忘れるほど身体が軽くなってきて、いい練習ができた。(参加者5人なので、私の相手がいないのが 残念であったが) 続いて、慈恩の形を皆で練習する。

最後は、明後日の日曜日の名古屋市大会のための組手練習。試合形式で行い、私は師範の審判動作を見て、模倣する 練習。 何事もおよそ修行たるものは、その道の達人の真似をすることから始まる。一番驚かされるのは、 師範の審判動作には無駄がない。選手を追う動き、『止め』のタイミングなど、学ぶところは多い。 面白かったのは、組手が大得意である 主将の韓国学生が、軽量ながら同じく長身の次期主将候補には完勝しながらも、小柄な次期副将候補には接戦で敗れて しまったことである。単に油断したのか、極端に間合いが違うとやりにくいのか、相性が悪いのか、いずれにしろ組手試合が 単純ではないということで、大変興味深いところである。疲れが残らないように少し早目に練習終了。学生の皆さん、 明後日の試合は頑張って下さい。押忍、ありがとうございました。

師範のお言葉
・基本で直る時は、わざわざ上で腕を交叉させず、そのまま自然に腕を下ろして直ること。(余分な動作ということ)
・体力的にキツくても、『鍛えている』という意識を持って練習すること。
・実際にメンホーをつけて練習しないと、試合の感覚が分からない。(特に、下からの蹴りが見えにくい)


09.03.27(金) ルーマニア学生の送別会のため、名大金曜練習はお休み

一緒に練習してきたルーマニアの学生が帰国するため、送別会を開いて皆で名残惜しむ。空手の精神を忘れずに、お元気で。 師範いわく、お隣のドイツには、今のスポーツ空手とは違う古き良き時代の松濤館流空手の気風が残っているとのことです。


09.03.17(火) 金曜日は祝日のため、名大火曜練習に参加

基本:自然体から上受・逆突、同じく外受・逆突、内受・逆突、手刀受、前屈立前蹴、自然体蹴上、蹴込、前屈立回蹴
    移動基本追突、三本突、上受・逆突、外受・逆突、内受・逆突、手刀受、前蹴、蹴上、蹴込、回蹴
形:平安初段〜五段、慈恩
組手:刻み逆突、同じく刻み逆突と受け、刻み・逆突・逆突

今週は、金曜日が春分の日の祝日で名大金曜練習は休みなので、火曜練習に参加。たまたま用事があって有休を 取っていた日なので、ちょうど良かった。先週の練習で、師範からマンツーマンで慈恩の形のご指導をいただいた 『身体の軸を垂直に立てて、前後・左右にぶれないこと』『顔を正面に向けること』について、土日の自主トレで 総点検してみた。平安初段の三連続上受・追突、平安三段の内受から貫手・鉄槌打・追突のところで身体の軸が 真っ直ぐ前に移動できずにジグザグに動いている。また、平安二段の内受、抜塞大の自然体中段突・内受などの 内受けの時に、顔が正面を向かず横を向いているため、身体の軸がゆがんでいる。平安二段・四段の蹴上で、 身体を過剰に傾けてしまっているため、身体の軸がぶれてしまっている。など、自分でダメだと気付くところが、 次々と出てくる。 なるほど、『分かる』ということは、こういうことなのだと思わず納得した。師範に教えていただく だけでなく、後で自分でやってみて納得して理解することが、本当に分かるということなのだと思う。 ただし、 『分かる』と『できる』の間にも、大きな隔たりがあり、まずは意識して何度も練習して、頭でも身体でも理解 できるようにしなければならない。そして、無意識にできるようになった時が、本当に『できる』ということ となのだと思う。この、意識することと無意識化の繰返しこそが、空手の練習である。

さて、久し振りに参加した火曜練習。金曜練習の体育館ではなく、剣道場での練習となる。いつもの金曜練習と 勝手が違うが、卓球部と体育館を半分づつ使う金曜練習より、剣道場での火曜練習のほうが場所が広々として 気分がいい。練習は、まず自然体から下段払・逆突、追突の基本から始まる。私は、少しで遅れたため、上受・逆突 から練習に加わる。この練習は、正しい受け・突きをマスターするとともに、自然体から充分に腰を落として 前屈立になる筋トレである。前屈立前蹴・回蹴も、今日は前に足を下ろして戻すので、筋肉の負荷は大きい。 同じく、蹴上・蹴込も自然体から蹴った後、騎馬立で十分腰を落とす。一通り終わると、足の筋肉が張っている。 今日は、ここから休みなく移動基本の練習が続く。 基本練習で筋力を酷使した後なので、さすがの私も息が上がりかけたが、 腹で呼吸するのと、目一杯に声を出して気合を入れて持ちこたえる。新人君とルーマニア学生は、肩で息をしているが、 これは鍛え方が足りないのと、腹で呼吸ができていないためだ。 また、幸い鏡が私の前の奥にあるので、身体の軸の ぶれがチェックできるので、ありがたい。続く、形の練習で、『目付け』ということを師範からご指導いただいた。 身体の軸のぶれで悩んでいる私には、大変貴重なアドバイスである。最後に、自由組手のための基本練習。 最近の自主トレで痛めた左の腹側筋・広背筋の痛みがひどくなってきて、左手で受けたり逆突を打つたびに左脇腹に 響くが耐える。恐らく師範には見抜かれていたと思うが、ここは根性だ、身体をだましだまし学生たちの練習対手をこなす。 これからも出れる日は、火曜練習にも顔を出すようにしたいと思います。押忍、ありがとうございました。

師範のお言葉
・腹で呼吸することが大事だ。
・静止しているものに視線を固定して、身体がぶれないようにする。これを目付けという。
・身体が上下すると、視線の位置も上下するので、鏡を見なくても身体のぶれが分かる。


09.03.13(金) 名大金曜練習

基本:移動基本追突、三本突、上受・逆突、外受・逆突、内受・逆突、手刀受・貫手、前蹴、蹴上、蹴込、回蹴
形:平安初段〜四段、師範から慈恩のマンツーマンのご指導
基本:監督による移動基本の徹底練習

このところ週末は天気が悪く、先週と同じく雨の金曜日である。本日は、私も含めて5人そろったので、久し振りに にぎやかに練習開始。しかも、後半は監督が駆け付けてきて、基本をみっちりご指導いただけるとのこと。まずは、 移動基本の練習から。追突の前屈立移動で、上体が少し前のめりになっていると、師範からご指導を受ける。後で 師範から慈恩の型のマンツーマンのご指導をいただいた時に、上体のプレをなくすことが全ての基本であるとのお言葉を いただいたが、どうも知らず知らずのうちに基本練習でも上体が前後や左右にぶれているようだ。それには、首や肩に力が 入ってしまう悪い癖も原因になっているとのご指摘をいただいた。続いて、平安初段から四段までの型を練習。平安二段で、 新人君の上受の腕の角度が悪く、それでは受からないということを示すために、基本一本を新人君とやることになった。 しかし、中段ならまだしも上段を素手で新人君に思いっ切り打つのは、かなりの勇気がいり、微妙に加減した突きになって しまったのを師範に見抜かれ『君は優しいから…』とのお言葉を頂戴してしまう。特に、最後の極めにおいて脇の締めで 無意識に加減して力を抜いたために、極まっておらず受けやすい突きになってしまった。 学生の上達のためには、時には心を鬼にしなければならぬ、と反省する。 師範の時代はもっと厳しかったそうだが、思えば私の現役時代も、受け損ねたら 当たる突き、それを真剣勝負で止める受け、練習終われば攻め手も受け手も腕は青あざだらけ、というのが基本一本組手で あった。 師範いわく、『まずは剛ができなければ、柔はできない。止める受けができなければ、流す受けもできない。』 要するに、剛のパワーと技があってこそ、柔ができるということだ。 型の練習が一通り終わるころ、監督がみえた。

小休止の後、学生は監督のご指導により、移動基本の徹底練習、私は師範からマンツーマンで慈恩の型をご指導いただける ことになった。師範のマンツーマンのご指導は、型の練習でなかなか進歩しない私にとって是非ともない貴重な機会で、 直々にご指導いただける私は本当に幸せだ。 ご指導のポイントは、常に上体を垂直にして、前後左右にぶれないこと。 慈恩の型でこれができないと、基本でも他の型でも、全て上体がぶれてしまっているとのこと。上体をぶれないように することだけを意識して、鏡の前でゆっくりと分解練習をする。まず、出だしの前屈立・交叉受で、いきなり上体が 前後に動いている。技がピタリと極まる師範の神技とは明らかに違う、師範から、軸足(右足)一本で立つ感覚、腕を振り 回さないように、とのアドバイスを いただく。何度か練習して、ゆっくりとならぶれが多少収まるようになった。しかし、師範のようにピタリと極まらない。 鏡の前で並んで練習すると、私の上体が動くのは一目瞭然。続く、前蹴もダメで、蹴りの時に上体が動く。身体に余分な 力が入っているのと、前蹴が下手で膝を中心とした前蹴の軌道ができていない、とのこと。これも、意識して何度も 練習すると、なんとかできるようになってきた。次の上受・逆突から上受の時、鏡を見ると上体の位置が左右に 動くのが良く分かり、どうも前屈立の横幅が広すぎるということらしい。師範のアドバイス通り、横幅を肩幅ぐらいに 狭くしたら、左右のぶれはかなり収まった。これは、移動基本でも全く同じことであり、要注意だ。第一挙動の次に 難しかったのは、交叉立下段十字受に続く前屈立かき分けのところで、下がって前屈立の瞬間に上体が前後に動く。 これも第一挙動と同じで、軸足(右足)一本で立つことを意識するとぶれが小さくなった。上体のぶれを意識して練習している 成果がでてきたのか、ゆっくりと練習する限り、これ以降はあまり上体が動かなくなった。 今日の師範のご指導で、いかに自分がいい加減な練習をしているか、よく分かったように思う。 折角、自主トレで鏡の前で練習しているのに、これでは何にもならない。 慈恩の型を最後まで通して練習したところで、 8時になり師範が帰られる。私は、蹴上の練習から監督の基本練習に加わった。蹴上、蹴込が苦手に私には、この反復練習は 願ってもないトレーニング。最後の回蹴は、気合で喝を入れる。現役の皆さん、全てはまずは基本からです。頑張って下さい。 押忍、ありがとうございました。

師範のお言葉
・まずは剛ができなければ、柔はできない。止める受けができなければ、流す受けもできない。
・慈恩の型は、技自体は難しくないので、上体のぶれを抑えて技を極めるのがポイント。
・これができなければ、他の型も基本もダメ。
・手の動きに上体がつられないようにすること。(余分な力が入らないように)
・型の練習は、通しての練習だけでなく、分解を繰返し練習すること。


09.03.06(金) 名大金曜練習

基本:移動基本追突、三本突、上受・逆突、外受・逆突、内受・逆突、手刀受、前蹴、蹴上、蹴込、回蹴
型:平安初段〜四段、壮鎮
組手:刻み・逆突、逆突・逆突を交互に攻守の練習

3月に入って初めての名大練習の今日は一日中雨だが割と暖かく、もうすぐ春近しを思わせる。ただ、昇級審査が 無事に終わって一段落したためか、残念ながら練習参加者は私と新人君の2人だけで、少し寂しい。師範から、 3人以上そろわない場合は練習は19時までとする、とのお言葉を賜るが、とりあえず2人だけで練習開始。まずは、 いつもの移動基本から。先週、平安二段の型の指導の時に、型でも基本でも『極めるときは手足同時』ということを 教えてあげたが、移動基本も後でやった型も一応それなりに進歩している。しかし、先週の昇級審査でも感じたが、 スピードが今一つ。号令に対する反応は悪くないが、足の移動が少し遅い。師範も仰っていたが、曲げた膝を伸ばす パワーで移動するので、膝を素早く伸ばさねばスピードがつかない。新人君は、この膝を伸ばすスピードが遅い。 移動基本の練習で、足を素早く移動させるように常に意識して練習することも大事だが、前屈立の左右切返し練習で 曲げた膝を素早く伸ばす練習も有効と思う。最近、私が自主トレで取り入れたメニューは、自然体からスクワットをして、 その状態から前屈立・追突を打つ練習をしている。膝を深く曲げた状態から、後足側の膝を素早く伸ばすことと、 腰を浮かさないこと(腰を上下させず真っ直ぐ前へ)がポイントで、やってみると筋トレにもなり結構効果がある。 詳細は忘れたが、これはインターネットで見つけた練習法で、 毎回同じメニューの練習ばかりやっていると身体が 慣れてしまい、進歩が止まってしまうので、このようにいつもと違う練習メニューで身体と脳に刺激を与えることも、 特に私のような中年空手人には必要と思う。

本日の基本練習での師範のご指導で一番大事だと思ったことは、初心者は技を極める時に、『ハッ』と少し声を 出してでも息を吐いて腹を締めることを意識して練習することである。(もっとも、上達すれば声を出してはいけないが) すなわち、技の極めについて大事なこととして、先週書いた二つ(極めるという意識、手足同時)に加えてもう一つ、 呼吸法がある。技を極める時に、腹を締めながら息を吐く。これが、なかなか初心者ができない重要なポイントで、 できないと技が締まらないし、単に手足を動かしているだけになってしまう。結局、参加者は2人のままなので休みなく、 続いて型の練習に入る。平安初段から四段まで練習するが、本日のご指導のポイントは、円の動きと直線の動きを ちきんと意識して練習すべしということである。円の動きなのに円になっていなかったり、直線の動きなのに左右に プレないように注意する。次にに自由組手の練習。刻み逆突、逆突・逆突と、その受けの練習であるが、私にとって 自由組手の対人練習そのものが1ヶ月半ぶりなので、対人組手練習ができる嬉しさで気合が入る。相手がいない自主トレで、 壁に向かって刻みや逆突を極める練習、ステップの練習をしていても、所詮は相手がいない練習なので、間合い・ タイミングをつかむのはやはり対人練習でしかできない。新人君といえども貴重な練習相手であるし、新人君の 組手上達のためにも手は抜けない。最初は面白いように入っていた私の突きも、数回繰り返すうちに師範のアドバイスで 新人君もある程度受けることができるようになってきた。後は基本と同じで、攻め足の移動速度が遅いので、そこを もっと鍛えると突きが極まるようになると思います。頑張って下さい。最後に、師範から直々に壮鎮の型のご指導を 頂きました。押忍、ありがとうございました。

師範のお言葉
・初心のうちは呼吸法を覚えるために、技を極める時に、『ハッ』と少し声を出してでも息を吐いて腹を締めること
 を意識して練習すること。
・呼吸法により腹が鍛えられるので、少々中段に入っても耐えることができる。
・円の動きと直線の動きを意識して、型の練習をするること。
・呼吸の乱れを相手に悟られては駄目。型を打った後は、息を吐きながら直る。(ある程度の体力が必要)
・壮鎮立ができていない。組手の構えのための鍛錬になるので、練習しておくこと。


09.02.27(金) 名大金曜練習

学生の昇級審査
基本:移動基本追突、三本突、上受・逆突、外受・逆突、内受・逆突、手刀受・貫手
    自然体で前蹴、蹴上、蹴込、回蹴
型:平安ニ段・三段、平安ニ段の指導
組手:学生は攻守を決めて自由組手、私は審判の基本動作の練習

本日は、現役学生の昇級審査の日である。まず、軽く昇級審査のための練習をやった後、師範による審査が始まった。 さすがは次期主将候補だけあって、トップバッターの学生は本当に上手くなった。もともと器用で身体も柔らかいのに加えて、 最近、しっかり練習に顔を出すようになっただけある。続く、副将候補とルーマニア学生は、極めが甘い。最後の新人君も、 一年目にしては上々であるが、スピードと極めが足りない。なぜそう感じたかは、後で記すことにする。一通り審査が 終了し、師範が採点している間、私は学生に移動基本の練習をリードする。前に出て号令をかけながら一緒に練習するのは、 息が切れて意外と体力を消耗するが、これも私にとっては良いトレーニングだ。手刀受・貫手まで終わったところで、師範から 昇級審査の結果発表があった。皆、それなりに昇級しているが、またまだ黒帯への道のりは遠い。続いて円陣を組んで、 蹴りの練習に入る。 基礎体力養成のための、左右の蹴り50本の練習が伝統化しつつある。蹴上・蹴込が不得手だった私も、 この練習で蹴りのための筋力がかなり復活したような気がする。 最後の回蹴は、師範の鶴の一声で60本となる。良い汗をかいて暫し休憩。

続いて型の練習。全員で平安二段・三段の練習をした後、慈恩の練習に入るが、私は新人君に平安二段の指導を仰せつかる。 昇級審査で感じたことが、ここで一段とはっきりする。極めが甘いのは、まず第一に、技を極めるという意識がないからだ。 特に、平安二段の型の重要なポイントである、手刀受→逆半身の内受→前蹴→逆突→逆半身の内受の流れの中で、一つ一つの 技を極めるという意思が感じられない。ただ単に手足を、そこの位置にもってくるだけの動きになってしまっている。 師範が常々言っておられる逆半身の内受だけでなく、その後の前蹴、逆突が甘い。特に、逆突の腰の使い方ができていない。 次の二つ目だが、手足のタイミングが合っていない。最初の第一挙動でも、平安四段と違って平安二段は、後屈立を極めると同時に 両手の受けも極めなければならない。新人君の場合、後屈立を極めても両手がまだ動いている。最後の挙動の回って下段払・ 前進して上受も全く同じ。足が着くと同時に下段払、同じく上受を極めなければならない。かく言う私も、最近、慈恩の型で 鉄槌打ちの前の左右の内受・追突のところで、足の着地と内受の極めのタイミングが微妙にずれていて悩んでいる。 もともと受けの中でも内受は極めが難しいの加え、身体を反転させる動作が加わるため、更に難易度が高くなっていると思う。 突きでも受けでも、手足同時に極める、これが基本なので何度も練習したい。

最後に組手の練習であるが、私は師範から審判動作の基本をマスターするようにと命ぜられ、現役学生の自由組手の 練習にて、久々に審判動作の練習をする。しかし、これがなかなか難しい。審判といえども、空手の審判たる者は、基本動作は 空手の基本と全く同じで、手足の動作を同時に極めなければならない。 『止め』といくら手で合図しても、足がふらふらしていたら、 試合は止まらない。手足の極めと気迫でもって、選手を制するとの覚悟がなければ審判は務まらないと感じた。 審判の練習は、動体視力を磨く良い修行にもなる。何度か繰返し練習して、ようやく少し慣れたと思ったが、最後に師範による 審判動作を見ると、全然レベルが違い、道は遥か彼方のようだ。本日は、大変思うところの多い有意義な練習でした。 押忍、ありがとうございました。

師範のお言葉
・『勝負始め』の時は、閉足立ではなく、結び立ち。(足先を開く)
・『止め』の動作は、足幅は開かない。手足の動作を同時に極めること。
・『続けて始め』の時の動作は、左右の選手の後頭部を押して、突き合わせる意味。
・選手を追う時の運足に注意すること。


09.02.20(金) 名大金曜練習

現役の昇級審査の指導

先週の名大金曜練習は、コーチの送別会があり中止になったため、その後、土・月〜水と4日間、約1時間自主トレを やった。最近思うのは、足首が硬いため移動基本の体重移動がスムーズにできていないということである。前屈立移動の 基本は、前足を後ろに送る時、前足のかかとを常に地面から浮かさないことである。足首が硬いと、後足が前足より前に 来くると、後ろに送られた前足のかかとが微妙に浮いてしまう。特に右の足首がダメで、左の追突で完全に浮いてしまっている のを発見した。 なぜ発見したかというと、最近になって大腿四頭筋のスロートレーニングも兼ねて、ゆっくりスムーズに 前屈立移動する練習をやっているが、これをやることにより2挙動に分けてやる練習では発見できなかった弱点が露呈した。 2挙動に分けても各挙動はゆっくりでないので、 スピードで誤魔化されて分からなかった。正しい動作を意識してゆっくりやる練習は、上達するためには本当に必須と思う。 気になることは他にもあり、前屈立の後足の向きも斜め前30度ぐらいが理想だが、45度以上に開いてしまっている時がある。 大抵このような時は、後足の足首の締めが甘く、後ろ膝もたるんで曲がっている。 こんなことは基本中の基本なのに、いつの間にかおろそかになっていたことに反省。正しい動作を常に 意識して練習し、何度も練習して無意識にできるようにするしかない。 練習疲れで少し腰に疲労が残るが、長年の懸案となっている腰の状態は比較的良好で、腰回りの筋肉を意識して 鍛えるようにしている。回蹴の前動作である膝の横への抱え込みを30秒間保持する、足刀を高台の上に載せて蹴上の姿勢で 1分間、などは筋トレとともにストレッチにもなっており、とても有効であると思う。腰の状態が良くない時はとてもできない メニューなので、これができるようになって嬉しい。おかげで、回蹴と蹴込が少し上手くなったような気がする。また、 とても人にお見せできるものではないが、腰の柔軟性を向上させる目的で、最近になって後回蹴の練習も時々やっている。 あらゆる方向への柔軟性をつけるためには、単に後へ足を振り上げたり後蹴をやるよりも、回蹴とは反対の方向に足を廻旋させる 後回蹴の動作の方が有効ではないかと思う。効果はどうか分からないが、色々と試してみる価値はあると思う。

さて、どうしても会社から抜け出せず、名大道場に辿り着いたのが19時になってしまった。本日は、師範はご不在で、 来週の昇級審査に備えて3人の学生たちが自主練習をしていた。今日の練習は学生たちの自主性にまかせて、私はサポート役に 徹することにした。気付いたことがあるたびに、学生にアドバイスをしたが、少し気になることがあった。新人君の前屈立移動の 時かかとが上がる癖が私よりひどいこと、左回蹴の蹴り足の締めができていない(足指が上向く)、二年目の学生の前蹴の 蹴り足の形が全くなってないこと(上足底ができていない)、など。いずれも基本中の基本なので、なんとか直してほしい。 常に意識していないと直らないので、名大練習だけでなく自主トレもやっておくように言っておいた。 その他、色々とあるが 私自身が未熟なために、おかしいと思ってもどう直したらよいか分からないこともあり申し訳なく思っている。人に教えるのも、 自分が本当に分かっていないとできないので、ある意味、これも空手の修行であるとも言える。 現役の皆さん、私も頑張りますので、早く黒帯になって下さい。 押忍、ありがとうございました。


09.02.13(金) 名大道場のコーチの送別会のため練習中止

本日は、名大道場のコーチの送別会のため練習中止です m(__)m。誠に申し訳ありませんが、よろしくお願い致します。


09.02.06(金) 名大金曜練習

基本:移動基本追突、三本突、上受・逆突、外受・逆突、内受・逆突、手刀受
    前屈立前蹴、自然体から蹴上、同じく蹴込、前屈立回蹴
型:平安初段〜五段

最近、腰の調子がよく、長年悩まされてきた頑固な腰痛が嘘のように軽減している。空手を再開する前には、一時期、 ひどいと足先がしびれる、痛くて腰が全く曲がらない等、椎間板ヘルニアの一歩手前の状態になったことを思うと、 まるで夢のようだ。趣味のマラソンが半端な練習量でないのに、ストレッチングをさぼったため、下半身の筋肉と 関節が固くなってしまい、学生時代の山登りでの40kg近い荷物の運搬で痛めた腰の状態を更に悪化させてしまった ようである。したがって空手を再開した当時は、全身が硬くなってしまっており、腰だけでなく膝が硬いので、 回蹴がうまくできず上段回蹴ができなかった。しかし、さすがに5年も続けていると修行の成果がでてきたのか、 練習前のストレッチングも学生とそれほど遜色なくできるようになり、回蹴も上段に届くようになった。同時に、腰の 筋肉が柔らかくなって、かつ筋力が戻ったようだ。 要するに、腰が悪いと日常生活でも無意識のうちに腰をかばってしまい、 ますます腰の筋力が衰えるという悪循環に陥ってしまう。腰の状態がよくなると、腰の筋肉(特に固有背筋)を鍛える ことができるので、腰の筋力がつき、腰にかかる負荷が軽減される。 以前は蹴込の練習をやった後は、しばらく腰痛が続き 2・3日は練習ができなかったが、最近は練習の翌日でも腰に疲労は残っても腰痛にはならなくなった。やはり、筋力と 柔軟性の維持・向上こそが空手を長く続けるポイントのようだ。

さて、私はどうしても外せない用事があり、本日の練習は前半のみの参加となった。参加メンバーは、次期主将候補と 新人君、私の3名だけで、少し寂しいが、まずは基本の練習から開始。受けをしっかりと止めることは皆大体できるように なってきたので、本日の重点は移動基本で号令と同時に足を素早く動かして移動することである。先週の監督のご指導で、 気付いたことがある。 移動基本で、相変わらず足首が硬く、前に曲げる柔軟性が足りないため、体重移動がスムーズに できていないということである。足首が硬いため、腰を落として移動しようとすると、前足になっていた足のかかとが 浮いたり、後ろ足になった時に足のつま先が横に開くことがある。また、体重移動がスムーズでないため、一瞬だが 身体が左右にぶれる。 スムーズな移動は、頭では理解していても、なかなかできない。スピードをつけると、スピードで ごまかされてしまうため、何度もゆっくりと練習するしかない。『ゆっくり正確に』やる練習は、しっかりと腰を 落としてやると、非常に良い足腰のトレーニングにもなり、一石二鳥である。そして、最後に身体が『スピード』を 忘れないように、目一杯スピードをつけて練習する。 練習は目的を理解しながらやらないと、折角やっても効果半減であると思う。 蹴りの練習で、久し振りに前屈立での前蹴と回蹴の練習をすると、体中から汗が噴き出る。続いて、型の練習に入るが、 こちらは緩急のメリハリが本日のポイント。特に、平安四段と五段では大事である。平安五段まで練習したところで、 充実した前半の練習が終了し、私はここまでで本日の練習を失礼させていただきました。押忍、ありがとうございました。

師範のお言葉
・移動基本では、号令と同時に足を素早く動かすこと。
・前屈立で、後ろ足のつま先を横に開かないこと。(すなわち、前足と後ろ足は平行になっていること)
・騎馬立は、足のつま先を外に開かず、足首をしっかりと締めること。


09.01.30(金) 名大金曜練習

基本:移動基本追突、三本突、上受・逆突、外受・逆突、内受・逆突、手刀受・貫手
    前蹴、蹴上、蹴込、回蹴
型:平安初段〜五段
組手:自由組手風の基本一本、上段突vs上受・逆突、中段突vs外受・逆突、前蹴vs下段払・逆突、蹴込vs外受・倒して下段突
基本:監督のご指導で移動基本をみっちりと練習

昨年12月からサンドバック打ちをやり出してから、肘、膝、腰がおかしくなり出したので、今年に入ってから サンドバック打ちを封印している。どうも、打った時の衝撃に関節が耐えられなくなっているようだ。 若いころは関節にクッション と柔軟性があり、軟骨がある程度の衝撃を吸収してくれるが、年齢とともに関節の耐衝撃性が落ちていくのを感じる。 私の仕事の専門分野はセラミック製品であるが、老化とともに、身体はまるで、弾力のある金属から、硬くてもろいセラミック のように次第に変化していくみたいだ。 しかし、単なるセラミックと違うのは、人間の身体は鍛錬を怠らなければある程度は柔軟性を維持できて、 筋肉というサポーターで保護できるということである。空手という武道は、その鍛錬のためには非常に有効な手段であり、やり方を 工夫すれば生涯続けることができると思う。また、スロートレーニングを中心とする筋力保持のための筋トレをやるとともに、 ヒアルロン酸やコンドロイチン、グルコサミンなどのサプリメントも、軟骨の柔軟性の維持に有効なため、補給するといいようだ。

さて、本日の名大練習はは師範のご都合が悪く、7時までのご指導で、その後は監督が指導に来てもらえるとのことである。 冬なのに生温かく、雨で少し蒸し暑い中、練習が始まる。移動基本では、受けをしっかり決めてから逆突きを打つように注意して練習。 先々週の練習からの師範のご指導のおかげで、皆、受けが極まるようになってきた。 蹴上、蹴込の練習で、師範から『首が蹴り足側に 傾く癖が、まだ残っている』とのご指導をいただく。自主トレでも注意しているつもりだが、首を周辺とする上体に入ってしまっている 余分な力がなかなか抜けない。 続いて平安初段から五段まで一通り練習すると、 完全に身体が温まって汗ぐっしょりとなる。ここまでの練習で7時になり、帰られる師範を見送った後、監督が見えるまで組手の練習。 先週のように、自由組手風の基本一本をやってから、自由一本組手をやる予定であったが、自由一本の前に監督が見えたため、組手の 練習はここで終了とする。

監督から練習内容の打診があったが、私は迷わず『基本の練習をやりましょう』と即答した。監督の基本の練習は大変ハードだが、 指導は非常にわかりやすく、基本を上達したいと思うならば是非ご指導を志願すべしである。現役の昇級のためににも基本の上達は必須 なので、まだ基本ができていない現役のためにもなると考えた。 私の現役時代と同じく休みなしに延々と続く練習で、まず間違いなくスタミナがつく。そして、『なにがダメか』 『どうダメか』『なぜダメか』という技の欠点に対しての当意即妙の解説には得るものが多い。 私自身がまだ、頭では分かっても、どうしたらよいのか身体で理解できていないことが多いので、監督のご指導はとてもタメになる。 時折激しく降る雨の音を聞きながら約1時間半、休みなく練習すると、足腰の疲労が心地よく、爽快な気分で練習終了。 現役の皆様、基本の上達が組手の上達にもつながるはずなので、頑張りましょう。押忍、ありがとうございました。

監督のお言葉
・移動は真っ直ぐ前に。上下や左右にブレないこと。身体を回転させないこと。
・身体の中心は真っ直ぐ前に移動するが、足の軌道は円弧を描く。
・腰を軸にして、正拳を前に押し出すようにして突きを打つ。回転軸の感覚は、身体で覚えること。
・何度も練習して、正しい立ち方を身体で覚えること。
・移動基本手刀受で、身体を回転させないこと。(無駄な動き)
・前蹴は、腰を真っ直ぐ前に向けて膝を抱え込むこと。(腰を開いたり、身体を横に向けない)


09.01.23(金) 名大金曜練習

基本:騎馬立中段突で腹への掌底打ちに耐える練習、自然体から追突、三本突、上受・逆突、外受・逆突
    内受・逆突、手刀受・貫手、横に張った帯の上を前蹴、同じく回蹴、移動基本蹴上、蹴込
型:二十四歩、平安初段〜五段
組手:攻守と技を決めて自由組手の練習、突きのみ、蹴りから突き、突きから蹴り

今日は寒波が来る前日で、先週よりは暖かく、最近膝の温まりが悪い私には大変ありがたい。道場に駆けつけると、 師範と新人君しかいない。練習参加者が2人なら、練習は7時に終わるゾとの師範のお言葉に、ほどなく他道場の 黒帯のK君とルーマニア学生が来て、いつも通り8時までご指導いただけることになり、ホッとする。 まずは、組手で中段が当たっても耐えられるように、腹を締める練習から始まる。騎馬立で中段突を突くたびに、 相手の掌底打ちを腹を締めて耐える。 見本として、私は師範から掌底打ちをいただいたが、さすがに師範の掌底打ちは 重く、腹筋を締めても腹の底にずっしりと響く。後で帰宅して見たら、腹が真っ赤になっていた。しかし、私の現役時代は 腹に正拳を受けて耐える練習をしていたことを思うと、これでもまだ甘いのかも知れない。 新人君には、加減しながら少し強めに掌底を打ってあげた。目を白黒させていたが、これもまた後輩への愛情だ。

先週ら引き続き、受けをしっかり止めることに留意して受け・逆突の練習をした後、蹴りの練習に入る。横に張った 帯の上を、まず前蹴で蹴る。これは、今までやった練習とあまり変わらないが、続く回蹴を同じようにやると、 予想外にハードな練習だ。 まだ得意の右足はよいが、左足は抱え込みが甘いのか、膝や腰が硬いのか、蹴った後の蹴り足の 戻しが遅い。前蹴のような、いわゆるスナップが効いていない。 練習後に、K君自身も同様だったと言っていた。この練習は、 ヒモさえあれば自宅でもできるので、回蹴の鍛錬によさそうである。蹴り足の高さ自体は、私より少し身長が高いK君と 遜色ないので、あとは軌道の修正と切れ味を磨くことが必要だ。汗だくだくで充実感の中、基本練習を終了。

続く、型の練習は、休憩中に師範のお呼びがかかり、K君と久し振りに二十四歩の練習。この型は、緩急を使い分ける のが難しい。技そのものは、それほど難しくはないが、上手い人が二十四歩を打つを見ると全然違う。休憩後、全員で 平安の型の練習。今日は、技の意味について、要所要所に師範のご指導が入る。恐らく秘伝と思われるため、詳細は 割愛させていただきたいと思いますが、『師範のお言葉』として下に書いたこと以外にも初めて伺う解釈もあり、 平安の型は単純なようでも意外と奥が深いことを再認識する。最後の20分で、私にとっては普段できない貴重な組手練習。 攻守と技を決めて自由組手形式での練習は、最近遠ざかっている組手の感覚を取り戻すための良い練習。突きから蹴りの 練習で、新人君相手の時に、刻み逆突から左回蹴を試してみた。これは以前、師範からご指導を受けた、中段に相手の注意を 引きつけて上段への攻撃のコンビネーションの一つ。 狙い通り、相手の上段がガラ空きとなり、回蹴のタイミングもピタリだが、うまく 蹴りの軌道をコントロールできず、私より身長が低い相手の頭上で空を切ってしまい、師範から『優しい蹴り』との コメントをいただく。 ただ、以前は逆突の後の左回蹴は、上段まで届かなかったことを考えると、それなりに練習の成果は 出ているようだ。練習後、久し振りに道場訓の主導をさせていただき、身が引き締まりました。中身が濃い、充実した練習でした。 押忍、ありがとうございました。

師範のお言葉
・普段から腹を締める練習をしていれば、ちょっとぐらい中段が当たっても耐えられる。鍛えておくこと。
・基本の練習は、腰を落とすこと。松濤館流は腰を落とすことが命だ。
・型を打つ時に、技の意味、応用を知っているといないとでは大違い。技の意味を理解して練習すること。
・平安二段の貫手の添え手、四段の内受の添え手は、単なる添え手ではない。


09.01.16(金) 名大金曜練習

基本:自然体中段突、騎馬立から左右下段払、同じく逆突を加える、自然体から前蹴・追突、自然体から追突
    三本突、上受・逆突、外受・逆突、内受・逆突、手刀受・貫手、前蹴、蹴上、蹴込、回蹴
型:平安初段〜五段
組手:受け手が自由組手風の基本一本組手、上段突vs流し受け・逆突、中段突vs払い受け・逆突
    回蹴vs受け・逆突、中段突vs右外受・背手打ち・猿臂

どうもここ2ヶ月ほど、左膝と左肘の調子が良くない。 練習を休めばいいのだが、2日以上休むと身体がムズムズするし、練習をやらないと 不安な気持ちになる。昔はランニング中毒だったのが、今や空手中毒になってしまったようである。 左肘はともかく、左膝は古傷の内側靭帯だけではなく、膝の皿の周りもおかしいので、 強化の必要を感じている。どうも瞬発力系の筋トレは、私のような歳になると、あまり好ましくないようだ。 年末のウエートトレーニングで失敗して、一週間ほど左膝が腫れていた。筋肉が発達するためには、ある程度の 時間、筋肉に負荷をかける必要があり、瞬発力系の筋トレでは一瞬間だけ爆発的なパワーがいるが、あとは 惰性のため力がいらなくなってしまうため、スピードトレーニングにはなるが、筋トレ効果は少ない。 だから、瞬発力系のトレーニングばかりしていると、筋肉・関節がスピードに耐えられず、故障する可能性がある。 特に、歳を取るとこの傾向が顕著になるようだ。 そう考えて、今週から移動基本をゆっくりやる練習を取り入れてみた。 それも、例えば前屈立移動を2〜3秒かけて、初心者のように2挙動でやるのではなく、できるだけスムーズに 一挙動でやる。腰を落とすと非常に良い膝の筋トレになり、またスムーズに動けない場合は、筋肉や関節が硬いか、 体重移動がうまくできていないかどちらかなので、弱点をチェックするのにもいい。ウエートトレーニングも、 上げ下ろしに3〜5秒ぐらいかけるようすることにした。今のところ筋肉疲労だけだが、いずれ成果が出るのを 楽しみにしたい。

さて、自主トレの疲れが残ったまま、金曜練習に参加。軽く身体を温めてから、自然体から前屈立追突の 練習に入るが、疲労が残っている膝にはエキセントリックな負荷がかかる練習(筋肉を伸ばしながら負荷を かけるのがコンセントリック、曲げながら負荷をかけるのがエキセントリック)は厳しい。続いて、受け・逆突の 練習は、確実に受けの動作をした後、逆突をポイントにした練習。受けが極まっていないため、師範からご指導を 受ける。私以上に受けが流れているルーマニア学生の動作を見て、どうすべきかがよく理解できた。正に、 『人のふり見て、我がふり直せ』である。久し振りの蹴り左右50本の練習も、自主トレが効いているのか 現役学生にヒケを取ることなくこなす。型の練習では、平安四段が面白い。 前蹴の後の裏拳への一連の動作について、 初めて伺う解釈に思わず感動する。中身については、秘伝のため詳細は割愛するが、平安の型の中にもいまだに 知られていない技の解釈が隠されている。 最後は、先週と同じく、自由組手の一歩前段階の練習。早く自由組手の 練習がしたいと思いつつも、基本が大事なので勘を取り戻すべく、しっかりと練習する。特に、1cm奥の中段を 突く練習は、『いざとなれば使える空手』に必須であり、1cmがコントロールして突ければ5cmは突ける、という ことである。どうせやるなら、『使える空手』を身につけたい。空手の道は、本当に奥深いです。 押忍、ありがとうございました。

師範のお言葉
・基本の練習によって体力をつけること。基本で養った体力は、全てに役に立つ。
・基本では確実に受けを極めてから突くこと。受けが突きの動作に引っ張られないように注意。
・平安四段の左右の猿臂打から、左手で下段をしっかり払ってから次動作へ移る。
・同じく、前蹴の後の裏拳への一連の動作は、相手につかまれた時の対処に応用できる。
・5cm奥を深く突けば突きは効くが、そのためには1cm奥を深く突けなければダメだ。


09.01.09(金) 名大金曜練習(今年の初練習)

基本:自然体中段突、移動基本追突、三本突、上受・逆突、外受・逆突、内受・逆突、手刀受・貫手
    前蹴、蹴上、蹴込、回蹴
型:平安初段〜四段
組手:受け手が自由組手風の基本一本組手、上段突vs流し受け・逆突、中段突vs払い受け・逆突
    蹴込vs外受・背後から倒して極め、中段突vs右外受・背手打ち・猿臂・倒して極め
型:平安四段・五段の指導

皆様、新年明けましておめでとうございます。本年も、空手を通じて素晴らしい一年と なることをお祈り申し上げます。

実は、冬休みの間に体重が63kgから65kgに増えてしまっていた。まだ、会社があるうちは体育館で 自主練習をしていたのでよかったが、会社の長期連休に入ってからは、自主練習をするにしても狭い自宅でしか できないので、時々ランニングもやっていたといえども、少しカロリーオーバーになっていたかもしれない。連休中に 2回、息子と二人で名古屋市のスポーツトレーニングセンターで筋トレに励んだので、筋肉も多少ついたようだ。 その代わり頑張りすぎて、古傷の左膝をちょっと痛めてしまった。にもかかわらず、年内は自宅で毎日のように 空手の自主トレをしていたため、ついに左膝がダウン、正月三が日は安静にすることにした。 おかげで大分よくなったが、 左膝の周辺が少し腫れており、固くなってしまった。昨年4月の左膝靭帯損傷から完全復活したと喜んでいたところ なので、正に油断大敵である。現在、少しづつよくなっているが、あせりは禁物である。筋トレの成果で長年の腰痛は ほとんどなくなったので、膝も少しづつ鍛えれば何とかなると思う。

さて、昨日、師範からグッドタイミングで本日の初練習のご連絡をいただいたので、万難を排してさっさと仕事を 切り上げて名大練習に向かう。他道場のK君からも、今朝、私の携帯に初練習についての問い合せメールがあり、 さっそく参加してもらえて嬉しい。名大練習は、昨年12月19日に練習納めをして以来、実に3週間ぶりである。 『まず軽く身体を温めるゾ』との師範のお言葉から練習開始。しかし、いつものことながら、これがまた全然軽くない。 K君もそうだが真剣にやればやるほど、汗が噴き出て充分すぎるほど身体が温まる。K君の道場は水曜日が初練習 だったそうで、さすがに私よりワンテンポ動きが早い。私の方はというと、体重が増えたのと左膝の不調で動きが鈍い。 それでも、手刀受・貫手の辺りから膝が温まってきて動きがスムーズになる。続く型の練習も普段と全く変わりがない。 平安四段までやると、道着は汗びっしょりとなる。身体から完全に正月気分が抜けて、とても爽快な気分だ。

師範が所用で7時には帰られるというので、ここまでの練習は急ピッチ。次の組手練習は、攻め手は基本一本、受け手は 自由組手風という、いわば自由組手の一歩前段階の練習。しばらく組手の練習ができなかった私には、これは自由組手の 感覚を取り戻すにはよい練習。基本と型と組手は三位一体なので、今年はぜひとも組手が上達するようにしたい。師範が 帰られた後は、K君と手分けして型の指導を行う。私は、新人君とルーマニア学生に、平安四段と五段の指導。 ルーマニア学生は3月一杯で帰国するそうなので、平安の型の中でも一番美しい四段の型をマスターしてほしいと思い、 その後の五段も含め、繰返し練習する。 彼は日本語がほとんどできないので、私の片言英語では伝えたいことの半分も伝えられない歯がゆさがあるが、 空手の型が断じてダンスなどではないことは理解してもらえたのではと信じたい。 2時間みっちりと練習して、次期主将候補の道場訓で締め。初日からハードな練習でしたが、皆様、お疲れ様でした。 押忍、ありがとうございました。


    

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