Ex-diary 春来りなば7

Extra diary

小ネタ置場。

破壊王子。輪っかベジたん。ちょっとした連載小説から日記での小ネタログ、その他分類不能な文章置き場です。連載小説はカカベジ/くだらないギャグ系中心。飽きたorくだらなすぎて耐えられなくなったらさっさと辞めてしまうであろう、極めていい加減企画です、ご了承ください(゚Д゚;)ハアハア

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春来りなば 待ち人遠からじ [7]

2010/05/17

ブウ編後のカカベジ。空気読めない男x血圧高い乙女。




鼻先に感じるのは芽吹く緑の匂い。目の前には煌めく緑の双眸。あまりにも近すぎて思わず目を閉じると、目蓋が閉じ切る瞬間唇に柔らかいものが重ねられた。
「………っ」
柔らかくて、少し冷たい。それから先ほどまで舐めていたバニラアイスと同じ味がする。その生々しい感触に咄嗟にどう反応して良いか分からず、ただカカロットの服の襟元をぎゅっと握りしめる。触れ合った鼻先に奴の呼吸が触れた。『くすぐってえな』、そんな事を思っていると、重なった唇が一旦離れて、角度を変えてまた重ねられた。唇を啄ばまれる感触、太い腕に抱き寄せられる感触。それから大きな手のひらでゆるやかに背を撫でられる感触。そのどれもが甘やかで生々しい。
「ん……」
思わず鼻から抜けるように洩らしてしまった声も、自分で驚くほどに甘く擦れていた。


「カカロット…っ…」
抗議の声を上げようとすれば、いつの間にかシャツの裾から忍び込んできた手にわき腹を撫であげられて、阻まれる。
「…んあ…っ」
思わず体が震えて情けないような甘い声を洩らしてしまうと、それに触発されるようにカカロットの纏う気配が変わっていく。先ほどまでの呑気さは影をひそめ、代わりに肌をちくちくと刺すような危険で獰猛なものに代わっていく。それは間違いなくサイヤ人生来の、獲物を求める狩人のものだ。そして奴が狩ろうとしているのは……。シャツの裾から差し入れられた手は、背をさする動きから明らかに性的な意図を持ったものへと変わっていく。オレの体は咄嗟に危険を察して逃げを打とうとした。


「おい、カカロット……っ」
奴の肩を掴んで押し戻そうとするが、びくともしない。それどころか体を這いまわる手はますます図に乗ったように動きを増していく。同時にオレの意思に反して自分の体も反応を始めてしまう。……マズイぞ、このままでは……!そう思った時、カカロットの手がするりとオレの胸の先を掠めた。
「ひ、あ……っ!」
体が跳ね上がり、今まで以上に甘い声を上げてしまう。!おい、ちょっと待て、これではまるでオレが喜んでいるみたいじゃねえか!かあっと顔が赤くなるのを感じる。
「ベジータ……」
いつもより数段低い声でカカロットが耳元で囁きかけてくる。
「今の声……随分旨そうだったよなあ………」
奴の纏う気配がすっと冷えていく。マズイ!身にしみついた教えで咄嗟に目を開いて身をよじろうとすると、オレが反応するより早く奴は動いた。肩を強く掴まれて、そのままベッドの上に強く押さえつけられる。
「……っ!い……や、だ……っ!」
恐怖を感じたオレが拒絶の声を上げても、奴は止めるどころかますます重くオレの上に圧し掛かってきた。耳に息を吹き入れるように囁かれながら、耳朶をぺろりと舐められる。
「おい、カカ……ちょっと、待て……っ!!」
「待たねえ」
抗議の声は容易く無視され、乱暴な手つきでシャツが喉元まで捲り上げられる。敏感な胸元に冷たい唇が押し付けられる。その感触にまた甘い声を上げてしまう。
「アッ!あぁ…んっ!」
抵抗するオレの動きはヤツの片手であっさりと封じられ、もう一方の固い手が、唇が、舌が肌の上を這いまわる。強い腕に閉じ込められ、翻弄される。上擦る声と早くなる鼓動を止められなくなる。
「は…ぁ…カカ…あ…っ!」




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