Ex-diary 春来りなば12

Extra diary

小ネタ置場。

破壊王子。輪っかベジたん。ちょっとした連載小説から日記での小ネタログ、その他分類不能な文章置き場です。連載小説はカカベジ/くだらないギャグ系中心。飽きたorくだらなすぎて耐えられなくなったらさっさと辞めてしまうであろう、極めていい加減企画です、ご了承ください(゚Д゚;)ハアハア

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春来りなば 待ち人遠からじ [12]

2010/06/19

ブウ編後のカカベジ。空気読めない男x血圧高い乙女。


「カカロット、ちょっと待て!!」
オレは戦闘民族サイヤ人の王子だ、なめるなよ!!圧し掛かるカカロットを押し返そうとオレは必死で手を伸ばした。(……オレだって続きを求めてる事は事実だが、コイツの思う通りにむざむざとヤられるのは我慢できん!!)
「―――いででででっ!!ベジータ、いてえ、痛えよ!!」
運良くオレの突き出した腕はカカロットの顔の真ん中、ちょうど鼻のあたりに当たり、急所をギュウギュウ押されてさすがの奴も少し怯んだ。その隙を見計らって、ベッドの上に肩肘をついていたオレは、なんとかカカロットの下から上体だけ這いだす事に成功する。
「何だベジータ、おめえさっきオラが『続きしてもいいか』って聞いたら、ちゃんと頷いてたじゃねえか」
行為を途中で止められて、カカロットはあからさまに不満そうだ
「確かにそうかもしれんが!!ちょ、ちょっと待ちやがれ……」
「えー、何だ、まだ何かあるんか?おめえは本当にワガママな奴だなあ」
ワガママはどっちだ!!そう叫びたいのをオレはぐっと我慢した。ここで奴にキレられては歩が悪い。唾を飲み込み息を整えてから、オレは先程からずっと無視されっぱなしの訴えを再び口にした。


「ここじゃ……いやだ……」
「ここって?場所の事か?」
オレの言葉を聞いて、カカロットが不思議そうに目をぱちぱちと瞬いた。
「何だよ、場所なんかどこでも良いじゃねえか」
キサマはそうだろうな!!オレはまたしても憤慨しかけたが、すぐに腹に収めた。響かない奴相手にいくら腹をたてたところで、むなしいだけだ。オレ自身、体が熱くて、奥が疼いてどうしようもない。もう限界だった。
「キサマは良いかもしれんがな……、オレは良くないんだ……」
暴れる鼓動を押さえながら、オレはできるだけ冷静に訴えた。いくら何でも階下には家族もいる。こんな場所でできるかってんだ!!しかし次の瞬間には、オレの考えはどうやら相当甘かったらしいと認めざると得なくなる。
「場所なんかどこだって一緒だろ?どうせヤル事は同じなんだからさあ」
「~~~っ!!キサマ良いかもしれんがオレはそういうワケにはいかんのだ!!」


突然声を張り上げたオレに、カカロットがびっくりしたような顔をする。……なんでオレがキレたかまったく分からない、とでも言いたげな顔だ。
オレの訴えは全然響いちゃいなかった。もう限界だ、こんな奴の相手なんかしてられるか!!体の方も限界だったがそんな事構うもんか、こうなったらトイレで自己処理だって何だってやってやる!!オレはついにぶち切れた。
「もういい、キサマなんかもう知らん!!さっきから聞いてればオレの言う事をことごとく無視しやがって、てめえの相手はもううんざりだ!!さっさとオレの上からどきやがれ!!」
誇り高きサイヤ人の王子であるこのオレが、何で下級戦士相手にここまで振り回されねばならんのだ!一瞬でも気を許した自分が恥ずかしいぜ!!カカロットの胸を押しのけて、もうオレはほとんど泣きたいような情けない気分になりながらベッドから降りようとした。


そこまでオレの様子を見ていたカカロットが変化した。困惑した表情が急に真面目くさったものになる。
「分かった。ここで無けりゃいいんだな?」
何だ?床に片足を下ろしかけていたオレが反応するより早く、オレの腰に強い腕が回された。体が引き寄せられる。強い腕に包まれる感触。体がふわりと宙に浮く。気が付けば目の前にはカカロットのむき出しの胸があった。
「………―――?!」
あっという間だった。次の瞬間、オレは自分の状況を理解すると共に、あまりの恥ずかしさに今度こそ体中から火が出そうになった。気が付けばオレはカカロットの奴に、横抱きに抱き止められていたのだ。
「お、おい!キサマ何しやがる!!」



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