Ex-diary 春来りなば15

Extra diary

小ネタ置場。

破壊王子。輪っかベジたん。ちょっとした連載小説から日記での小ネタログ、その他分類不能な文章置き場です。連載小説はカカベジ/くだらないギャグ系中心。飽きたorくだらなすぎて耐えられなくなったらさっさと辞めてしまうであろう、極めていい加減企画です、ご了承ください(゚Д゚;)ハアハア

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春来りなば 待ち人遠からじ [15]

2010/07/03

ブウ編後のカカベジ。空気読めない男x血圧高い乙女。



「きっキサマ、オレの服を置いてきただと?!この大馬鹿野郎が!さっさと元の場所に…・」
「なあベジータ、オラちゃんとおめえの言うとおり、違う場所に連れてきてやったぞ。だからさっさと続きしようぜ」
~~~~~っ!!!こいつ、またオレの言う事を無視しやがったな?!
「何が続きだ、ふざけやがって!オレはもう帰るからな!!」
ここまでの大騒ぎの結果、オレはすっかり萎えてしまっていた。今更ヤルも何もあるか!そう叫んで立ち上がりかけて、オレはギョッとした。オレの腿に押し付けられた奴のモノ。…それは相変わらず凶悪なまでの熱と固さを保って脈打っていた。いわゆる、その…『臨戦態勢』というやつだ。こいつ、あれだけ大騒ぎして後だというのに!きょとんとした表情でオレを見るカカロットの顔と、凶器とも呼べそうな奴のモノとを見比べる。そのあまりの落差に目眩がした。こいつ、一体どういう体の構造をしてやがる!!


「帰るって、おめえどうやって帰るんだ?」
「どうしたもこうしたもねえ、飛んで帰れば…」
「おめえ素っ裸のままだぞ?オラの瞬間移動が無えと帰れねえだろ」
「うっうるさい!!!」
こっこのやろう…!奴の言葉にイライラと歯噛みをする。ひょっとしてこれは作戦か何かだったのか?!




「オレは帰るといったら帰るんだ、さっさと離しやがれ!!」
最早悪あがき以外の何物でもないが、それでも苛立ちながら立ち上がろうとするオレの手をカカロットが強く引いた。
「……………っ!」
「寒くねえか?」
不意をつかれたオレはたちまちよろめいて、そのまま奴の胸にもたれ掛かってしまう。
むき出しのオレの肩が、カカロットの腕に包まれる。
「外は嫌だったか?おめえ、調子が悪いのに無理に外に連れ出しちまって悪かったな。おめえの機嫌が悪いのってそのせいだろ?」
奴の手がオレの肩や背をさする。見当違いの解釈をしながらも、カカロットの手はオレを気遣い労わるものだった。汗で冷えかかった体を、大きくて温かい手のひらにさすられる感触が気持ち良い。始めは苛立ってなんとか奴の手をもぎ放そうと身もがいていたオレは、いつの間にか気が付けば奴の胸に大人しく体を預けて、うっとりと眼を閉じていた。


「………フン………」
大人しく腕の中に納まる事を面白くなく思いながらも、オレはここまでの騒ぎですっかり疲れていた。しばらくカカロットの手に背をさすられるまま奴の胸に身を任せ、溜息のような息を一つはいた。
外は春の気配に満ちていた。高いところで層をなして重なり合う枝葉は緑の天蓋となって、風にさやさやと揺れている。枝葉を通り抜けた柔らかな春の日差しは、金色の糸になって頬や背中を温める。柔らかな若緑色の芝の上、惜しげも無く注がれる明るい日の光。丁寧にしつらえた花壇のように、傍らに咲く黄色い花。鳥の声。春の匂い。カカロットと同じ匂い。
散々振り回されて良い様に扱われて、腹立たしいことこの上ないはずなのに、気が付けば奴の目をこちらに向けさせたくてたまらなくなる。他の奴の事なんかどうでも良い、オレだけを見つめさせてやりたくなる。カカロットと戦う事は無上の喜び。置いていかれる事はこの上ない恐怖。この執着をもう認めないわけにはいかない。
ぽかぽかと温もった春風が肌に心地良い。昼間、トランクスに窓を閉めさせたのは、この風がひどく腹立たしく憂鬱に感じられたからだ。けれど今は温かい風に包まれる事がとても心地良く、そして胸が高鳴るような不思議な安堵を感じる。それは何故か。
……カカロットがそばにいるからだ。


「……なあ、ベジータ」
カカロットに頬を両手で包まれて、上を向かされる。眩しい光が目に飛び込んで、思わず目を細めると、耳もとで甘い声で囁かれた。
「なあ、続きしてもいいか?ちゃんと済んだらオラがまた連れて帰ってやるからさ」
……こいつの頭の中はそれしか無いのか……。呆れながらもオレは、今度こそ素直に頷いていた。



「ん……あっ……はぁっ」
木の幹にもたれて座るカカロットの膝にゆっくりと腰を落としながら、オレは苦悶の息を吐いた。時間をかけて指で慣らされたとは言え、狭い体内を埋め尽くす大きさのモノを入れるのは辛い。体中を強張らせ、カカロットの背にしがみ付きながら、それでもオレは自分の中に奴のものを招き入れていく。
「う、あ…あああっ……!!」



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