Ex-diary サルの恩返し17

Extra diary

小ネタ置場。

破壊王子。輪っかベジたん。ちょっとした連載小説から日記での小ネタログ、その他分類不能な文章置き場です。連載小説はカカベジ/くだらないギャグ系中心。飽きたorくだらなすぎて耐えられなくなったらさっさと辞めてしまうであろう、極めていい加減企画です、ご了承ください(゚Д゚;)ハアハア

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サルの恩返し [17] (元ネタ ツルの恩返し)

2009/12/11

元ネタの原型留めない、すっかり単なるカカベジ夫妻の話に。夫+乙女な嫁。





敷布代わりのように床に広げられた互いの衣服にもつれながら、逞しい胸の下で小さな体が怯えたように身を震わせます。
「っァ…カカ、あ……んぁ……っ」
山吹色の道着をきつく握りしめるベジータは一糸纏わず、なめらかな背の稜線をカカロットの目の前に曝しています。その肌生地は透き通るように白くきめ細やかで、やんごとなき生まれを示すかのようでした。背を唇で愛撫され脇腹を固い掌で撫であげられると、体にびくりと震えが走ります。
「あ…や…ぁ……」
その体に覚えたばかりの快楽が与えられるたび、小さな唇から洩れ聞こえる声もまた小鳥のように甘く小さくなものでした。そして我知らず声を漏らしてしまうたび、頬を染めて恥ずかしげに顔を伏せてしまいます。
「なあ、ベジータ…どうしてほしい?言ってくれよ」
その通りにしてやるから。そう耳元で囁くカカロットの目は情欲に燻った緑色に輝き、月光に照らされた髪は白金に色を変えます。
「やだ、や……そんなの、言えな……っぁ……!」
答える終わる前に脇腹を巡っていたカカロットの掌が前に回され、昂ぶり始めたベジータのそれをやんわりと包みこみます。
「…ア、いや、だぁっ…!!」
先ほどまでとは比較にならないほどの衝撃が背筋を走り、もはや押し殺すことの出来なくなったベジータの声が高く上がります。いつも人をきつく睨みつけてくるはずの瞳は潤み、見開かれて涙を振りこぼしています。
「いや、だ、いやぁ……カカ……あ、あ……!!」
わざとゆるゆるとした手つきで高ぶりを梳かれるたび、悲鳴のような声がひっきりなしに上がります。ねちねちと卑猥な水音に耳を塞ぎたくなり、自分が泣いている事がたまらなく恥ずかしく、もはやどうして良いかわからず頭を打ち振ります。
「…いや…ぁ…」
快楽の涙を振りこぼし、抑え切れない声を上げ続ける姿は、ひどく淫らで、それでいて幼子のようにいたいけで頼りなげなものでした。その背中を、カカロットの緑色の目がじっと見つめます。すがる物を求めて伸ばされた手を掴み、うつぶせていた体を強い腕で抱き寄せ、仰向けさせて頼りなげに泣きじゃくる顔をじっと覗きこみます。
「本当に、嫌か?」
「……………」
その思いがけず真剣な声に、ベジータがしゃくりあげながらカカロットの顔を見つめ上げます。涙に濡れた頬を指で拭われ、滲んだ景色の向こうで、声と同じく真剣な表情のカカロットが、黄金色の前髪を一房額に落ちかからせながら、こちらを見下ろしています。
「どうしても嫌なら今夜は止めるけど………」
「…っ!ち、違う!」
まるで温もりが離れる事を恐れるかのように、ベジータの腕が自分を組み敷く男の首に必死でしがみ付きます。
「嫌じゃ、ない……」
恥ずかしいほどに震える声でそうつぶやくと、気位の高いベジータはもはや耐えられないようにカカロットの肩に顔を伏せて隠してしまいました。
「嫌じゃねえ?」
カカロットがベジータの耳元でささやくと、肩の上でベジータがこくん、と頷くのを感じました。
「続きしても良いか?」
またベジータがこくんと頷くのを感じ、その震える背をさすってやると、今度はベジータが肩の上でくぐもった声で呟きました。
「さっさと続きをしろ……くそったれ……」
漸くいつもの彼らしい言葉を聞く事ができてカカロットは安心したように笑うと、抱きよせていた体を再び床の上にそっと下ろします。
するとその時―――






「お、おいベジータ……何かあったのか?」





扉の向こうから、隣りの部屋でぐっすり眠っているはずの、ナッパの呼びかける声が聞こえました。
「!!!!!!!!!!!」
「あれ、ベジータ、ナッパサマが何か呼んでるぞ?」
快楽に溶け切っていたところで、今最も聞きたくない人物の声を聞かされベジータが衝撃のあまり咄嗟に反応できないでいると、カカロットが代わりに声をかけます。
「おーい、おっちゃん、何か用か?」
素っ裸のまま床の上から身を起こし、扉にスタスタと近づいていくカカロットに、ベジータが漸くの事で絶叫を上げました。
「おいカカロット、キサマその恰好で出るんじゃねえええっ!!!」


もちろんカカロットの前は「臨戦態勢」です。



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