Ex-diary サルの恩返し10

Extra diary

小ネタ置場。

破壊王子。輪っかベジたん。ちょっとした連載小説から日記での小ネタログ、その他分類不能な文章置き場です。連載小説はカカベジ/くだらないギャグ系中心。飽きたorくだらなすぎて耐えられなくなったらさっさと辞めてしまうであろう、極めていい加減企画です、ご了承ください(゚Д゚;)ハアハア

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サルの恩返し [10] (元ネタ ツルの恩返し)

2009/11/14

単にタイトルのダジャレを言いたかっただけにしか思えない昔話パロ・カカベジ。「嫁姑」ならぬ「婿舅問題」勃発編、その2。



「おめえ、ベジータの知り合いなんだな。良かったら家でメシでも食ってくか」
「きっキサマさっきから聞いてりゃ、捕虜の分際でベジータにも、この俺様にもナメた口の利き方しやがって!!この俺が礼儀作法ってもんを教えてやろうか、ああ?!」
歯を剥いてカカロットを威嚇するナッパの顔は、漆を塗ったように赤くなり見開いた眼は血走り、まるで赤鬼そのものの恐ろしさです。しかしそんなナッパを見てもカカロットは少しも恐れる様子はありません。相変わらずのんびりと構えたまま、真っ直ぐにナッパを見ています。
「随分汗かいてんな、暑ぃんか?」
「コノヤロウふざけやがって…!!どうしても俺に礼儀を教えてもらいたいようだな…!!」
とうとうナッパの頭から湯気が昇り始めます。


「へっへっへ…気に入らねえなそのツラ……そんなに教えてほしけりゃ、教えてやろう」
その獰猛な顔にニヤリと笑いを浮かべます。元から好戦的な性格のナッパは、カカロットの呑気そうな面構えがどうしても気に入りません。
「まずはこいつはあいさつがわりだっ!!!!」
怒りに目を見開いたナッパは、その大きな拳を自分より背の低いカカロットの脳天めがけて振り下ろします。しかし大岩をも砕いてしまいそうな恐ろしい一撃は、大きく空を切っただけ。ナッパの予想に反してその拳は、カカロットの体にふれるどころか掠める事さえしていません。
「…危ねえなあ」
ほんの少し体を傾けたカカロットが、相変わらずのんびりとした様子で呟きます。
「……え……?!」
ナッパは何が起こったのか分かりません。確かにこの大男の目には、呑気そうな地球人の捕虜は、自分の拳を避ける事もできずに棒立ちだったように見えたのです。
「……こ、コノヤロウ……!!」。
「おめえ、大ぶりすぎるんだよなあ」
「何だと?!きっキサマ、地球人の捕虜の分際で俺をバカにしやがって…!!」
ますます怒りに燃えたナッパが二度三度と拳を振り回しても、やはりカカロットの体をかすりもしません。
「そんなに殺してほしいのかキサマ!!」
「…………おめえじゃオラには勝てねえよ…………」
ナッパの言葉に反応するように、カカロットの目つきが急に変わります。その目の奥に剣呑な緑色の光が灯り、凡庸だった笑顔が急に冷ややかで好戦的なものに変わったその時。
「ナッパ、待ていっ!!!!!」
鋭く恫喝する声に、二人が同時に振り返ると、そこにはきつい目で二人を睨みつけるベジータの姿がありました。
「落ち着けナッパ。そいつは俺の『捕虜』だ…キサマは余計な口出しをするな……」
腕を組んでナッパに命令をするベジータは、真っ裸(マッパ)でした。


しかし胸を反らすその姿は、小さな体つきに似合わずとても威厳に満ちたものでした。
「……す、……すまねえ……」
ナッパの顔からあれほど満ちていた怒りが消え、その大きな体を畏怖に縮こまらせます。そして同時に、カカロットの目に灯っていた熾き火のような緑の光も、口元に浮かんだいびつな笑いもすうっと消えて、元通りののんびりとした様子のいつもの彼に戻っていました。






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