Ex-diary サルの恩返し14

Extra diary

小ネタ置場。

破壊王子。輪っかベジたん。ちょっとした連載小説から日記での小ネタログ、その他分類不能な文章置き場です。連載小説はカカベジ/くだらないギャグ系中心。飽きたorくだらなすぎて耐えられなくなったらさっさと辞めてしまうであろう、極めていい加減企画です、ご了承ください(゚Д゚;)ハアハア

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サルの恩返し [14] (元ネタ ツルの恩返し)

2009/11/25

今やすっかり元ネタの原型とどめず、単なるカカベジ夫妻の話と化しております。新婚夫婦+舅



「おめえも飲むか?結構うめえぞ」
里で貰ったお茶を食後に啜りながら、カカロットがのんびりとナッパに話しかけます。
「葉っぱはそこにあるからじゃんじゃん飲んで良いぞ。今日は茶もどっさり貰ったからな」
そう言って戸棚の上を指差し、カカロットは自分の分だけ入れたお茶を再びずずっと啜ります。パオズ山で一人暮らしの長いカカロットは、客人に茶を入れてもてなす、という習慣は無いのでした。


「けっ!そんな薄気味悪い汁なんか飲めるかよ!!」
『お茶』というものを見た事が無いナッパは、植物を煮出した怪しげな汁を地球人が啜っているのを見て、さも気味悪そうに嘔吐いた顔をします。
「なあ、おめえもそう思うだろうベジータ…」
ナッパはベジータに同意を求めようと、ベジータの方を振り返りました。すると彼の目線の先では、カカロットの横にきちんと正座をしたベジータが、両手に持った湯のみをふうふう冷ましながら美味そうにお茶を啜っていました。
「…………」


「ふん、悪くない味だな」
素朴な手びねりの湯のみはからは、飲み終わってもまだお茶の良い香りがします。ぶっきらぼうに言いながら、ベジータは湯のみの底に残った茶葉の匂いに鼻をならすと、
「な、ベジータもそう思うだろ?この前採れたばっかのお茶なんだってさ」
カカロットも誇らしげに笑います。
「そういう事だからさ、オッチャンも飲んでみろようめえぞ」
「…誰が『オッチャン』だ、キサマいい加減にしろ!!」
ベジータにとがめられて珍しく自制心を働かせていたナッパですが、彼の気の短さとカカロットののん気さはどうも相容れないようです。またナッパが顔を真っ赤にして立ち上がります。
「ベジータの命令で俺が手を出せないからって調子に乗りやがって!!だいたい、オレの名は『ナッパ』様だ、良く覚えてやがれこのクソ野郎が!」
「へぇ~っ、おめえの名前って『ナッパサマ』だったんか?オラ、ただの『ナッパ』だと思ってたんだけど違ってたんだな、悪ィ悪ィ」
頭をかきながらアハハと笑うカカロットには本当に悪気は無かったのですが、あまりに誠意のない詫びの言葉にナッパが再びブツリと切れます。
「きっキサマ!!捕虜の分際で大概にしねえと本気で……!!」
「黙れナッパ、うるさいぞ」
血走らせた目で今にもカカロットに飛びかかりそうだったナッパを制したのは、やはりベジータでした。いつの間にか立ち上がって、台所で新しくお茶を入れています(勿論自分の分だけです)。いくら獰猛なナッパでも、主君であるベジータには絶対逆らえません。
「ぐぬぬ……くっそう……!!


ナッパはいぶかしみます。一体今日のベジータはどうしたというのでしょう。ベジータが小さい頃から傍に仕えてきたナッパは、彼の気まぐれな事は良く知っているつもりですが、それにしてもこの地球で再会してからベジータはどうも様子が変です。恐怖と絶望の喘ぎと共に語られるはずの戦闘民族の王子が、今日はどうしたわけか時々まるでうぶな小娘か何かのように大人しくなります。そしてそれは決まって地球人の捕虜を前にした時なのです。
「おいベジータ、お前一体どうしちまったんだ?何でこんな野郎の肩なんか持つんだ!!」
「なんだキサマ、この俺様に楯つこうというのか?」
納得の行かないナッパがベジータに詰め寄っても、ベジータはジロリとそれを一瞥しただけ。湯のみを手にして、再びカカロットの横に寄り添うようにちょこなんと腰を落としました。
「ぐぬぬ……くっそう……何なんだ一体!!」



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