東京物欲見物欲日録 2005

A Yamagatan in TOKYO


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■2001年□1月〜4月□5月〜8月□9月〜12月 ■2002年□1月〜4月□5月〜8月□9月〜12月
■2003年□1月〜4月□5月〜8月□9月〜12月 ■2004年□1月〜4月□5月〜8月□9月〜12月
■2005年□1月〜4月□5月〜8月

9月某日 銀座のスパン・アート・ギャラリーで開催されている〈種村季弘 断面からの世界〉展を観に行く。その後築地まで歩き、築地本願寺前から錦糸町駅前行バスに乗車、住吉駅前で下車、たなべ書店西大島店まで歩く。ついで亀戸まで歩いて帰途につく。
9月某日 自転車にて隣町金町までぶらぶら散歩。古本屋映吉書店・五一書房などを発見。
9月某日 洲之内徹『さらば気まぐれ美術館』最後の一文の舞台となった一之江の申孝園に行く。最寄駅からバスで新小岩に出、新小岩から葛西駅行の都営バスに乗り換えると、途中「同潤会」というバス停がある。そこで下車。昭和10年代に同潤会によって分譲させた住宅地の残滓。整然とした短冊形に区画されているが、住宅自体は古いという感じがない。戦災を蒙ったゆえか。
そこから今川街道(松江商店街)を歩いて申孝園へ。ここも戦災にあって、昔の建物はない。申孝園は日蓮宗在家信者による宗教団体国柱会の本部。建物のなかからは読経(と言っていいのか)の声が朗々と響いてくる。
9月某日 筑波大学に出張。北千住から初めてつくばエクスプレスに乗る。1000円という運賃は意外に高いと感じたのだが、距離から考えればそれほどでもない? 沿線はこれから開発されるという印象で、いま途中下車しても、駅前に「昔ながらの商店街」が広がっているという雰囲気ではないかも。途中から視界には、関東平野の原野ともいうべき深い森が広がる。
つくば駅からバスで大学へ。途中古本の看板をひとつ見つけるものの、立ち寄れず。つくば大学はただただ広大。何でも9月1日から後期が始まっているのだそうで、学生さんが多い。学食はなぜか11時台に混雑して、12時になるとサーッと引けてゆく。午後の授業の始まりも早いらしい。筑波に流れる時間は違う。
9月某日 九月大歌舞伎・昼の部を観るため木挽町へ。その後新生堂奥村書店・同三丁目店・教文館書店と立ち寄り、帰宅。
9月某日 中村橋の練馬区立美術館に「佐伯祐三展」を観に行く。美術館のある中村橋から南下して西武新宿線鷺ノ宮まで歩き、電車を乗り継ぎ日暮里へ。南陀楼綾繁さん主催の「一部屋古本市」に招かれたので、会場である谷中の仕事場にお邪魔する。その後「チェコのマッチラベル展」開催中の根津の喫茶店NOMADにて、同じく参加された方々と歓談。
9月某日 「Nの会」の飲み会。当初神田司町の「みますや」で開催の予定だったが、思わぬ超満員のため断念。神保町のおでんやにて開催。参加者全員、したたか酔って二次会に突入し、散会。
9月某日 午前中、前日の飲み会の二日酔いで起きあがることができず。ようやく昼過ぎに出かける。目指すは東京都現代美術館。同館で開催中の常設展「1920年代の東京」と、企画展「東京府美術館の時代 1926-1970展」を観る。
美術館を出て、木場公園を縦断し、木場駅近くの大横川に架かる新田橋を訪問。成瀬監督「稲妻」の舞台なり。しかし新田橋は新たに架け替えられており、旧橋が移設されている親水公園を探すも、たどり着くことができないまま、門前仲町から帰途につく。
9月某日 メーリングリストで知り合った同郷の知人たちと催している恒例の「芋煮会」。市川国府台にて二年ぶりに開催された。今回は、いま地元山形で若者を中心に流行しているという、おしまいにカレールーを入れてカレーうどんにして食べるという試みを敢行。芋煮でうまみが出た汁にルーを入れるのだから、お蕎麦屋さんのカレー並みに美味かった。
10月某日 新しい自転車を購う。その自転車で堀切まで。青木書店などに立ち寄る。
池袋リブロ・コミュニティカレッジで開催された講演会「燃えよチャンバラ! 川本三郎が語る傑作時代劇映画の魅力」を聴く(受講料1000円)。
10月某日 長男と東京六大学野球を観に神宮球場に行く。東大×慶大。16対3で慶応の勝ち。10月に入ってこんなに日焼けするとは思わなかった。
試合終了後バスで早稲田に出、穴八幡の青空古本市をのぞく。子供もいたので満足に見ることもできず、何も買わず。ふたたびバスに乗り湯島に出、帰宅。
10月某日 仙台の後輩が調査で上京。ラーメン好きの彼を案内し、仕事帰り京成電車に乗って堀切菖蒲園まで。ラーメン大へ案内する。彼は初めての二郎系に満足したようだった。(翌日昼は本郷大横丁の「助六」に案内す)
10月某日 長男の運動会が雨で順延となったので、一人ラピュタ阿佐ヶ谷に行き、春原政久監督の「親馬鹿大将」を観る。柳家金語楼・三益愛子の高利貸し夫婦の喜怒哀楽。本郷空橋がまたしても登場。
10月某日 家族で万世橋の交通博物館に行く。来春閉館し、大宮に新しく「鉄道博物館」として生まれ変わるため、「さよなら交通博物館」として館所蔵の洋画が特別公開されている。長谷川利行の「赤い機関車庫」が圧巻。休日だったため、交通博物館本来のアトラクションと展示を楽しむ家族連れで大賑わい。
10月某日 国立公文書館に仕事で行った帰り、東京国立近代美術館に立ち寄り、常設展「所蔵作品展 近代日本の美術」を観る。横山大観「生々流転」、岸田劉生特集、藤牧義夫「太陽」など。
10月某日 仕事帰り、神保町古書会館で開催中の地下室の古書展(vol.6)に行く。最終日なり。
10月某日 文京ふるさと歴史館で始まった企画展「近代建築の好奇心 武田五一の軌跡」を観る。好企画。
10月某日 最初の数日に出演後、休演していた雀右衛門が復帰という新聞報道を見て、慌てて仕事帰りに歌舞伎座に行き、夜の部の「河庄」を幕見で見る(800円)。鴈・雀の共演で、鴈治郎さんはこの名前での最後の公演。「成駒屋」というかけ声を聴くのも最後になるのか。「河庄」は思った以上に滑稽味のある芝居だった。
10月某日 新庄出張。
10月某日 ラピュタ阿佐ヶ谷にて、「昭和の銀幕に輝くヒロイン 第24弾 芦川いづみ」のうち「乳母車」、「日々是好日 監督春原政久」のうち「三等重役」を見る。途中の空き時間には、阿佐ヶ谷にある小野忠重版画館を初めて訪れ、「小野忠重傑作版画展」を見る。
11月某日 ラピュタ阿佐ヶ谷にて「昭和の銀幕に輝くヒロイン 第24弾 芦川いづみ」のうち「あした晴れるか」を観る。観終えたのち、目先の変わったことをしようと、阿佐ヶ谷から高円寺まで歩き、高円寺発赤羽行のバスに乗る。これまで通ったことのないルートで期待したが、環七を走る路線で幻滅す。十条で降り、商店街、新古本屋などをめぐり帰宅。
11月某日 家族で海浜幕張のアウトレットモールに行き、買い物。
11月某日 書友数人と神田美土代町の老舗居酒屋みますやで飲み会。
11月某日 木挽町に歌舞伎昼の部を観る。富十郎の「うかれ坊主」が絶品。
11月某日 仕事帰り、シネスイッチ銀座にて、「松竹110周年記念祭」で上映された「有りがたうさん」を観る。山野楽器の裏にこんな映画館がある事なんて知らなんだ。映画を観る前、久しぶりにニューキャッスルにてカレーを食べる。大森。この店はつぶしてはならないと強く思う。
11月某日 仕事帰り、東京国立近代美術館にて所蔵作品展を観る。
11月某日 池袋新文芸坐にて、「撮影監督 高村倉太郎」のうち「洲崎パラダイス 赤信号」「幕末太陽傳」の二本を観る。その後後者に出演した南田洋子さんのトークショー。本来は高村さん自身が聞き手になる予定だったが、特集開始の数日前に急逝されるという不幸あり。「洲崎パラダイス 赤信号」も「幕末太陽傳」も、どちらもとても面白い。