東京物欲見物欲日録 2005.5-8

A Yamagatan in TOKYO


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5月某日 メーデーに参加。代々木公園から恵比寿まで歩く。こういうことは慣れないから、体力的疲労より精神的疲労がはなはだしい。
5月某日 横浜山手にある県立神奈川近代文学館にて、「生誕80年・没後35年記念展 三島由紀夫 ドラマティックヒストリー」を見る。また大佛次郎記念館にも訪れる。京浜東北線石川町駅から元町を経て港の見える丘公園へ。元町はいい雰囲気。
帰途、別行動をとっていた家族に合流するため汐留へ。日テレは大賑わい。
5月某日 家族で根津神社のつつじ祭りへ。ここも大賑わい。わたしたちが行き始めた頃は、まだこんな人出ではなかったように思うのだが。その後家族と別れ、わたしは千石の三百人劇場に行き、「吉村公三郎 女性映画革命」のうち「安城家の舞踏会」を観る。
5月某日 長男の東京メトロスタンプラリーに付き合う。南北線と千代田線をまわる。また、東京都庭園美術館にて、ジェームズ・アンソール展を見る。アール・デコ展をやっているものと勘違いしていた。これは上野の都美術館のほうだった。
5月某日 仕事帰り、三百人劇場に行き、「吉村公三郎 女性映画革命」のうち「婚期」を観る。
5月某日 長男のスタンプラリーに付き合う。東西線・日比谷線あたり。ブックオフ門前仲町店に行く。
5月某日 午前中、マンションの管理組合総会に出席。午後、スムース友の会、地下室の古書展vol.5に行く。同展でお会いしたふじたさん・ちわみさんと喫茶店でおしゃべり。
5月某日 非常勤の出講先にて講義を終えたところで、近くに職場がある友人Kさんから電話。これから飲もうということになり、落ち合って飲み、遅くまで語り合う。ネットで知り合った年少の友人だが、ネットを離れてもこうした付き合いができるのは嬉しい。帰途、久しぶりに表参道を原宿まで歩く。右手にあった同潤会アパートがないのがさびしい。でも、表参道のゆるやかな下り坂を歩くのは楽しい。
5月某日 長男の幼稚園のお誕生日会に出席。去年より妻と暗闘していた、壇上に登って挨拶する役は私の完敗。挨拶させられる羽目に。長男は将来サッカー選手になりたいそうな。終わりて後、家族でサイクリング。
5月某日 木挽町に行き、十八代目中村勘三郎襲名五月大歌舞伎・昼の部を観る。
5月某日 妻と木挽町に行き、十八代目中村勘三郎襲名五月大歌舞伎・夜の部を観る。
5月某日 非常勤講師の仕事帰り、明治神宮前まで表参道を歩く。久しぶりにデメルにてザッハトルテを購入。ブックオフ原宿店にも久しぶりに立ち寄る。書友密偵おまささんと偶然お会いする。
5月某日 10年目の結婚記念日。池波正太郎さんが愛した味、銀座の天ぷら近藤にてランチ。海老や穴子といった魚介類はむろん、アスパラガス・玉葱・椎茸・タラの芽・蓮根・サツマイモといった野菜類の天ぷらに一驚。ひとくち口に入れると、野菜本来の味が口中に広がる。天ぷらという料理は、かくも素材を大切にするものであるということを知る。大満足なり。
その後千石に出、三百人劇場にて、千葉泰樹監督の映画「続大番 風雲編」「好人物の夫婦」「下町(ダウンタウン)」を観る。
5月某日 世田谷美術館にて、「ウナセラ・デイ・トーキョー展」を見る。祖師ヶ谷大蔵駅から砧公園まで歩く。途中、祖師谷南商店街にあるブックオフ祖師ヶ谷大蔵駅前店、ツヅキ堂書店、文成堂書店に、また帰途、千歳船橋から経堂まで歩き、経堂の大河堂書店、遠藤書店に立ち寄る。
6月某日 仕事帰り、京橋の東京国立近代美術館フィルムセンターに立ち寄り、「生誕百年特集 映画監督豊田四郎」のうち、「猫と庄造と二人のをんな」を観る。山田五十鈴と香川京子の大乱闘。森繁はおろおろ。
6月某日 解体寸前の情報を得たので、板橋区大谷口にある大谷口配水塔を見に行く。昭和初年の築。円筒形で、丸ドーム。ごく普通の住宅地に突如にょっきり生えている奇怪な建物という風情にドキドキ。行きは池袋からバスで千川まで。帰りは大谷口から大山まで歩き、駅前の古本屋を訪れ(成果なし)、東武東上線で池袋まで戻り、帰途につく。途中北千住で下車し、ブックオフに立ち寄る。
6月某日 長男のピアノ発表会。これを聴きに山形から母が上京するため、長男と二人東京駅に迎えに行く。ホームで人だかりがしているので見てみると、横浜の中村武志捕手の前に行列が出来、サイン攻めにあっている。眠そうな、浮かない顔をして、でも律儀にサインに応じる中村選手。昨日横浜で楽天戦があり、今日は仙台で楽天戦があったようだ。選手はバラバラと仙台に行くらしい。もう一人誰かサイン攻めにあっていたが、知らない選手だった。ホームには、プロ野球選手のカードをカードホルダーに整理した野球ファンがたくさんいた。
午後に長男の発表会。彼は本番に強いらしい。まあ合格点。終わって帰るとき、同じ発表会で歌を披露した、今年大学を卒業しミュージカル女優を目指しているという可愛いらしいお嬢さんから声をかけられ、幼稚園年長にしてはすごい、演奏を聴いた瞬間将来伸びると思ったと褒められ、テレていた。親ばかながら嬉しい。
堀切菖蒲園からお花茶屋まで自転車にて古本屋めぐり。
6月某日 父の日参観。年長になって、幼稚園最後の参観だった。これまで二年間は教室内で一緒にいろいろなことをしたが、年長は外で運動。やはり女の子の父親になってみたいな、と思う。まあこれもひとつの人生か。子どもたちが何人か組になってかけっこをした。一着になろうと必死で走っている子、ビリのほうでも一人でも追い抜こうと必死な子、ビリなのに笑いながら走ることを楽しんでいる子、子どももいろいろだ。負けず嫌いの私は最初のグループに属するし、長男もそう。でもいまのわたしは、最後のグループの子どものことを考えるのが楽しい。
午後、帰郷する母親を見送りに家族で上野駅へ。その後私は家族と別れ、ひとり木挽町へ。六月大歌舞伎夜の部を観る。
6月某日 仕事帰り神保町に出る。東京堂書店で買い物のあと、西秋さん、ふじたさんと恒例の「Nの会」。すずらん通りの居酒屋浅野屋にて。店内は改装して新しくなったばかりだというが、コの字型のカウンターがいかにも安居酒屋風でいい。会は相変わらず弾んで、あっという間に時間が過ぎる。
6月某日 やましたさん、やっきさん、Iさんと私の四人で市川の古本屋めぐり。昼食は荷風の通った大黒家にてカツ丼(840円)。ブックオフ本八幡駅前店・コモハウス・山本書店・青山堂書店・智新堂書店と回る。また八幡にある水木洋子邸も訪れる。幸い開園日にて、邸内に入ることができた。素晴らしい空間なり。
その後京成線で堀切菖蒲園まで出て、青木書店をのぞいたあと、近くの居酒屋富吉にて打ち上げ。
6月某日 歌舞伎座が千秋楽なので、慌てて昼の部最初の「輝虎配膳」のみ見に行く。結構な人だ。
7月某日 ボーナスが出たので、経堂に向かう。大河堂書店、遠藤書店本店・支店、古本大學経堂店をまわる。大河堂書店では木山捷平『酔いざめ日記』を購入。
7月某日 祖母の一周忌法事のため、家族で山形に帰省。帰省中、山形市内に新しくできた古本屋香澄堂書店を発見。すばらしい古本屋なり。山形に帰るときの楽しみがひとつ増えた。東京に戻る新幹線を待っているとき、ちょうど山形駅に着いた新幹線から、由美かおるさんがマネージャーらしき男性をしたがえて降りたところを目撃。人形のような顔立ち、毅然として稟として、「私は一般人と違うのよ」といった雰囲気で颯爽とホームを歩いていった。旅番組のロケでもあるのだろうか。まさか水戸黄門?
7月某日 東京国立近代美術館にて「所蔵作品展」を見る。ついでその足で九段会館。恒例の「Nの会」のメンバーと九段会館屋上ビアガーデンで呑む。二次会は神保町すずらん通りの「浅野屋」にて。
7月某日 長男のポケモン・スタンプラリーにつきあい、久しぶりに高崎線に乗る。熊谷まで往復。帰る途中桶川で下車、さいたま文学館の企画展「装丁浪漫」を見る。
8月某日 柏に行く。新装なった太平書林、および靉靉書房、古書森羅を訪れる。
8月某日 八月納涼歌舞伎第二部を観る。偶然同じ日に観にいらしていたふじたさんと会い、その後軽く呑み、楽しい話。
8月某日 国立に行き、ギャラリーエソラでの「没後十年山口瞳展」を見る。国立古書流通センター、谷川書店、ユマニテ書店。帰途荻窪で途中下車。行列で待たされ、丸長で初めてつけそば。うまい。荻窪ではささま書店と岩森書店。
8月某日 仙台出張。宿泊ホテルの近くにあるブックカフェ「火星の庭」に久しぶりに行ってみる。いつの間にかその近くに熊本ラーメンのお店ができており、そこで夕食。翌朝は、そのまた近くにあった「めしの半田屋」にて朝食。500円で満腹、満悦。
8月某日 その足で山形に帰省。山形に帰る途中、愛子で途中下車し、愛子開成堂書店へ。けっこうな収穫あり。また山形帰省中にも香澄堂書店やブックオフにて大収穫。出費がかさんだ夏休みだった。