東京物欲見物欲日録 2004.5-8

A Yamagatan in TOKYO


■最新の日録へ戻る■


5月某日 妻が仙台在住時代の友人の結婚式に招かれたので、私も仙台にお供。子供たちを実家に預け、久しぶりに山形−仙台間をドライブ。私のほうは、宮城県美術館・仙台十字屋の古本市・さくら野デパートでの古本市・ブックオフ仙台駅西口店・ジュンク堂書店などをまわって時間をつぶす。
5月某日 山形から仙台経由で、妻の実家のある岩手県金ヶ崎へ。
5月某日 水沢江刺より東京に戻る。
5月某日 国立に行き、ギャラリーエソラで開催中の「山口瞳書画展」を見る。久しぶりの国立だが、いい町だなあ。住みたさがつのる。でも都心から遠い。帰途、いつも国立に行くときは楽しみにしている古本屋数軒をのぞく。また旭通りにあった「スタミナ丼の店」で昼食。スタミナカレー(600円)を注文したのだが、その盛の多さに驚愕。だが意外にもペロリと平らげることができた。まだまだ私の胃は丈夫だ。
帰途、高円寺にて途中下車、西部古書会館での古書即売展や高円寺の古本屋数軒をまわる。中央線に乗りながら、「西荻窪か、荻窪か、阿佐ヶ谷か、はたまた高円寺か」などと、途中下車してどこの古本屋に寄ろうかと考えることの贅沢さよ。ただ今日は、昼食を食べ過ぎたせいかお腹が痛くなって古本をじっくり見る精神的余裕がなかった。
5月某日 長男の幼稚園のお誕生会(4月・5月生まれ対象)に出席。いま年中組なのだが、年長組になると親一人も一緒に壇上に上がり、子供が自己紹介して将来なりたい職業を言ったあと何かコメントを言わなければならない。これを見ていて来年のお誕生会のことを思い憂鬱に。帰宅後さっそく妻との間で来年に向けての戦争が始まった。絶対いやだからね。
5月某日 木挽町に行き、十一代目市川海老蔵襲名披露・五月大歌舞伎昼の部を観る。父團十郎の急性白血病での休演が無念なり。
昼は吉野家。新しいメニューとおぼしい「角煮きのこ丼」を食す。なかなかいける。
5月某日 仕事帰り、お茶の水のアテネ・フランセ文化センターに行き、映画上映「種村季弘 綺想の映画館」の特別企画、種村季弘×川本三郎対談を聴く。この二人のお話をじかに聴く機会があろうなどとは思いもしなかったので、お二人の姿を見、声を聴きながら胸が熱くなる。会場にてやっきさんにお会いする。
5月某日 昼休み、東京芸術大学大学美術館にて開催中の「再考 近代日本の絵画」(第一部)を観る。しかし時間が足らず。動物園の脇から都立上野高校脇を経て芸大に至る清水坂途中に、壁面全面を蔦に覆われた廃屋あり。蔦をはぎ取るとモダンな洋館とおぼしきたたずまい。
5月某日 木挽町に行き、十一代目市川海老蔵襲名披露・五月大歌舞伎夜の部を観る。
5月某日 近所に住む知人から車を借りて、南砂のジャスコまでドライブ。さる方からAEONグループの商品券を頂戴したのはいいのだが、近場にジャスコがないのだ。東京には珍しく、地方の郊外型店舗のように広大。私にとっては、家族の買物の間にジャスコから歩いて数分のたなべ書店南砂店に行くことができるので、この店が気に入った。たなべ書店でも収穫ありでほくほく。
6月某日 木挽町に行き、十一代目市川海老蔵襲名披露・六月大歌舞伎昼の部を観る。
6月某日 午前中、ラピュタ阿佐ヶ谷に行き、「昭和の銀幕に輝くヒロイン第15弾 池内淳子スペシャル」で上映された「如何なる星の下に」を観る。いい映画なり。
映画を観たあと、阿佐ヶ谷から東京メトロ東西線直通の電車に乗り、木場に行く。木場から都立木場公園を縦断し東京都立現代美術館へ。「再考 近代日本の絵画」展(第二部)を観る。ここでも名品揃い。
美術館を出て江東区の運河沿いに西大島のたなべ書店錦糸町駅と歩き、帰途につく。
6月某日 堀切菖蒲園の青木書店に行く。夕刻より妻と木挽町に行き、十一代目市川海老蔵襲名披露・六月大歌舞伎夜の部を観る。幕間、トイレで村上龍さんを目撃。帰るときにも目撃。一階席で観劇していたようだ。ちょうど前日「報道ステーション」に出演していた姿を見たばかり。無精髭を生やしてやつれた印象。
6月某日 父の日。長男の幼稚園での父の日参観に出席。ぐったり疲れる。にもかかわらず夕方北千住まで買い物に出動。妻と次男は丸井のなかの紀伊國屋書店。私と長男はブックオフ北千住駅西口店まで。獅子文六『悦ちゃん』を100円で見つけ、疲れが吹き飛ぶ。
6月某日 微熱がおさまらず、熱が次第に高くなって頭痛・吐き気がともない病院に駆け込む。結果入院と定まる。
7月某日 入院から一週間。退院す。胸のレントゲン、お腹のMRI・CT、頭のMRIなど各種検査をするも、取り立てて病名のある病気ではなく、結局風邪をこじらせたとのこと。
7月某日 伊勢丹浦和店で開催中の古本市に行く。また赤羽で途中下車し、紅谷書店・ブックオフなどに立ち寄る。さらに北千住でも途中下車し、ブックオフ北千住駅西口店に立ち寄る。
7月某日 池袋に行く。東武百貨店にて、八月に開催される「江戸川乱歩と大衆の20世紀展」の前売券(800円)を購う。そこで開催されるのだからと行ったものの、結局チケットぴあで、他のチケットと変わらない印刷したもの。何だか田舎者だ。
それからジュンク堂を経て、西口から南池袋に移転した古書往来座(旧古本大學)に行く。相変わらず素晴らしい品揃え。店が面している明治通りから横町に入って数分歩くと、雑司ヶ谷鬼子母神(法明寺鬼子母神堂)に。初めての鬼子母神。境内にある有名な駄菓子屋も営業中。鬼子母神境内から都電鬼子母神前駅までの参道には古いケヤキ並木あり。並木を抜けると前には都電の踏切、振り向くと古びた軒を連ねる参道があって、東京の街中とは思われない、地方都市にでもいるかのような錯覚をおぼえる。
帰途、乗っていた電車が綾瀬終点だったのでそこで駅からいったん出て、久しぶりにデカダン文庫に寄ってみる。ただし購入本なし。店主さんと親しくなるのもいいが、買うものがないとなかなか店を出ずらくなるのが難点である。
7月某日 妻と長男と私の三人で国立劇場の歌舞伎鑑賞教室を観に行く。演目は「傾城反魂香」なり。帰途北千住マルイにて食事。
7月某日 の古本屋めぐり。しかし午前中だったためか太平書林・靄靄書房二店はまだ開いておらず、古書森羅のみ。ただここでも購入本なし。途中下車して立ち寄ったブックオフ松戸駅西口店でも収穫なし。
7月某日 松屋浅草での古本市に行く。ついでに浅草きずな書房にも立ち寄る。
7月某日 神保町にて書友二人と飲み会。したたか酔い、翌日昼頃まで気分悪し。弱くなったものだ。でも本の話題で盛り上がり、楽しい会だった。
7月某日 長男のポケモン・スタンプラリーに付き合う。ある決まったJRの駅(91駅!)の改札口外にポケモンのスタンプ台が設置され、5つ集めるとオリジナル商品とスタンプ帳が貰える。前日に妻が亀有・北千住・金町・赤羽・鶯谷と回って記念品を貰ってきた。赤羽はいま上映中の映画のメインキャラクターのスタンプゆえに50分も並んだという。
今日は午前中妻と長男で北千住に行き、あらためてスタンプ帳にスタンプを捺し、西日暮里にも行ったという。午後は一家総出でまず大塚に行く。ここは長男が好きなポケモンだからだが、一般的にも人気があるようで、スタンプ台の前には長蛇の列。私は彼らが並んでいる間にブックオフ大塚駅前店に行く。次いで大塚から巣鴨まで歩く。大塚から少し入ると三業地街であり、料亭のような待合のような建物がちらほら。何となく妖しい雰囲気がただよう。JRの駅に入り電車に乗ると、長男と同じスタンプ帳を持って走り回る親子連れの多いこと。皆さんご苦労様である。皆さん91駅すべて回るのだろうか。
8月某日 山形に帰省。祖母の通夜・葬儀に参列。山形では本を読み、昼寝をし、ブックオフに買い物に行くなどして時間を過ごす。
8月某日 山形より戻る。今回の帰省はあまり外に出歩かなかった。
8月某日 仕事帰り、千石の三百人劇場に行く。この日から始まった映画企画「社会派コメディの変遷 渋谷実と前田陽一」のうち、渋谷実監督の「本日休診」を観る。
8月某日 仕事帰り、千石の三百人劇場に行き、渋谷実監督の「バナナ」を観る。岡田茉莉子が可愛い。
8月某日 昼、菊坂下に最近開店したらしいラーメン屋「信濃神麺烈士洵名」(しなのしんめんれっしじゅんめい)に行く。味玉麺(750円)。茶褐色の大麦焙煎麺を選ぶ。平打のつるつるした珍しい麺。スープは魚介だしの味わいが濃い。ランチとして山菜ごはん付。近場に再訪すべきラーメン屋が新しくできるのは嬉しいことである。
8月某日 仕事帰り、東武百貨店池袋店で始まった「江戸川乱歩と大衆の20世紀展」を観る。入口前でやっきさんと待ち合わせ、二人で特別会場の江戸川乱歩邸まで歩いていく。特別公開の土蔵は、入口から一歩入ったところがガラス張りになっており、そこから中を覗くだけだった。また書斎も観ることができる。乱歩邸が予想外にあっさりと終わってしまったので、立教大学近くの古本屋二軒(夏目書房・八勝堂書店)に立ち寄った後、山手線で渋谷に出、宮益坂をのぼって青山まで歩き、居酒屋に入る。少し経って犬太郎さん合流。三人で飲むのは二年ぶりか。やっきさん・犬太郎さんはネットを初めて間もないころに知り合った書友で、いまもなお連絡を取り合う貴重な友人である。お互い久しぶりだったのでこの間の身辺の話など、いろいろと話に花が咲く。この関係は大事にしてゆきたい。気持ちよく酔って帰宅。
8月某日 三百人劇場に行き、「気違い部落」を観る。伊藤雄之助と山形勲二人の名脇役がぶつかり合う。その後本駒込を歩き、動坂を下って千駄木の古書ほうろうに立ち寄り、帰宅。昼は動坂下のラーメン屋鈴政にて正油らーめん(500円)。背脂系を食べたのは久しぶりなり。本駒込の文京グリーンコート裏を歩いていたら、アール・デコ風建物を見つけたので近寄ってみると、理化学研究所駒込分室とあった。向いには三角屋根で異彩をはなつ木造洋館があり、これはロシア正教会の建物らしい。風変わりな界隈。
8月某日 仕事帰り三百人劇場に行き、「やっさもっさ」を観る。
8月某日 三百人劇場に行き、「悪女の季節」を観る。今回三百人劇場で観た映画のなかでは一番好きな作品なり。山田五十鈴・岡田茉莉子・伊藤雄之助・東野英治郎。
映画が終わってから、適当に本駒込界隈を歩いて千駄木方向に向かう。本駒込の閑静なること。住みたい場所候補に追加。久しぶりに駒込吉祥寺の前に出る。さらに細い路地を選んで歩いたら、団子坂上に出た。
8月某日 長男を連れ、ブックオフ松戸駅西口店に行く。