帰宅すると、玄関の扉に何やらメッセージが挟まっていた。東京電力からだ。「やべえ、電気代払ってなかったか! 明日払おう」と心に誓い、家の中に入った。ところが、、、、玄関の電気がつかない。どうやら、やられたようだ。電気が止まっちまったようだ。
電話は毎月のように止められるし、その他も督促まではしょっちゅうされる。だが、電気を止められたのは初である。公共料金未納評論家楠本勝也氏の「電気が一番しんどいっすよ」との言葉が胸をよぎる。
とにかく暗くて部屋の中が何も見えない。これじゃあどうしようもない。というわけで、コンビニにろうそくを買いに行った。ついでに電気料金もコンビニで払ってきた。
電話は払った瞬間に再開通するのだが、電気は違うようだ。真っ暗のままだ。そこで、湯呑みを一つつぶし、それにロウをたらし、ろうそくを立てた。を! 意外に明るい、雰囲気もある。いいじゃん!
しかし、、、、、そこからすることが何もない。こういうときに限って、眠くならない。目は冴え冴えである。ろうそくがいい感じだし、「中島みゆきでも聞くか!」と思ったが、電気がないのに当然ラジカセは動かない。そこで「電池だ!」とコンビニ走り、単2電池を8本購入。みゆきの古〜い歌を流した。
ろうそくと中島みゆき……うぅいい感じだ。だが、何が足りない。何かが……。
そうだ、酒だ! と冷蔵庫を開けたが、真っ暗。当然、なかは冷たくない。だが、天の救いか、缶ビールはまだ冷たさをキープしている。電気が止まったのは、夜だったのだろうか???
こうして、「ろうそくと中島みゆきと黒ラベル」という極上の夜が更けていった。
朝。ジリジリリ。聞いたことのない音で目がさめた。「何の音だ」と思ったら、電話が鳴っている。電源の切れた電話が鳴っている。トゥルルルル♪という本来の電話ではなくジリジリリだ。
電話に出ると知人だった。なんでも呼び出し音はならず、いきなりわしが出たそうである。
「なんだ、電気通ってなくても電話できるんだ」と思い、東京電力にかけてみた。ありゃ、かかった。そこで、「金払ったぞ!電気通してくれ!」とお願いした。
1時間後、技師の人が来て、無事電気がわが家に戻ってきた。
電話もビデオも、時刻設定すべてパー。パソコンは時刻はちゃんとそのままだった。同じ電化製品なのに、ようわからんなぁ。
そんなこんなで体験した電気無き生活。大変ではあるが、それはそれでよいものだ。夜は暗い。これが当たり前なのだ。北朝鮮人民も、将軍様のために節電をし、こんな夜を過ごしているのだろう。みんなが節電すれば、原子力発電所もいらなくなる。対北朝鮮戦争のシミュレーションにもなる。いいことずくめである。
さあ、みなのもの、ろうそくを買いにコンビニへ走れ!
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