一昨日の日記で映画「バリーリンドン」を観たと書いたが、故スタンリー・キューブリックファンとしては、今年は特別な年である。そう、あのかの有名な傑作SF映画「2001年宇宙の旅」の舞台となった年であるからだ。
1968年に公開されたこの映画、もちろんわしはリアルタイムでは観ていない。ビデオで観たのみだが、その映像美と音楽にもう恍惚となった。内容は無茶苦茶難解で、いまだにようわからんのだが、そんなことがどうでもよくなるくらい、美しいのだ。
この映画の雰囲気に酔った者の誰もが「これはスクリーンで観たい!!」と思ったに違いない。そして迎えた2001年、ようやくこの願いが叶う。4月7日から全国でリバイバル公開されることになったからだ。しかもデジタル・リミックス・サウンド版としての再登場だ。
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http://www.cinemabox.com/2001.html
さて、「特別な年」にはもう一つ理由がある。キューブリックの遺作が公開されるからだ。「おいおい! 遺作はアイズ・ワイド・シャットだろ?」とのたまうアナタちょいと甘い。キューブリック・ファンには特別な映画「A.I.」が、ついに6月から公開されるのだ。
この「A.I.」の映画化権をキューブリックが手に入れたのは、20年ほど前。以来、キューブリックは構想を温め続けてきたが、当時の技術水準では思ったような画は撮れず、映画化できずにいたという。それが、スピルバーグの「ジュラシック・パーク」を観て、「この技術なら……」と映画化に動き出したのだ。キューブリック・ファンの間では、「フルメタル・ジャケット」の後は、「いつA.Iを撮り始めるんだ?」というのが、最大の関心事だったわけだ。そりゃそうだ。「2001年〜」のあの監督が、「人工知能」を題材にした映画を撮るとなりゃ、そりゃただごとじゃない。わかる人にはわかるでしょ?
スピルバーグはこう語っている。
「スタンリーは18年もかけて、このプロジェクトを進めていたんです。自分のビジョンをどう映像にするか、プランを練りつづけていた。スタンリーのそのビジョンをできる限り忠実に、スクリーンに映し出したいと思ってます。もちろん、僕のカラーも入るだろうけど」
主演は、シックス・センスのハーレイ君。彼が「愛をインプットされた人工知能」を持つロボットになるとかなんとか噂されている。「その愛は真実なのに、その存在は偽り」という予告編でのコピーで、すでにわしのドキドキ指数は、リミットに達している。
不安なのは、やはりスピルバーグが監督だということ。優秀な監督であることには間違いないだろうけど、キューブリックのカルトチックな雰囲気を彼に出せるかどうかは疑わしい。実際、配給のワーナーは、全国の映画スクリーンの6分の1に当たるスクリーンで、史上空前の規模で公開するらしい。う〜む、あんまし大衆的作品になってほしくないんだけど。新聞広告もスピルバーグを前面に出してるし。まあ、そのほうが売れるだろうからね。
でも、期待大だ。