今日は転載が多いのでちと長い。ちなみに、わしはネット上でパスワードもなしに無料で公開されているものを、勝手にリンクしようが転載しようが悪いとは思わない(写真はちょい別)。個人でなく法人、とくにマスコミ系ならなおさらだ。転載されたくないなら、公開するなと思う。ネットってそういうものだ‥‥と思っている。
さて、わしは世の中で何かが起きると、朝日と産経新聞両方を読むようにしている。両極端な意見読んで、自分で判断するためだ。産経もしょっちゅう「?」なこと言っているが、朝日よりはマシ。この新聞、綺麗ごと並べて、支離滅裂なことを言っている。今日もそうだった。今日の天声人語は下の通りだ。
《天声人語》
政治の「非情」を二重三重に感じさせる小泉首相訪朝だった。拉致問題では個人の生死の「重さ」が家族にとってと外交の場とではいかに違うか痛感した。訪朝にあたっての重要な懸案だったとはいえ、交渉では懸案のなかの一つでしかない。死亡を告げられた家族の悲痛な思いへの配慮は十分だったか。家族の思いと平壌での扱われ方に落差を感じた。
拉致は朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の特殊機関つまり国家機関の仕業であることを金正日総書記は公式に認めた。そうした特殊機関による「犯罪」は珍しいことではない。米国CIAに対する数々の告発をはじめ歴史上枚挙にいとまないし、かつてのわが国の特殊機関も例外ではない。
しかし改めて被害国の立場に立たされるとそうした「国家犯罪」の醜悪さに憤りを禁じえない。国家のために、ということで個人の命が何と軽く扱われることか。これも政治の「非情」だろう。この件では、まだ不明点が多く、さらに究明が必要だ。
確かに金総書記は拉致問題での非を率直に認めた。しかし特殊機関の一部の「妄動」だったとした。いわゆる不審船問題でも軍の一部のことだと釈明した。そうやって下部機関は非を背負わされる。ここでも政治の「非情」を感じる。
国際社会の政治力学からいえば、核・ミサイル問題に各国の関心が集まる。拉致問題は当事国同士の問題だというとらえ方が大方だ。北東アジアの安定という政治目標の前に拉致問題はかすんでしまう。
やりきれなさを積んだまま正常化交渉が始まる。重い交渉だ。
はっきり言って、この文章自体に文句はない。でも、日頃朝日新聞を読んでいる人は「ハァ?」と思うはずである。この新聞、日頃はうるさいくらいに「植民地支配」だの「従軍慰安婦」だの言っている新聞なのである。北朝鮮のしたことを「非情」として、結局、あの国に対して何の批判もしていない。
おまけにこんな記事も。
『痛ましい歴史、直視して』政治部長 木村伊量
(前略)こんな無法者の国と国交を結ぶ必要がどこにあるのか。拉致問題暗転の衝撃と憤りから、釈然としない思いに駆られる人も少なくないだろう。気持ちは理解出来る。
けれども、冷静さを失っては歴史は後戻りするだけである。
いかなる意味でも拉致は正当化できないが、そもそも日朝の不正常な関係は、北朝鮮が出来る前、戦前、戦中の35年間にわたる朝鮮半島の植民地支配に始まる。冷戦もあった。
北朝鮮との間に残された戦後処理問題を解決し、大局的見地に立って関係を正常化することが、日本の国益にも東北アジアの安定にも資する。どの国も「負の歴史」を負っている。過去の日本がそうなら北朝鮮もそうである。つらいことだが、歴史を乗り越えるには、それを直視するしかない。
おいおい、北朝鮮の拉致は日本の植民地支配が原因かよ?(笑)「冷静さを失っては歴史は逆戻りするだけである」、この言葉を「慰安婦問題」等で是非聞きたい。
今朝の「ズームイン朝!」で、辛坊治郎とかいう人が、ズバッと言っていたらしい。ネットで動画を拾ってみたが、なるほど同感だ。よく言った!
拉致事件を疑問視する政党すらあった。
はっきり言いましょう、旧社会党と自民党の一部です。
〜中略
マスコミでは、継続的に粘り強く追っかけていたのは産経新聞くらいでしょう、とくに左派系の新聞ではそういうのはでっち上げだから無かったとも受け取れる記事が目立った。毎日新聞もそういう新聞の一部であったんですが、
やっぱりほとんど無視してきたのは朝日新聞でありまして、しかしその朝日新聞も今朝の社説はまともというか
まっとうな内容になってます。
〜「‥‥(記事を読む)」
ただまあ変わってないなぁと思うのは、
朝日の一面の政治部長のコラムなんでありますが
「‥‥(記事を読む)」
そりゃその通りなんだけど、この文脈でいうと、「拉致がやはり日本の責任」と受け取られかねないですよね。で、たしかに植民地は謝罪すべきだし悪かった。しかし、今の北朝鮮が今の国家体制でテロ事件を起こして拉致事件を起こすのは、それは北朝鮮の責任なんだだ!という認識がはっきりないとまた同じことが起こる。はっきり「違う」と申しておきましょう。
極めつけは「月刊社会民主7月号」(何年のものなのかはわからない)。これはネットで転載してあったのを再転載していることは断っておくが、今となっては笑うしかない。どの新聞とっても、どの政党支持しても自由だけど、ちょっと考えてみたら?と思う。
根拠のない拉致疑惑事件
日本だけが取り残されているかにみえる。日本政府はなぜ北朝鮮への人道的な食糧支援を拒んでいるのか。
その能力も隣人としての責務もあるのにかかわらず。
表向きの理由として挙げているのは、少女拉致疑惑事件である。一九七七年一一月に新潟県の自宅近くで行
方不明となった一三歳の少女、横田めぐみさんが、北朝鮮の工作員によって拉致されていた疑いがある、という
のである。
しかしながら、拉致疑惑の根拠とされているのは、つい最近、韓国の国家安全企画部(安企部)によってもたら
された情報だけである。つまり、日本政府は何一つ証拠を握っているわけではないのである。五月一日、警察庁
の伊達警備局長は「これまでの捜査を総合的に判断した結果、拉致の疑いがある」とする公式見解を初めて明ら
かにした。「拉致の疑いがある」との表現から、日本政府が何ら証拠をつかんでいないことがうかがえる。実際、日
本政府は北朝鮮犯行説を裏づける具体的な証拠を示していない。
しかも、安企部が提供した情報には、不可解な点がある。
第一に、情報源とする北朝鮮の元工作員なるものの存在である。安明進という名の工作員について、北朝鮮は
そんな人物はいないと否定しているし、安企部も写真の公表を避けている。三月一三日付産経新聞の一面トップ
には、この元工作員のインタビュー記事が写真入りで大きく出ているが、なぜか顔は伏せたままである。その産
経新聞は、元工作員の亡命時期について「九三年九月四日」と本人がインタビューで語ったとしているが、二月
三日付の同紙夕刊では「平成六年末」(九四年末)とある。一年数カ月も食い違うのはどうしてなのか。しかも、
元工作員は自分が拉致したのではなく、スパイ学校の生徒だった当時、教官からかつて拉致したと聞いたとし
ているにすぎない。元工作員が本当に存在するのかさえきわめてあやしいと言わざるをえない。
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