注意!この話には実際に存在する国名や団体名が登場します。ですがそれらについての記述は完全に私の創作です。
繰り返しますがこのSSは完全にフィクションです。現実に存在する特定の個人・及び団体を貶める意図は全くありません。
本物とは全く無関係であることをご了承ください。私が実際にその国がそうである、その組織がこうである、と思っているわけではありません。
あくまでも、話の都合上です。否定的と取りうる描写もあり、読んで不愉快になる可能性もありますが、何卒ご理解いただきたい。
このファイルは閲覧に当ってモニタ解像度1280×1024の環境を推奨します(でないと横幅的にかなり見苦しくなるでしょう)。
そして非常に申し訳ないですが、IEの使用を推奨します。ネスケだと思ったように出力できなかったんです。
Les préludes
時に1999年7の月
遥かな昔、遠い異国の何某とかいう予言者を名乗る詐欺師が
「恐怖の大王が降ってくる」と予言した時の事である。
それは突然降って来た。
彗星、遊星、小惑星、軌道上の人工衛星やゴミなどなど宇宙で動くもの全てを監視しているNASAや
アメリカ及びロシアの宇宙軍にも全く探知されずに、ある晴れた夜に降って来た。
人々は不夜城のように夜中でも明るい都市でもはっきり肉眼で確認できる、
非常に明るい巨大な尾を引く流れ星に、何かしら感じるものがあった。
それは何かの予感、虫の知らせ、滅びの兆候、願いの叶う徴・・・
十人十色、千差万別だったが誰もが何か感じたと言う点では、異論は無かった。
東洋のとある島国では「あれが恐怖の大王の正体だ」という内容のとんでも本が出版され、
極一部の人の間で話題になったもののすぐに忘れ去られた。
それは流れ星にとっても同様で、人々はすぐにその存在を忘れ去ってしまった。
人々が再びその存在を気に懸けたのは十数年後、
頭上に暗雲垂れ込め足元に血の海が広がる時だった。
その隕石は東南アジアの小国・ラオスの険しい山の中に落ちた。
まず一筋の光が落ちてくる。地表面に達したそれが僅かにめり込んだその瞬間、膨大な運動エネルギーが大部分熱エネルギーに変換される。
一瞬にも満たない間に周辺は焼き尽くされ、その焼け跡さえも後から襲ってきた衝撃波によって吹き飛んだ。
余ったエネルギーは空気中の分子を振動させ、強力な音波となり偶々不運にも近くにいたが命を落としていなかった生物たちの頭脳を破壊した。
先住民族が住む小さな村の上に巨大なクレーターを穿ち、一人を除いた全村民を瞬殺した巨大な火柱を上げたのだった。それは何故か十字架型をしていた。
ただ一人、生き残ったのは小さな女の子だった。この小さな部族に多く見られるアルビノの彼女は燃え上がる一帯を呆然と眺めていた。
彼女は何故か自分を守る壁のような物があることには気が付かず、ただその場に立ち尽くし今までの彼女にとっての全世界が灰燼に帰す様を眺めていた。
数日後、恐る恐る近くの村から様子を見に来た者たちは、灰になった嘗ての村の上に新たに出来たクレーターの中心に空いた穴の傍で倒れ伏す少女を発見した。
その穴は覗いてみてもどこまで続いているのか判らないほど深く、助け出した少女は体は無傷だった物の心に深い傷を負ったからか、極端に無口で無表情だった。
巨大な火柱は宇宙空間からも確認できるほどの物で、その熱量たるやとんでもない値を示していた。
アメリカやロシアの弾道ミサイル早期警戒衛星はインドや中国を監視していた物がその画面の端に膨大な赤外線を探知した。
弾道ミサイルなどあるはずもない東南アジアの片隅でミサイル発射を疑わせる熱エネルギー探知、この事実に彼らは慌てた。
レーダー上に何も現われないといっても安心は出来ない。
すぐさま、偵察衛星が貴重な燃料を消費し、耐久年数が劇的に下がる低高度まで軌道変更して情報を収集し始めた。
彼らが発見したのは一つのクレーター、それだけだった。しかしそれではおかしかった。
彼らに探知できない隕石などあるはずがない。しかも隕石によって生じるような量のエネルギーではなかったのだ。
だからといって何処かの国が核実験をしたわけでもない。地震波は常にモニタしているし放射線も検出されなかった。
不審な点は数多くあったが、結局それらは忘れ去られた。中東とヴァルカン半島がきな臭くなって謎の現象に貴重な衛星を消費していられなくなったのである。
世界に冠たる国は忙しいのであった。彼らは自分たちの傲慢さを十数年後にたっぷりと味わい、後悔する羽目になる。
少女が救出された翌日、国軍の一部隊が近くの基地から漸くやって来てクレーターの中を調査した。
中心の穴の中にも入り、暫くして慌しく出てきた彼らは頻りに通信を行った後、辺り一帯を封鎖した。
国内の科学者を集めてきてクレーターの穴の底で見つかった隕石の内部に安置されていた巨大な人型物体を調査し始める。
まずは外観の観察。
それは人型だった、頭が一つ、胴体が一つ、腕が二本、足が二本、関節構造という意味で。
3体で顔にはヴァリエーションがあった。一体は巨大な一つ目、一体は角が一本生えた二つ目、一体は四つ目だった。口は各機一つ。
全体的に細身で、全機とも肩から妙な突起物が生えていた。
そして何より背中には、翼と思しき物が畳まれた状態で生えていた。天使というよりは悪魔的だったが。
色は一つ目が青、角付きが紫、四つ目が赤の装甲を身に纏っており、その下の素体らしきものは黒だった。
科学者たちは取りあえず表面から調査を始めた。
その3体が身に纏う装甲、この材質が既に謎の物質だった。とにかく地球由来の物ではない。
刃物、銃、砲、高温、低温、酸、塩基、高圧、真空、光、放射線・・・何をもってしても傷つけられない。
最初に考えられたのはこの装甲の複製、利用だったが、あえなく挫折した。傷すらつけられないので通常は微量を分析する既存の機器にまずかけられない。
それでも非破壊分析機器を使っておよそ考えられる限りの方法を用いたが、何をもってしてもこの材質が何なのか判らなかった。
超硬質炭素繊維に似ており、一本の直径がμm単位の繊維があらゆる方向に重ね合わされて板を形成している。
合金やプラスチックとは構造が全く違う。火災に強く柔性があり捩れにも耐えられる。チタン合金より硬い。
成分的には地球上に存在しない元素まで含まれており、その製法は全くの謎だった。
次に調べられたのが、装甲の下の素体らしきもの、人で言えば服の下の肌、である。
これは、簡単ではなかったが、傷はつけられた。そして更なる驚きをもたらした。この物体は生きていたのである。
苦労してつけた傷をあっというまに自己修復したのだ。細胞を採取、増殖させようとしたが、本体から離れた途端に壊死し風化した。
ある程度大きく切り取った場合、なんとその組織片が意思を持つかのように素体と再び合体した。
研究者たちは切り取られた組織片が、素体まで這っていって再び元の位置に収まるのを恐怖と共に見つめるしかなかった。
この物体が生きていると判った時点で、考えられたのがE.T.つまり地球外生命体の可能性だった。
人と似たような口を持っているのだし、コミュニケーションが可能かもしれない。しかしその努力は徒労に終わった。物体は何の反応も示さなかった。
わざわざ地球まで降ってきて、生きているのに何もしないような酔狂なまねをする宇宙人もいなかろう、ということで他の可能性を探ることにした。
宇宙人が地球に送り込んできた生体兵器が故障したのかもしれない、という可能性だった。
この場合、問題になるのはこの生体兵器が完全自律性なのか、それともパイロットを必要とするのかだった。この問題にはすぐに答えが出た。
最初から全員の目を引いていた物、人間で言えば脊髄の辺りから飛び出している筒状の物、これを調査していたところ、突然そのハッチが開いたのである。
直ちに調査されたそれは、コクピットだと思われた。人間サイズの椅子があり、その前に操縦装置と思しき物があったからである。
事ここに至ってある程度の推測が立てられた。
これは人型生物(パイロットシートからして少なくとも身長は人間サイズ、腕も二本、足も二本)が建造した、一人のパイロットが操縦するタイプの生体兵器である、と。
もちろん、非人型生物がこれを建造し、戦闘用に飼育していた人型生物がパイロットである可能性もあるが、製造者が自分たちに似せて作ったのだろうと仮定したのだ。
はっきり言って人型だろうとクラゲ型だろうと、製作者は大した問題ではなく、動力源は全く不明、操作法も全く不明、性能も全く不明だが、この国の支配者たちはこれを利用しようとした。
なんといっても、無敵の装甲を持ち傷つけられてもすぐさま自己修復する巨人が3体、兵器として非常に有用であることは自明の理だった。
と、同時に、これ以上自国の科学者のみで調査するのは能力的に無理があるのも明らかだった。
とすれば、居る所から有能な人物をつれてくるしかない。口封じに今まで調査していた科学者どもを殺してから、優秀な人物のスカウトを始めた。
「何をする!?」
「ふん、妻子の命が惜しけりゃ、黙ってついてくるんだな。それなりの待遇は保証しよう。」
世界中でこれと似たような会話がなされ、各分野における著名な研究者たちがひっそりとその姿を消した。
「これは・・・一体・・・?」
「これを解析するのが君たちの仕事だ。」
山一つ刳り貫いて作られたとある地下施設にて、バイザーをした人物が技術者たちにそう言った。
「一体もう何人死んだと思っているんだ!? こっちは優秀な人物を出していると言うのに全員殺すか廃人にしてもらっては堪らん!」
激昂する軍人。
「新しい技術に犠牲は付き物です。あなた達のおかげで大分研究は進みましたよ。」
「じゃあ、二人だけの秘密だよ。○○。」
「・・・判ったわ、○君。」
「こんな子供がパイロットだと?!」
「パイロットには・・・が必要なのです。そしてそれが多く現われるのが子供と言うわけです。能力が弱い子供でも乗せる方法はありますが・・・」
「・・・」
無言で先を促す男。
「その子供の母親を人柱にすることです。」
数年後、この国でクーデターが起きた。
財政官軍、各分野における極右タカ派(の振りをした)勢力がこの国の権力を掌握したのである。
彼らは秘密結社的存在で、自分たちのことをゼーレと呼んでいた。何故ドイツ語で「魂」などという名前なのか、それはわからない。
実際には幹部に外人がいることも原因かもしれないが。
彼らは積極的にマフィアと手を組んで麻薬、売春、人身売買に手を染め、この小さな国の経済は信じられないほど潤った。
彼らは自分たちがまるで信じてもいない民族主義的スローガンを掲げ、実質的には悪しき資本主義というか拝金主義の社会を築いた。
国民は貧しかった生活が豊かになったのでこの変化を歓迎した。人はパンのみに生くるにあらず、だがパン無しには生きていけない。
そして一旦手に入れた物を手放す気にはならない物である。この国の経済体制、そして主な収入源は彼らの宗教教義とは一致しないが、省みられることは無かった。
そして2015年、ある暑い夜・・・
世界は震撼することとなる!
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to be continued...
ども、Keisです。
珍しく煽ってます(笑)ちょっと映画の予告編をイメージしてます。
よろしかったら続きも読んでください。
それでは。
あ、あと、これからのこのお話のファイルにはやたらソースへの書き込みがあります。
語句・略語説明、補足事項、ぼけとつっこみ(笑)などなど。
興味のある方はどうぞ。
ですが、いささか量が多いため、内容と同時進行で読むと混乱を招き易く、また話の流れが寸断されてしまいます。
よって話の内容とソースへの書き込みは別々に読まれる事をお奨めします。
(士郎正宗みたいだな・・・)
感想・苦情等はこちらまで。
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