試合レポート


 
第1節・6月24日 横浜マリノス対FC東京 国立競技場


 試合前から小さな不満があった。場内アナウンスの音がやけに小さくマリノスの選手の名前がわからない。もちろん東京側は大音声で紹介している。(試合途中の選手交代でも、マリノス側は誰が代わったか聞きとれなかった)そんなところで差を付けて何か得になるのだろうか。選手の背番号と名前を知らずに見に来ている人だって居るだろうに。キックオフ前には、ポケモンデーとかで間の悪いトークが繰り広げられ、居心地がよろしくない。雨は小やみ無く降り続けている。それでも大切な2nd開幕戦、気を取り直して珍しくマリノスサポの応援に声を揃える。ゴール裏の観客数は、東京側に負けては居ない。

 開始早々相手はロングボールを蹴ってくる。それがタッチラインを割って、能活のファーストタッチはゴールキック。最初のマリノスのチャンスは1分、遠目から俊輔のFK。触れはしなかったが、小村が飛び込んでいた。5分には相手のチャンス。増田のシュートは枠の外。最初こそ少しはボールを持てたマリノスだが、10分過ぎから早くも出しどころが無くなり、バックラインで回したりしている。そんな中小さなミスが命取りに。ボールを持って一瞬出すところを探した上野が、後ろから来た相手にそれを取られ、ツットに決められてしまう。いつもなら「これで目が覚めてくれるだろう」と思う程度だが、守ってカウンターの東京相手に先取点をやってしまっては苦しくなるだろう。それでもFKからの小村のヘディング、エジミウソンの1対1などはあったが、点にはならない。

 そしてこのあたりから審判に対するサポーターの不信感が募ってくる。確かに疑問に思うジャッジは多かったし試合の流れに関係なさそうなどうでもいいことにこだわっていたが、なかなか攻めの形を作れないイライラが審判に向けられたかたちだ。11人で守るチームを相手にパスをつなぐサッカーをするなら、もらう方がよほど良い動きをしなければすぐにカットされてしまう。こぼれ球に対する反応も、東京の方が早い。気はあせるばかり。そこをつかれてカウンターを食らう。悪循環の始まりだった。それでも前半は能活のセーブもあって、何とか1失点のまま終了――。

 後半開始早々、中盤の選手が走り込むいい形があった。が、それもつかの間、5分にあっさりカウンターを決められる。ますます追いつめられるマリノス。永山を永井に代え、相手ゴール前での攻防は増えても、決定的な形にはならない。心の中で何度「走れーっ」と叫んだことか。選手間のコンビネーションも合わないことが多い。確かに代表に多くの選手を取られ、チームとして練習できたのは1週間足らずだが。唯一期待できるセットプレイも実を結ばず。27分にはユーリッチに代えて原田、2バックにして中盤を厚くする。最後は岡山を入れパワープレイに出るが、ほとんど彼の頭にボールはいかない。そして。

 最後のとどめはロスタイム。最終ラインからたった1本のパス。波戸が抜かれた形になったが、彼だけを責めることはできない。それまで何度も危ない場面を防いでいたのだから。能活と1対1になったアマラオがゴールを決める。ガックリとする波戸、仰向けに倒れている能活。しかし、3点目を決められたからといってそのまま倒れている能活だろうか?しばらくしてようやく異変に気がつきドクターがやってくる。現場ではリプレイが流れないので、サポーターはただおろおろするばかり。アマラオがタオルで仰いでいるところを見ると、手や足ではなさそうだ。結局能活は担架で運び出され、3人の交代枠を使い切っていたマリノスは、小村を臨時のキーパーにしてゲームを続けた。岡山の惜しいヘッドが1つあったくらいで、試合はそのまま終了、1stの開幕に続き2ndも東京相手に開幕戦を落としたのだった。

 暗い気分で帰途についた私だったが、帰宅して必死になって能活の怪我情報を探している間にかえって気分が収まってきた。倒れたのは脳しんとうで、病院で検査した結果異常がなかったと知ったからだ。彼が無事なら、1敗などどうということもない。残りを14連勝すればいいだけのこと。いつもいつも追いつめられなければ本気を出せないマリノスの、少々高くついたがいい勉強代だと思えばすむ。修正能力に長けたアルディレスに期待しよう。

          
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