試合レポート


 
第7節・4月15日 横浜マリノス対名古屋グランパス 横浜国際競技場


 降り続く雨の中、パーティー帰りの着物姿で競技場へ急いだ。(その辺の事情は「着物deおでかけ」で。)いつものメインスタンド寄りまでまわっている時間が無く、今シーズンから出来たバックスタンドの自由席につく。全体の人数は16835人と少な目だが、雨のせいもあってそのあたりは人がいっぱい。ハンカチで雨の雫を拭ったらキックオフの笛が響いた。先発メンバーもシステムもわからぬまま観戦を始める。

 チームのコンビネーションが出来上がっていないマリノスは、12日のナビスコ杯もベストメンバーを組んでいたので、今日もそれと同じらしい。いきなり開始3分にヒヤリとさせられる。センタリングに飛び込んだ能活の前で福田がヘッド。辛くもはずれるが、前半は名古屋が積極的、ボールのキープ率もシュートもマリノスを上回っていた。ただ最後のところで能活とDF達が踏ん張り得点は許さない。フィスティング、パンチング、そして真骨頂・足元に飛び込んでのセーブ。相手のミスにも助けられて。

 一方攻撃はといえば、俊輔が密着マークを受け何度もピッチに転がされて、良いパスを出せない。前の選手と息が合わずにボールが流れるのは仕方ないとしても、ミスからのプレゼントパスが多くセカンドボールも拾えない。たまに松田が上がっても使ってもらえず、セットプレイも功を奏さない。我慢のまま前半終了、能活はあーあという感じで手を振ったあと、松田と軽く握手をしていた。「良く守ったな」というところだろうか。

 後半から新しく獲得した外国人エジミウソンが投入される。サイドのボールを追う姿を見て「速い!」と驚いた。5分にはオフサイドになったが、早速いい飛び出しを見せる。その前のショートコーナーは、このあと起こることへの伏線だったのか。8分の右CK、俊輔が出した短いパスを永井がゴール前マイナス気味に入れると、そこにいたのはエジミウソン。上手く足を延ばし、ゴールを決めた。マリノス先制!ただ、私はこの前の小村のプレーがゴールを呼んだような気がしている。バックラインでパスをカットするとそのまま駆け上がり、ポストになってボールを落とし柳のシュートをお膳立てした。点にはならなかったが、その動きがマリノスにリズムをもたらしたのでは。得点シーンでは、エジミウソンの手前で相手DFをガードしていた松田の働きも見逃せない。

 ここからようやくいつものようにエンジンがかかってくる。三浦のシュート、上野のセンタリング、俊輔のパス、柳の1対1。17分に名古屋の選手が2人いっぺんに替わると、放り込みが多くなり、そのこぼれ球もだんだん拾えるように。というか、名古屋からのプレゼントパスが増えてくるのだが。相手の攻撃はほとんどDFがカット、そこからの速攻も見られるようになる。そして34分、待望の追加点が。俊輔の美しい放物線を描くパスは、飛び上がった柳の頭にピタリと合ってゴールへ吸い込まれていった。ガッツポーズをして飛び上がる能活。よし、あとは完封だ。

 38分、名古屋のコーチが退席を命じられる。のちにそれがマザロッピGKコーチだとテレビ放送で知ったとき、思わずサンゴイのことを思いだした。危ないくらいに能活を可愛がってくれていた(少なくとも私にはそう見えた)彼が、今どこで誰のコーチをしているのかと。能活が今のGKコーチの居ない練習に満足しているようなのだから、それはそれでいいのだけれど。

 結局ロスタイムも無事に乗り切り、2−0の完封で横浜国際・今期初勝利を飾った。松田の次に遠藤を能活がねぎらったのは、後半彼がピクシーのマンマークについて仕事をさせなかったからだろう。ベンチの選手も加えて全員で手を繋いでの挨拶、能活の弾けるような笑顔、雨の中荷物を抱えた着物姿で行った甲斐があったというものだ。放送で見たアルディレスも満足そうな顔でインタビューに答えていた。ただ、柳サンチョル――。2度の1対1を決めていれば、ハットトリックで今日のヒーローだったのに・・・。この後も続きそうな混戦を考えれば、取れるときに点を取っておきたいし。

 とはいえ柏が破れたためこの時点で2位、しかも勝ち点は1位の磐田と同じ、なかなかいいポジションではないか。一気に1位になって追われる形になるよりは、このまましばらく追う立場で。新外国人エジミウソンが“使える”という感じなので、呼吸が合ってくれば期待できそう。いずれにせよ、「あのチームにはこう勝って」などと皮算用をしたくなるような所までは来たようだ。

          
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