あたたかい雪 (95年9月 ダンボールネットに連載)
雪があたたかく感じられる瞬間があるなら。そんな瞬間を書きたかった。
ビリリの声 (96年2月 ダンボールネットに連載)
ビリリの声って何? それを聞けば、すべてが変わる。
とりかえばや (97年7月 ダンボールネットの百物語で)
友達と自分をとりかえてみた。とってもあなたが羨ましかったから。
眠れない (98年11月 ダンボールネットに連載)
夏のあいだ、眠れなかった。そのときの妄想が、こんな物語になりました。
かんきつ (99年9月 初稿)
お盆に死者が帰ってくるように。わたしはもう一度だけ、トシに会ってみたかったのだ。
ピアスなくした (2000年4月 初稿)
案外そんなふうにして。消えてゆくものは。わたしに、生きることを赦しているのかもしれない。
絵理ちゃん (2001年7月 初稿)
わたしは今まで、相手が受け入れてくれるとわかってからしか、その人を愛したこ
とがなかったのだ。
キャッツ探偵事務所 (2001年11月 「30行文学」に連載後、加筆)
カップルズ (2002年6月 初稿)
何ひとつ望まずに、好きでいることなんて、きっとわたしには出来ないのだろう。
ささやかな不都合 (2002年9月 初稿)
すべてが明るい光に晒される真昼よりも。薄暮の夕闇の方が、やはり、わたしは好きなのかも知れない。
キャッツ探偵事務所 2 (2002年12月 「30行文学」に連載後、加筆)
キャッツ探偵事務所には今日も閑古鳥が鳴いていた。(写真付き)
「PAST」 (2003年10月 初稿)
転がってゆくうちに膨らんでゆく球体のようにして、彼女は狂っていったんだ。わたしが、直人に対してそうであったように。
(写真付き)
キャッツ探偵事務所番外編 「野良猫クルミ」 (2003年12月 「30行文学」に連載後、加筆)
そのとき。階段に、白い野良猫が、膝を抱えてうずくまっている、ように見えた。
(写真付き)
グリーンアイズ (2004年11月 改訂完全版)
それでも、わたしが生きているかぎり、わたしは、自分の感じているものを言葉にしていきたいんだって。わたし、それにやっと気づいたんだ。
キャッツ探偵事務所 3 「カリントウ」 (2004年12月 「30行文学」に連載後、加筆)
彼女に会ってみたいという衝動を抑える理由なんてどこにもなかった。
緑、うす緑、オレンジ (2005年12月 初稿)
同じものを失うことで、わたしたちはもっと深く繋がれていったのだ。
Vegetable Green (2007年4月 初稿)
電気のついている家のあかりは、いつだってとても暖かそうに見える。
でも、それは、雪をかぶった極寒の山の風景がきれいに見えるようなものかもしれない。
タピオカ (2009年10月 初稿)
わたしは続いている。 みんなの中で続いている。 もう、それだけで十分だよ。