Star Trek the Next Generation 2nd season


第1シーズン 第2シーズン 第3シーズン 第4シーズン 第5シーズン 第6シーズン 第7シーズン Boldly Go...

前のエピソード<- ->次のエピソード


悪夢の果てに
Shades of Gray

第2シーズン　第48話
宇宙暦：42976.1

ライカーが未知の病にかかってしまった。ドクター・ポラスキーは彼を救おうとするが、成功の保証はなかった。

悪夢の果てに-あらすじ-


ピカードがなんとかロミュラン人の裏をかこうとする面白いエピソード。U.S.S.ヤマトからの救難信号を受けたエンタープライズはロミュラン領域近くの中立地帯へ向かうが、目の前でヤマトは爆発、さらにロミュラン・ウォー・バードまで現れた。
やがてエンタープライズもウィルスに侵されてしまい、原因を探る為、ピカードたちは長い間忘れられていた遺跡、アイコニアへ向かう。結局、アイコニアの秘密がロミュランの手に渡ることを恐れたピカードはアイコニアを破壊した。

「闇の住人」に登場したU.S.S.ヤマト。艦名の由来はもちろん「宇宙戦艦ヤマト」なのだが、活躍する間もなく爆発してしまった。

謎の微生物に感染したライカーの中枢神経系が侵されていく。


治療中に彼のみる夢は、以前のエピソードからの映像である。たしかに夢は傷を癒すのに有効だった。それに加えて、どうやら番組を進行させる効果もあるらしい。

監督によれば「このようなエピソードになってしまったのは予算節約のため」。撮影自体はたったの三日間で終了した。実際に使われたセットは、惑星上の風景、転送室、医療室。医療室での撮影に二日費された、とのことだ。

筆者がはじめてこのエピソードを見たとき、どんなストーリーか全く印象に残らなかった。それもそのはずほとんどの画像が以前放映されたものの使いまわしである。あまり評判は良くないエピソードではあるがが、どのカットがどのエピソードからのものであるか当ててみるという楽しみかたもできる、かも。

監督：Rob Biwman


悪夢の果てに


まるでジャングルのような惑星サラタIV号星。地質調査をしていたジョーディがライカーを探しに来ると彼は岩の上に座り込んでいた。何かに足を刺されたという。ライカーは大丈夫だというが、ジョーディは大事を取ってライカーをエンタープライズに回収させようとする。だが転送室にいたオブライエンによればライカーの体には未知の微生物が侵入しているため､回収できないという。エンタープライズからの分析では十分な情報が得られないため､ポラスキー自ら惑星に降下し､ライカーの体を侵す微生物を調べることになった。

転送されたポラスキーはライカーの足をスキャンし、医療室に彼を転送した。ベッドの上に乗せられたライカーは顔をしかめる。怪我をした左足の感覚がなくなっていた。

医療部にやってきたピカードにポラスキーはライカーの状態を説明する。彼の足はもう動かなくなっていた。ライカーの体に侵入した生物はバクテリアともウィルスとも微妙に違うらしい。傷口から神経へ入り込み、坐骨神経の方へ向かって猛烈な速さで増殖を繰り返していた。ポラスキーはこのままいけば微生物はライカーの脳まで侵し、やがてライカーは死んでしまうだろうと沈痛な面持ちで言う。ピカードはデイタとジョーディにサラタIV号星へ降下し、微生物のサンプルを採集するよう命じた。
サラタIV号星に降下した二人はライカーが傷を負った場所へ向かった。デイタはあちこちに化石化した動物の死骸が転がっていることに気付く。ふとジョーディは枯れそうな植物の「つる」に注意を引かれる。一見枯れているようだが、ジョーディのバイザーにはかすかな熱変動が感じられた。これがライカーの怪我やあたりに散らばる死骸の原因ではないかとジョーディは推測する。ためしにデイタがつるをつかんでみるが何も変わったところはないようだ。だがジョーディがつるに手を伸ばした時、つるがさっと動き、ジョーディの手にからまろうとした。デイタがとっさにつるをつかまなければ、あやうくジョーディもやられるところだった。つるには親指大の刺があった。二人はオブライエンに回収準備をさせてからフェーザーで棘を焼き切り、エンタープライズに戻っていった。

ちょうど転送室にピカードがやってきた。ジョーディはサンプルを医療室へ持って行き、デイタは植物のことを報告する。
医療室の分析の結果でも微生物の正体は判らなかった。微生物を殺すことはできるが、ライカーの神経組織も巻き添えになってしまうだろう。いらだつポラスキーとピカード。ピカードがライカーの様子を見に行くと、下半身が動かなくなっているようだが、明るく振る舞っていた。ピカードは死ぬかもしれないんだぞと警告する。ライカーはあの植物は身を守ろうとしていただけで責めることはできない、宇宙艦隊にいる以上､今回のような事態はさけられないものだと悟ったようにピカードに答えた。

しばらく後。さすがのライカーも少し気弱になっているようだ。自分を励ますように先祖がヘビにかまれたときの話を医療部員に話す。そこへディアナがやってきた。「誇りを持てる死に方をしたい。死に際に取り乱すのはみっともない」とライカー。彼の手を握り「イムザディ、意地を張らなくてもいいのよ」とディアナが言うと「あきらめてはいないさ」とライカーは遠くを見ながら答えた。その直後、ライカーの生命反応に異常が起き、医療装置の警報が鳴る。駆け込んできたポラスキーは微生物がライカーの脊髄まで侵入し、あと一時間もすれば脳まで達してしまうとディアナに説明する。

ポラスキーは必死にライカーを救おうとしていた。神経に直接刺激を与え神経線維を活動を止めるため、ライカーの頭部に装置が取り付けられた。ディアナの目の前で装置からの針がライカーの頭部に挿入された。ポラスキーは慎重に機会の操作を続ける。装置のスイッチが入れられた。ライカーの目が瞬き始める。

ライカーは夢を見ていた。彼はある惑星に転送され、他の上陸斑、ターシャやジョーディを探している。彼らの名を叫ぶが誰からも返事はなかった。
ポラスキーは無作為に脳を刺激するのは危険と判断し、いったん装置を停止させた。様子を見ていたディアナは泣きながら眠り続けるライカーを励ます。

装置の調整を続けていたポラスキーはある脳波がでている状態、つまりライカーがREM睡眠状態に入っている時には微生物の活動が低下することに気付く。

ライカーはホロデッキに入ろうとしていた。内部は森林が再現されている。池の飛び石を超え、奥に進んでいくとデイタが口笛の練習をしていた。ライカーはデイタに惑星上陸の任務が与えられたと報告する。出口に向かいながら二人はデイタ自身のことを話す。ライカーは笑いながら「君とは楽しくやれそうだ、ピノキオ君」と言った。
テンフォワードでライカーとウェスリーが話している。ライカーはガイナンととも口説きかたを実践してみせる。真に迫った演技にウェスリーは戸惑い「もう、いいよ」と声をかけるが､ガイナンは「黙っていなさい」と逆にウェスリーを叱りつける。
ディアナの部屋を訪れたライカーは彼女に別れを告げた。二人は別れを惜しみ、抱き合う。

ライカーの様子を見守っていたディアナはライカーが「肯定的な感情」に支配され、安らかに眠っていると感じていた。ポラスキーによれば脳に与える刺激により、ちょうど過去に起こったことを思い出している状態らしい。与える刺激によって微生物の増殖率が変化することに気付いたポラスキーは刺激のパターンを変化させ、夢の内容を変えてみることを思い付く。

ライカーはターシャやウォーフ､そしてディアナと共に惑星ルビカムIII号星に上陸したところだ。健康的な住民たちの姿を見たライカーは顔をほころばせる。
ホロデッキでミヌエットを見つめていた。彼女に近づき声をかけるライカー。

ディアナはライカーが「情熱的な感情」に支配されていると感じていた。

ライカーとミヌエットが抱き合い､踊っている。
次の夢では、ライカーは惑星エンジェル・ワンの首相ビアタと「熱い会話」を交わしていた。
その次はブレンナ。服を脱ぎながら彼女の方から迫ってくる。ライカーは彼女の髪を解き、くちづけを交わす。

ライカーは幸せそうな顔で眠っていた。しかしポラスキーの顔は厳しい。現在与えている刺激に反応し、微生物の増殖率が倍になってしまったのだ。それを聞いたディアナは「余計事態が悪くなってしまったのね」と落胆する。

ポラスキーはエンドルフィンが微生物の増殖を活性化していることに気付いた。活性化させる物質があるのなら、増殖を押さえるような物質もあるはずだ。彼女は装置を操作し、脳の刺激パターンを変え始めた。ライカーの顔が歪む。

ライカーはターシャがアーマスに殺される様子を思い出していた。ライカーたちの攻撃はアーマスにはまったく効かない。なすすべもないまま、ターシャは殺されてしまった。
ディアナが泣きながらポラスキーにイアンを助けてくれと懇願している。デイタ、そしてライカーの見守る中、イアンは息を引き取った。

ディアナは夢を見続けるライカーが悲しい感情に満たされていると感じていた。装置を一方、監視していたポラスキーは微生物の増殖率が低下したこと確認した。「悲しみの感情」が微生物の活動を押さえている。うまくいけばライカーを救うことができそうだ。だが生命反応が弱まっていて残された時間はあまりない。ポラスキーは刺激パターンを絞り込んでさらに強い不快な感情を引き出そうとする。

クリンゴン艦「パーグ」の艦長がライカーを侮辱している。副長として配属したライカーを信用としないカーグというクリンゴン人と険悪な雰囲気になり、二人は殴り合いを始める。
ライカーはクイン提督の部屋に入っていくと､提督は「新たに発見された生命体」を見せようと言い出す。ライカーが科学主任を呼ぼうとすると提督はライカーの腕をつかみ、殴り掛かってきた。提督はとても老人とは思えない力でライカーに襲い掛かり、ライカーは気絶してしまった。

微生物の増殖はかなりおさまっているが、まだ不十分だ。ディアナたちは人間の本能、「生きたい」という欲求が微生物に有害なエンドルフィンを作り出していることを確信した。ディアナは刺激のパターンを絞り込むようポラスキーに頼む。ライカーは衰弱しきっていた。激しい刺激に彼は耐えられないかもしれない。しかし何もしなくては彼は死んでしまう。
もう手後れかもしれないと思いつつも、ポラスキーはさらに絞り込んだ刺激をライカーの脳に送り込んだ。

ライカーがティジョンに腕をつかまれ、電気ショックのようなを与えられている。身動きできない。ティジョンはオルネラに薬を送ってくれなければライカーを殺すと警告する。だが、ピカードはその要求をはねつけた。
ライカーたちの前にフェレンギ人たちが現れた。フェレンギ人たちは電磁ムチで攻撃してきた。そしてライカーやジョーディたちは気を失ってしまう。
「助けてくれ！ 」ライカーはアーマスの中に引きずり込まれようとしていた。呆然としているデイタたちは何もできず、ライカーはタールのようなアーマスの体の中に飲み込まれてしまった。

ライカーの顔が歪んでいる。彼の感情を同じように感じているディアナも同じようにつらい感情に絶えていた。微生物の増殖率は7%、もう少しで何とかなりそうだ。ライカーに薬剤が注射され、さらに刺激が絞り込まれた。

ピカードとライカーが機関部でエンタープライズの自爆装置を起動させようとしている。艦がバイナー人たちに乗っ取られてしまったためだ。ライカーがピカードの言葉に同意し、自爆装置は作動しはじめた。
ライカーはクリンゴン人のゴリスと言い争っていた。タラリア艦はいまにも爆発しそうだがゴリスは頑固でライカーの指示に従おうとしない。デイタが転送可能な場所を見つけ戻ってきた。ライカー、デイタたちとクリンゴン人三人は転送可能域へ急ぐが、うまく転送されなず、タラリア艦に戻ってきてしまう。艦は爆発を始めた。ぎりぎりところでエンタープライズに回収され、その直後､艦は完全に爆発した。

微生物は増殖をほぼ停止していた。だがライカーの命を救うにはさらに強い刺激で微生物を根絶しなければならない。

異星人に体を乗っ取られたレンミック、爆発するU.S.S.ラントリー。さまざまな辛い思い出が一度にライカーに襲い掛かる。夢の中で「助けてくれ」と絶叫するライカー。

ライカーの生命活動が回復してきた。体内の微生物も死に絶えたようだ。ほっとするポラスキーとディアナ。
装置が外され、ライカーが目を覚まし、「疲れた。ひどい夢ばかりみていた。」とつぶやく。そこへピカードとデイタが見舞いにやってきた。起き上がろうとし､ポラスキーから「記憶を失っているといけないからもう少し寝ていなさい」と釘を刺されたライカーは「宇宙艦隊所属、艦長のジャンリュック･ピカードだ」と冗談を言う。ピカードはデイタを指差し「すっかり良くなられましたね。提督ともども心配していました」と切り返す。デイタがまじめな顔で「私を提督に昇格させる権限はないと思いますが？」と言うのを聞いたライカーはにっこり微笑んだ。



前のエピソード<- ->次のエピソード


Star Trek the Next Generation 2nd season


第1シーズン 第2シーズン 第3シーズン 第4シーズン 第5シーズン 第6シーズン 第7シーズン Boldly Go...