エンタープライズと伴航するレパルス。新任の医療部長、ポラスキーが転属され、また、ジョーディもチーフ・エンジニアに任命された。
今回の任務は細菌のサンプルを受け取った後、科学基地に輸送すること、エンタープライズはオデットIX号星へ出発する。動きはじめた艦の後方から光る球体が船内に入ってきた。一瞬のセンサーの乱れに気づいたデイタが機関部に問い合わせるが、異常は発見されない。
光る球体は生き物のように艦内を動き回り、やがて眠っているトロイの体に入ってしまった。
ポラスキーを探し第十デッキに向かったピカードは、途中でターボリフトの中でウェスリーといっしょになる。もうじきエンタープライズを降りることになっている彼は思いつめた表情をしているが、ピカードにはうまい言葉をかけてあげることが出来なかった。ポラスキーはテンフォワードでトロイとなにやら真剣な話をしていた。
観察ラウンジにポラスキーを加えた上級仕官が集められた。その席でポラスキーはトロイが受胎したことを皆に告げ、一同を驚かせる。ポラスキーはさらに、胎児はあと三十六時間で出産するだろうと続けた。昨晩、ディアナの隊内に侵入した生命体が自らの意志で新しい生命体として生まれ変わろうとしているのだ。乗員たちは生まれてくる子供をどう扱うかで議論を交わす中、ディアナは子供を産むと宣言した。
エンタープライズはオデットIX号星に到着した。ここで細菌のサンプルを受け取り、これから科学基地に向かう予定になっている。オデット星の科学主任がエンタープライズに乗船し、細菌をいれるためのコンテナのチェックを始めた。彼は慎重で作業はなかなかはかどらないため、ピカードはいらつきはじめる。
いよいよトロイの出産が近づいてきた。デイタは付き添いを勤めることになった。出産自体はまったく痛みを伴わず、あっけなく男の子が生まれた。トロイは自分の父親にちなんでイアンと名づけた。
ポラスキーと共にディアナの部屋を訪れたピカードは目を見張る。生まれてから一日しか経っていないはずのイアンがもう大きくなっている。人間でいえば四歳相当だという。そして彼は「心配しないで、大丈夫だよ」とピカードに言った。
予定より遅れた細菌の積み込みが始められることになった。ポラスキーはため息を吐きながら「積み込まれる細菌はすべて人為的に作り出された致死率の高いものばかりだ」とピカードに危険性を伝える。貨物室のコンテナに細菌が転送されはじめた。
ポラスキーとピカードはディアナの部屋を訪れた。二人が見ていると、イアンはわざとスープの中に手を突っ込みやけどしてしまう。いろいろな体験をしようとしているらしい。ピカードはイアンになぜここにいるのか尋ねてみる。だがイアンの答えは「まだ答えられない」だった。
テンフォワード。ウェスリーが思いつめた顔で窓の外を眺めている。ガイナンは彼に近づいていき、わざとけしかけるようなことを言う。はじめは怒るウェスリーだが、ガイナンに「自分のわがままをゆるしないさい」といわれ、はっとする。
貨物室で警報が鳴り始めた。コンテナの中の細菌サンプルがなぜか増殖しはじめたのだ。調査が開始されたが、なぜだかわからない。
テンフォワードではウェスがカウンターに座ってガイナンと楽しそうに話している。ピカードに呼ばれた彼はガイナンに礼を言うと、ブリッジに向かった。
増殖しているサンプルはこのままのペースでいけばコンテナを押し破ってしまうだろう。この細菌は熱も効かず、宇宙空間に放出こともできない。やがてポラスキーはアイヒナン放射線が増殖の原因であることを突き止める。
イアンは「僕が原因なんだ。もう行かなくちゃ」とディアナに告げる。動揺したディアナはポラスキーを呼び、イアンを抱きしめる。
トロイの部屋にポラスキーたちが飛び込んできた。スキャンの結果、イアンの体からアイヒロン放射線が放出されていた。彼が今回の事態の原因で、彼自身もそのことに気づいていたのだ。皆が見守る中、イアンは息を引き取ってしまう。遺体が光りはじめ、小さな球になると、別れを惜しむようにディアナの手のひらに乗った。そして、来たときと同じように船外へ出ていった。と同時に、ラフォージから細菌の増殖が止まったと連絡が入った。ディアナは、イアンはエネルギー生命体ですれ違ったエンタープライズに興味を持ち、人間の生活を通じて理解しようとしていたのだと説明する。
エンタープライズは科学基地に到着し、サンプルの転送が開始された。
ウェスリーはピカードの元へ出頭し、このままエンタープライズに乗艦させてくれと頼む。彼の決意を知ったピカードは、ブリッジに戻ると「ウェスリーの面倒は誰がみる?」と乗員たちに尋ねる。嬉しそうなウェスを乗せ、エンタープライズは発進した。