ピカードが心配そうにブリッジを歩き回っている。心配の原因はホロデッキにいるウォーフとライカーらしい。当の二人はホロデッキでウォーフの戦闘用プログラムを体験していた。襲い掛かるモンスターをなんとか倒した二人。だが興奮しているウォーフはライカーに襲い掛かろうとし、ライカーに怒鳴られて、やっと我に帰る。「いつもこんな調子か」とライカーに尋ねられたウォーフは「もっと過激です」と答える。
エンタープライズはモルガナ星系に到着、ここで星図の制作をすることになっていた。センサーには「やみの区域」が現れたり、消えたりしている。デイタによれば、これは文字どおり「無」で、その存在ははっきりしない。これがブラックホールのようなものであれば内部を捜索してもいいのではとウェスリーが提案し、ピカードは調査を命じた。
トロイのこの「無」の中には生命体の存在は感じられないと報告した。エンタープライズは「無」に接近し、探査機を発射した。しかし探査機からの信号はすぐに途切れてしまった。それを見たウォーフは警戒態勢をとるようピカードに提案する。ピカードに提案の真意を尋ねられたウォーフは、クリンゴンの伝説の中に「船を貪り食う闇の怪物」が登場すると説明する。再び探査機が発射されるが、前と同じように消え去ってしまった。
探査機の消えた位置から「無」の境界が判明、ピカードはライカーの反対を押し切って近くまで接近するよう命じる。しばらくは何事も無いように思われたが、突然「無」がエンタープライズを包み込んでしまった。
「無」の内部は文字どおり何も存在せず、エネルギーも、その大きささえも観測できない。その上、外部との連絡も不可能だった。
ピカードは艦を発進させた。しかし、計器の上ではワープ航法をしているはずなのに、まったく進んでいないようだ。
デイタの提案でビーコンを設置し、遠ざかりながら距離を測ることになった。艦が進むにつれてビーコンの音も小さくなっていく。だがしばらくすると再びビーコンの音が聞こえ始め、大きくなっていく。エンタープライズはループにはまってしまったようだ。
センサーに何かの信号が捕らえられた。それは遮蔽装置で偽装したロミュラン・ウォーバードだった。ウォーバードは遮蔽を解くなりエンタープライズへ攻撃を開始する。だが、エンタープライズから発射された一発の光子魚雷で大破、爆発してしまった。不思議なことに、その破片はセンサーに感知されない。
その直後、U.S.S.ヤマトが姿をあらわした。交信を求めるが応答はなく、計器は作動しているようだが、生命反応はない。
調査のため、ライカーとウォーフがヤマトに転送された。二人は同じ地点に転送されたはずなのに、実体化したライカーはウォーフが近くにいないことに気づく。突然ウォーフの絶叫が聞こえてきた。ライカーがそちらへ走っていくと、向こうからフェーザーを構えたウォーフが駆け寄ってくる。ウォーフにはライカーの叫び声が聞こえたという。ライカーはすぐに二人を回収するようエンタープライズに要請するが、通信は途中で途切れてしまった。ブリッジのピカードのほうでも二人を転送しようとオブライエンに命じるが、二人をロックすることができない。ライカーたちは仕方なくブリッジに向かった。
突然エンタープライズの電源が落ち、非常用電源に切り替わった。
ライカーはU.S.S.ヤマトの構造物が連邦製ではないことに気づく。通路への扉が開くと、なぜかそこには存在しないはずのブリッジが現れた。ブリッジは二つ。ここでも空間がループしているようだ。ウォーフはパニックに陥ってしまい、ライカーになだめられる。
エンタープライズは艦のコントロールを回復した。気がつくと「無」に裂け目が出来ている。
ピカードはライカーたちの回収を命じるが、目の前のヤマトの姿が次第に消えはじめた。ヤマトとの通信が回復、ライカーたちはすんでのところで回収された。
なぜエンタープライズは「無」に囚われているのか?疑問は深まるばかりだ。再び「裂け目」が現れた。だが、エンタープライズが接近しようとする消えてしまった。
トロイは今では「無」の内部に生命体の存在が感じられると報告する。そして、まるで「迷路の中のねずみ」だと今の様子を喩える。
するとメインビューワーに大きな顔が映し出された。その顔は「ナギラム」と名乗った。彼は乗員たちを観察した後、「限りある生命体なのか?」と尋ねてきた。そして一人の乗員を殺し「面白い」と言う。さらにエンタープライズの乗員たちを使って「様々な死」を確かめると宣言した。
観察ラウンジに上級士官が集まり、ナギラムとどう戦うか検討された。しかし実体のない相手と戦うことなどできるのか?ピカードは実験に命を奪われるくらいなら艦ごと自爆すると宣言した。
ピカードはライカーとともに機関部に向かい自爆装置を作動させた。爆発まであと20分。ピカードが自室に戻って考え込んでいると、トロイとデイタがやってきて「自爆しても何も止められない」と彼に言う。そしてピカードに「死とは何か」と尋ねる。
ピカードはいくつかの考え方があるが、自分にはうまく断言することができないと答えた。やがてピカードは二人の様子がどこかおかしいと考えはじめる。そしてデイタとディアナが彼のことを「ジャン・リュック」と呼ぶのを聞き、「無駄だ、ナギラム」と告げる。
すると二人の姿は消え、ブリッジからは「無」が消えたと報告が入った。だがピカードは自爆装置を解除しようとせず、そのままワープ航法でこの宙域を離れるように命じた。ナギラムのことを心配したピカードは、自爆十秒前になってようやく自爆装置を解除した。
作戦室に入ったピカードは星を眺め、「これで満足か?ナギラム」とつぶやく。すると机の上のコンソールにナギラムの顔が現れた。彼は、「人類は好戦的すぎて、共通点を見つけることが出来なかった。これ以上関わりたくない」と語る。それを聞いたピカードが「我々には好奇心という共通点がある」と言うと、ナギラムもそれに同意する。そして「また会うかもしれない。その時はきちんとした空間で会いたいものだな」というピカードの言葉を聞くと、姿を消した。