Star Trek the Next Generation 1st season


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復讐のフェレンギ星人
The Battle

第1シーズン 第9話
宇宙暦:41723.9

昔ピカードが指揮していた航宙船スターゲイザーを友好の証に進呈しようと言うフェレンギ人のリーダー、ボック。交渉を進めるうちにピカードの様子がおかしくなっていく。

復讐のフェレンギ星人-あらすじ-


このエピソードでピカードがひどい頭痛に苦しめられる。

また、利益を伴わない「復讐」は、フェレンギ人にしてみれば「裏切り」行為とみなされるということも知ることが出来る。ボックは後のエピソード、「復讐の彼方に」にも登場する 。


Quote:"...a damn headache..." -Picard
吹き替えでは「ひどい頭痛が・・・・・・」程度に訳されていたと思います。

BLOOPER
ラスト近くで、スターゲイザーのブリッジからボックがシールドを張る。このため、エンタープライズ側からピカードを転送・回収できなくなってしまうのだが、ボック自身はいつのまにかフェレンギ艦に戻ってしまう。フェレンギにはシールドに関係なく転送する技術があるのだろうか。


監督:Rob Bowman
Cast
ボック:Frank Corsentino
Kazago:Douglas Warhit
Rata:Robert Towers




復讐のフェレンギ人


エンタープライズはセンディー・サボー恒星系でフェレンギ艦とのランデブーを果たしていた。だが、フェレンギ側の応答は「待機せよ」というメッセージのみで三日前からここに足止めさせられていた。

自室のピカードはビバリーに頭痛を訴え、ビバリーは精密検査をすすめる。そこへライカーからフェレンギ艦が交信を求めているとの連絡が入った。

ブリッジに戻ったピカード。ビューワーにはフェレンギ艦の艦長、デイモン・ボックが映し出された。トロイは彼から欺瞞と策略を感じると報告した。ボックはピカードに二人で会いたいと持ち掛ける。特に断る理由もなく、ピカードは申し出を受け、エンタープライズにくるよう伝えた。

ボックがやってくるまでの時間を利用し、ピカードは医療部で精密検査を受けることにした。だが、頭痛の原因は見付からず、とりあえず鎮痛剤を処方される。

エンタープライズに所属不明の旧式の宇宙船が接近してきた。こちらからの呼びかけに応答はない。ピカードは頭痛に顔を歪める。

約束に時間になり、フェレンギ艦から三人のフェレンギ人が転送されてきた。ボックが言うには、エンタープライズに接近している古い船はフェレンギが操作しており、「マクシアの戦い」の英雄、ピカードへの贈り物だという。ピカードはボックに詳しく説明され、「マクシアの戦い」のことを、U.S.S.スターゲイザー時代にフェレンギ艦からの奇襲を受け辛くも撃退したことを思い出す。

ピカードは激しい頭痛から逃れられないでいた。トロイは過去の出来事と関係あるのではないかと指摘する。エンタープライズに接近していた艦が判明した。それはピカードが以前乗船していたU.S.S.スターゲイザーだった。

ボックはピカードにスターゲイザーを譲ると言うが、部下は首を振る。フェレンギ人には、無償の行為は信じられないことなのだ。

ピカードは再び、医療室で検査を受けている。頭痛は激しさを増し、目を閉じると「マクシアの戦い」が頭に浮かんでくるとこぼす。トロイは何か不自然なものを感じていた。

観察ラウンジでは上級仕官を前にピカードが「マクシアの戦い」のことを話している。フェレンギの不意打ちで艦長を失ったため、ピカードがU.S.S.スターゲイザーを指揮し、その時にとった戦法は「ピカード戦法」としてスターフリート・アカデミーでも講義されているほど有名なものだ。突然ピカードが奇妙なことを口走しった。話しているうちに現実と過去の区別がつかなくなってしまったようだ。

調査を行うため、デイタたちがスターゲイザーに乗り移った。艦の機能は意外にも良好に保たれていた。少し遅れ、ピカード、ビバリーも転送されてきた。煤だらけのパネルをなで、昔を懐かしむピカード。コンピューターに記録されたデータも残っているようだ。データの回収を命じたピカードは、かっての自室に向かい、荷物の整理を始めた。突然、部屋の隅に置かれたトランクの中の白い球体が赤く光りはじめ、ピカードは激しい苦痛に襲われた。

その頃、ボックはフェレンギ艦の艦長室で同じような球体を操作していた。彼が「これを食らえ、マクシアの英雄よ」とつぶやくと、スターゲイザーのピカードは一層はげしい頭痛に教われる。部屋に様子を見に来たビバリーは苦しむピカードに気づき、エンタープライズに戻るように言った。

ライカーはスターゲイザーを受け取ると正式にフェレンギ艦に伝えた。頭痛の治まらないピカードはライカーに指揮を任せ、自室に戻っていった。部屋の隅にはスターゲイザーから持ち帰られた例のトランクが置かれていた。倒れ込むようにベッドに入ったピカードが目を閉じると、頭の中に「マクシアの戦い」が再現されはじめた。

作戦室ではスターゲイザーから回収されたデータを分析した結果についてデイタがライカーに報告していた。ピカードは日誌の中で、休戦旗を掲げたフェレンギ艦に対して攻撃を加えてしまったと告白していた。

ライカーはピカードに回収された日誌の内容を聞かせた。もちろんライカーはこの記録を信じているわけではないが、ピカードの無実を証明する必要があった。

ライカーはフェレンギのカザーゴ副長に通信を入れた。ライカーはなぜ一方的な攻撃をしたピカードに対してボックが友好のするしとしてスターゲイザーを贈ろうとしているのかと指摘する。だがカザーゴは耳を貸さず、交信を打ち切ってしまった。

ピカードはビバリーの治療を受ける。だがボックは例の装置を操作し続け、ピカードの頭痛は激しさを増す一方だ。ピカードはマクシアの戦いの件で責任を感じていること、そして頭の中からスターゲイザーの乗員たちの声が離れず、我を失いそうになると打ち明ける。ビバリーは少し眠りなさいとアドバイスし、ピカードを横にならせた。

眠っているピカードは頭の中の声に苦しんでいる。ボックは装置の操作を続けていた。ピカードはかっと目をひらく。彼は幻覚を見ていた。スターゲイザーの艦長席に座ったピカードはフェレンギ艦をかろうじて撃破したもの、艦内は炎に包まれていた。

作戦室では、デイタは回収された日誌がやはり偽造されたものであることを突き止めたとライカーに報告していた。そこへさわやかな表情のピカードが入ってきた。ビバリーが脳スキャンの結果に関して不安な点があると報告しに来るが、ピカードは話を聞こうとせず、彼女を追い出してしまう。彼はライカーに曳航されているスターゲイザーを切り離すように命じた。

ビバリーは脳スキャンの結果についてトロイに相談する。ピカードの脳に思考障害が認められるが、その原因が認められないのだ。トロイもピカードの思考が二種類入り乱れていることに気づいていた。そこへウェスがやってきて、ピカードの脳スキャンの異常と、フェレンギ艦から発生している電波のパターンが一致していると報告する。トロイとビバリーのもとへ行き、一連のことを説明した。ライカーはピカードの現在地を探るが、すでに自室を出て、スターゲイザーへと乗り移っていた。

ピカードがスターゲイザーのブリッジに現れると、例の装置を持ったボックが待ち構えていた。ボックが装置を操作すると、ピカードは頭痛に顔を歪める。

一方、エンタープライズではピカードを強制的に転送しようとするが、ボックがスターゲイザーにシールドを張ったために転送できない。またピカードの部屋から発振されている持続的なパルス信号がセンサーに捕らえられた。発信源は恐らくスターゲイザーから持ち帰った荷物の中にあるに違いないとターシャが気づき、ライカーはウォーフに部屋を探してくるように命じた。

スターゲイザーのブリッジではボックがマクシアの戦いで自分の息子が殺されたとピカードに告げる。彼はその復讐をしようとしているのだ。ボックはピカードにマクシアの戦いを再現させようとしていた。ただ相手はフェレンギ艦ではなく、エンタープライズだ。

ライカーは必死にピカードに呼びかけるが応答はない。スターゲイザーはエンタープライズの正面に回り込もうとしていた。

ピカードの部屋から例の装置が発見されたが、それが何の装置なのか見当もつかない。ライカーはカザーゴ副長に通信を入れ、装置を見せる。カザーゴはそれがフェレンギでも禁止されている思考を操作するものだと説明する。だが、カサーゴは艦長の行動に疑問を挟むことは許されないとライカーに告げる。

スターゲイザーから通信が入った。ライカーたちはピカードがマクシアの戦いを再現しようとしていることに気づく。どうすればピカードの攻撃を防ぐことができるのか?突然カザーゴからの通信が入る。不利益な行動をとったボックを艦長の席からおろし、拘束したという。

ピカードは、あのピカード戦法を実行していた。エンタープライズからはスターゲイザーの位置をつかむことができないでいた。デイタはトラクタービームでスターゲイザーの動きを封じ込めることを提案する。そしてセンサーで艦の航跡を追い、エンタープライズの目の前にワープ・アウトしてきたスターゲイザーを捕らえることに成功した。

ライカーは必死に正気にかえるようピカードに訴える。そしてブリッジに置かれた装置を探し、フェーザーで探すように懇願する。ピカードはうつろな表情で装置にフェーザーを向け、発射した。装置は爆発し、ピカードは吹き飛ばされるが、怪我はなかった。ピカードは立ち上がり、「過去は過去にとどまれ」と言い残すとエンタープライズに帰還した。




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