航行中のエンタープライズは所属不明の探査機を発見した。探査機からエンタープライズに向けてビームが発射され、ブリッジにダモン・ボックのホロ映像が現れた。彼は「ジェイソン・ビゴの命はもう無い。お前が私の息子を殺したように、私もお前の息子を殺してやる」と告げた。
ピカードはウォーフに探査機の回収を、デイタにはジェイソン・ビゴとその母親のミランダ・ビゴに関するデータの収集、そしてライカーにはフェレンギ政府にボックが船長に復帰できた理由を問い合わせるよう命じた。
作戦室。ライカーが報告にやってきた。ケイモア星系にいると聞かされたピカードはケイモアV星に向かうよう命じた。そしてミランダと何が起ったのか説明した。二人はピカードの休暇中だけの交際とお互いわりきっていた。その後、彼女とは連絡を取っていないが、彼女なら子供を一人で育てていたかもしれない。「いずれにせよ、ボックは二人を何としても殺そうとするだろう」とピカードは言った。 エンタープライズはケイモアV星系に到着、惑星をスキャンしたが地上にミランダと思われる信号はなく、ジェイソンらしき信号が地下にあることが判明した。大きな地震の前兆が観測され、ピカードはジェイソンらしき人物をエンタープライズに転送するよう命じた。
転送室に向かったピカードの目の前に若い男性が現れた。ロッククライミングをしていたのだろうか、彼はなぜ自分がエンタープライズに転送されたのか全く理解していない。ピカードは「私はお母さんの友人だ。私に恨みを抱いている人物が君を狙っている」と説明し、彼が自分の息子である可能性がある事を告げた。またジェイソンはミランダの死を知らせた。
医療室に向かったジェイソンは遺伝子検査を受けた。父親はピカードだった。
ピカードの部屋。ピカードがジェイソンに自分の発掘品の解説をしている。ジェイソンは機嫌が悪い。ピカードは「ミランダから何も聞かされていなかった」と打ち明け、ジェイソンがボックに狙われている理由を説明する。ピカードは「もう少し自分の部屋にいてくれないか」と持ち掛けるが、ジェイソンは出ていってしまった。
ブリッジ。ボックの行方は依然としてつかめない。唯一の手がかりは回収された探査機だが、決定的なものではない。フェレンギのバータ艦長から通信が入った。ボックは船長の身分を剥奪され、刑務所に収容されていたが、数年前に釈放されたという。現在はドライアス星団にいるらしい。ピカードが「二十以上も惑星があるんだぞ」と聞き返すと、バータは「自分で探すんだな」と笑い、通信を切った。だがバータの情報は、ボックの移動先を推定するには十分なものだった。
ピカードは医療室を訪れ、ビバリーにジェイソンのことを相談する。ピカードが「彼は独立心が旺盛だから放っておくのが一番だろう」と言うと、ビバリーは「それは彼のためではなく、あなたの為じゃないの?」と指摘した。
ジェイソンの部屋にディアナがやってきた。ジェイソンは「ピカーが父親と知って驚いた。」と打ち明ける。彼は彼女を口説きはじめ、ディアナに「カウンセラーとして来たのよ」と釘を刺される。
ピカードが寝ていると、ボックが彼に呼びかけた。ピカードが目を覚ますと、ボックがベッドの近くに立っていた。彼は「必ず息子を殺してやるぞ」と警告し、消えてしまった。
機関部。ピカードたちがボックがどうやってピカードの部屋に入ったのか話し合っている。ホロ映像という線が一番濃いが、発生装置が見つかっていない。ピカードはジョーディにスキャンを詳細に行うよう命じる一方で、ウォーフにジェイソンの監視を厳しくするよう命じた。デイタはピカードにジェイソンの犯罪記録を報告する。
テンフォワード。ジェイソンは監視の保安部員にもっと遠くに離れてくれと釘を刺す。その直後、酒を飲もうとしたジェイソンの手が震え出す。彼はピカードが入ってきたのに気づき、慌てて手を隠す。ジェイソンは「惑星に戻してくれ」と訴えるが、断られてしまう。ピカードは「ホロデッキで一緒にロッククライミングをしないか」と持ち掛ける。だがジェイソンは冷たく「放っておいてくれ。どうせボックが捕まったら僕は船を降りるんだ。交友を深めても無駄だよ、艦長」と言い、出ていってしまった。
エンタープライズはゼンリー・カブ星系に到着、再び遮蔽していた探査機を発見した。その探査機は爆発してしまう。その爆発はフェレンギの光を使った暗号らしい。解読してみると「今こそ復讐の時だ」というものだった。ピカードは「どうして攻撃してこないんだ」と苛立ちを隠せない。
作戦室。ピカードがレプリケーターから紅茶を取りに行った隙に、ボックが現れ、椅子が座っていた。二人は口論になる。「あいつの命は私のものだ」とにやりと笑い、ボックは消えてしまった。
急患発生の連絡を受けたビバリーがジェイソンの部屋へ向かうと、床に倒れたジェイソンが発作を起こし、痙攀していた。
医療室。ビバリーの話ではジェイソンは"フォレスター・トレント症候群"という神経が退行する疾患に冒されているらしい。遺伝性のこの疾患は運が悪ければ死にいたるという。ピカードは「ビバリーの言われたとおり、私は彼が自分に干渉されたくないと考えていると思い込んでいた。」と打ち明ける。ビバリーは「親になるために必要なものが一つだけあるわ。忍耐よ」とアドバイスした。
作戦室ではデイタたちが椅子を調べていた。椅子に残っていた粒子を分析した結果、ボックが亜空間転送機を使ってエンタープライズに侵入したらしいということが判明した。「もう一度彼が転送機を使えばどこから転送されてきたのか割り出せる筈だ」とデイタは言う。ピカードはボックがジェイソンを転送で誘拐しないように彼の信号をロックしておくよう命じた。
ホロデッキはジェイソンがロッククライミングをしていた。ピカードも岩を登り、ジェイソンの側までいく。ピカードはミランダがどのような人生を送ったのかジェイソンに尋ねる。彼女は孤児院を立て、必死に働いていた。ある日、食料を運んでいる時に襲われ、殺されたらしい。ピカードは自分が子供の頃、あまり父親にかまってもらえず淋しい思いをしたことを話し、「何か父親らしいことをやらせてもらえないだろうか」とジェイソンに尋ねる。ジェイソンが自分は前科者であることを打ち明け、「きっと失望する筈だ」と言い返す。だがピカードに「お前は息子で、私が父親であることには変わりはない。それだけで十分じゃないか?」と言われ、はっとしたような表情をする。ピカードが「お前も将来、禿げるぞ」と笑いかけると、ジェイソンも笑い返した。
医療室。ビバリーはピカードを呼び、ジェイソンを調査した結果を説明しはじめた。
ブリッジではボックが発信していると思われる亜空間搬送を感知した。ライカーはピカードに連絡を入れた。搬送波はジェイソンの部屋に向かっていた。ボックはジェイソンを転送しようとし、ジョーディたちもジェイソンを転送室に引き戻そうと必死になっていた。ピカードが転送室に駆けつけると、転送台の上ではジェイソンが消えたり実体化したりを繰り返していた。ジェイソンは助けを求めるような目でピカードを見つめる。ピカードはジェイソンに駆け寄るが、彼は完全に消えてしまった。
ブッリッジにピカードが戻ってきた。依然としてボックの艦の居場所は不明だ。エンタープライズの近くに探査機が出現し、エンタープライズへのメッセージを送信しはじめた。ビューワーにはボックの艦の艦内の様子が映し出された。ボックの後ろには手錠を掛けられたジェイソンがいる。ボックは「今日は記念すべき日だな」と勝ち誇ったように言い、ジェイソンにナイフを突き付けた。通信はそこで終わってしまう。デイタはボックの居場所を突き止めた。エンタープライズは最大ワープスピードで急ぐが、しばらく時間がかかる。ピカードは亜空間搬送波で直接ボックの船に乗り込むと言い出す。 そして転送機が調整されると、ピカードは転送されていった。
ボックの艦。ジェイソンがボック相手に取り引きを持ち掛けるが、ボックは「お前の死体をピカードに見せるのが目的だ」と相手にしない。転送されてきたピカードはフェーザーをボックに向けた。ボックの方もジェイソンにナイフを突き付けつが、ピカードは笑いながらボックの企みを明かしはじめる。ジェイソンはピカードの息子ではなかったのだ。ボックはDNA鑑定を誤魔化すために遺伝子操作を行ったが、神経疾患の調査を行った時にそれが判明したのだ。ピカードが「こいつは金のためにやったのではなく、単に復讐のためだけに動いているのだぞ」とフェレンギ人たちにいうと、彼らはボックを拘束した。ジェイソンはなにも言わず、ピカードを見つめていた。
エンタープライズはケイモアV号星に戻った。ピカードは転送室までジェイソンを送っていく。ジェイソンは「近くまで来たらまた寄って下さいね」と言い、ピカードは発掘品の一つを彼にプレゼントした。二人は握手をし、ジェイソンはケイモアに転送されていった。 ピカードはさみしそうに誰もいなくなった転送台を見つめていた。