Star Trek the Next Generation 7th season


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知的生命体 エンタープライズ
Emergence

第7シーズン 第175話
宇宙暦:47869.2

エンタープライズのコンピューターが原因不明の不調にみまわれ、その原因を探る乗組員たちは導かれるようにホロデッキへ向かう。ホロデッキ中には汽車が再現されており、乗客たちが秘密を解く鍵を握っているようだった。

知的生命体"エンタープライズ"-あらすじ-


ホロデッキに現れた汽車はほんの始まりでしかなかった。

シェイクスピアが扱われるシーンはこのエピソード以外にもあるが、ピカード役のパトリック・ステュワートがロイヤル・シャイクスピア劇団に所属していることを考えるとニヤッとさせられる。

監督:Cliff Bole
Cast
Conductor: David Huddleston



知的生命体"エンタープライズ"


ホロデッキではわずかなたいまつの燃えるなかで中世の衣装に身を包んだデイタが「テンペスト」のプロスペロー役を熱演していた。せりふの途中でデイタはピカードに話しかける。ピカードは照明が暗くて見えないとぼやく。もう少し明るくするように言われたデイタはコンピューターに照明を上げさせてから、ピカードにプロスペローに関する解釈を求めた。それに答えるピカードは、遠くから汽笛のような音が聞こえてくることに気づく。だが気のせいではなく、蒸気機関車が次第に近づいてきた。なぜ中世のセットに汽車が現れたのか?轢かれそうになった二人は危うく脇に飛びのき、顔を見合わせた。

二人はホロデッキを出た。蒸気機関車はビバリーのオリエント急行のプログラムのものらしい。ホロデッキの異常で複数のプログラムが同時に再生されたらしい。ピカードは念のためすべてのホロデッキを停止させるようデイタに命じた。
汽車から逃げる際に怪我をしてしまったピカードは医療部へいきビバリーの治療を受けた。汽車に興味があったとはとピカードが言うと、ビバリーは旅情を楽しみたいからだと答えた。ライカーに呼ばれブリッジに向かおうとするピカードに、ビバリーは「汽車に乗れば思いもかけない人にあえるかも」と声をかけた。

エンタープライズはマコーダ星域でマグナスコープ嵐に遭遇したものの異常はなく、次の任務である植民地探しに向かっていた。急に艦に衝撃が走り、なにも指示を出していないはずなのにワープ航法に入ってしまった。コンピューターが勝手にエンジンを操作してしまったらしい。しかたなくピカードはワープ・コアを緊急停止するよう機関部のジョーディに出した。再び艦に衝撃が走り、艦は通常エンジンによる航行へ戻った。ピカードはジョーディにねぎらいの言葉をかける。だがジョーディがエンジンを操作する前にエンジンが勝手に停止してしまったようだ。

調査の結果では、なにもわからなかった。だがワープ航法に移る直前までいた場所に「シータ流動」が発生していたことがわかった。あのままでいたらエンジンコアは破壊され、艦は爆発していた可能性が高いとデイタたちは分析する。一体何がおこっているのか?
ジョーディとデイタはエンジンが急に動き出した原因を探るため、ジェフリーチューブに潜り込んでいた。デイタは艦のセンサーが危険を察知し、ワープエンジンが作動したのではないかと考えるが、センサーとエンジンは連結されていない。パネルを開けると光るパイプの集合体のような「ノード」がセンサーに張り付いていて、その結果センサーとエンジンは回路的に接続されていた。ノードにはフォースフィールドが張られており、手を出すことが出来なかった。

さらに調査を調査を進めた結果、あの奇妙な物体が艦内のいたるところに存在し、それぞれが繋がっていることが判明した。これらはセンサーと防衛システムへ接続され、艦の安全を保っているらしい。ノードは現在も増え続け、艦のコントロールを奪いつつあった。ノードはいずれも第3ホロデッキに繋がっており、謎を解く鍵はそこにありそうだと考えられた。
でいた、ジョーディ、ライカー、そしてウォーフがホロデッキに向かった。先程機能を停止したはずなのに、再びプログラムが再開していて外部から停止することは出来なかった。四人はホロデッキの内部へ入った。

ホロデッキの中はオリエント急行の客車が再現されていた。乗っている乗客は何かの紙をはさみで切っている中世の騎士からパズルをしているヨーロッパ風の男女など様々で、ガンマンまであらわれた。ガンマンは腰に手を伸ばすと、パズルのピースを取り出し、パズルにはめ込んだ。パズルのデザインはあの「ノード」のようだ。デイタによれば7つのプログラムが同時に進行しているらしい。ライカーの指示でデイタは「ノード」を探しはじめた。
ドアを開き車掌が現れた。彼は切符の検査をはじめた。開拓者風の男は「バーティフォーム・シティにいけるなんて」と喜んでいる。デイタが何かを見つけた。ライカーを呼び、床の下にあるホロデッキのパワーグリッドを脱分極しようとした時、車掌が「床にさわるな」と怒鳴った。車掌は切符を見せろと迫り、ライカーたちは「部屋に忘れた」とごまかそうとする。緊迫した空気の中、機関手が客車に入ってきて「この人たちは助けてくれようとしているんだぞ」と車掌に言った。機関手は客を差して「こいつらは乗っ取ろうとしているんだよ」と訴えるようにいう。客の一人が「機関手がいないのに誰が運転しているんだ?」と言ったとき、銃声が響き、機関手が倒れこんだ。銃を撃ったのは機関車の方からあらわれたマフィア風の男で近づいてくると「俺だよ」と言い放った。

ちょうどその頃、機関部ではジョーディが壁のパネルを操作していた。突然パネルが火を吹き、ジョーディは弾き飛ばされる。ナビゲーション・リレーがオーバーロードしてしまったようだ。
ホロデッキ。車掌は窓の外をみてから汽笛をならす。客車は小さく揺れた。
機関部ではジョーディが艦のコントロールを取り戻そうと必死になっていた。だが艦の進路が勝手に変更され、なすすべがない。
「正しい線路に乗ったよ。」車掌は満足そうに言う。客たちも大喜びだ。マフィア風の男は機関手の胸元に入っていたレンガを取り、「俺のレンガを持ち逃げしていやがった」と言った。車掌は「大事なものだからなくすわけにはいかん」と男に言い、男もうなずいた。そして車掌は「命が惜しかったら出て行け」とライカーたちに警告する。ライカーたちはホロデッキに備わっているはずの生命保護機能が作動していないことに気づき、仕方なくホロデッキから出ていった。

ライカーたちは機関部で現状を確認した。増え続けた「ノード」によりさらに多くの艦の機能が奪われていた。さらに「ノード」は第3ホロデッキに集まり、ホロデッキでの出来事はエンタープライズに影響を及ぼしていた。デイタはホロデッキで機関手が撃たれた時、艦のナビゲーションコントロールが故障したことを指摘する。デイタはあることに気づいていた。ジョーディもデイタに言われ、「ノード」の配置がデイタのニューロネットに似ていることに気づいた。つまり「ノード」全体で一つの頭脳として、エンタープライズは知能を持ちつつあるのだ。

観察ラウンジ。デイタが「ノード」が知能を形成しはじめていることをピカードたちに説明している。ノード、そしてエンタープライズの複雑さが突然変異的に知能を生み出してしまったようだ。その知能を統合しているのは第3ホロデッキだった。トロイは自分の目でホロデッキをみて「知能」を分析したいと申し出る。そしてピカードはいかなる知性であれ、尊重すべきだと言った。
デイタ、ウォーフ、ディアナは再びホロデッキへ向かった。客たちはどことなく「ちぐはぐな」行動を取っていた。ある女性はぼーっと兜を叩き続け、パズルは完成していない。そしてガンマンは縛られていた。デイタはふたたびパワーグリッドの脱分極をはじめた。ウォーフとディアナはパズルをしている客たちのところにいくが、パズルの図面が何を意味しているのか気付かない。ウォーフは客たちにパズルの意味を質問するが、客たちも知らないという。ディアナはマフィアの座っているテーブルのところへ行った。マフィアの対面にはしばられたガンマンが座っており、トランプをしていた。テーブルの上に置いてあったレンガにさわろうとするディアナの手をマフィアがつかむ。彼は「こいつの価値をしっているのか?キーストーン・シティにもっていくのさ」と言った。そこではすべてが始まるという。ふとディアナはトランプに描かれたデザインがパズルと同じ物であることに気づいた。

デイタがまさにパワーグリッドにアクセスしようとする時、車掌が「次はキーストーン・シティ」といいながらやってきた。そしてデイタたちを見つけると「まだいたのか」と言い出した。ウォーフが「我々は乗客だ」と言うが、切符を見せることができず、降りろと言われてしまう。列車はキーストーン・シティに到着したようだ。レンガを持つマフィア風の男は足早に降りていった。ディアナは「ここに何があるの?」と尋ねても男は答えようとしなかった。
ディアナたちは男の後を追って列車を降りた。外は1940年代のアメリカのような町並みだ。じきにデイタがパワーグリッドを見つけ、脱分極をはじめた。ディアナとウォーフは男の後を追う。

デイタは作業をはじめた。突然通りの向こうからタクシーが猛スピードで走ってきて轢かれそうになる。デイタは飛びのき、難をのがれると作業を続けた。
マフィア風の男は人目をはばかるようにレンガ造りの壁の前まで来た。そしてレンガを取り出そうとしているところにディアナたちが追いついた。男は「基礎を固めるのさ」と言い、壁にレンガをはめ込んだ。するとレンガは壁に最初からあったかのようにはまり込み、男は列車に戻っていった。
ブリッジではジョーディが急に第5貨物室が減圧し、強力なエネルギーが発生したことをピカードに報告していた。なにかがそこへ転送されているらしい。ジョーディが第5貨物室へ向かうと、床の上には「ノード」とそっくりな、人間の頭より少し大きいくらいの発行する物体が置かれていた。

そのころデイタは自分を轢こうとするタクシーを片手で押え、パワーグリッドの脱分極をはじめようとしていた。そしてデイタが脱分極を開始すると、エンタープライズに衝撃が走りはじめた。ホロデッキ内では地震のような状態になり、レンガの壁が崩れ落ちてしまう。ジョーディの指示でデイタが作業を止めると揺れもやんだ。
負傷したディアナは医療部で治療を受けた。あの揺れはエンタープライズが自分を守ろうとして起こしたものだろう。ディアナはすべてのことは「なにかを作ること」を象徴しているようだと分析する。第5貨物室でもなにかが莫大なエネルギーを利用して謎の物体が作り出されようとしていた。ディアナは再びホロデッキへ戻り、乗客たちと意志の疎通を図ることを提案し、ピカードは今度は彼らに協力的にふるまうべきだと指示した。

ディアナ、デイタ、ウォーフはホロデッキの列車に乗り込んだ。今度は切符を見せると、車掌も客としてみとめてくれた。列車の調子がおかしいようで、車掌は時間どおりに目的地に着けるか心配している。ウォーフは機関車へ行き、石炭をくべる手伝いをすることになった。
ブリッジではワープエンジンのパワーの回復が観測されていた。エンタープライズはタンボ・ベータ星系の白色わい星へ向かっているようだ。
エンタープライズは白色わい星へ接近すると、トラクタービームでバーティオン素粒子を回収しはじめた。そして素粒子は第5貨物室に送られ、謎の物体がそれを吸収していた。物体の内部にはエネルギーの産生が観測された。だがすぐに物体からのエネルギー放射が減少しはじめてしまう。白色わい星のバーティオン素粒子を吸収し尽くしてしまったことと関係ありそうだ。

ホロデッキの機関車ではウォーフの働きぶりを見ていた車掌が首をかしげていた。そして「まだバーティフォーム・シティのはずなのに。どこかで線路を間違えたんだ」というと、列車をき急停車させた。客車の乗客たちは床になげだされた。
列車は脱線してしまった。そしてエンタープライズのほとんど全機能が停止してしまった。貨物室で謎の物体を見守っていたジョーディは、この物体の内部で凝集性マトリックスが出来かかっていたこと、つまり有機生命体が誕生しようとしていたことに気づく。すぐにでもバーティオン素粒子を注入しないとこの生命体は死んでしまうだろう。艦が大きく揺れ、エンタープライズはワープ航法に移ったようだ。ピカードたちはブリッジへ戻った。

客室内では乗客が列車が動き出したと喜んでいる。今度の目的地は「ニュー・バーティ・フォーム・シティ」。
エンタープライズはコーダナス星系の白色わい星に向かっていることがわかった。生命体はそれまで持ちこたえるだろう。だが艦のエネルギーのほとんどがエンジンにまわされているため、エンタープライズの生命維持装置がコーダナス星系に到着するまでに停止してしまうと予想された。他にバーティオン素粒子はないのか?ピカードはホロデッキのデイタたちに列車を止めるように指示する一方で、人工的にバーティオン素粒子を作ることができないか検討しはじめた。

デイタたちは機関車へ行き、列車を止めようとする。だが乗客たちにはばまれ、客車を出ることができない。
ジョーディは素粒子を発生できそうな恒星を二つ発見した。十分な素粒子が発生するか否かは賭けでもあった。
トロイは協力してくれればきっとニュー・バーティホーム・シティへ連れて行くと説明、乗員たちを納得させた。そしてデイタが一人で機関車へ向かった。機関車の前にいた車掌とマフィア風の男はデイタを見ると、銃を向けてきた。だがデイタが「近道を知っている」と話すと車掌は列車の操縦をデイタに任せてくれた。

デイタの操縦でエンタープライズは問題の星雲まで到着、光子魚雷が発射されると狙いどおりバーティオン素粒子が発生した。機関車の車掌たちは目的地に着いたと大喜びで汽笛をならす。
機関部。エンタープライズの各部署にあった「ノード」は機能を停止し、エンタープライズの知性としての活動は停止していた。ていた。生命体は光りながら浮上し、艦の外へ飛び出していった。客車の中ではパーティが開かれていたが、じきにホロ映像は消えてしまった。この生命体は単に子孫を残そうとしていただけだったようだ。

デイタが作戦室のピカードのところにやってきてた。今夜「テンペスト」の一場面を演じるから見に来てくれと誘う。ピカードは上機嫌で見に行くと約束した。デイタが出て行こうとするが、足を止め、生命体の行動を阻止しなかったのは無謀だったのではないかと尋ねる。ピカードは「あの知性を生んだのは我々自身、いままで我々のやってきたことの集大成だ。それならば信用できる」と答え、デイタも納得するのだった。




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