■再会・・・
どこをどう辿ってか忘れてしまったが、昨日偶然ある方のHPに行き着いた。
そして驚いた。27年程前に出会った日本画家のHPであった。
私もまだ若かりし日で、水彩画すらも描いてなかった。
ある日ご自宅にお邪魔して、拙いデツサンを見てもらったこともあった。
応接室の壁には、正倉院を描いた大作が掛けてあり、「プロの絵描きさんってすごいなあー」と
ただただ驚いたことを覚えている。
あれから25年の歳月が経ち、同氏も60歳になられていた。
そのHPには鮮やかな桜の花の日本画が”今世謳歌”と咲いていた。
私は懐かしさのあまりすぐさまメールを出した。(管理人さんは別の方らしくて届くかどうかと思いつつも)
翌朝電話が鳴り受話器を取ると「○○です」との声が、ご本人からであった。
聞けばHPはご子息が管理されているとのこと。
それにしても懐かしい声で以前とさほど変わりなく、張りのあるとても60歳とは思えない凛とした響きであった。
今も京都画壇の中核で頑張っておられる旨をお聞きして、私は我が事の様に嬉しく思った。
そして、自分自身も間借りなりにも絵描きの末端にしがみついていられることを改めて幸せに思った。
もし違う道に進んでいたなら、おそらくこうして再会することも無かっただろうと考えると、不思議で厳格な人生の
縮図を見る思いがする。
暫く近況などを話した後、最後に氏は 京都からならそんなに遠くではないので「次回個展には是非」と言って
頂けたのもまた嬉しい。何時の日にか酒でも酌み交わしたいものである。

人間歳を取れば過去にいろんな人との出会いがある。
その時は偶然のような出逢いで、さしたる意味が無いように思えても後年になって大きな意味を生じることもある。
だからおろそかには出来ないのだ。出来ることならあの時にあの人と出会う事が無ければ、こんな姿にならずに
済んだのに・・・とは思いたくないものである。
HPを開いて約2年。思わぬ人との出会いや再会があることにネットの効用と感謝したい出来事であった。
2002/07/10(管理人室〜転載)



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