■「品位」ということ


下品、上品、貴賓、品格、賓租・・・どれももの値打ちを表現する言葉である。
当然ながら作品と呼ばれるものにもある。
私は自分の作画の中でこの品位というものを最も大切にしている。間違っても卑しい作品は描きたくない。
世にそんな絵画など無いと信じたいが・・・ときどき目にすることも。
武士は食わねどたか楊子・ではないが、負け惜しみでもなく、いざと云う時には切れ味鋭く一点の錆もない
銘刀を自在に使える心の品位を保ちたいと思うのである。安っぽいプライドなんかでは毛頭ない。
語らずとも発する匂いのようなものがある。私はそれを「品位」と呼び、作品の重要な要素ではないかと思う。
 もう亡くなられたが小学校の恩師(画家)が何度目かの個展の折りに
「君はいい絵を描くなあ」と言って戴いたことがある。以前はこれといった批評の言葉もなかった。
私は今もその恩師の言葉が忘れられずに、大切にしまっている。
いい絵・・・それはもう技術や経験を超えた部分のなせる技とも思えるし、故に重要なのである。
オオバーに言えば、これが私の厳として護り、描きたい美学なのかもしれない。





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