ノベルもどき、作品案メモログ、忘備録等
私の通うスモルニィ幼等部では、自分の誕生日までに「今年/将来の夢」について作文を書くことになっている。
それを誕生日の朝「朝のご挨拶の時間」に組のお友達に披露するの。
作文はそのままお家に持って帰るシステムになっていて、
再度、各家庭「夕食の話題」に提供される。
勿論、三〜四歳の年少組は字を書けない子がほとんどだから、短いのを暗記していって、口頭したデータ(先生が録音してくれる)を持って帰るんだ。
三つの時の、私のそれは
「大きくなったら、お花になりたい」
だった。
でも、当時「うさぎ組」〜からずっと同組だった意地悪イヤミ男が
「人間は人間にしかなれない」
って教えてくれちゃって、私は大泣きした。
その年のケーキは
【クラシカルビターチョコレート】
パパに合わせた、甘さ控えめケーキが私には早速暗雲立ちこめた将来を暗示するかのようで…苦い思い出だ。
「まあ!お花になったら、ケーキも食べられないし、ジュースも飲めないのよ?お水でいい、なんて張り合いのないのはパパだけで充分だわ」
ママが正論(?)を出したので、それもそーか?のオチはついたけど。
ちなみにパパは
「オメーは花みたいに可愛いから、なっ」
なんて、親バカな事言ってだけど、そんな言葉で喜ぶ程、もうチビじゃなかったから、即却下。
四つの時、去年は
「パパのお嫁さんになる」
だった。
別にママに取って変わろうってんじゃないの。
私「も」お嫁さんになって、ずっと三人で暮らそうと思ったのよ。
一応生活能力はあるけど、何時までも子供っぽい両親を後からビシッとサポート出来るのは実娘の私しかいないでしょ。
調度サポート役だったロザリアさんが「長い春」が終わったとかで、結婚と同時に隣町に引っ越す事になり、私の決意は固かった。
それにお嫁さんのロザリアさんはいつにも増して綺麗だったから、憧れちゃったんだよね。あーゆーの。
が、これも当時「すみれ組」〜のイヤミが
「親子は結婚できない」
って教えてくれちゃった。
去々年のようにやられっ放しも悔しかったので、この時イヤミには二年連続乙女の大望を砕いでくれたお礼としてメカチュピXI号をぶつけてやった。
「喧嘩しちゃ駄目でしょう!」
って先生に叱られた所は痛かったけど、幾分、それで気は晴れた。
更に
「あら、アンジェは最初からもっと背が高くて、素直な美形と結婚してくれなくちゃ!ママ、未来の希望がなくなっちゃう」
と、これまたママが、正論(?)を吐いたのでオチもついたのだ。
その年のケーキは
【ふわふわチーズケーキ】
やっぱりパパに合わせて、そういうのになっていた。
そいつをほおばりながら漫然とした思考を纏めてみると…そうか…私のお婿さんって事は、ママの息子ってこと…だよね。
只でさえ子供みたいなパパが、本当の息子になったら、そりゃ堪らないよね。
ふんふん。
パパは、なんか一人で勘違いして
「そうだよな〜!アンジェは、オレが一番好きだよな」
って喜んでたけど。
まあ、ああいう浮かれてる時に、ヘタに釘さしてしまうと、あのガキくさいスネっぷりで後が大変なのはママだし、訂正はしなかったんだけどね。
今年「神鳥組」に上がってからは…たった三ケ月で色んな事が起きた。
人生には色んな転機があって、嬉しい事だったり、悲しい事だったりするんだけど、その時期、纏めてくる様子を「波」というそうだ。
組のお友達の数人が、急にお別れになった。
その中にはあのイヤミも入ってた。
原因は、各々色々あるみたいなんだけど、イヤミの場合は、パパとママが離婚してしまうので、住居を移す、という内容だった。
そこで何故、あのイヤミの目の敵にされてたのかわかったの。
覚えてる限り、一度もイヤミの両親を見たことがない…その意味も。
毎朝・毎夕のパパ作エアバイの音を「小煩い」とイヤミが舌打ちをする度に抗戦する日課だった。
〜その意味も全て。
………羨ましかったんだ。
イヤミはお別れにいったの。
「さようなら…お父さんとお母さんと、ずっと仲良くね」
その夜、私は生まれて初めて他人の為に泣いた。
あまり泣くので、両親は本気で心配してた。
それで更に、自分がどれだけ恵まれてるかわかっちゃって、もっともっと泣いた。
私はあの日、泣きながら、このことを絶対忘れまい、と胸に刻んだのよ。
取り柄といえば、手先が器用な事と、余計なトコにだけ働く勘の良さくらいで、ママバカで、親バカで、専門バカで、独占欲一杯で、心狭いパパ。
照れ屋で、不愛想で、甘いもの嫌いのパパ。
でもパパの「バカ」のお陰で私は幸福なのだと。
………なのに
…実際
アイツがあの手の方面に器用さを発揮してるとは、思いもよらなんだ。
--先週、日曜日
寝起きの悪いパパが、珍しく早朝から出かけたっていうのは不思議ではあったんだけど、またオタクな新趣味にでも関連するんだろうと結論して、私もママと出掛けたんだ。
ロザリアさんに赤ちゃんが出来たので、お祝いを選びにね。
これがなかなか大変で〜
経産婦なんだから、そこら辺、実用性のある物はわかるだろうに・・
子供の目からみても「それはいらない」ってオモチャだの、靴下だのに目がいくママを諭しきれず、興奮が納まるまでゲーム攻略本でも読んでようかと、本屋角の一角に足を向けると………
パパがいた。
正しくはパパの形した知らない男、が女と連れだってきた
まあ、そのヤに下がった様といったら、やれ「可愛いだの」「よしよし」だの。まるで別人だ。
とにかく、私以外に対してあんな素直な「好き」なんて人前で見せた事のないパパが!
ホントにパパ?
でも(浮気だとしたら、尚更)
女連れでこんな人目につくとこにウロつく、なんて迂闊さ
は、紛れもなく………………………………
攻略/第三章
【ヒミツの店で、ステータスアップ商品ゲット】
なんて、どーでもいい!!!
ショーーーック!
こんな必殺技、秘かに開発してたなんて…
見開き(偶数>奇数起こし漫画頁2枚分の事)ショック…
わーん!!!!!!!