ノベルもどき、作品案メモログ、忘備録等
朝日とともに目覚めてしまった。
本当は、フテ寝してようと思ったのによ。
一度身についた習慣ってヤツは、ランディより気がきかねえ。
昨日は一日すげぇ騒ぎだった。
アンジェリークは朝っぱらから噛みつくわ、アンジェリークとイタそうとすりゃあアンジェリークが帰ってきちまうし、アンジェリークが突然セイランのトコにお泊まりっつーから今度こそアンジェリークとデへへ………と思いきや、今度はアンジェリークが急に帰ってきやがって。
ええい、訳わかんねぇわい!
………とにかく。
ココロ安らかに、カラダ激しい筈の土曜日は、マルセル並にかましい土曜日になって。
やっと落ち着いたと思ったら、今度はいつのまにやら、女共は枕と毛布をかかえ「親子団らん」だかなんだか、カサカサ固まりはじめた。
「そーゆーカテゴリーならオレも入れろよ」
と訴えると、一斉に
「ゼフェル禁制!」
だと!
んまー!「オトコ禁制」ならまだしも「ゼフェル禁制」だぁ?!
テメーらこそ、アンジェズ(アンジェリーク複数形)のくせに!
…父親っつーのはセチガライ職業だよなぁ?
「ゼフェル禁制!」のオレは、仕方ねえ、その後ロボコンとメカチュピを交えて
「ゼフェルってやつは、ほっとけねーから」
なんて一人芝居つつ、(正確に性別が判明しているのはオレだけだが)「オトコだらけの晩酌会」を開いてた。
実質呑めんのはオレだけだし、ロボコンは女共の味方しやがるし(メカチュピは跳んでるだけだし)なんとも盛り上がらねぇ飲み会だったぜ。
とにかく、起きちまったもんは仕方ねえ。とっとと働くか。
なんつっても今日からアンジェリークが三人だ。特に、ハラボテアンジェ(チクショー、オレの娘にオレと同じことしやがって!)はまだウチに慣れてねぇし、やっぱオレがメシ作ってやんねぇと、だろ
多分、皆まだ寝てるだろう。
…あ、ひょっとしてあいつら、そのままリビングで寝たんだろうか?
一応、気ィつかって階段を静かに降りる。
ん?なんで、話し声がしてんだ?それも、今起きだしてます〜とか、そういう雰囲気じゃねぇ。
おい、これって…。
「………………」
アンジェズは、オレが昨夜追い出された時と何一つ変わらねぇ
いや、菓子の袋やらジュースの空きボトルやらが部屋中散乱プラス状況で、未だしゃべくりまくっていた。
まさか………オメーら………
その調子で、一晩中しゃべくってたのか?
しかもアンジェリーク(娘一号)はフツーのカラダじゃねーだろが!
限度ってモンを知れ!
「コラ!オメーら」
心配半分、呆れ半分で、オレがそう怒鳴りつけると。
これまた三人、一斉にこっちを振り向き
「「「あ、おはよぉ〜〜〜〜〜」」」
………ほとんど完璧なユニゾン。
「きゃ☆ひょっとしてもう朝ゴハン出来たの?」
朝っぱらから、天然だな。アンジェリーク(妻)
「あ、アンジェはねえ、卵は半熟なの。ちゃんとふわふわって、なってないとヤ」
オメー自分の脳味噌も半熟だろ?アンジェリーク(娘一号)
「お姉ちゃん、パパはそういう微妙なセンスはつねづね持ち合わせてないのよ」
そういうオメーは絶妙にいちいち小生意気だよ。アンジェリーク(娘二号)
「「「じゃあ私達、ここで話してるから、なるべく早くモーニングにして☆」」」
かーっ!……こいつらホント親子でしかねぇ!
散々菓子食ったんだろうが。ったく、その細こい体(うち一人は腹膨れてるが)のどこに、食い物が溜まってんのか、一度構造調べてみてーよ。
大体一晩中しゃべくりまくってたんだろうが?この上何を話そうってんだ。
いや、そもそも、女三人集まって誰も、チチにメシ作ってやろー、とか意識がねえわけ?
オレなんか男一人でも発想したっつーのに、だ。
アンジェリーク!
テメーはオレのツマだろうが!休日の旦那をちったぁ、労おうって気にゃならねぇのか!
アンジェリーク!
オメーは久しぶりにオレと話せんだろうが!
アンジェリーク!
オメー、昨日のオレ様への仕打ちを忘れた訳じゃねぇだろうな?今日ぐらいはシオらしく、オレに媚びてみやがれっつの!
なんて、いくら心ン中で威嚇してたって。
アンジェズは、ひたすら「女三人寄ればなんとか」でしゃべくりまくっている。
くっそぉ…………!
テメーら、完全にオレの存在を忘れてんな!
「トサカにきた!グレてやる!」
「トサカが生えてる」の間違いでしょ、なんて一人ツッコミ(だって誰もツッコんでくんねーんだもん!)と共にオレが家を後にしたのは、昼も間近な時間だった……