In My Blue Sphere 1
―プロローグ―

    



 ……物語は、少女の中にある。
 時を紡ぐ物語。


 We will..... celebrate......all life......


 彼女には、クセがある。
 どうしようもなく、神に祈りたくなったとき、胸元に光るペンダントを握り締める、そんなクセが。


 For The Celestial Visitant...... has come.....


 それは二人の母親からもらったペンダント。少女がそこに閉じ込められている、小さな小さな羽を持つ女性に気付いたのはずっと前だったのだけれど、結局それが誰なのか聞くことができないままに時は流れていった。そのことを知っている母はすでに遠い遠い時の彼方へと去り、手渡してくれた母にももうしばらく会うこともできず。


 Please come......and share......your dreams and love......

 
 でも、そのペンダントのおかげで、いろいろなことに出逢えた。
 そして、いろいろなことを知った。
 いろいろなことを、自分のものにできた。


 For your...... love is .......overflowing.......


 この女性はまるで母のよう。
 いつも彼女のことを見守ってくれる。
 母のことを思い出すとき、よくこのペンダントを眺めた。
 そして、ペンダントを見ていると、自然に口の中から出てくるメロディ。


 Let us pray......that we will ......see your true self.......


 ネーデにもよく似た歌があると聞いたとき、とても驚いたのだけれど。
 でも、その美しい旋律は小さいころから母親に聞かされていたままに自分のものとなっていた。
 愛と夢と祝福とを奏でる。時の中を通り過ぎるその音。
 少女を、守ってくれるそのアリア。


 Let us pray......that we will ......be blessed by you.....


 
 月の本質を持つ、太陽を見出して時の中を駆け抜けた少女に彩られて紡がれる。
 これは、宇宙を駆け巡る物語……



    












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