試合レポート

 
ナビスコ杯2回戦
  6月20日
横浜マリノス対福岡 三ツ沢競技場


 朝からの雨も上がって薄日が差していた。久しぶりの三ツ沢競技場である。サッカー専用のこぢんまりしたここは、見やすく能活の声が良く聞こえ、大好きな場所だ。前売り券が売れていたようだが、やはり平日の夜、観客は6256人。それでもマリノスゴール裏はいっぱいだ。この日の先発は、川口・数馬・松田・丸山・永山・上野・遠藤・波戸・平間・木島・城。

 開始1分、フォーメーションを書き込もうと下を向いているうちに、平間が左からクロスを上げる。城のシュートは決まらなかったが、ゴール前でごちゃごちゃしたと思ったらゴール。1点取れば第1戦との合計で4−0、試合は決まったも同然。その場合は疲れの溜まっている代表選手を休ませるとの話もあったが、まさか1分で引っ込めるわけにはいくまい。前半一杯はそのままだろう。29分、平間のドリブルから思い切りの良いシュートが決まり本日2点目。これで本当に勝負はついた。

  能活はその瞬間、嬉しそうにガッツポーズをしていたが、すぐにまた大声で前に指示を送る。経験の浅いバックラインを、松田と共に引っ張って行かねばならないから。この日の数馬は以前見たときよりずいぶん落ち着いていて、随所に良いプレイを見せていた。後半にはとまどいながらも相手ゴール前まで上がるシーンも。そして特筆すべきは松田だ。面差しが変わるくらいに疲れているのに、「危ない」と思うとどこからか現れクリアしたり、パスカットしたり。「Jリーグは(特に頑張らなくても)普通にやっていればできる」という趣旨の発言をどこかのインタビューで読んだが、それもうなずけるなと思った。あまりにダーティーな福岡のプレイに、双方の選手がにらみ合う場面が幾度もあったが、そんなときはなだめに行って。つくづく大人になったものだ。

 そんなわけで、DFが良かったため能活が活躍するシーンはほとんどなかった。もちろんそれが理想の展開。しかし、攻撃はいまいちだ。いつものことながら、能活のどんぴしゃキックも生かされないし、木島のドリブル突破もそればかりではすぐに読まれる。何より相手に止められたりこかされたりが多すぎて。審判もわかっていてファウルは取ってくれないのだから、こけずにこらえて進んだ方が遙かに得点の可能性が高いのに。

 前半終了後引き上げるときに、下條監督が松田の肩を抱くようにして何か話しかけていたので、勝手に「ごくろうさま」の挨拶だと解釈した。ところが前半終了間際と後半開始早々交代したのは、遠藤と上野。怪我をしていたのかもしれないし、試合中に痛んだのかもしれない。が、出来れば松田を替えて欲しかった。それほど疲れがひどいようにみえたからだ。後半膝に手を付くシーンも見られ、あと1枚交代のカードはあるのになぜと思ったのだが、結果として彼に使わないで良かったと思うことが起きてしまう。

 能活の怪我。去年の鹿島戦を思い出して血の気が引いた。相手FWともつれ合ったのはわかったが、それが誰でどこを打ったのかは遠いサイドでのことでわからない。倒れているのが時間稼ぎであって欲しかったが、そんなことをしなければいけないほどきわどい点差でもなし。無理矢理立ち上がらそうとする相手選手に腹が立つ。何とかプレイが再開されほっとしたのもつかの間、自分からばつを出しているではないか。私は叫びそうになった。「誰か早く気づいてボールを外に出して!」結局39分、能活交代、膝を気にしながらロッカールームに消えていった。 こうなったらもう試合どころではない。現場にいるとかえって情報が入らず不安になるばかりなので、勝っているのをいいことに、ロスタイムもそこそこで家路につく。

 やっとほっと息を付いたのはオフィシャルサイトのコメントを見てからだ。「大事をとって下がったがもう大丈夫」とのこと。3枚目の交代カードは松田か波戸に使ってもらいたかったと、代表仲間を気遣っていたのが印象的。 たいしたことがなくて、本当に良かった。それにしてもいったい何度担架がピッチに入ったか。こんなときこそ相手と接触しないようスペースに走って、ワンタッチでパスを出し、テンポよく攻めて欲しいのだが。 土曜日にはすぐリーグ戦もある。今日柏に4−0で勝った鹿島が相手、去年からの因縁もある。今はユースチ−ムのようになっているマリノスだが、同じJリーガー同士、言い訳はきかない。若い選手達が鹿島のホームで雰囲気に飲まれることなくプレイできることを祈りたい。


 

          
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