昨日の雨も上がり、晴れた空の元柏の葉競技場に向かう。途中でぱらりと雨が落ちてきて心配させられたが、すぐにまた強い日差しが。2時23分、まず柏側にマリオが登場。続いてマリノス側に能活登場、青いトレーニングウエアだ。いつものように、榎本相手にボールを受ける。その後フィールドの選手が出てきた。先発は次のとおり。
川口・小村・松田・波戸・遠藤・上野・三浦・永井・中村・柳・エジミウソン(サブ・榎本・岡山・永山・外池・吉田)
能活はサポーターからの「今日も0点で!」という声に、手を上げて応えていたのだが――。
キックオフから珍しく動きがいい。5分には早くも先制点だ。上野のミドルシュートがバーに当たり跳ね返った物を、柳がヘッドで合わせる。それで油断したわけではないだろうが、その後はさしたるチャンスもない。それでも波戸を始めDFに破綻はなかった。が、20分CKからヘディングを決められ同点に。思えば3分にもCKからのヒヤリとしたヘッドがあったのに。それを境に柏の動きが眼に見えて良くなる。マリノスは防戦一方。前にボールが行かず、俊輔は何もできない。
39分守備に不安のある永井を永山へ。このまま行けば、いつもどおりの同点ででハーフタイムだ。危ないヘッドやバックパスなどを、何とかしのぐ。左からのクロスも能活がぎりぎりでフィスティングしてはじき出す。そして最後のプレイになりそうなCK。「あ、ロスタイムか、いやだな」と思ったとたん、そのキックからヘディングを決められ逆転されてしまうのだ。1点目と同じパターン。そのいやな気分のまま1−2でハーフタイムへ。
後半、いつものようにギアがトップに入ると思いきや、守りの時間が続く。オフサイドにはなったが、能活が足で防いだシュート、北嶋ともつれながらキャッチしたセンタリング、砂川との1対1、いいように動き回られて。ここまで攻めらしい攻めは無し。俊輔のFKもバーの上。だんだん一人一人が自分だけで何とかしようとし始め、つながりが無くなる。最初の何分間かに見せた動き出しの早さも影を潜め、おきまりのドリブルからカットされ慌てて戻るパターン。
22分、交代で出て左サイドのDFに奔走していた永山が怪我でアウト、吉田が入る。28分には遠藤を外池に。このあたりからようやくマリノスの時間になってくる。エジミウソンからのマイナスのパスを柳がシュート、惜しくも南にはじかれる。その後俊輔のCKを柳がヘッド、混戦からエジミウソンが押し込んだかに見えたがハンドでノーゴール。
そして40分、柳のクロスをゴール前で受けたエジミウソンがPKを得る。柳が蹴ったボールは止められたものの、つめていた吉田が決め、ようやく2−2の同点に追いついた。だが相手も必死に攻撃を仕掛けてくる。右からのFKは能活がパンチング、クロスには波戸が付く。FKからのボールは能活がキャッチし、素早く俊輔に出すが明神に止められて。ロスタイムのスローインは右サイドまで三浦が行ってロングスロー。お互いに焦りからかミスも出てボールは落ち着かない。そのまま後半も終了し延長戦へ突入することになった。
だが、「数分で決めてくれる」との思いは空しかった。ノートにメモを取る時間もない延長開始2分、三浦の前に出たボールはあっという間にさらわれクロスを上げられる。フリーでいた北嶋のヘディングが決まり、マリノスは今期初のVゴール負けを喫した。なぜあそこで彼をフリーにする…?能活が日本で一番恐いFWに上げている彼を。ヒーローインタビューで北嶋が「相手のGKが能活さんだったから」云々と言っていたが、それを聞く気力も私にはない。かろうじて柏の選手と挨拶する能活。印象に残ったのは、吉田の笑顔。なぜ、笑顔?うんざりするほど長い列に並び、のろのろ進むバスに揺られ、帰宅の途についた。
結局、いつもと違い最初から飛ばしたことが裏目に出たのだろうか。マリノスはこの3週間で7試合、ほとんどを同じレギュラーメンバーで戦っている。選手の疲れはたまっているだろう。対する柏は、カップ戦のシードでリーグ戦しかやっていない。その差は延長戦が決まったときの態度に現れている。追いついたにもかかわらず「あーあ」という雰囲気が、マリノスにはあった。主力を温存し制裁金を課せられたチームもあるが、それも戦い方の一つではないか。マリノスの場合“チームの熟成”という課題があるとはいえ、来週には代表の試合で日韓合わせて5人もの主力選手が、移動・練習・試合をする事になるのだから。
とはいえ、暫定順位では変わらず2位。まだまだ優勝は狙える位置だ。ここ一番に負けるとその後もずるずるいってしまう、去年までの悪い癖を出さずに、磐田戦の後のように気持ちを切り替えて、次節に挑んで欲しい。どうしても勝てなかったガンバ大阪は、前節の勝利をきっかけにはじけた様子。油断をせずに、全力で。ハードスケジュールは相手も同じなのだから。
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